連射可能なタイプに改造され、口径が一回り大きくなっている。
故に反動がとんでもないが冒険者パワーと訓練によって突破。
リボルバータイプではなくオートマチックタイプ。
【ヘスティア・ファミリア】の本拠の地下の地下。
もう使われていない地下水路を改造した区画。
既に【ヘスティア・ファミリア】には所属していない私ことアームストロングではあるがベル君やリリルカ、ヘスティアにも区画を解放している。
居住用、研究スペース…貯蔵には都市外にギルドから土地を借りて地下にいろいろと用意している。
拠点として世界各地に施設は点在しているが、それは置いておく。
廃教会の地下室、そこから更に地下。
階層としては地下2階に存在する居住区画。
壁も天井も床も、白で統一したいかにも近未来的な内装の区画だ。
その一角、ホワイトボードとモニターに1つの机といくつかの椅子。
そんな感じのありふれた会議室で私とリリルカを上座に4人のサイボーグが椅子に座っている。
「旅行から帰ってきたところ申し訳ありませんが、早速会議です」
地下に伸びる施設に根を張る組織の名前は【デスペラード社】。
こう聞くと地下組織やらなにやらと悪い印象を持たれかねないがやってることは割と真っ当である。
慈善事業やら、警備やら、人材派遣やらと。
集まっているのは元闇派閥や欠損を抱えてファミリアから出た者など。
ファミリアに戻る者もいるがここに留まる者もいる。
その中でも幹部、最強格の実力をもつ者を
四人全員が全身を改造したサイボーグで元々の名前を無くした者。
名前が風を冠しているのが特徴の集団だ。
ヒューマンが2人、エルフが1人、アマゾネスが1人。
全員が元
「仕事かい?」
帰ってきてすぐのため、全員が通常作戦用の義体。
その上にスーツを着込んでいる。
そのうちのヒューマン、黒髪でハンサムな顔…スーツを着込むとイケオジ度合いが跳ね上がる。
いつものパワードスーツ姿もいいがこの姿も良いものである。
そんな彼は【ミヌアーノ】と呼ばれている。
ミヌアーノはリリルカを見て、何かワクワクしているような感じだ。
久々の仕事、テンションをあげるのも無理はないだろう。
ほかの3人も無言ながらしっかりモニターを見つめている。
「外からの依頼ではありません。こちらで勝手に動くだけです」
「…勝手に?珍しいわね」
「その方がいいという判断です」
「へえ?」
次に反応したのはアマゾネス。
スーツは少しはだけ、胸の部分だけシャツが見えている。
胸を強調するように腕組みして座っている。
リリルカの言葉に興味を強く抱いているようだ。
彼女の名は【ミストラル】である。
「
「そうです。今回は【ガネーシャ・ファミリア】から警備の依頼はありませんが、そこでお願いがあります」
「我々のみで警備しろと」
「そうなりますね」
「その必要性は?なぜ我々のみで」
「別にそんなのいいでしょ。私たちは依頼されたらことだけやれば…」
「うるさいですよミストラル。二人が必要と判断したのなら理由があるのでしょう。知っておいた方が柔軟に対応できる」
「えー、めんどくさ。エルフさんは大変ねぇ」
「あなたが大雑把すぎるんです。指揮官でしょうあなた」
「それでもやれるんですー」
ミストラルとじゃれているのは【サンダウナー】。
金の長髪のぺったんこエルフ……ベル君の性癖歪ませた原因だ。
例によってスーツがすごく似合っている。
参考元のサンダウナーよろしくすごく脳筋。
でも頭はいいので考えるのめんどくさくなるタイプなのだろう。
「じゃれないでください。理由でしたね…あなた達の元鞘がまた暴れそうなんですよ」
「……マジなの?」
「マジです。アームストロング様が深層まで探索に行ったのですが、その時に色々見つけましてね。それが理由です。モニターをどうぞ」
50階層に拠点を建てて探索していた成果がモニターに表示される。
個体差はあるがデカいことは変わらない【
いずれも分かっていることは精霊由来であることくらいだ。
「…関連性は何も無いように思えるが」
先程まで無言だった彼は【モンスーン】。
仮面と黒コートが特徴の彼は今は仮面とスーツである。
そのため私以外は誰も彼の素顔を知らない。
というか便宜上彼と呼んでいるが実際は、うん、そういう感じである。
まあ黒髪ロングのダウナー系な仮面の人はすごくミステリアスでいいと思います。
「59階層の環境が激変していた。氷の階層だったはずが今は植物パーティだ。これは確実にこの正体不明の蕾が原因だろう」
「それがどうしたんだ?」
「蟲がこれに自らの魔石を献上している。魔力を集めているのだろうな。だから覚醒も近いだろう。これは【ロキ・ファミリア】に任せておけばいい」
「…それが?」
「うむ。ここからだ。この周辺に何某かがいた形跡があった。どの派閥もこの階層まで来ていた報告はない。来れそうなヤツらはココ最近ダンジョンに潜っていない」
「だから【
「そこでこいつらだ。極彩色の魔石を持つモンスター。精霊由来だということはわかっているがそれ以外は全く。調べてはいるがほとんどだ。普通の魔石と同じく心臓の役割を果たすことくらいだな。あとは身体を少し改造すれば人間にもに適応できるくらいか…。これは実際に実験してみないと分からん」
「つまりモンスター化した人間が戦力だと?」
「または精霊と闇派閥が結託したか。仮説に過ぎんが最近だと【
「とのことです。どうですか?モンスーン」
「理解した。信じがたいが、備えあれば憂いなしとも言う」
「他の3人は?」
「お祭り楽しみながらでもいいのよね?」
「ええ。仕事では無いので」
「ダイダロス通りもですか?」
「まあ、そこもですね」
「「「やる」」」
「ありがとうございます」
「感謝する。当日俺は闘技場で機器の点検、リリルカはヘスティアやベルと祭りを巡る。基本連絡は取れないと思ってくれ」
「りょーかい。ベル君来てるのね?」
「アルフィアは元気か?」
「お元気でした。今では病も完全に克服されてましたよ」
「…タフだな。ベルは【アストレア・ファミリア】で修行中だ。会いに行きたければ会いに行くといい」
「分かった。だが、その前に話し合いだな。二人は仕事してろ」
「あとはこっちでやれる」
「そこは信頼してますよ」
「ああ。報告はしろよ」
当たり前だ、と4人から渋い顔をされる。
こいつらとももう10年の付き合いとなるだろう。
信頼はもう既に深いものとなっている。
だから問題はきっとない。
「あの人達は苦手です」
「闇派閥だったからか?」
「それもありますが…どうでもいいことです。納得してくれれば従ってくれますし、何よりあなたに信仰に似たものを抱いている」
「…」
「彼らは殺しに抵抗はない。私もそうですが…彼らは何か違う気がします。あなたともね」
「それこそどうでもいいことだ。お前と同じくらいの付き合いになるからな」
「私ももう10年ですか。長いですね」
「ああ。全ての転機は暗黒期だったな。お前が抱いてるそれはそれ故だろう」
リリルカも敵であれば簡単に殺せる。
だがしかし、基本的な武装は麻酔銃だ。
可能不可能は即座に判断するのがリリルカだ。
それは彼らも同じ。
しかし、一切の躊躇いなく作業のように。
彼らの殲滅は本当にすぐに終わる。
私よりも、リリルカよりも、数段早く。
【27階層の悪夢】も彼らと共に救出に当たっていれば、と考えなくもないが考えるべきではない。
今回はこんな感じ。
次は怪物祭になるかと思いますが……まあうん。
何がどうなるかは全くの予定外です。
よろしくお願いします。