MUV-LUV大戦   作:土井中32

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連日更新2発目ェ!!(多分)

今頃になって推薦受けていた事に気づきましたorz
ユーコンさんすみません!そしてありがとうございます!




45話 立て直し

 

帝国侵攻から一か月。

被害のほどがようやく確定したので、いよいよ立て直しの時間だ。

と言っても、大まかな方向はすでに決まってるが。

 

まず、九州。

ぶっちゃけ人が住めるようにするには百年単位で時間がかかる有様なので、復興はあきらめた。

九州丸ごと要塞化して、対BETAの最前線にしてしまうらしい。

内陸部には軍需工場も建て、ここだけでほぼ完結した一大軍事拠点にするんだとか。

九州丸ごと大改造には結構な時間と金がかかりそうだが、少なくとも金は何とかなるらしい。

後方国家となるアメリカやオーストラリアがかなり援助してくれるとか。

ここ崩れれば次は自分たちだからね。権謀術数やってる場合じゃないね。

 

中華戦線はアメリカ派遣部隊がかろうじて再構築したが、あまり長くはないらしい。

今回の帝国侵攻の主力は後方であるカシュガルの連中だったから、前線のハイヴは割と元気に攻撃してきてるからだ。

もとより機動力重視で殴り合いに向かないガーリオンが主力だ。前線に張り付いて戦うのでは被害も大きくなるだろう。

散り散りにされた統一中華戦線も部隊の再編をしているが、集結出来たのは侵攻前の半分にも満たないとか。

当分当てにはならないだろう。

東南アジア諸国にインド軍、国連軍からも戦力を回しているが、以前よりもギリギリ度が上がっているそうだ。

帝国軍も再編が済み次第派兵が行われるが、それでも現状維持で手一杯だろう。

 

シロガネは現在呉のドックで修理・改修中だ。

俺が渡した改良案をもとに未完成だった部分も再度建造中。

ただやはり無理をさせ過ぎたせいか、全てが終わるのは最短でも2年後になりそうだ。

ちなみに、シロガネの周りは現在スパイ天国らしい。

侵攻終結後、各国の大使が真っ先に聞いてきたのが”あの空飛ぶ戦艦は何だ!?”だったそうで。

テスラドライブの登場で空中戦艦を作る下地はできていたものの、レーザー対策で躓いてどこの国も現実的ではないとさじを投げていたらしい。

そこにシロガネが現れたもんだから、”売ってくれ!””作ってくれ!””寄越せ!”ていう連中が外務省に押し寄せたとか。

…最後の奴に関しては”寝言は寝て言え”と担当が言っちゃったらしいが。

設計図こそ非公開だが、大まかな概要と使っている技術については公開している。建造費も。

それでもソ連あたりからラブコールが止まないらしい。

アメリカはその辺冷静だが、こっちはXGシリーズがあるからな。

まだ未完成とはいえ、そこまで焦る必要はないと考えているのだろう。

 

で、俺はハガネの建造に注力しているわけだが。

 

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「オールTSFドクトリン?」

「言ってしまえば、戦術機ですべてをやってしまおうということだな。前衛も砲撃も何もかも」

 

久方ぶりに顔を合わせるエルザム大佐(昇進した)から相談を受けていた。

 

「無理あるでしょ?」

「だがゲシュペンストの登場で戦線の移動は大幅に早くなった。それに既存の戦力がついていけなくなるのは君も予見していただろう?」

 

オールTSFドクトリン。

欧州でぶちあがる”全てを戦術機にやらせよう”という頭おかしい戦略論である。

まあこうなったのは度重なる欧州での戦闘で既存兵器を著しく損耗し、欧州奪還作戦に投入できるほどの数が揃えられなかったからなのだが。

しかし原作では損耗が理由でぶちあがったが、こちらでは性能差でついていけないからとは。

 

「だからこそ、ついていけそうな戦車だの自走砲だの設計してたんだけど。帝国侵攻で全部ご破算になっちまったからなあ」

 

帝国全戦力の6割損耗、というのは大きい。特に戦術機はほとんどがゲシュペンストだっただけに簡単には揃えられず、アメリカや欧州の生産ラインでも取り合いになっているほどだ。

戦車や自走砲も被害を受けたが、前衛たる戦術機に比べれば優先度は低いとして、調達と更新が後回しになっていた。

おかげでフュルギアの配備が全く進んでない。74式改にはもう少し頑張ってもらわねばならないようだ。

 

「例の新型戦車もライセンス生産させてもらえないか交渉中だが、ドクトリンのほうも進めたいということでね」

「で、それでなんで俺に話が回ってくるんだ?」

「上の連中は例のごとく既存機の改修で済ませたいらしい。ならば最も実績のある人間に依頼したい、ということだ」

 

それだけのためにわざわざ欧州から来たのか。お疲れさんです。

とはいえ、なあ。

 

「背中に大砲くっつけるだけだろ。うまくいかなかったの?」

欧州(うち)の技術者たちも頑張ってくれているのだが、現場の無茶に耐えられるものにならなくてね。ゲシュペンストなら問題ないんだが、そちらはすべて前衛行きだ」

 

まあ、発射した後ロケットモーターで加速させるなんて奇々怪々な仕様でようやく120ミリ運用可能な第一、第二世代機では自走砲の155ミリクラスなんて使えるはずもないか。

背中に装備しても発射の衝撃でひっくり返りかねないわけだし、飛行中なんて持てのほかだろう。

どうやって素早く給弾するかの問題も含めて難儀しているようだ。

Mkー57中隊支援砲は…レールガン化しても完全な代替には至らないか?

そもそも戦術機自体が既存兵器と比べて高い・生産しにくい・パイロットを確保しにくい兵器だしなあ。

慣性制御能力を持ったゲシュペンストが現れても、既存機が完全に駆逐されたわけじゃないから適性テストの基準を下げられなかったのだ。

 

「一応、設計段階で没にしたのとか、バージョンアップとして温めていた案はあるけど。どっちも実弾用のものじゃないしなあ」

「一応、見せてもらっても?」

 

G系フレームであるシュッツバルトや、バージョンアップとして設計中だったMk-Ⅲの設計案を見せる。

 

シュッツバルトはゲシュペンストと同じフレームを使った砲戦仕様機だ。

背中に主武装としてツインビームカノン。

両腕には固定兵装として3連機関砲を装備している。

ホバー能力は備えるが、設計が初期ということもあって機動力は低く、操縦には独特の癖が出ることが予想された。

ゲシュペンストに注力するということもあって設計段階で終わっていたものだが、腕の3連機関砲などはオプションとして日の目を見た。

 

Mk-ⅢはスパロボOGで言うMk-Ⅱ改のことだ。

動力炉を安定度の増した新型プラズマジェネレーターに交換。そのほか現場からの意見を取り入れて細かく改良、基本はMk-Ⅱと変わらないので改となった。

最大の特徴は全身のハードポイントで、ここに装甲をつけたり追加スラスターを装備したり、はたまた武装を装備したりできる。

良くも悪くもバランス型で特徴がなかったゲシュペンストに方向性の異なる追加パーツを装備させることで特化型にし、作戦内容に合わせたカスタマイズを可能にした機体だ。

ゲーム内では近接・白兵重視のタイプG、中距離・指揮官仕様のタイプN、遠距離・砲撃戦用のタイプCが登場している。

 

「シュッツバルトはともかく、Mk-Ⅲはすぐにでも欲しいな。だが…」

「やっぱり砲兵、実弾を使える機体が欲しい?」

「ああ。光学兵器は直進しかしないからな。砲兵までも戦術機で、となると」

 

スコープドッグの砲戦仕様では足りないらしい。

しかし戦術機とは本来第一世代機であっても機動力を優先した兵器だ。大口径砲を積んでの砲撃に向いてるとはいいがたい。

正直そんなに欲しいなら自分で作ってくれ、と言いたいんだが。

 

「Mk-Ⅲはまだ設計が終わってないし、シュッツバルトは古すぎる。全部新造する覚悟があるなら設計案が一つあるけど」

 

俺が取り出したのは、今までとは全く異なる人型兵器の設計図。

 

「タイプ30、ランドグリーズ。機動力には難があるけど、火力はお墨付きだ」

 

ランドグリーズ。

20メートルを超える巨体に、これでもかと実弾兵器を詰め込んだ歩く弾薬庫みたいな機体だ。

ミサイルとリニアカノン、高い積載量にものを言わせた多数の武装で弾幕を張るのが仕事、という仕様だが。

回避能力?装甲とミサイルジャマーとビームコートで何とかしろ、そもそも撃ちまくって敵を近寄らせるな、という割り切った機体だ。

それでも車両に比べれば地形走破能力は高い。かかるお値段も高い。

テスラドライブ積んで飛行能力を持たせた強化型も存在するが、見せたのはベーシックな奴のだ。

 

「自走砲よりは速い、か」

「正直、これ作って使うぐらいなら自走砲量産したほうがお値段的にも運用の自由度的にもいいと思うんだけど」

「そのほうがいいのは分かっているのだがな。ゲシュペンストについてこられないというのもあるが、何より母艦級が問題なのだ」

 

あー、なるほど。

 

「車両じゃ母艦級の奇襲から逃げられないか」

「現状のセンサー精度ではどうしても発見が遅れがちでね。砲兵にも機動力が求められるようになった、ということだ。製作している暇がないなら、こちらでやってみても構わないかね?」

「帝国がいいっていうならな」

 

その後、帝国からは(形の上では)共同開発、ということで欧州に設計図が送られ、向こうで開発がされることになった。

積載量に余裕があることでいろいろ積めそうだ、とかなりいじられているらしい。一体どんな魔改造機になるのやら。

 

そっちは欧州の連中に任せて、俺はMk-Ⅲの設計とハガネの建造に注力する。

ハガネの建造は順調だ。このままいけば来年には進水式ができるだろう。一部設計変更はしたが。

Mk-Ⅲの設計も大部分は終わっている。実際に作って各種試験を終えればゲシュペンストの生産ラインはすべてこれに変更となる。

現場からのフィードバックも取り入れた結果、予定では一割ほど基本性能もアップするはずだ。

 

対BETA戦用に最も大きな変更が行われたのは近接戦用のタイプGだ。

原作では両腕にプラズマステーク、膝にも一本ずつ装備し、胸にはブラスターキャノン、というタイプSに近い兵装と全身に追加されたスラスターによる白兵戦向けの機体なのだが。

本来はプラズマステークが装備されている場所にプラズマカッターを仕込んだ。

肩やつま先にも装備し、全て起動させると全身プラズマカッターの塊となる。

俺なりのブレードエッジ装甲、というわけだ。燃費は悪くなるが。

 

BETAとの交戦距離が非常に近い前線国家では白兵戦が重視される傾向にあり、ナイフや剣といった近接武装も多く存在する。

その中でも特にとんがってるのが、装甲自体を刃にしてしまおう、というブレードエッジ装甲だ。

相手に体当たりするだけでズタズタにできるため密集近接戦を想定した国では採用されやすく、ソ連製の機体はよくこれを装備している。

もっとも有名なのは帝国斯衛軍の第三世代戦術機、武御雷だろう。

全身隙間なくブレードエッジ装甲が採用されており、唯の蹴りや手刀がそのまま斬撃として成立してしまう、というまさしく全身凶器の機体だ。

第三世代機最後発ということもあってか、その性能は当時世界最高峰と言っても過言ではなかった。

…性能を求めすぎて、他がことごとく犠牲となっていたが。

特に年間30機しか製造できない、というのが痛い。生産性はそのまま整備のしやすさにもつながる。壊れたら簡単には修理できない、というのは兵器として落第なのだ。

整備に熟練兵が必要だったのは中身の繊細さもあるのだろうが、それ以上にこのブレードエッジ装甲の整備がすこぶる面倒だったからではないだろうか。下手に触っただけで切れそうだし。

いくら国内運用しか想定してないったって、継続して使えるか、てのは兵器として絶対に考慮しなくてはいけないことだ。ましてやブレードエッジ装甲は破損なり摩耗なりすれば装甲事取り換えるしかない。年間30機分のパーツしか作れないのに、である。

ちょっと派手な戦いをすればすぐに予備パーツが底をつくんじゃないだろうか。

 

いかん、話がそれた。

まあつまり、実体剣としてのブレードエッジ装甲は効率が悪い、というわけだ。

なので、代わりに全身にプラズマカッターを装備した。

ビームの刃は摩耗しないし、発振器は消耗するが装甲ごと取り換えるよりはよほど効率がいい。

整備の手間もおっかなびっくり装甲に触るよりはよほどましだろう。

 

…余談だが、両腕に光の爪を持ち、全身から光の刃を発生させて突撃。帰ってくる頃には全身返り血まみれになることから衛士たちからは”キリングベアー”なんてあだ名がついたとか。

 

中距離指揮官型であるタイプNと長距離砲撃戦型のタイプCはおおよそ原作通りだ。せいぜいがレーザー対策を強化したぐらいだろう。

後は作って試験するぐらいなのだが、開発衛士としてきたのは俺もよく知ってる人だった。

 

「教導隊に復帰したんじゃなかったの?」

「ゲシュペンストの開発衛士となれば黙ってはおれんよ」

 

開さんが開発衛士に混ざっていた。

怪我が完治し、ゲシュペンストの開発も終わったことで今度は戦技研究とそれを教えるために富士教導隊に復帰したはずだったんだけど。

うわさを聞きつけて、上層部に是非に!と迫ったらしい。

貴重なタイプS乗りだから渋られたらしいけど。

 

3タイプを他の開発衛士と共にぶん回している。

この分だとMk-Ⅲのお披露目も近いだろう。

 

「…でも、あれは必要か?」

 

なんでタイプCで格闘戦やってるんだ。しかもタイプGを投げ飛ばしてるし。

 

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