【完結】NGチルドレン【EVAFF】   作:ガルカンテツ

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Part-E

--中央発令所

「ここが、中央発令所。全ての指示を出すところ。言わばNervの心臓部って所ね」

「使徒ですって!!」

 

 発令所に入ると同時に、ミサトの大きな声が聞こえてきた。マコトがそれに答える。

 

「はい!でも、それがNervEU支部からの報告なんですが……」

 

 コンソールの日向に近寄るミサト。アスカ達も何事かとミサトの所へ向かう。

 

「ミサト!使徒が出たの!?」

「あ、アスカとシンジ君と、な、渚クン……」

「ミサト先生、いつもカツ丼ありがとうございます」

「くっ、ここでは葛城大尉と呼びなさい」

 

 なんかやりにくそうなミサト。やっぱりカヲルは苦手らしい。

 

「そんなことよりミサト!使徒はどうしたのってば!」

「あ、そうそう。使徒出現の報告があったんだけど、使徒警戒網じゃなくて、NervEU支部から直接っていうのよ。本来なら警戒網から先に伝わるのに」

「EU支部ぅ~?」

 

 アスカは、あんまりイイ印象がないらしい。渋い顔を見せる。

 

「日向君、とりあえず通信をつないで。あたしが交渉するわ。MAGIに同時翻訳させて皆に聞かせて」

『その心配はあらへんで。『おばはん』』

「お、おばっ!?」

 

 フリーズするミサト。向こう側から強制的に通信を接続してきた。主モニターが四分割され四人の顔が映し出される。

 

 少年が2人、少女が2人、だった。

 

『黄色い猿の言葉くらい、簡単にしゃべれるっつーの!ぎゃははは!!』

『ヴィンター!!下品よ。お初にお目に掛かります。Nerv本部作戦部長葛城大尉?』

『やーい!怒られてやんの!ゲヒンゲヒン!キャハハハハ!!』

『ふっ確かに下品だねキミは。まあ日本人を黄色い猿と表現するのは否定しないがね』

 

(おばおばおばおばおばおばおばおばおばおばおばおばおばおば)

 

 自我境界線がループ状に固定されているミサト。

 

「ほら、ミサト!しっかりしなさい!」

 

 アスカは四人を睨んだまま、ショックで固まったミサトを肘で横腹を打ち正気に戻した。

 

「ぐっ……は、あたしどうしたのかしら?」

 

 アスカを見て画面の一人の少女が反応する。

 

『あら?アスカじゃない?お元気でしたの?』

「ふん。アンタらみたいな知り合いなんていないわよ」

 

 さらに短髪の男が話に割り込んできた。

 

『おいおい、同じ第二次選抜適格者(セカンドチルドレン)やろ。仲よーしようや、アースカちゃん!』

「『アスカちゃん』っていうな!!」

 

 その様子を見ながらミサトはカヲルに耳打ちする。

 

「ねぇ渚クン。この子達って君が言っていた、7人のSeeleチルドレン?」

「はい、その内の4人です」

 

 3日の尋問でカヲルから得た情報の中にSeeleチルドレンがあった。シンジが北米の使徒戦で出会ったカヲル含む3人とは別に4人いるらしい。丁度画面に映っている少年少女が4人だ。

 

「そお……、ねぇ!あなた達何者!?所属と名前は?」

『……これは、失礼しました。ワタクシ達は、地球統合政府特別諮問機関Seele所属の特務部隊です』

「特別諮問機関?」

『あら?ご存知ありません?勉強不足ですわね。最高意思決定機関Hirn(ヒルン)に対して唯一意見できるところですの』

「……で、あなたは?」

 

 画面右上、ウェーブの赤み掛かった金髪、つり目気味の青い瞳の少女。

『ワタクシは、モルゲン・ツェッペリン。セカンドチルドレンですわ』

 

 画面左上、短い金髪、にやけた目の青い瞳の少年。

『ワイは、ヴィンター・ビスマルク。セカンドチルドレンや!』

 

 画面右下、前髪一筋赤に染めたツインテールの金髪、そばかす、垂れ目の青い瞳の少女。

『アタイは、リヒト・ザイドリッツ。セカンドチルドレンよ!』

 

 画面左下、肩で揃えた金髪、眼鏡をかけた青い瞳の少年。

『ボクは、シュヴェーアト・ティルピッツ。セカンドチルドレンさ』

 

 4人連続でフルネームのご紹介だ。ミサトは呆れ半分で嘆息したが共通の言葉に気が付く。

 

「こりゃ、ご丁寧に。ん?セカンドチルドレンってことは……」

『ええ、そこに居る惣流アスカさんと同時期にマルドゥック機関から選出されましたの。ワタクシは、アスカさんのイトコでもあるんですけど』

 

「アンタなんか、親戚に持った憶えはないわよ」

『アラアラ、キョウコおばさまは、お元気?』

「気安くママの名前を呼ばないで……まあいいわ。久しぶりね。最終選抜試験以来かしら?EVA弐号機専属パイロットの」

 

 アスカは腰に手を当て挑戦的な態度で挨拶すると、空気がピリっとした雰囲気に変わった。

 

 モニター越しに睨み合う五人のセカンドチルドレン。短髪の少年ヴィンターが口火を切る。

 

『へっ!折角弐号機パイロットになってもNervごときに、こき使われたんじゃザマーねーやん!』

「ふん、アンタ達もパイロットになれたのね。良かったわね。EVAが貰えて」

『なんや?ワレ!EVANGELIONなんかと一緒にすんなや?このErzengelをよ!』

『ヴィンター!!いい加減にしなさい!アスカ、ワタクシ達は、Erzengelを貰えたわけではありませんわ。キール・ローレンツ様からお預かりしてるだけよ。それより、アスカ。元気みたいね。よかったわ』

「何?今さら」

 

『先日、EVANGELIONの暴走があったと聞きましてね。死んじゃったかと思いましたわ。マリアみたいに』

『キャハハハハ!そう言えばいたわね、そんな子!事故で死んじゃった子!』

『マリア?ああ、EVAに取り込まれた子か』

『けっ!脱落した奴のことなんて覚えてるわけないやろ』

「ア、アンタ達ねぇ!!!!」

 

 今まで醒めた感じのアスカだったが、マリアの名を聞いた途端、激昂し始めた。そのとき、一本の腕がアスカの視界を遮る。横に伸ばしたカヲルの右腕だった。そのままアスカの左前に立つ。

 

「渚?」

 

 シンジも、モニターを遮るようにアスカの右前に立つ。

 

「シンジ」

「アスカ、あの時、話してくれた子のことだよね?」

「え、う、うん」

「そっか」

 

 そう言ったきり何も話さないシンジ。モニターをじっと見ている。アスカは、あっけにとられていた。しかし、激情は落ち着いたようだ。

 

 それを笑顔で確認すると、カヲルは彼らに話しかける。

 

「やあ、久しぶり」

 

 この場に似つかわしくない、とぼけた感じだった。

 

『カヲル!てめぇ!この裏切り野郎!』

『ねーねーカヲルゥ戻ってきなよ~?』

『フン!ボクはいやだね。そのままそっちに居てくれたまえ』

『カヲル、いくらキール様から自由を確約されているからってNervはないんじゃありませんこと?』

 

「裏切りは酷いなぁ。NervもSeeleも同じ地球統合政府の一員じゃないか。仲良くしようよ。……それとも政府を裏切るとでもいうのかい?」

『『『『……』』』』

 

 沈黙が降りる。

 

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