MUV-LUV大戦   作:土井中32

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深夜テンションで書き上げたので百パーセントギャグです。

一話目だけは完全にIFですが。



閑話四 短編集

 

〇彼がテロに走った理由(IF)

 

油断していたのだろうか。

原作を乗り越えたのだから、もうそうなる可能性はないと思い込んでいたのかもしれない。

それでも、一緒に戦った仲間として彼を信じていた。

 

今俺は、一人のテロリストと一対一(サシ)で対峙している。

移動中に襲撃を受け、巧みな誘導と陽動で護衛を引きはがされ、今俺を守るものは誰もいない。

 

チェックをかけられた俺の前に現れたのは、出来ればこんな形で会いたくない相手だった。こうならないよう、記憶喪失のふりまでして東ドイツであれこれやったというのに。

 

「一応聞いてやるが。どういう身分でここにいる?」

「聞かなくても分かるだろう。一端の主義主張を持つテロリストとしてだよ」

 

赤い髪のかつて共に戦った男は、俺が最も返してほしくない答えを返した。

 

 

「…なんでそこまで堕ちた?テオドール・エーベルバッハ…!」

「お前がそれを聞くのか?原因の一端はお前にあるっていうのに…!」

 

 

苦々しげな顔で言われても、正直ピンとこない。

 

「悪いが心当たりがありすぎてどれだか分からん。教えてくれなきゃ懺悔もできんな」

「じゃあ教えてやる…!」

 

怒りと憎悪の滾った眼で俺を睨みながら、エーベルバッハは叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「てめえが精力剤なんか提供したからだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

数秒、頭がフリーズした。

 

「お前にわかるか!?毎日毎日薬盛られてカラっカラになるまで搾り取られる俺の気持ちが!?こっちが干からびてミイラになりかけても薬と水を無理やり飲ませてまた搾り取るんだぞ!?泣き叫ぼうが抵抗しようがお構いなしだ!あいつら偉い連中まで味方につけてるからだれも助けてくれねえし!!ヴァルター中尉はシルヴィアとイチャイチャしっぱなしでこっちなんか欠片も眼中にないし!!!あのままじゃほんとに腹上死しかねなかったんだよ!!!!

だから俺は決めたんだ!キリスト教に則り、愛し合う相手は一人までということを世界中に徹底させてやるんだってな!!」

 

…………………。

 

「てめぇには俺たちの主張を広めるため洗脳装置の開発を」

「あ、ベルンハルトだ」

「ヒィ!?」

「隙あり」

 

恐怖に染まった顔で俺が声をかけたほうを向いたエーベルバッハを拾った鉄パイプでぶん殴る。

伸びた馬鹿をそこら辺にあったワイヤーでぐるぐる巻きにしてる間にはぐれた護衛が合流してきたので、俺は一つ仕事を頼んだ。

 

 

 

「電話持ってきてくれる?国際電話かけられるやつ」

 

 

 

後日、彼女たちに囲まれながら〇ヘ顔ダブルピースを決める馬鹿の写真が送られてきた。

いらねぇよこんな写真(もん)

 

 

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〇お祝い

 

帝都城、将軍執務室。

征夷大将軍斎御司宗盛の呼びかけで集まったそうそうたる顔ぶれ、しかしその顔は一様に厳しいものだった。

 

「皆、よく集まってくれた」

 

将軍の言葉で会議が始まる。

今回の議題はただ一つ。

 

「稲郷九郎の元服祝いにふさわしいものが何か、意見を聞かせてもらう」

 

元服。

かつて武士は15歳で一人前とされ、大人として扱われた。

今では20歳で成人とされているが、武家では元服を祝う風習が今でも残っている。

 

九郎は正確には武家の人間ではないが、書類上は五摂家である斎御司の人間である。

ゆえに仕事ばかりでまともに休もうとしない九郎を強制的に休ませるという意味でも、城内省を巻き込んで元服祝いの準備が進められていた。

何せ主治医曰く

 

「今すぐドクターストップかけて病院のベッドに縛り付けてカウンセラーをダースで付けたい」

 

などと真顔で言うくらいにはひどい状態だったのだ。

将軍以下偉い連中も日に日に目の下のクマを濃くさせていく彼を病院に放り込みたかったが、代われる人間がいないという事実がその邪魔をしていた。

一条美沙と婚約させたおかげで改善しつつあるが、それでも仕事中毒が抜けきっていない彼を少しでも労わるべく、かなり盛大な催しを行う予定だった。

 

だが、当日は美沙が九郎を(強制的に)連れてくる手はずになっていたが、もっとも重要なものが未だに決まっていなかった。

 

「殿下。そうは言いますがあれが欲する物などそうそうありませんぞ」

「かといって余計な物を渡して印象を悪くするのも不味いしなぁ…」

 

元服祝いに渡す贈り物。

大抵の武家であれば日本刀などが定番だが、技術者であり戦闘技術はからっきしな九郎には無用の長物である。

ただでさえ人間不信気味な九郎に要らないものを押し付けるなど、心証を悪くするだけだ。

かといって子供らしくないゆえにおもちゃの類は候補から外れ。

休ませたいのに貴重な鉱物などを渡せば研究にまい進するのも目に見えており。

ああでもないこうでもないと既に3回も会議が行われているにもかかわらず、選ぶ方向性すら決めることができていなかった。

 

「殿下、いっそのこと本人に確認してしまうべきでは?」

「確かに。このまま無為に時間を使い、結局要らぬものを押し付けるよりはましだ」

「…実は一条に確認してもらっている」

 

その言葉に全員が将軍を見る。

ならこんな会議必要なかったのでは、と全員が思ったからだ。

もっとも、内容を聞いた瞬間全員が頭を抱えたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「世界平和だそうだ」

 

無茶言うな。

 

「それをポンと用意できるなら人類はとっくにBETAに勝っている…!」

「冗談としか思えんが、ほぼ本気だろうな…」

 

自分たちだって求めてやまないものだが、そんな短期間で用意できるなら既に成し遂げられている。

聞く前より頭痛が酷くなってしまった。

誰もが困り果てたその時、一人が手を挙げた。

 

「なにか妙案があるのか、鎧衣?」

「ええ。一つ思いつきましたので」

 

語られた内容に誰もが困惑したが、他に具体的な案もなく、その案で行くことに決まった。

 

-----------------------------

 

元服祝い当日。

主賓席には(無理やり連れてこられた挙句椅子に縛り付けられた)九郎の姿があった。

その顔はあきらめ顔で、もう何でもいいから早く終わってくれ、と思っているのが丸分かりだった。

 

「九郎様、口をお開けください」

「拘束解いてくれれば自分で食うんだけどな…!」

「解いた瞬間適当な理由をつけて逃げるつもりなのでしょう?」

 

苦虫を噛み潰した顔だが大人しく世話になる九郎とかいがいしく世話を焼く美沙を見て、ブラックのコーヒーを頼む者やすごい形相で睨む者もいるが、前者は飲んだコーヒーがほんとにブラックなのか何度も確かめ。

後者は周りの連中が連れ出した。後日見合いの話があったらしい。

 

悲喜こもごもな元服を祝う会だったがついに贈り物を渡す段となった。

 

どうせ何か適当な日本刀でも渡して終わりだろう、と九郎は考えていたのだが。

なぜか軍や政治家のお偉いさん、武家の当主などが一か所に集まり始めた。

その周りではオーケストラが準備を始め。

本気で困惑する九郎に、将軍が高らかに告げた。

 

 

 

「では元服祝いとして、そなたに歌を贈らせてもらう」

 

 

 

 

 

いかつい男共の合唱が九郎に叩きつけられた。

 

 

 

 

 

 

その後、腹痛と呼吸困難で九郎は病院に担ぎ込まれた。

彼は病室で語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの面子とオーケストラでやるのがおニャン子クラブなのは卑怯」

 

 

 

 

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〇不運なのは誰か

 

「さあ!あなたたちも共に天国へと向かおうではありませんか!」

 

アメリカは夢の国にて。

世の中を悲観した者たちによる無理心中を目的としたテロが発生。

いたるところに仕掛けられた爆弾と銃火器とどうやって手に入れたのかスコープドッグで暴れまわるテロリスト共のイカレタ言葉など、逃げ惑う人々は誰一人聞いてなどいなかった。

 

目印に使う人間はいたが。

 

「「「「うるせえさっさと死ねッ!!」」」」

 

武装した男たちが容赦なく銃弾を叩き込み、テロリストたちを無理矢理黙らせる。

 

「畜生!ようやく休みが取れたから家族サービスで嫁と子供と一緒に遊びに来たってのになんでこうなるんだ!!」

 

筋骨隆々の男がガトリングを振り回しながら嘆く。

 

「右に同じだクソッタレ!嫁と離婚の瀬戸際でちょっとでもいいとこ見せなきゃならんっていうのに!!やっぱりテロリストなんて大っ嫌いだ!!」

 

禿気味の男が遮蔽物に隠れながら拳銃をぶっ放す。

 

「今日は弟子のデビュー戦だってのに、隣で派手なドンパチ始めやがって!覚悟はできてんだろうな貴様ら!!」

 

黒髪で浅黒の体格のいい男が両手に持ったマシンガンでテロリストを薙ぎ払う。

 

「友人の頼みでヘルプに来たってのに、よりにもよって厨房吹っ飛ばしやがって。一人残らず飯のありがたみを骨の髄に叩き込んでやる」

 

スマートな外見で黒髪を首の後ろで縛った男がテロリスト達を次々とバキバキにへし折っていく。

 

地獄からやって来たと見紛う男たちによって、建物ごとテロリストたちは天獄にぶち込まれていく。

結局、テロリストたちの蛮行は半日と持たず鎮圧された。

その際、慌てて駆けつけた警察と州軍が見たものは。

 

 

 

一人残らず本懐を遂げたが、想定よりも無理心中に他人を巻き込めなかったテロリストたちと。

 

 

銃撃と砲撃と爆弾で焦土と化した夢の国と。

 

 

それぞれの目的をぶち壊された、ついてない男たちだけであった。

 

 

 





薬を渡した理由
「くれなきゃ革命の象徴やめます!」
「軍を辞めてテロリストになるかもしれんな」
「私情に走りすぎだろお前ら」

アッシュの人間不信が深まった!


皆で猛練習しました
鎧衣「合唱は団結の証。ひいては平和の証ではありませんか」
九郎「それであの面子で歌うのがアイドルソングってのはおかしいだろ。振付まで完璧なせいで全力で顔面に力入れてこらえる羽目になったぞ」

気兼ねなく笑えたのはやんごとなきお方だけだった模様。


こいつらならやりかねない
州兵A「何をどうやったらパワードスーツも着てない生身の人間の攻撃でスコープドッグがバラバラになるんだ?」
州兵B「トラップ地帯に引きずり込んで身動き取れなくした後関節にゼロ距離射撃でぶっ壊したらしいぞ」
州兵A「…一部引き千切った様に見えるのは気のせいか?」
州兵B「人間にそんなことできるわけないだろ。気のせい気のせい」


そりゃそうなるよ
テロにスコープドッグが使われたと知った製作者「ブッコロ」
羽交い絞めにして抑え込む婚約者「既に全員死んでます」

それでも荒ぶる製作者を抑えるために頭を自分の胸に抱え込んで窒息させた模様。

九郎の人間不信が更に深まった!
九郎の精神が(若干)回復した!

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