MUV-LUV大戦   作:土井中32

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詰め込み過ぎたかもしれない…。




73話 戦場に立つ守護神

 

 

重慶要塞。

中国大陸において何重にも張り巡らされた防衛ライン、その最後の砦。

超重光線級5体出現の報を受け、中国戦線に参加するすべての戦力がここへの集結を命じられていた。

本来なら防衛ライン上に展開するべきなのだが、超重光線級の火力と射程距離を考えれば広く展開してもアウトレンジからの攻撃で各個撃破されかねない。

ゆえに、あえて戦力を一か所に集結させることで侵攻するBETA群の進路を誘導し、真正面から迎え撃つ。

BETA群が要塞に沿って横に広がったところを見計らってこちらも横に展開、盾とすることで超重光線級の攻撃から身を隠す、ということになったのだ。

前衛のBETAが減ればもちろん超重光線級の攻撃が飛んでくる。

その前に光線級吶喊(レーザーヤークト)による乾坤一擲に賭けるしかない、というのが上の判断だった。

なお、コマンドウルフたちは準備の時間を稼ぐためBETA群と真っ向から衝突、文字通り戦力を半減しつつもそれ相応の打撃を与え時間を稼いだ後離脱。現在は要塞線の後方にて修理と補給、再編が急がれている。有人部隊は超重光線級と主力BETA群にかかりきりになるため、再編が済み次第逸れたBETA狩りを行う予定だ。

 

「自走砲部隊は奥だ!こんなところに止めるな!?」

「スコープドッグはいつでも飛び出せるようにしとけ!いざとなれば要塞を放棄しての乱戦になる!」

「地雷敷設作業は現時点をもって終了!すぐに戻れ!」

「戦術機用の補給コンテナどこいった!?」

 

どこもかしこも上へ下への大騒ぎである。

それでも彼らは自分にできることを精一杯こなしていた。

先ほど全員に向けての情報開示があったからだ。

 

向かってきているのは、オリジナルハイヴ偵察に成功した部隊の追撃だと。

すでに偵察部隊が入手した情報は後方に送られ、これをもとにオリジナルハイヴ攻略作戦が立案されることになる、と。

 

自分たちは、ようやくそこまでたどり着くことができたのだということを知らされ、現場の士気はむしろ上がっていた。

人類の勝利を見ずして、こんなところで死ぬわけにはいかない。

その思いが、彼らの心を支えていた。

 

『まもなく超重光線級の射程範囲に入ります!』

 

現場の緊張感が一気に増す。

いかに強固な要塞といえど、超重光線級の地球周回軌道まで届く大出力レーザーを食らえば、一発で消し飛びかねない。

対抗するために準備はしたが、上手くいくかどうかは試してみねばわからない。

要塞に籠る誰もが身を強張らせる中、中国戦線総司令、国連軍准将レイカー・ランドルフは胸中の不安を微塵も表に出すことなく、それの起動を命じた。

 

「アブソーブレーザーシールド、展開!」

 

直後、要塞の前に巨大で半透明なバリアが展開される。

レーザーが飛んできたのは、それから1分も経たないうちだった。

 

あまりにも太いレーザーがバリアに直撃し、しかしバリアは揺るがない。

そのまま照射を完全に耐えきり、要塞に一切の被害を許さなかった。

 

「超重光線級のレーザー照射、終息!」

「シールドの状態は!?」

「出力、87パーセントで安定しています!」

「まずは先制を受け切りましたな」

「まだ軽いジャブだ。本番はこれからだよ」

 

副官の安堵の言葉にも気を緩めず、レイカーは次の指令を下していく。

 

あまりにも強力な超重光線級のレーザー照射にどう対抗するか。

ゲシュペンストから発展した対光学障壁、ビームコートから連なるABフィールド、重力障壁であるGテリトリーやラザフォード場。

そのどれを以てしてもあの超出力のレーザーを防ぐことはできない、というのが科学者や技術者の結論だった。

実際に受けたことがあるヴァルキュリア級にしても単艦では防ぎきれず、シロガネ級のビーム吸収システムとEフィールドならばギリギリ一発だけ耐えられるという試算が出たが、全てをそちらに振り分けて本当にギリギリ一発、しかも受けた後は機能不全を起こして墜落の可能性が高い、という始末だった。

誰もが頭を抱える中、やはり最後の頼みの綱はこれらを作り出した人間で。

難しい顔をしながらも、九郎は何とか対抗策をひねり出した。

 

ビーム吸収システムとABフィールドを組み合わせた、新型の対レーザー防御システムである。

バリアフィールド表面で受けたレーザーを吸収しエネルギーに変換。そのエネルギーを使ってフィールドを発生させる。

今までは装甲で受けなくてはならなかったものを、防御フィールドで受けられるようにしたのだ。

これにより装甲の物理限界を考慮する必要がなくなり、変換効率の追いつく限り破ることのできない絶対の盾が完成した。

…が、現状ではフィールド発生に必要なエネルギー量が凄まじく、超重光線級相手でもなければフィールド維持に相当な量のエネルギーをこちらから回さなければならない大喰らいなシステムでもある。

設備そのものもダウンサイジングが追いついておらず船に載せられないほど巨大で、実験的にこの要塞に配備されたばかりの代物だった。

 

続けざまに射程に入った超重光線級からのレーザーが飛んでくるが、そのすべてをアブソーブレーザーシールドは防いで見せた。

しかし、いいことばかりでもない。

 

「こうも連続で撃ち込まれては、こちらからの反撃もできませんな」

「シールド展開中は、こちらからも光学兵器が撃てんからな」

 

内側からのビームなども吸収してしまうのがこのシステムの欠点であった。

ならば実弾を、となるが、そううまくはいかない。

 

「BETA前衛がプラチナム1(シロガネ)及びアイアン3(クロガネ)の射程圏内に侵入、両艦が砲撃を開始!」

「ライノセラス級も発砲開始しました!」

「バレリオンとランドグリーズにも攻撃を開始させろ」

「自走砲部隊砲撃開始!ありったけ撃ちまくれ!」

 

シロガネとクロガネ含む砲撃部隊がその力を発揮する。しかし。

 

「砲撃部隊の攻撃、すべて撃墜されました!」

「衝撃砲は着弾していますが、射程外で超重光線級まで届きません」

「やはりこの距離からでは無理か」

「超重光線級の周囲に展開する光線属種のインターバルも短くなっています。無線か何かでエネルギーの供給が行われているものかと」

 

地上から衛星軌道の目標を正確に捕捉するふざけた照準精度を持つ連中である。発射までのインターバルが解決されてしまえば、もはや通常の砲撃ではただ砲弾を無駄に消費するだけであった。

 

「AL弾はどうか?」

「撃墜はされていますが、連中の発する莫大な放射熱で積乱雲が発生、上昇気流で散らされ意味をなしていません」

 

重金属雲を発生させてレーザーの射程を短くする方法も力づくで突破された。

基地から出られないこちらをしり目に、BETAが着々とにじり寄り。

 

「BETA前衛、第一ライン上に入りました!」

「起動を許可。まとめて吹っ飛ばせ!」

 

BETA群のど真ん中で大爆発が起き、相当数のBETAが木っ端みじんになる。

 

「第一防衛ライン上のS-11地雷、すべて起爆!」

「BETA群、前衛の15%を喪失しました!」

「第2、第3防衛ラインも起爆!数を減らせ!」

 

光線級吶喊を行うにしても、みっちりと詰まっているのでは通り抜ける隙間すらない。

ある程度の隙間を作るため、地雷として敷設されたS-11で広範囲を吹っ飛ばしたのだ。

ついでに要塞への圧力を減じることもできる。

 

そうして持久戦を展開しつつ、隙あらば突撃部隊を送り出す予定、だったのだが。

 

「司令!中国軍戦術機部隊が突撃を開始しました!?」

「ベーオウルブズ中隊が同調、BETA群に突入!」

「早すぎる!まだ超重光線級は地平線の彼方だぞ!?」

「逸った、いや、後続のための露払いと囮のつもりか」

「どうにも自分たちの命を軽視しがちですな、彼らは」

「今まで自分たちがやってきたすべてに責任を感じているのだろう。だとしても簡単に命を投げ出されては困るのだがな」

 

一瞬悩むも、レイカーはこれを最大限利用することに決めた。

 

「すでに突撃してしまった以上、引き返すのも難しいだろう。砲撃部隊は彼らの援護を最優先。砲身が焼けてもかまわん、光線属種群の目を引き付け続けろ!」

 

 

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『大佐、いいんですか?まだ指示は出てませんよ』

「現場の判断だ。何より真っ先に血を流すのは我らでなくてはならん。でなくばこの後の戦いに参加する資格すら失うだろう」

『まあ、次が十中八九敵の本丸落としですからね。ここで日和ったらそっちへ誰も参加させてもらえないでしょうし』

「とはいえここで余計な犠牲を出せないのも事実。全員死んでも帰るぞ。こんな前哨戦で死ぬことなど神が許しても俺が許さん。地獄から連れ戻してでも次の戦いに出てもらう」

『地獄の鬼より恐ろしいですなそれは。総員、大佐に追い回されたくなけりゃ何としてでも生き延びろ!』

『『『応!』』』

 

部下たちに感謝しつつ、カーウァイは追随する中隊の隊長に通信をつなぐ。

 

「南部大尉、こちらに付き合う必要はないぞ?」

『戦力の消耗を抑えるためです。そこには大佐、あなたたちも含まれる。それにこういった博打は我々の十八番ですので』

 

言うなりベーオウルブズ中隊が中国軍の前に出る。

 

『道は我々が切り開きます。本丸の首、どうかよろしくお願いします』

「…承知した。貴官らの挺身に感謝し、見事あのデカブツを討ち取って見せよう」

 

その通信を最後に、不死身の英雄率いる狼たちがBETA群に突入、いつもの如く真っ直ぐ道を作り始める。

カーウァイ達はその真後ろにつけることで、ほぼ消耗することなく後方の光線属種群に近づくことができた。

 

しかしそこからが問題だった。

 

インターバルが大幅に短縮された光線属種群と超重光線級による光の雨の前に、いかなゲシュペンストといえど迂闊に進めなくなってしまったのだ。

生きたBETAを捕まえて盾にしているおかげで直接攻撃は喰らっていないが、未だ周りに護衛のBETAがいる状況ではそのまま進むことはできない。暴れるBETAを抑えながらではまともな戦闘機動ができないからだ。

BETAの盾なく下手に飛び出そうものなら装甲の破片すら残さず消し飛ばされかねず。

しかしぐずぐずしていては周辺に展開するほかのBETA群にすりつぶされる。

意を決したカーウァイが、自分を囮にしてでも味方を進ませようとした時。

 

 

 

 

 

 

『よくぞここまで道を切り開いた。後は我らに任せよ』

 

 

 

 

 

 

後方から飛んできた光が、護衛ごと光線属種を焼き払った。

 

『行くぞ零式!!』

『駆けよトロンべ、その名の如く!!』

『人類に勝利をもたらせ、ヴァルシオン!!』

『地球最強の盾であることを証明しろ、ジガンスクード!!』

 

ベーオウルブズと中国軍が開けた道を通ってやってくる、4体の巨神。

 

かつて超重光線級を両断して見せた大鬼、グルンガスト零式と。

人類最新にして超重光線級打倒の切り札、DGGのうち完成した3体が駆け付けたのだ。

 

『こちらは欧州連合大佐、エルザム・V・ブランシュタインだ。コールサインはダイナ2。超重光線級4体は我々が何としても抑える。残り1体と光線属種群を頼めるだろうか』

『統一中華戦線大佐、カーウァイ・ラウだ。承知した、取り巻きと最後の1体はこちらに任せてもらおう』

 

言うなり巨神たちは超重光線級に躍りかかり、それぞれの方法でその場から遠ざけていく。

 

グルンガスト零式は体当たりで押し込み。

DGG2号機、アウセンザイターと3号機ヴァルシオンは大出力ビームでラザフォード場ごと押していき。

4号機、ジガンスクードは両腕に装備したその巨大な盾をこれまた巨大な手に変形させて掴みかかり、そのまま持ち上げ飛んでいく。

 

そうして残されたのは1体のデカブツと目玉の群れ。

 

「南部大尉、すまんが付き合ってもらう。何としてもこいつをここで仕留める」

『先ほどに比べれば随分と分のいい博打です。この程度で外すようでは博打好きの名折れですよ』

『おいおい、お前らだけで始めるんじゃねぇよ。俺たちも乗せてもらうぜ』

 

その言葉とともにやってきたのは、米軍と国連軍の戦術機部隊。

零式たちが更に広げた穴を通って戦力を送り込んできたのだ。

 

『ひどいわよキョウスケ大尉、私たち置いて突っ込むなんて』

『エクセレン少尉か、それに国連軍と米軍も』

『全く先走りやがって、戦う理由があるのは俺たちだって同じなんだぜ?』

『そうそう、あいつらたたき出して早く故郷を復興させなきゃな』

『後ろは気にすんな、人類の盾(ボトムズ)共が”死んでも通さん”とさ』

『総員、あいつらだけにいいかっこつけさせるな!俺たちであのデカブツを討ち取るぞ!』

『『『応!!』』』

 

蟻と象の戦いが、始まった。

 

 

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DGGー03 ヴァルシオン

 

ダイナミック・ゼネラル・ガーディアンとして最も早くロールアウトしたこの機体は、良くも悪くもオーソドックスなスーパーロボットとして作られた。

すなわち高火力・高耐久・衛士に求めるハードルが高い、ということだ。

左腕に装着された盾に組み込まれた大出力エネルギー砲”クロスマッシャー”の他に広範囲を重力衝撃波で吹き飛ばす”メガ・グラビトンウェーブ”、格闘戦でも巨大な実体剣である”ディバインアーム”をトロニウムエンジンによる規格外の出力でぶん回し、要塞級ですら片手で投げ飛ばすほどのパワーを持つ。

防御面もDGG標準装備のビーム吸収システム・放熱装甲(装甲を放熱板の代わりとすることで小型種の接触をシャットアウトする技術)に加え、ビーム・実弾両方に干渉し弾道を曲げる”歪曲フィールド”を搭載。衛星軌道を狙うための大出力レーザーならともかく、それ以下のレーザーでは目くらましにもならない。

また本機のみの特徴として、AIによって補助される高性能な指揮管制システムの搭載があげられる。

その指揮能力はパイロット次第ではあるがシロガネにも匹敵し、単機で一戦域の管制をこなせるほどである。

しかしそれは衛士にそれだけの指揮能力を求めるということでもあり、乗り手選定のハードルを上げる要因ともなっていた。

 

つまり、現在の状況はヴァルシオンにとって想定された運用とはいいがたい。

 

 

超重光線級とタイマンを張り、ボコボコにするというのは。

 

 

「ぬううぅぅぅぅん!!」

 

 

腹の底からひねり出した声を響かせ、パウル・ラダビノットはヴァルシオンを操る。

その手に持ったディバインアームを超重光線級に叩きつけ、力任せにぶった切る。

あまりに巨体であるがゆえに回避能力などなく。それゆえのラザフォード場による防御能力とレーザー・触手による迎撃能力であったが、それを上回る攻撃力で強引にラザフォード場は突破され、レーザーも触手も歪曲フィールドによってヴァルシオンから逸れていく。

懐に飛び込まれている時点で、すでに勝敗は決していた。

滅多切りにされて動きが鈍くなったところで、ヴァルシオンは左腕を叩きつける。

自らの最大火力を。

 

 

 

「吹き飛べぇい!クルォォスマッシャァァァァァァァ!!!」

 

 

 

アッパー気味にめり込ませた左腕から放たれた赤と青の光は、螺旋状に絡み合いながら超重光線級を空高く撃ち上げる。

やがて豆粒ほどに見えるほどの高度に至ったところで、クロスマッシャーの威力に耐えられなくなったそれは盛大な花火となった。

 

「見るがいいBETA共。人類の反撃の狼煙を」

 

これ以上、お前たちの好き勝手は許さない。

その思いを乗せた一撃で超重光線級を屠り、すぐに次の目標へ向かう。

今も命を懸けて戦う同胞を助けるために。

 

 

------------------------------

 

 

アルフレッド・ウォーケンがジガンスクードのパイロットに選ばれたのは、半ば偶然でしかない。

 

たまたま自分の適性が高かったこと。

最初に推挙されたホイットモア中将が辞退し、自分を代わりに推薦したこと。

それに対して、特に反対意見が出なかったこと。

 

ただそれだけ。

ゆえに彼はホイットモアに自身の疑問をぶつけた。

なぜ自分を推薦したのか、と。

 

「アメリカ軍の士官でありながら、君の視点はそれにとどまらない。だからこそふさわしいと考えたのだ」

 

そして聞かされた、トロニウムの特性。

ダイナミック・ゼネラル・ガーディアンに課せられた使命。

 

最悪の場合はトロニウムの特性を最大限に生かし、超重光線級どころか周囲のBETAもろとも自爆することで味方の道を切り開く。

 

「後に続く者たちのため、国家や個人の思惑に囚われず動くことができる者。マクロな視点で世界を見ることができる君だからこそ、アレの衛士にふさわしいと考えた。それが答えだ」

 

ウォーケンは合衆国の軍人だ。一番に考えるのは当然合衆国の利益。

しかしあの帝国侵攻の経験が彼に変化をもたらした。

あの地獄の九州戦線。BETAの前では国家の違いなど関係なく、隣にいる者と力を合わせなくては乗り越えることなどできなかった。

あのような地獄に、息子を送り込むことなど到底認められない。必ず自分たちの代で終わらせてみせる。

そうして彼は中国戦線派遣部隊に志願し、積極的に他国の部隊や国連軍の者たちと交流を深めた。

それがこの戦いを終わらせる一番の近道だと、あの戦いで悟ったから。

そうした彼の行動は確かに実り、現場レベルでは極めて良好な関係を築くことに成功した。

その功が認められたからこそ、彼はジガンスクードの衛士に選ばれたのだ。

 

「だから、貴様らにはさっさと消えてもらわねばならんのだ!!」

 

ジガンスクードの力を最大限に引き出し、彼は戦場を高く飛んでいく。

 

DGGー04 ジガンスクード

 

偉大な盾の名を持つこの機体のコンセプトはヴァルシオン以上にシンプルだ。

すなわち、”デカいは正義”である。

地球製人型機動兵器としては最大級の大きさである70メートル越えの巨体に、それに見合うだけの質量とパワー。

胸部に搭載されたヴァルキュリア級すら上回る威力を持つ荷電粒子砲”ギガ・ワイドブラスター”と、両手に装備した打撃装備も兼務する巨大な盾”シーズシールド”で遠近両方に対応。

また巨大な円状のプラズマカッターを展開して機体周囲を切り刻む”ギガ・サークルブラスター”も搭載。広域制圧能力も備えている。

重力制御機関”グラビコンシステム”と重力障壁であるGテリトリーも備え、DGG最強の防御力と評されるその頑丈さは超重光線級の最大出力レーザーを防げるとされるほどだ。

あえて機体を大きくすることで、必要な装備を収め切ったうえで頑丈さも確保する。

巨体ゆえのデメリットを、そのデカさを以て強引に解決するというある意味アメリカらしい機体ともいえる。

 

トロニウムという規格外の心臓を以て完成を見たその力で、ウォーケンは超重光線級を空高くまで持ち上げていた。

超重光線級も当然抵抗しているが、伊達や酔狂で偉大な盾などという名前はつけられていない。掴んでいる盾から流し込まれる高圧電流で焼かれながらも繰り出される至近距離での攻撃を全く意に介すことなく、ジガンスクードは高度を上げ続ける。

 

「時間がないのでな、素早く確実に仕留めさせてもらう!」

 

そうして地上1000メートルまで到達。がっちりつかんでいた手をあっさり放す。

この高さから落としただけでも大ダメージは確実。しかしウォーケンは確実にとどめを刺すため、一切手を抜かなかった。

 

「全出力を正面フィールドに集中!地上の染みとなれッ!!」

 

可視化されるほどに強固なフィールドを作り出し、重力加速すら味方にして今度は地上に向けてダイブする。

落下中の超重光線級めがけて。

 

 

 

「嵐の前に消え去るがいい!ジガンテ・ウラガーノッ!!」

 

 

 

一切減速なく地上に突っ込み、巨大なクレーターと土煙が上がる。

まもなくそこから現れたのは、返り血塗れの最強を証明した盾であった。

 

「何とかなったか…。すぐに他の救援に回らなくては」

 

機体のコンディションチェック後、すぐに移動を始めようとした時。

轟音とともに、土煙が上がる。

即座にそちらを見れば。

 

 

 

 

 

 

 

「何っ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

母艦級に撥ね飛ばされる、零式の姿が見えた。

 

 





○ 一方その頃

マッド1「やっぱ無理ですってこれ!何もかもぶっつけ本番とか無茶苦茶ですよ!?」
九郎「いつものこったろうが泣き言言うな!それとも何か、勝手に作っておきながら自信がないってのか!?」
マッド2「馬鹿言わないでくださいよ我々は常に全力運転です!!例え回転しながら落っこちても中身は無事ですとも!」
九郎「じゃあ問題ないだろうがさっさとやれ!!緊急用カタパルト展開、タウゼントフェスラーぶっこみスペシャル射出用意!!」
マッド1「りょうか、何ですその名前!?もっとかっこいいのに」
九郎「ガタガタ抜かすなさっさとしろォ!!ケツから手ェ突っ込んで奥歯ぶっ飛ばすぞ!?」
マッド3「やべぇ、博士がいつになくマジだ」
九郎「かぐや!アレも使うぞ、用意にどれだけかかる!?」
かぐや「万一を考えてペレグリン級に乗せて地球近海に待機させてあります。しかしまだ実験室段階のものです、効果のほどはやってみなければ分かりません」
九郎「だから今確かめるんだろうが。どのみち実戦試験は必要なんだ、その時が今来ただけのこと!打てる手は全部打つまでだ!」
かぐや「…了解、ミサイルに乗せて射出します。起動までカウント、マイナス600秒」
九郎「ぶっこみスペシャル射出!!中国戦線総司令部にダイレクトライン繋げ、俺が話す!!

…頼む、間に合ってくれ…!」


○ライノセラス級

陸戦用重巡洋艦。水陸両用コンテナ船の設計を流用することで建造された戦闘空母。
戦艦サイズであったオリジナルより小型化されているが、コンテナ船の設計流用・小回りの改善・数をそろえるためといった理由がある。
海上も移動可能であるものの水上での機動力は低く、ほぼ地上戦に特化している。
外観として顕著な相違点は連装主砲がなく、艦前部中央に三連装回転砲塔が2基搭載されていること。口径はランドグリーズが運用する物と同じ30,5センチ。
試作艦には存在していたが現場からの評判が悪く(固定式なので前方にしか撃てない、細かい微調整が利かず狙った場所に着弾させるのが難しい、形状的に被弾すると脱落しやすく故障を起こしやすいのに戦闘中の修理がほぼ不可能)、量産前に設計変更された。

そして艦首衝角は、ない。

戦術機一個中隊を搭載・運用可能。設計の流用元であるコンテナ船譲りの積載能力で高い継戦能力に戦術機の修理すら可能である。
現在急ピッチで量産が進められている。


ライノセラスの艦首衝角はお無くなりとなりました。
使うような相手がほぼいない(そんな大物が要塞級か超重光線級ぐらいしかなく、要塞級なら遠距離から砲撃した方が安全だし、超重光線級はそもそも使える距離まで近寄れない)し、そもそも戦闘艦が格闘戦してどうする、という話だし。
威力乗せるためには助走距離すら必要だしなぁ…。
ハイヴのモニュメント破壊?ほぼ間違いなく崩落か倒れて来るのに巻き込まれて全損するよ?それこそ砲撃でよくない?
…ここまで弄ってまだライノセラス級名乗っていいんだろうか?

ジガンスクードはイタリア語?いいじゃないかかっこいいんだから!きっとイタリアから何か協力があったんだよ!


今週の更新は以上です。

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