【完結】NGチルドレン【EVAFF】   作:ガルカンテツ

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Part-F

--作戦最終段階『汎用人型決戦兵器EVANGELIONによる殲滅攻撃』

「マヤ、そっちはどう?」

 

 現在、マニラ基地で、弐号機の起動作業をしている自分の部下に通信を送る。

 

 リツコとミサトは、まだ『オーバー・ザ・レインボー』内CICに居た。統合軍のネットワークを使って指揮をするらしい。

 

『はい、先輩。弐号機のS2機関起動作業が終了して、アスカが搭乗。シンクロ率92%で起動しました』

「え、もう?じゃあ、アスカに繋げる?」

 

 モニタのマヤが消え、代わりにエントリープラグ内のアスカが映し出される。自身のイメージカラーでもある赤色のプラグスーツを着たアスカは、はちきれんばかりの笑顔だった。

 

『ねぇねぇ!リツコ!ミサト!使徒は、まだなのー!』

「な、なんで、そんなにテンション高いのよ……」

『なに言ってんのよミサト!戦いは始まってるんでしょう?ここで燃えずに何時燃えるってのよ!』

「うっ、どうしちゃったのかしら。アスカ……」

「久しぶりにEVAに乗れて嬉しいんじゃないの?」

 

 EVA弐号機と、同じく起動させたEVA零号機は、新マニラ港に到着した。

 

 元々、マニラ首都圏は海抜30m以下の低湿地帯であった沼地を都市開発した所だ。そのため旧マニラ市の方は低く水につかりやすい。それが、セカンドインパクト時の海面上昇により水没してしまった。

 

 このような光景は世界中に存在する。日本の旧東京もそうだった。大きく変化した海岸線。浅い所では、旧市街の建物がまだ残っている。

 

 使徒群は、その上を飛行してきた。姿が肉眼で確認できる。大型のライフルを構える零号機のレイ。ちょっと腰が引き気味だ。

 

『ううぅ気持ち悪いよ~、あのヌメっとした感じとか~畳んでる虫みたいな足とか~』

『なに言ってんのよレイ!だからこそ殲滅あるのみ!ミサト!もういいでしょ!』

「まだよ、A.T.フィールドを中和するには、ちょっと遠いわ」

 

『ねぇお兄ちゃん。なんかアスカ、性格変わってない?』

 

 ドン引きしているレイが、初号機に搭乗しているシンジに話掛ける。

 

『アスカって、悲鳴を上げながらでも、丸めた新聞紙でゴキブリを叩き潰すからなぁ……』

『げ、やめて。想像しちゃいそう……』

『シンジうるさい!アンタは、初号機を起動させるのに集中しろ!』

 

 EVA初号機は統合軍基地に居た。一応シンジが搭乗して起動を試みているが、もう遅いかもしれない。

 

 CICのミサトが、タイミングを見計らいながら攻撃開始をカウントダウンする。

 

「まだよ、まだよ……10……5……2、1、攻撃開始!!」

『Gehen Wir!!!』

 

 弐号機の構えるバズーカが火を噴いた。

 

 少し遅れて零号機もライフルを撃ち始める。統合軍が、今まで散々苦労したA.T.フィールドをいともあっさり突き抜け、使徒本体に着弾する。早くも先頭の使徒のコアに命中したようで落下を始めていた。

 

 いきなり臨時発令所にさせられた『オーバー・ザ・レインボー』内CICの人達は、ミサト達の会話を聞いて(本当にこいつら大丈夫なのか??)と思っていたが、さすがにこの光景をみると歓声を上げた。

 

 しかし、EVAが次々と正確にコアに命中させ、2つ、3つと落としていくのを見ていると、あまりの圧倒的な状況に声がなくなってくる。

 

 やられっぱなしだった使徒が動きを見せた。触手のようなものを伸ばし高速で振り回し始める。触手は、高速度カメラにも捕らえられないほどスピードを増していて、先端は音速を遥かに超えているだろう。EVAからの攻撃を完全に防いでいた。

 

『ちッ!レイ!援護して!!』

『うん!』

 

 EVA零号機は、ライフルの弾倉を取り替え、速射し始める。弐号機はバズーカを捨て、そばに置いてあったEVAサイズの薙刀『ソニックグレイブ』を取り、沖に向けて飛んだ。

 

「「「「おお!」」」」

 

 驚きの声を挙げるCICの統合軍士官達。

 

 弐号機は所々にある鉄塔やビルの屋上へと、八艘飛びをみせた。使徒群の直下に到達すると、大きく飛びあがる。使徒一体に対してソニックグレイブを一閃、コアごと切り捨てた。

 

 着地は、細い鉄塔の上。フラミンゴの様に片足で立つ。鳥が止まるが如く重さは全然感じさせない。すぐさま触手による反撃があるが、切り裂いたのは鉄塔だけ。

 

 弐号機は再び飛ぶ。体を反らせ、捻りを加えながら伸身の一回転。その間に、また一体の使徒を真っ二つにする。

 

 弐号機の動きは、まるで舞を踊っているようだった。

 

 人間のような。いや人間の動きを超えたEVAの機動に、再び声を失うCICの面々。

 

「これが、汎用人型決戦兵器EVANGELION……」

 

 士官の呟きが全てを物語る。

 

 当初18体いた使徒も、既に半分以下にまで減っていた。また、一体が弐号機に倒される。

 

 突然、群れの最後尾に居た一番大きい使徒が、猛然と速度を上げ、海岸線の零号機へ向かって行った。

 

『!?キャア!!!』

 

 零号機は使徒の二本の触手で攻撃されたが、ライフルをバラバラにされただけで、無傷だった。使徒は、そのまま海岸線を抜け市街地の方へ飛んでいく。

 

「アスカ!あの使徒を追って!レイ!新しいライフル受け取って他の使徒を牽制して!」

 

 矢継ぎ早に指示を出すミサト。既に避難命令は出ているが、なるべく市街地に被害が及ばないようにする必要がある。

 

 弐号機が全力で追いかけるがなかなか追いつけない。

 

(この方向は、統合軍基地?まさか初号機目当て?)

 

 アスカが思案に暮れていると、突然、使徒が停止してこちらを向いた。体を折り曲げ、触手を伸ばす。

 

 弐号機は急に止まれない。

 

 バランスを崩したところへ触手が足に絡み、投げ飛ばされる。

 

 

--初号機エントリープラグ内

『キャーーー!!』

 

 弐号機からアスカの悲鳴が聞こえてきた。

 

 初号機は、未だ起動していない。準備は出来ているが肝心のシンジがシンクロできていなかった。気が焦るばかりだ。

 

「マヤさん!もう一度お願いします!」

 

 シンジは深呼吸してアスカの言葉を思い出していた。

 

『EVAにも心があるの。でもそれは、鏡で映した自分。だからシンクロができる』

 

 再びエントリーが開始される。目を閉じて集中する。EVAを起動すると言う意識ではなく、アスカが教えてくれた鏡の中の自分を見るような……シンジは心の中に沈み込む。

 

 

(ここは?)

 

 シンジはいつの間にか通路のようなところにいた。見覚えがあるような無いような場所だ。

 

 なんとなく通路進んでいくと階段の影に誰か居る。第一中学の制服を着た少年が膝を抱えた状態で座り込んでいた。

 

「君は……?」

 

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