VRMMOって聞いてたんすけどなんなんすかねこれ 作:なみん
どこもかしこもヘヴィだし、どこ行ってもろくでもない
俺と言うフェロモンの塊に引き寄せられた蛾達。……と言うのは嘘だが。真ん中のリーダーらしき男が、こちらを見つつもバルドに話しかける
「感動の再会を邪魔して悪いんだがよぉ、そろそろアンタの娘さん……ソフィアを帝国に返さなきゃならねぇなと思ってな?」
「マアテウ、お前はソフィアをなんだと思ってるのだ……?」
「あ? あー、今でも好きだぜ?」
バルドに問い掛けられたマアテウは、鼻を掻きながら面倒くさそうに返事をした
「なら何故、お前はあの時私を押さえ付けたのだ……!!」
「はぁ? そうしねえと村ごと焼き殺されてただろうが。仕方ねえだろ」
「そーそー、マアテウだって苦しんでたっての」
「ギャハハ!!」
挑発的なマアテウとその取り巻き達。バルドを見ると、怒りのあまりか、手のひらから血が出るまで拳を握り締めている。
なんか胸糞悪いな。他人事とは言え、気分はどんどん落ちていく
「ふざけているのか……? せめてお前だけでも味方でいれば、ソフィアの心は少しでも救われただろうに……!!」
「あーそりゃ悪かったなぁ。……でも、命の方が大事だろ?」
マアテウが俺に視線を向ける。何考えているのか知らんが、ムカつく目付きなのは間違いないのであまり見ないで欲しい
「ソフィアが居るとよ、命があぶねぇんだわ。だからここでとっ捕まえて、帝国に引き渡すんだよ。そうすりゃこの村も救われるし、なんなら褒賞だって出るかもしれねえんだぜ?」
「そうか、お前はそこまで堕ちたか……」
あの、凄く言い辛いんだけど、俺ソフィアじゃないんだよね。誰か訂正してくんないかな。と、俺はひたすら天にお願いをしていた
「だが残念だなマアテウ。このお方はソフィアではない。連れ戻す必要など無い」
俺の祈りが通じた!? 祈ってみるもんだな、
「嘘ついてんじゃねーよ!! 死ぬ程ヤッた女の事忘れるかよ」
は? キッモ死ね。てか、散々ヤッたのなら見間違えないで欲しい。実はそんなにヤッてない説
「オイオイ村長さんよぉ、俺が持ってるのが何かも分かんねぇのか?」
マアテウが剣を抜き、バルドに向ける
「殺したければ殺すがいい。だが彼女はソフィアではない。連れて行っても意味は無いぞ」
「はっ、そんときゃ俺が飼うまでだ。こんなイイ女は捕まえるだけ得なんだよ!!」
「マアテウ、俺も抱いていいよな?」
「俺も抱きてぇよ!!」
キモいリーダーのキモい取り巻き二人が俺を見ながら言うもんだから、俺も思わず鳥肌が立ってしまった。やっぱキモの子はキモなんだな
「これが最後だぜ村長さんよ、どいてくれねぇか?」
「客人に手を出す事は許さん!! ……うっ!!」
ドスッ
取り巻きのセカマかセカマじゃない方かは分からないが、バルドの腹を棒で突く
「なぁマアテウ、このジジィやっぱ今殺しちまうか?」
「まぁ待て、帝国の奴が来るまでの間、お前の前でソフィアを可愛がってやるよ。その後お前を殺す」
鬼畜系エ〇ゲ見たいことを言い出したなこいつ。相当変なこじらせ方してるなぁ、最近の若者は怖いよ
「ま、安心して死ねよ村長さん。ソフィアは帝国の地下でマリアと仲良くやるだろうさ」
「待て、マリアだと……!?」
待って、マリア……? 最近聞いたっていうかどタイムリーだ
バルドも驚いていた。それはそうだよね。だって行方不明って言ってたもんね
「おいおい言っちゃっていいのかよマアテウ?」
「構わねえさセカマ。どうせ知った所で助けられねえよ」
「まさか、お前達か……?」
怒りで震えて涙が止まらない様子。流石の俺もコイツらにはドン引きだよ。人の心とかないんか?
「いやぁ、『お姉ちゃんに会いたい〜』って言うから、望みを叶えてやっただけだぜ?」
「貴様ら……、貴様ら!! 魔獣のような奴らめ!!」
「ひでぇなぁ……じゃあ魔獣らしく、お前の目の前でソフィアを犯すわ」
さっきから黙って見ていたが、いい加減我慢の限界なので、持っていた剣でマアテウの剣を弾き飛ばす
パリィィン!!
技術とかは無いので力任せに振り抜いたんだが、マアテウの剣は弾かれるどころか、粉々に砕け散った。
「……え?」
「さっきから聞いてたけどさ、キモすぎないかな」
「ソフィア、てめぇ……!?」
「バルドさんも言ってたよね、俺はソフィアじゃない。そのソフィア、って人は剣を粉々に出来んの?」
何が起きたのか徐々に理解したのか、俺を見る目が心なしか怯えているように見える
どうでもいいけど、マアテウ以外の名前がわからない
「それと、俺の姿を見て興奮するセンスは良いんだけど、やらせるわけないよね? 土に穴でも掘ってそこに突っ込んでくれるかな」
センスがいいのは本当にそう思っている。俺のキャラメイクを褒めてくれたって事だからな。ただ褒め方がキモかっただけで
「正直、人を殺したくはないんだけど、今後の事を考えたら、今のうちに慣れた方が良いんじゃないかって思ってるんだよ」
「だからさ、俺の初めてになって欲しいかなって思うんだけど、どう思う?」
すっかり怯えきった様子のマアテウの顔を見ながら、俺はどうしようか考えてた。
いや、殺しても良いとは言ったけど、正面切ってはいっ殺しまーすブシャーってなると話は違ってくる気がする。
ここは脅す位にしとくか……
パァン!!
剣を振るのが速すぎたのか、ソニックブーム的な音が出た
「ひっ、ひぃぃぃ!!」
「たすけてぇぇぇ!!」
「ま、待って、待ってぇぇぇ!!」
情けない声を上げながら撤収三人組を見て、なんとダサいんだろうと心の底から思いました。まる