前話の後書きに突っ込むつもりだったんですが、予想以上に長くなったので分割しました。
なのでこの話だけ台本形式です。
○ 信用が早かった理由
AFMM同盟使者「あの採掘機械どもは○ソ!!」
地球連邦大使団「分かる」
AFMM同盟使者「…」
地球連邦大使団「…」
ガシッ(固い握手)
AFMM同盟との会談時の一幕。
同盟から来た使者の一人が叫んだその言葉に込められた情念はその場にいた全員に
”あ、これ心の底から言ってるわ”
と確信させるものであり、この時点で連邦側からある程度の信用を得ることに成功していた。
その後も同盟側は地球に対し紳士的な姿勢を崩さず、地球側もそれを受けて態度を軟化、旧式化していたとはいえゲシュペンストMkーⅡの売買が行われるほどに信頼関係を構築することに成功した。
○ 文明人と野蛮人
地球連邦「正直な話、”こんな軍事に傾倒した野蛮な連中は危険だ、崇高な文明人たる我々が支配・管理する!”とか言って侵略しに来たんじゃないかと疑ってました」
AFMM同盟「そんなことする方が野蛮じゃないですか。文明人を名乗るならまず話し合いでの解決を模索しないと。力で解決するのは本当にどうしようもなくなってからですよ。
…○ソ採掘機械のような例外はありますが。ええ、あいつらは見敵必殺、見つけた瞬間に駆除しなくては」(殺気を漏らしながら)
地球連邦「そ、そうですね」(目逸らし)
地球連邦がAFMM同盟に加入した後の一幕。
ワープ技術が普及しているこの宇宙では常に互いが互いの首にナイフを突きつけ合っているのに等しく、それ故誰かが暴発すれば横殴りが横殴りを呼び連鎖的に宇宙大戦が勃発する危険性を常にはらんでいた。
それ故宣戦布告は地球における核ミサイル並の扱いであり、大抵のいざこざは話し合いによる妥協点を見出すことで解決される。
また文明ランクの低い星は”発展途上の存在として大切に見守るもの”というのが宇宙における共通認識であり、そういった星に居丈高にふるまうことは”品性のない振舞い”として唾棄される行為である(どこぞの白目ハゲ監察官のような二言目には野蛮人が飛び出すような奴は論外、どれだけ能力があろうと出世が見込めないほどに周りから疎まれる)。
これは単一の文明だけではいずれ発展に限界が生じ滅びるという経験則から、多種多様な文明が関わり合うことでお互いに刺激を得て長く発展していくためである。宇宙評議会が低ランクの文明への干渉を禁止している理由の一つでもある。
○ ドン引き
錬鉄戦隊「○ねェッ!!」(惑星破壊級戦力のピンポイント集中投入)
BETA「ギャアアアアアアア!?」
アンサラウム「」
AFMM同盟「上には上がいるなぁ…」
アンサラウム星系奪還時の一幕。
地球側からトロニウムの情報を提供されたAFMM同盟は即座にアンサラウム星系奪還に動き、各方面から予備戦力を引き抜くことで何とか攻略部隊を捻出した。
これに地球連邦から錬鉄戦隊、アンサラウム側からも新型(プロミネンスで選定する予定が大幅に前倒しされたため、急遽Fー15にパッチアーマーを装備してでっち上げた)を受領した部隊が合流。
当初準備だけで数年はかかると予想されていたアンサラウム星系奪還作戦が、AFMM同盟との接触からわずか数ヵ月で開始された。
基本は主力を務めるAFMM同盟の戦術に沿って進行。最初に行われたオリジナルハイヴ攻略戦においては地球側の予測が的中しトロニウムを搭載した新種の超巨大BETA(セプタギンにそっくりだった)が現れたものの、即座に反応した錬鉄戦隊によって瞬く間に討伐された。幸いにもその1体しか確認されず、星系奪還は比較的短期間で成功した。
なお、錬鉄戦隊のトロニウム搭載型を含むBETAへのあまりの容赦のなさと狂暴性にアンサラウム側は恐怖し、AFMM同盟は頼もしさを感じたという。
○ 押し付け合い
アンサラウム「持っててもロクなことにならんから要らないです」
AFMM同盟「エネルギー源としてはすごそうだけど扱いが難しいのはちょっと…」
地球連邦「だからってこっちに押し付けないでもらえます?」
攻略戦後、トロニウムの扱いについての話し合いの一幕。
アンサラウム側にとっては馬鹿な連中の無用な野心を呼び起こしかねず、また扱いに失敗すると星系丸ごと消し飛びかねない特級呪物の権利など邪魔でしかなく。
AFMM同盟からするとエネルギー源としては確かに破格のパワーを持つが、もっと安全で効率のいいエネルギー源の選択肢がいくつもあるので手を出す理由がない。
しかし爆弾などに利用されるとシャレにならない被害が出かねないので、誰かが管理する必要があり。
ある程度扱いを心得ている地球連邦がこれらの管理の一切を受け持つこととなった。
ただし、トロニウムエンジンを製造できる唯一の人間である九郎はこれ以上のエンジンの製造に反対しており、トロニウムエンジン搭載機は研究が進められている現在も増えていない。
○ 善いも悪いも使う者次第
AFMM同盟「あの凄乃皇・終式って機体に積んでるサイコブラスターって武装いいですね!量産してもらえませんか!?」
地球連邦「開発者が”絶対2基目は作らない”って言ってるので無理です。どうしても悪用法が頭をちらつくんだとか」
AFMM同盟「あー、それならしょうがないか…。惜しいなぁ…」
アンサラウム星系奪還後の一幕。
敵味方を識別し敵だけを攻撃する兵器はAFMM同盟にもあるが、サイコブラスターほど効果範囲が広く乱戦状態でも正確に敵だけを攻撃できる兵器はなく、当然欲しがった。
しかし九郎はサイコブラスターに関する特許の一切を公開しておらず(マッドたちにすら公開していない)、また地球連邦から生産を求められた際も”これは俺が墓まで持っていく”と明言している。
九郎にとってはサイコブラスターの利便性と同じぐらい危険性も認識しており、宇宙情勢も考えるとこの技術が宇宙大戦の引き金となりかねないと判断したためである。
○ 金持ち喧嘩せず
地球連邦議員1「ゲシュペンストMk-Ⅱの売買、AFMM同盟との間ですんごい大口契約決まったけど、とてもじゃないがうちだけで何とかなる数じゃないぞこれ」
地球連邦議員2「幸いMkーⅢとの共有パーツが多いのである程度はそちらの生産ラインを転用可能ですが、さすがに10億機というのは…」
地球連邦議員3「ゾイドシリーズの方はもっと酷いぞ、こんな数の製品を生産したことある企業・国なんて地球にはないんじゃないか?」
地球連邦議員4「財務部の目算では、どんなに生産ライン増設しても10億機の生産が終わるのは軽く100年は先だそうだ。ゾイドシリーズに至っては1000年かかっても終わらないんじゃないか?」
地球連邦議員1「同盟側も分かっているのか、今は納入期限を切られていないが。しかしあまり時間をかけすぎるのもなぁ」
地球連邦議員3「それにこれだけの大仕事となると動くお金も相当なものになります。このままうちだけで仕事を完結させると、同じように軍事で食ってる他星系の国や星間企業から疎まれる可能性も…」
地球連邦議員2「そうはいっても、信用できる相手か否かを判断する基準すら我々には分からんのだぞ。良くない連中にゲシュペンストが渡るのはできるかぎり避けたい。ゲシュペンストがAK-47の二の舞になるのを、稲郷博士は望まないだろう」
地球連邦議員4「しかしどうすれば…」
???「お困りのようですな!」
地球連邦議員「「「「む、何奴!?」」」」
クライクンル「我々は商人連合、クライクンル!お客さんも私らもハッピーになれるいい話、ありまっせー?」
地球連邦議員((((う、胡散くせえ…))))
AFMM同盟からの発注を受けた直後の一幕。
宇宙中の流通を牛耳ると言われる商人連合クライクンルは、地球側の規則に合わせて正規の手順でライセンスを獲得、重要パーツ以外のゲシュペンストやゾイドシリーズの部品生産を地球連邦から請け負うことに成功した。
また彼らは地球連邦とAFMM同盟の契約を良く思っていない軍事関係で食っている星間国家や企業にも声をかけ、製造の子請け、孫請けにより彼らの雇用を確保。地球への敵愾心を和らげるなど、最初に言ったとおり誰も損をしない体制を作り上げた。
…ちなみに、クライクンルの取扱品に手を出すのは宇宙中の人間にとってタブーである。
密造や違法コピー、転売など違法な方法で儲けた場合、正規品を真っ当な方法で取り扱っているクライクンル側が損をするので、あらゆる方法を以て違法行為を行った・そういった物品を取り扱った連中を消しにかかるため、それをやって生き延びた連中が皆無だからである。
しかし、その割には市場を独占していることへの不満は少ない。
これは初代クライクンル会長の”正道こそが長く儲ける唯一のコツ”という言葉のもと、品質の良いものを真っ当な値段で売買する堅実な商売を代々続けている事による信頼があるからである。
○ 戦場の数少ない娯楽だもの
地球連邦「あ、これ試供品です」(カップ麺やレトルト食品、戦闘糧食に合成食料など)
AFMM同盟「地球の保存食?これはわざわざどうも」
地球連邦(兵器ばかり輸出していてはいざそれが要らなくなった時貿易が行き詰ってしまう。今のうちに他の方面でも何か使えるタマがないか探しておかねば)
AFMM同盟(うーむ、どれもこれもこちらの保存食と比べると保存可能な期間が短いな。まあ物は試しだ、現場に投げて評価を聞いてみるか)
~数日後~
AFMM同盟「現場の連中が”地球のメシを食わせろ!!”と騒いでおりまして。取り急ぎ100億食ほど用意できませんか?」
クライクンル「あ、こっちでも注文殺到しておりまして。できれば1000億食ほど融通していただけないかと」
地球連邦「」
地球連邦が宇宙勢力との付き合い方を探っていたころに起きた一幕。
AFMM同盟ほど広範囲で活動する組織にとって、食料の調達というのは存外馬鹿にならない負担である。
天然食材は保存・品質保持に手間がかかるため輸送コストも高く、近隣に提供できる星がなければ、兵士に提供される食事はもっぱら合成食料や保存食の類であった。
が、以前から食事の質に関しては不満の声が上がっていた。
この世界ではワープ航法が普及しているとはいえ、一度漂流すれば数十年漂流することもあり得る宇宙では保存食の消費期限もそれに準拠しており、最低でも100年はないと保存食・非常食とは認められない。
しかしそれだけの期間保存できるようにするため、また少量でも満腹になり十分なエネルギーが得られるよう満腹中枢に作用する薬剤や、高密度に練りこまれたカロリーなど添加物も大量に入っているゆえに様々なものが犠牲となっており、特に味は”そこら辺の雑草の方がマシ”などと言われるほどひどいものが多かった。
これは合成食料も同様で、しかしコストを考えれば全軍に天然食材を食わせるというのはAFMM同盟といえども無理な話であった。
そこにあって地球製の保存食・合成食料は消費期限こそ短いものの味はとても良く。また天然食材と比べてある程度雑に扱っても問題ない。
特に合成食料はBETA大戦中から味の改善が進められており、横浜のとある食堂の女将が監修したサバの味噌煮は”言われなければ天然物と区別がつかない”と味の改善に関わった美食家を唸らせるほどの完成度を誇る。
AFMM同盟に試供品が提供された際、当初こそ見知らぬ食品に現場の者たちは戸惑ったものの、勇気あるものが一口食べた瞬間にその戸惑いは宇宙の彼方に吹っ飛んだ。試供品は一日も持たずに消え去り、”次の入荷はいつだ!!”と現場からは矢のような催促が上層部に届きまくった。
クライクンルに提供されたものも同様の状況で、特に保存食を食べる機会の多い船乗りたちからの入荷嘆願はクライクンルをしてちょっと見たことがない勢いだったという。
どれか一つでも当たれば儲けもの、などとのんきに考えていた地球側は慌てて売りに出せる具体的な量を検討する羽目になった。
しかし復興途中である地球では保存食どころか合成食であろうと貴重な食糧であり、貿易に出せる量は微々たるものであった。
結果として地球食はプレミア化し、クライクンルでは希望者多数によりやむなく競りにかけられたカップ麺が地球の売買価格の1億倍で落札されるなどという騒ぎに発展。
地球の食料品メーカーがクライクンルと契約して宇宙規模の地球式合成食料生産体制・運送ネットワークを確立するまでこの騒ぎは続くこととなる。
○ 足りないもの
マッド1「魚だ!」
マッド2「いーや、両生類だ!」
香月「うるさいわね、いったい何の騒ぎ?」
マッド3「あ、所長。この間AFMM同盟から受けた依頼の件で意見が真っ二つに割れてまして」
香月「依頼…ああ、水中用のゾイドシリーズの開発ね」
マッド3「浅瀬や上陸作戦にも対応できるよう足のある両生類型か、完全な水中専用の魚型かで意見が割れてまとまらないんですよ」
マッド1「水中を巡航すんのに足なんて邪魔以外の何物でもないだろ!水中抵抗も大きくて航続距離や速度にモロに影響出んだぞ!?」
マッド2「泳がねぇBETAとの主戦場は海底か浅瀬みたいな足場のある場所だぞ!?足があった方が戦闘には有利だろ!」
マッド3「どっちも一長一短で決め切れないんですよね」
マッド1「ええいラチが明かねぇ、こうなりゃボスに決めてもらおうじゃねえか!」
マッド2「おお、望むところだ!」
香月「ボスって…もしかしてあたし?しょうがないわね、じゃあ…」
マッド1・マッド2「「ボス、お願いします!!」」
九郎「ドーモ、引退したはずのロートルです」
香月「なんでここにいるのよ!?研究所には出入り禁止のはずでしょ!!」
九郎「家の縁側で茶ァしばいてたらいきなりこいつらにとっ捕まって連れてこられた。文句はこいつらに言ってくれ」
マッド1「そんなことよりボス、やっぱり魚型ですよね!?」
マッド2「いーや、両生類型の方がいいに決まってる!!」
九郎「いや、決める必要ないだろ」
マッド1・マッド2「「へ?」」
九郎「本体は魚型で作って、アタッチメント式の足を取り付ければいい話だ。主戦場が水中なら陸戦用ほどの頑丈さは必要ないし、足が必要ない星や地域では外せばいい。違いは足だけだから量産性への影響も大して出ないだろ」
マッド1・マッド2「「そ の 手 が あ っ た か」」
○ ZDMー01 ウオディック
シリーズ初の水中用ゾイド。
水中での戦闘を主目的として開発されており、最大1万2000メートルまで潜水可能。また航続距離も長大で、ゾイドコアが停止していても太平洋を往復できるほどの航続距離と稼働時間を持つ。
基本的には魚型だがオプションとして足が存在しており、これを取り付けることで4つ足の両生類に近い形となり浅瀬や短時間の陸上戦闘にも対応できる。
兵装は本体左右に取り付けられた大型のフォノンメーザー砲、背中の多目的VLSなど。
また口腔内に水中衝撃波を撃ち出す兵器”アクアプレッシャー”を搭載。
他の武装よりも広範囲を攻撃できるが、味方も巻き込みかねないため使いどころの難しい兵器でもある。
海洋型惑星の制圧や守備に難儀していたAFMM同盟からの要請を受けて開発され、これらの星に大量投入された。
○ 誰にだって限界はある
AFMM同盟「どうしてもだめですか!?」
地球連邦「無理です」
AFMM同盟「金も資材もこちらで用意します!!だから…
次は今回出荷する機数の1万倍の数のゾイドシリーズを納入してほしいんです!!」
地球連邦「宇宙規模のブロック工法で重要パーツしか作ってないとはいえ、今ですら現場はデスマーチ一歩手前なんです。
これ以上は死人が出かねないので勘弁してください」
ゾイドシリーズ納入の際に”毎回”行われる一幕。
知的生命体同士の戦争がタブーに近いこの世界の宇宙において、例外的に軍事行動をほぼ無制限で許可されているAFMM同盟であるが、完全に無制限ではなくその活動にはいくつかの制限が存在していた。
もっとも大きな制限は天体への過剰な攻撃の禁止であり、惑星の破壊は当然として、天体の質量が大幅に減じるような強力な兵器の使用は許可されていない(隕石爆撃などはかなりブラックに近いグレーゾーンなため、AFMM同盟では基本行われない)。
これは天体運動への影響を抑えるためであり(天体運航は奇跡的なバランスで保たれている場合も多く、下手に干渉すると玉突き事故でその星系のみならず周辺星系にすら影響が出かねない)、同時にBETAへの敵愾心が強すぎるAFMM同盟の暴走を防止するためでもある。
またハビタブルゾーンにある惑星は宇宙全体で見てもやはり貴重で、そういった星を後々テラフォーミングして住めるようにするためにも、天体への過剰な攻撃は控える必要があった。
結果としてAFMM同盟の基本戦略は
1,最初にオリジナル、その後大きなものからハイヴを(中枢にいる重頭脳級、頭脳級ごと)地中貫徹系の兵器で破砕。
破砕しきれない場合は精鋭部隊による直接破壊を行う(その星に知性を持たずとも生命体がいる場合も、影響を最小限に抑えるためこちらが選ばれる)。
2,宙対地爆撃で地表にいるBETAを大雑把に掃討。
3,陸戦隊、機動兵器部隊を投入。極点から同心円状に戦力を展開し、反対側の極点まで移動しながらクリアニング。丁寧にBETAを駆除していく。
となる。
しかし手順2の爆撃は範囲の広さから大雑把になりがちで、手順3で投入された陸戦隊や機動兵器部隊が万を超えるBETAと遭遇、あるいは地中からの奇襲を受けて損害を被ることも少なくなかった。
そこに現れたのがゾイドシリーズである。
無人機なので人的被害を考慮する必要がなく、また優秀で融通の利くAIのおかげで極めて柔軟な運用が可能。
しかもBETAを駆除した後はそのままその星の守備とテラフォーミングに従事するため、守備隊の編成どころか回収の手間すらない。
連絡や監視のためにいくらかの人員は残すものの、それまでに比べればはるかに少ない人員で守備隊を編成、スピーディーに次の○ソ採掘機械を駆除しにいけるとあって、AFMM同盟はゾイドシリーズの確保に年間予算の4割(当然ながら星間同盟の予算なので、例え1割でも地球連邦の年間予算の数万倍はある)を突っ込むという暴挙に出た。
しかし地球側にも生産能力の都合上納入できる数には限界があり、最近の同盟の幹部会では毎回ゾイドシリーズの配分に関する話し合いで時間の半分が消費されるとか。
○ 評価は人それぞれ
AFMM同盟幹部1「ゲシュペンストやゾイドシリーズもすごいが、このスコープドッグというのもすごいな」
AFMM同盟幹部2「あえて性能を抑えることで操縦に必要な適性値を下げ、乗れる人間を増やすとは。その発想はなかったな」
AFMM同盟幹部3「うちに志願したはいいが、適性が足りなくて前線に出せない者も多かったですからな。逆に機動兵器のパイロットは常に不足していましたし、これも売ってもらえないか交渉してみますか」
AFMM同盟幹部1「しかし小型であるゆえに航続距離が足りないのはネックだな」
AFMM同盟幹部3「我々が想定している惑星の端から端までを単独で移動することは、地球ではまずないそうですからね」
AFMM同盟幹部2「そんな距離を移動するならもっと大型で大量に運べる移送手段を利用する、と言われればその通りだからな。しかし我々の戦略上、そのくらいの距離を移動できるのが望ましい。地球側に改良を依頼するべきか…?」
AFMM同盟幹部3「しかし小型である以上、積載量には限界があるでしょう。これ以上の航続距離強化は難しいのでは?」
AFMM同盟幹部1「…そういえば、試作で終わった兵器の中にちょうどよさそうなものなかったか?」
AFMM同盟幹部3「参考用にもらったカタログですか?地球側の戦略と嚙み合わなくて試作で終わってしまった兵器が載っている?」
AFMM同盟幹部1「あれの中に陸戦用でかなり火力と機動性の高い奴があっただろう。ランド、リオンだったか?あれをスコープドッグにとっての装甲車に見立てた運用とかどうだ?」
AFMM同盟内の幹部会における一幕。
ゾイドシリーズの投入によって陸戦隊や機動兵器部隊の必要性は減じたものの、やはり最後は人の手で確認する必要があるため、ある程度の有人部隊が掃討が進んだ段階で投入されていた。
しかし人型機動兵器を動かせる人材というのはAFMM同盟であっても貴重であり、こういった作業はもっぱら陸戦隊の仕事であった。
そして彼らの擁する装備では人型機動兵器ほどの地形踏破性がなく、用途の異なる車両が足並みをそろえて移動するが故の足の遅さなどが以前から問題視されていた。
そこにあって歩兵でも操縦でき、極めて汎用性の高いスコープドッグは陸戦隊が喉から手が出るほど欲しがったものの、惑星の端から端まで移動できるほどの航続距離はスコープドッグにはなく、スコープドッグそのものの改良か運用の工夫が求められていた。
AFMM同盟は地球連邦の試作で終わったランドリオンに目を付け、これを改修してスコープドッグ用の装甲車とし、陸戦隊の機動性を上げることに成功した。
○ F/Aー19L ランドリオン
ガーリオンの簡易量産試作型、その陸戦仕様機。
第3世代機としては比較的コストが安い戦術機であったガーリオンだが、それでも第2世代機と比べれば相当に高価であることは間違いなく、米軍が必要とする数の調達には莫大な予算がかかることが確実視されていた。
その予算を少しでも圧縮するべくハイローミックスのローを担う機体の開発計画が持ち上がり、その一環として試作されたバリエーションの一つである。
武装は腕にそれぞれ120ミリレールガンと36ミリモーターガトリング、背面の多目的VLSなど。AFMM同盟への輸出仕様は継戦能力強化のためビームガトリングを装備している。
空戦能力をあえて排除することで機体構造の単純化や軽量化がされており、陸戦兵器としては破格の機動性を持つ。
計画自体はフレームや動力部など基礎部分を共有し、主戦場とする環境に合わせたパーツを組み込むことで1機種で戦術機や戦車、潜水艦などの代替とするという野心的なものだったが。
しかしランドリオンを戦術機としてみた場合は空戦能力がないので展開力で劣り。
逆に本命である戦車としては極めて高価で(戦術機としては安いが、戦車と価格で戦えるほどではない)、汎用型陸戦兵器としてはコスト・生産性・操縦のしやすさでスコープドッグに遠く及ばず。
機動力が高く大型であるゆえの利点があれど被弾面積も大きく、それでありながら基本フレームが空戦用であるため陸戦兵器としては比較的脆いなど、戦車の代替でありながら運用面での相違点が多いことも問題視され。
さらに同じ陸軍用の機体でも飛行可能でそこそこ堅く火力もあるバレリオンなどと比べれば中途半端さは否めなかった。
対BETA地球戦線の終結と地球連邦軍の設立により計画そのものが中止された(計画のフラッグシップが空戦型であったため、大統領や議会から”狙いが露骨すぎる”と糾弾された)こともあり、採用は見送られることとなる。
しかしAFMM同盟においては小回りの利くスコープドッグ用の装甲車という使い方を見出され、その方向で改修された機体のテスト結果も良好。同盟からの要請で相当数が量産された。
OG登場のオリジナルとの違いは複座であることと4本の足に展開式の取っ手と足場が追加されていることである。ここにスコープドッグを乗せることで1機につき4機のスコープドッグを高速輸送できる。
また複座であるのは操縦担当の他に砲手兼部隊指揮官を乗せるためである。
戦場においてはランドリオン1機とスコープドッグ4機で1分隊を編成。陸戦隊はそれまでとは比べ物にならない展開能力を得ることとなった。
土井中の想定として。
AFMM同盟から見ると、地球人はAK-47(ゲシュペンスト)とドローン(ゾイド)で武装した原始人です。
自分たちはレールガンやレーザーガンを用意できますが、防弾装備もつけてない生身の兵隊(BETA)にそれらを使うのは非効率だし、そもそも調達価格・ランニングコストが高くて必要数が揃えられない、という話で困っていました。
そんな時に地球とそこに住む原始人を見つけ、彼らが持つ武器を見て思わず”それどこで売ってるの!?”と迫った、という感じになります。
幸いにもその原始人は話が通じて、対価を払えばそれらを売ってくれます。しかも買ってみればその性能は高く、AKー47で例えると粗製乱造品の値段で買ったら性能は純正品そのもの。
ドローンも自分たちが使ってるラジコンと比べればはるかに性能がよく、気になって他のも買ってみればそちらも優秀、しかも彼らからすれば安く調達できる。
…そりゃあ飛びつくというもので、地球連邦が想定するよりもAFMM同盟における地球の重要度は高いです。
ちなみに他の機体を同じように対人火器で例えると、ゲシュペンストMk-ⅢやガーリオンⅡ、エルシュナイデは最新アサルトライフル、ヒュッケバインMk-Ⅲはレールガンやレーザーガン相当、DGGシリーズは重機関砲・対戦車ロケットクラスで、凄乃皇・終式(TTD起動時)はAC-130(ガンシップ)です。
…最後だけぶっ飛んでるな。
次話は明日投稿予定です。