早い、早いよ!?(閲覧数30万目前)
前回とは別の意味でやばいかもしれない…
日本帝国帝都にある篁家の屋敷。その居間にて。
一時期当主のスキャンダルでゴタゴタしていたが、今は静かな時間を取り戻していたこの屋敷に、一人の少女が訪問していた。
「それで、私たちに聞きたいこととは何かしら」
訪問者である少女に最初に尋ねたのは、この家の主の「一人目」の妻である篁
「突然すみません。ほかに頼れる方がいませんでしたので」
かしこまる少女に、この場にもう一人いた女性が話しかける。
「気にしないで。ご近所さんなのだし、困ったときはお互い様よ」
そういったのは、この家の主の「二人目」の妻であるミラ・B・篁だった。
スキャンダルにもかかわるもろもろの事情で家族ぐるみの付き合いがあり、しかしこうして頼られることなどそうそうないために彼女は言葉とは裏腹にかなり張り切っていた。
そしてそれは栴納も同じである。
「例の件であなたの大切な人には迷惑もかけたし恩もあるわ。私たちにできることなら何でも言ってちょうだい」
「…では、お言葉に甘えて」
そう言って少女――、一条美沙は本題を切り出した。
「教えてください――
――男を野獣にする方法を」
「「ブフッ!?」」
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「…つまり、夜の生活に関する相談ということ?」
「はい」
少々の時間をおいて。
とにもかくにも話を聞かねばアドバイスもできないと、美沙への事情聴取が行われていた。
「あなたたちがまだ未成年である、ということはとりあえず置いておきます。九郎君を上手く誘うことができない、ということかしら」
一条美沙の婚約者である稲郷九郎は世紀の天才科学者である。
わずか3歳にして既存の技術レベルをはるかに置き去りにしたオーパーツのごとき戦術機を設計・開発し、その後も次々と世界の常識を塗り替える技術を開発。
十数年たった今でも世界の科学のはるか先をひた走る間違いなく歴史に名を刻む偉人である。
彼が現れなければ現在地球を脅かしている宇宙からの侵略者、BETAとの戦いはもっと人類にとって厳しいものになっていただろう。
先年に起こった帝国侵攻においても彼が作り出した兵器はその力を存分に発揮し、50万という史上最大規模で襲ってきたBETAから帝国を守り抜いて見せたのだ。
…が、歴史に名を刻むような人間は往々にして凡人とはズレているものである。それは彼も変わらない。
彼の場合、非常にめんどくさ…こじらせ…気難しい性格をしており、特に人間不信気味で悪意や欲の皮の突っ張った人間に対しては見た瞬間に見抜き、場合によっては五摂家の人間であろうと躊躇なく門前払いするなど非常に付き合いづらい人間であった。
それは女性に対する態度も同様で、かつて無理やりさせられた見合いの席で十人中十人が美人と評する女性に裸で迫られた際、一切の動揺も見せずノータイムで眼中にないことを態度と言葉で示し女のプライドを木っ端微塵にしたことは今でも武家の間で有名である。
…実際には多少の動揺はしていたが、あまりの必死さに引いただけである。
ともかくそんな気難しい九郎が唯一側にいることを許した女性が一条美沙である。
最近風のうわさで彼女を女性として受け入れた、と二人は聞いていたので、多忙な彼を誘うことができないという相談なのかと考えたのだ。
「いいえ。先日ハガネも完成し、Mk-Ⅲの生産ライン立ち上げも終わりました。物資不足の影響で研究が滞りがちなので、九郎様も比較的時間がとれる状態です。
九郎様から求められることはありませんが、こちらからお誘いすれば受けてくれていました」
様々な案件を抱えている彼だが、先日まで最もリソースを割いていた案件二つが片付き、プライベートな時間が取れるようになっていた。
いつもの彼ならその時間を研究開発に充てただろうが、欧州のミンスクハイヴ攻略、先年の帝国侵攻の影響で世界的な物資不足が続いており。
必要な各種物資が手に入りづらくなっているため、いくつかの研究がストップしていた。
その空いた時間を使って彼を少しでも労わろうと、美沙は夜のお誘いなどをしていたのだが。
「心労をため込みすぎて、だんだん立たなくなってきてるんです」
最初はそんなことはなかったのだが、日が経つにつれて立つまでに時間がかかるようになり、ついには立たなくなってしまった。
どこぞの共同管理されている英雄様のようにひっきりなしにしているわけでもないので、枯れたわけではない。
実家に相談して閨の技を教えてもらい試したのだが、感じてはいるはずなのにどれだけ頑張ってもたたないのだ。
九郎もそれを申し訳なく思っているのか、今では誘っても何かしら理由をつけてお誘いを断るようになっていた。
だんだん自分を避け、表情に影が差すようになりつつある九郎が心配でたまらなくなり、美沙はリーディングで九郎の心、深層心理の底まで覗くことにした。
そして原因を見つけた。あまりにも多くのものを背負い込みすぎて、本能のままにふるまうことに強烈なブレーキをかけてしまっていたのだ。
帝国侵攻の原因となってしまったこと。
将軍様に与えられた罰。
自分のせいといってもいい祖国防衛で散った軍人たちへの負い目。
それを心の内に秘め続けなくてはいけない苦しみ。
要するに罪の意識から九郎はそういった楽しいこと、気持ちいいことへの拒否反応を起こしかけているのだ。
罪人である自分が、こんなことをしていていいのか、と。
そんな彼をどうにかして救いたい美沙は、本能を縛り付ける罪悪感という強力な鎖を断ち切る方法を模索するべく、篁家へとやってきたのだ。
「せめて私といる間は、全ての重荷を忘れてただの九郎様に戻ってほしい。そのためには男の本能に訴える強い何かが必要なんです」
「それで教えを請いに来た、と…」
長々と書いたが、一言でいえば「余計なことを考えずにもっと自分に夢中になってほしい」ということだ。
…ちなみに薬で無理やり立たせる、という方法は最初から考慮されていない。
心の問題を薬で解決した場合、常習性や中毒の危険性があるからだ。
同じ女で愛する男がいる者同士、その気持ちは二人も理解できる、のだが…
「そんなに手強いの?」
「その、私に気持ちいいことへの耐性があまりなくて…」
いざことに臨むと主導権を握られてしまい、あっという間に達して終わりにされてしまう。
美沙の頑張りに応えられない罪悪感から彼女を気持ちよくすることに集中するせいで、全く相手にならないらしい。
「なので先手必勝、最初のインパクトで理性を引きちぎるしかないんです」
普通に誘ったのでは無意識に身構えて立たせることができない。夜の技でも体の感度の差でかなわない。ならば彼の予想を上回る最初の一撃で主導権を奪い立て続けに攻め立てて理性を叩き壊し、本能が満たされるまで自分を貪らせるしかない。
「…そこまでわかってるのに、私たちに聞くことってある?」
「何度も使える手ではないので、参考意見が欲しいんです。一人の男を取り合っているのですから、自分に振り向かせるためにそういうことに詳しいのでは、と思いまして」
篁家当主、裕唯は女性を二人も娶ったツワモノである。しかも片方のミラはアメリカ人であり当時は相当に揉めた。
一時期は閑職に回すべきだ、という意見もあったが九郎の意見によってそれは撤回された。
「暇にしたら余計にイチャイチャするぞ。むしろそんな暇与えないよう仕事漬けにした方が嫌がらせになるんじゃないのか?」
結果として裕唯は一時期家に帰る暇もないほどに仕事漬けの毎日となり。
しかしまじめに仕事に取り組んだのでそれに関してはきちんと評価され、技術廠でそれなりの地位に返り咲いていた。
…仕事場では羨望と嫉妬と殺気を感じるらしいが。
果たして九郎がそこまで読んで発言したのかは定かではない。
閑話休題。
とにかく篁家当主の妻である二人は一人の男を毎晩取り合う仲である、ということだ。
…が、二人の顔色はよくない。
「ごめんなさい、力にはなれそうもないわ」
「私たちが揉めてもいいことなんてないから、事情がない限りは当番制にしてるの」
男を独り占めしたくはあるが、それで子供たちや家に迷惑はかけられない。
武家の当主の妻として、そしてあれだけの騒動を起こしたものとしてそれだけは守らなくてはならなかった。
((そもそも、裸を見せれば勝手に盛るものね…))
別の意味でも参考にならなかったが。
「そう、ですか…お邪魔してすみませんでした。やっぱり自分で考えてみます」
最近はわかりやすく表情が動くようになってきただけに、美沙の落胆の表情はいたたまれない。
何とか力になってあげたいと、二人が知恵を絞ろうとした時。
「栴納さん、ママ、今大丈夫?」
一人の少年――ユウヤが入ってきた。
「と、美沙さん来てたのか。ごめん、出直すよ」
「かまいません。もうお暇するところでしたから」
「それでユウヤ、どうかした?」
「ああ、今年のクリスマスについて確認したくて」
日本帝国ではなじみがないが、イエス・キリストの生誕を祝う祝祭がクリスマスだ。
ミラもユウヤもアメリカ人でキリスト教徒なので、篁家の人間となってからもそれを続けていた。
…上に書いたように、本来は神の子の生誕を祝う神事であり、間違っても現代日本のようなバカ騒ぎする日ではない。
縁もゆかりもない連中が神の子の生誕日に大騒ぎするのを見て、敬虔な教徒たちは何を思うのか…
「…クリスマス?」
その言葉を聞いた瞬間、美沙の脳裏をとある情景が駆け巡る。
すぐにそれが可能かどうかを考え、決断する。
いけるかもしれない、と。
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「どうしようもないとはいえ、もどかしいな」
風呂あがり、自分の部屋に向かって家の廊下を歩く。
すでに師走、それももう年末だ。あったまったばかりとはいえ、廊下は長居すれば風邪をひきかねない寒さだ。
まっすぐ自分の部屋へと向かいながら、上手くいかない現況に思わず愚痴る。
世界的な物資不足により研究に必要なレアメタルの類が手に入りづらくなり、進めたい研究が思うようにいかなくなっている。
帝国もできる限り融通してくれてはいるが、戦力の回復に大陸への遠征準備,九州に戻れなくなった避難民への対応と四苦八苦してる以上あまり無茶も言えない。
結果として実証実験などはできず、せいぜい頭の中にある技術情報の脳内検証ぐらいしかすることがない。どんだけすごい発明を思いついても、材料がなければただの妄想だ。
マッドどもも瀕死寸前だ。部品の在庫がないせいで好き勝手出来なくなったからな。
しょうがないから一部の連中は帰省してるぐらいである。研究所内で死んだ目で転がってる連中もそれなりにいるが。
俺も今日は研究所でできることがなくて、久々に上の実家に上がってきたぐらいだ。
なのにじいちゃんは流派の付き合いだとかで東京に行ってるし、叔父さんもそれについて行ってしまった。
やることがないので美沙の作った飯を食って風呂入って、あとはもう寝るしかない。
ずっとこの状況を何とかする方法を考えてはいるが、結局はそれを作る材料がない、という結論に行きついてしまう。
堂々巡りする思考にため息をつくしかない。
…部屋に近づくにつれて、足取りが重くなる。
美沙が罪悪感に押し潰されそうになっている俺を心配して、夜のお誘いをしてくれているのは理解している。
だがその罪悪感ゆえに、美沙の想いに応えることができない。
どんなに気持ちよくても、頭の中を誰かの声がよぎるのだ。
「あんなに死なせたくせに。殺したくせに」
その声が聞こえた瞬間、一気に心が凍えてしまう。
そうなってしまってはもう何をやっても立たせることができなかった。
…応えてやれない負い目から、最近は美沙と目を合わせることもできていない。
彼女は俺の心を覗けるが、俺は自分から覗くことはできない。
美沙が今俺をどう思っているのか知りたくもあり、知るのが怖くもあった。
それでも重い足を進め続けた結果、部屋の前に着いてしまう。
深呼吸をして覚悟を決め、部屋のふすまを開けた。
「…美沙?いないのか?」
いつもなら俺より早く部屋に来て、寝る準備を整えているのだが。
なぜか部屋は真っ暗で、人がいるかどうかもわからない。
とりあえず電気をつけるため、部屋に入りふすまを閉じる。
そして真ん中から垂れ下がる電灯のスイッチを引っ張り――
「メリークリスマスです、九郎様」
――目の前に美沙が現れた。
真っ暗にした部屋で、出待ちしていたらしい。
美沙に言われてああそういえば今日は24日だったな、などと日付を思い出し。
美沙の姿を見て、フリーズした。
クリスマスなのだからサンタの衣装をしている、のはまあ普通だろう。現代日本ならの話だが。
俺の記憶を見てる美沙ならまあ納得もする。何で急にこんなことを始めたのかはわからないが。
な・ん・で・エ・ロ・サ・ン・タ・衣・装・な・ん・だ
エロい。もうそれしか出ないほどにエロい。
頭にかぶったサンタ帽はまあ普通だ。ここだけは普通のサンタ帽だ。
ここしか普通のところがない。
何せ上半身がすでに服の意味をなしていない。もうただの布だ。
肩出しのオフショルダーで、かろうじて上腕に赤い布が巻き付いている。逆に言えばそれしか着てない。
胸などほぼ隠れてない。かろうじてほっそい前掛けが左右の中央から垂れ下がってるからぎりぎり隠せているが、前掛けの下には星の飾りがついてるだけで固定されてない。つまり激しく動こうものなら見える。見えた。
下半身などもう隠す気がない。局部を隠しているのは紐だ。布ですらない。
形のいいへそも安産型で揉みしだきたくなる尻もまぶしい肌色をさらしている。
ムチっとした太ももはさらしながら、左足だけ履いた赤いニーソと足首にまかれたリボンがきゅっと足を絞るように見せ…?
あまりの予想外に思考停止してる間に、近づいていた美沙に両手をつかまれていた。
逃げようにも身体能力は美沙の方が高い。それ以前に意味不明すぎてどんな行動をすればいいのかわからない。
衣装の理由はすぐに美沙の口から語られたが。
「クリスマスプレゼントは、私です。指先から髪の毛一本に至るまでご堪能ください…♥」
言うなり美沙は俺の手を自分の胸へと押し付ける。
手に収まらないほど大きく実ったふわふわで柔らかい果実の感触に、思わずそれを揉んでしまう。
「んっ♥遠慮しなくていいのですよ。いくらでも触ってぇ…揉みしだいてぇ…お腹一杯になるまで吸い付いてもいいのですよ…♥」
耳元で甘く囁かれて、思考がまとまらない。
その間に美沙にいいように手を誘導される。
「このぷにぷにのおしりもぉ…ムチムチの太ももも…おへそに指を突っ込んでぐりぐりしたっていいんですよ…♥」
本能が雄たけびを上げて暴れる。
理性が死に物狂いで縛り付ける。
「ほら、ここも好きにしていいんですよ♥」
手が、美沙の秘所に押し付けられる。
指が、俺の意思を無視して動き出す。
「あんっ♥ああ、そこ、気持ちいいです…おすそ分けしますね…♥」
自分の体に電流が走った。
触られてないはずなのに、触られている感覚がする。
プロジェクションで、美沙の感覚を送り込まれている。
どこをどう触ってほしいのか、どうすれば気持ちよくなれるのかわかってしまう。
その通りに動く自分を止められない。
「は、ンう♥ああ、指がぁ…もっと…もっとぉ…♥」
必死に食いしばって耐え、られない。
食いしばろうとした瞬間に美沙に口を塞がれ、中を蹂躙される。
口の中を優しくこね回され、舌を絡められた故に歯を食いしばることができない。
全身に力を入れて動きを止めよう、とすれば美沙が体を擦り付ける。
いつの間にか服をはぎ取られていて、肌をすり合わせる快感が全身から俺を殴りつける。
「ン、ちゅ…フ~~♥」
たっぷりと口内を蹂躙した美沙に耳へ息をそっと吹きかけられ、思わず力が抜ける。
その間に押し倒され、俺は布団の上にあおむけになる。
もう体が言うことを聞かない。気持ちよくなるために勝手に動いている。
手が美沙の体から全く離れない。
暴れる本能の力に、理性は千切れる寸前だ。
なのに、美沙は手を抜いてくれない。
「九郎…♥」
初めて、美沙が俺を呼び捨てにした。
「何もかも忘れて…幸せでいっぱいになろ…♥」
覆いかぶさった美沙の綺麗な銀髪に遮られて、視界には美沙しか見えない。
「私を、貪って♥」
バキンッ
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次の日、九郎がいつまでたっても研究所に降りてこないことを不審がったマッドの一人が上に見に行ったが、数分もせずに戻ってきた。
上に行く前よりもさらに死んだ目で「博士は当分降りてこない」と言ったきり、格納庫の一角でふて寝した。
九郎が研究所に顔を見せたのはその3日後で、その日は呆然としていて全く使い物にならなかった。
〇エロサンタ衣装(参考:マーティカサンタコスバージョン)
「あんな衣装どこから手に入れたんだ」
「実家に相談したら本家と付き合いのある呉服屋を紹介されました」
「何してんだ九條!?」
なお、店頭に置いたらそれなりに売れた模様。
ちなみに迫り方は篁家当主の部屋から押収されたビデオや本を参考にしたらしい。
押収された晩、篁家から野太い悲鳴が一晩中響いたとかなんとか。
〇子供の願い事
武「この世界じゃサンタクロースにプレゼント頼むのも一般的じゃないよなあ。九郎は頼んだこと…あるわけないか」
九郎「あるぞ。もっとガキの頃に一度だけ」
武「マジかよ、北欧に手紙出したのか?一体何をお願いしたんだ?」
九郎「BETAを一匹残らずぶち殺してください、て」
武「物騒なプレゼントだな!?いやプレゼントかこれ!?」
なお、それ以来北欧で血で染めたように真っ赤なサンタがたびたび目撃されてるとかされてないとか。
どこまでやったらRー18なんだろう…?