VRMMOって聞いてたんすけどなんなんすかねこれ   作:なみん

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前回のあらすじ

トリセツ読まない派です


言い方って気を付けないとマジで人を傷付ける武器

 

 でもこれで戦力は強化された。後はどうやって脱獄するかなんだけど

 

 

「戦えるのは良いっすけど、やっぱこの大所帯じゃキツくないっすか? 最悪見捨てるか、この国滅ぼす位しないと無理そうっすけど」

 

 

 煮付けの疑問はもっともだ。生存率は上がったっちゃ上がったんだけどね

 

 

「そうかもしれない。でも、僕はなるべく見捨てたくないんだ」

 

 

 フィーエが歯を食いしばりながら呟く。正直俺は三人以外はどうでもいいと思ってるけど、フィーエがそう言うならその方向で考えるか

 

 

「ま、それならそれでいいっすよ。楽しそうっすからね!!」

 

「……助かる」

「とは言え、どうする? アイツの話し方的には夜まで時間がありそうだったけど」

 

 

 とは言っても、夜まで誰も来ないって訳じゃないと思うから悠長にしてられないんだけどね

 

 

「思い付いたのは一つあるんだが、正直成功するか分からない」

 

「お、話してみてよ」

 

「僕のバリアを使って、皆で塀を乗り越える」

 

「と言うと?」

 

 

 話の続きを促すと、フィーエが手を胸の前に出す。手の平を上に向けると、そこに青い球体が出現した。しかもその球体が、ぐねぐねと色んな形になりながらフィーエの周りをくるくる回り始めた

 

 

「こんな風に色んな形に変形出来て、おまけに色々動かせるらしい。皆をバリアで包んで、その後にビーム状にしたバリアで遠くに飛ばすのが良いと思う」

 

「なるほど、チートっすね」

 

 

 こりゃチートですわ。何だよビームって、バリアはどうなってんだよバリアは!!

 

 

「それでアタシ達全員で飛ぶって事っすね?」

 

「いや、二度とこんな事が出来ないよう、ここで暴れ回ろう。例え焼け石に水でも、やらないよりはいい筈だ」

 

 

 怒りをにじませたフィーエが、とんでもない事を言い始めた。あんちゃーん、力を手に入れて舞い上がってるんじゃないかい?

 

 

「それ、滅茶苦茶良いっすね!!」

 

「やってやりましょう!!」

「そうするか」

 

 

 意外にも皆乗り気なようでした。戦闘民族しかおらんここ

 となれば、俺だけが拒否ってのもアレなので同調しておく。まぁ別に嫌って訳でもないしね

 

 

「それは良いけど、あの人達はどうする?」

 

「ここを滅茶苦茶にした後、同じ手段で僕達も合流しよう」

「なるほど」

 

「それと、ついでに地図も探そう。場所が分かれば他の国がどこにあるかも分かる」

 

 

 

 作戦を決めたら後は実行するだけ。そんな時、誰かが俺の服(ぼろ布とも言う)を引っ張った

 そこに居たのは、俺と同じく金髪で赤目の少女だった

 

 

「ん? どうした?」

 

「あ、あの……」

 

 

 少女はオドオドしながら、恐る恐ると言った感じで話す

 

「お姉、ちゃん?」

 

「え、違うと思うけど。俺はセクマだよ。よろしく」

 

「!! ……そう、ですか……」

 

 

 俺の名前を聞くとあからさまに落ち込む少女。え、何? もしかしてセクマのフルネームがどれだけ酷いか察した感じ? そんな訳ないか

 

「そんなに落ち込んでどうした?」

 

「あっ、ごめんなさい……。お姉ちゃんに、そっくりだったから……っ」

 

「そうだったんだ。でも大丈夫、俺達がお姉ちゃんの所に送ってあげるからな」

 

 

 慰めるために言った一言だったが、マリアは更に落ち込んだ。なんで

 

「お姉ちゃんは、二ヶ月前に突然いなくなったんです。お父さんは死んだって言ってて、でも、帝国にいるって聞いて」

「あなたがとても似ていたから、本当に生きていたんだって、思って、それで……」

 

 

 段々と言葉に詰まっていき、ついに泣き出したマリア。

 はいダメー、地雷でした。お姉ちゃんの所に送ってあげるって発言、それワンチャン殺す宣言みたいなもんだったわ

 てかわざわざそんな事言わんでくれ。会話の流れ的に死んだなんて分かるわけないだろ!!

 

 

「ひっく、でもっ……お姉ちゃんじゃなかったから……、お姉ちゃんはっ、お姉ちゃんは死んだのかなって、思ったら、我慢出来なくて……!!」

 

 

 泣きながら謝るマリア。それ程似てたのか

 まあでも、そうか。すっかり忘れてたけどこれ、リアルだもんな。俺が姉に似すぎていて思わず希望を抱いたのかもしれない

 

 

「マリアちゃん、お姉ちゃんが死んだ所見たの?」

 

「……えっ?」

 

 

 マリアが顔を上げてこちらを見る

 

 

「見てないなら、死んでないかもしれないよ」

 

「でも、お父さん達は……」

 

「この目で見てないなら、死んだって決め付けない方が良くない?」 

 

 

 マリアの瞳が揺らいだような気がした

 

 

「決め付けるのは世界中を探し回ってからでも遅くないんじゃないかな」

 

「……生きてる、でしょうか? 」

 

「さぁ? それは分からない。でもここから逃げ出せたら本当の事が分かるでしょ。時間ないし早く脱出しよう」

 

 

 そう言うと、マリアが嗚咽し始め、ついに号泣した

 正直これ以上時間を無駄には出来ないので、希望を持たせつつ話を切り上げたかっただけなんだけど、思った以上に効果があったらしい

 

 

「さ、そろそろ逃がしてあげよう」

 

「酷すぎる言い草に泣いたのか、感動したのか、どっちなんだ……?」

 

 

 多分どっちもかもしれない

 

 

「それじゃあフィーエ、もう飛ばす?」

 

「飛ばす前に、大まかな場所を知りたい。一度この建物を吹き飛ばすぞ」

 

 

 一体どうやってやると言うのか、フィーエはキリッとした顔で言う

 

 

「吹き飛ばせる?」

 

「僕のバリアでね」

 

 

 ドヤァ……と、効果音が付きそうなほどのドヤ顔で言い放つ。こいつ実は楽しんでるな?

 

 

「ドヤ顔フィーエさんかわいいっすね」

 

「これはむしろkawaiiでしょう!!」

 

「な、は、はぁ!?」

 

 

 早速からかわれてるフィーエ。やはりツッコミといじられキャラの座は彼に相応しいな

 

 

「と、とにかく、建物を吹き飛ばして、大まかな位置を確認したら直ぐに彼女達を遠くに飛ばす!! 準備良いか!?」

 

「良いっすよ」

「余裕です!!」

 

 

 何故かドヤ顔で返事をする二人。こりゃいじってますわ

 俺も弄りたくなったので、ドヤ顔で返事する事にした

 

 

「僕もだ」

「ああっ!! もーーーーー!!」

 

 フィーエは頬を赤らめながら、辺り一帯を吹き飛ばした

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