【完結】NGチルドレン【EVAFF】   作:ガルカンテツ

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第5話 『稲妻』ステップ
Part-A


--Nerv本部最上階総司令執務室

「葛城ミサト、ただいま出頭いたしました!」

 

 いつもの席に座っている碇総司令の前に進み出る。

 

 総司令の両脇に冬月副司令と惣流情報部長。ゲンドウは、机に二本線の入った襟章を転がした。

 

「葛城大尉、本日付けで少佐に任命する」

「は?はい!謹んで拝命致します!」

 

 それきり黙る総司令。もう言うことはないようだ。こういうとき気が利くのが冬月副司令。

 

「昇進おめでとう葛城君。これからも精進してくれたまえ」

「ありがとうございます」

「チルドレンの様子はどうかね」

「はい、追加配備されたEVAもシンクロテストが終りました。今は実戦を想定した訓練に移っています」

 

 葛城ミサト『少佐』率いる『対使徒戦術旅団』は、ようやく完全装備状態になった。

 

 群体で襲ってくる使徒に対抗する為、全世界の力を結集して造られた24機のEVA。予備はない。これに乗るのは14歳の少年少女24人チルドレン。もちろん予備はない。

 

 全世界から集められた子供達。いろいろな個性がぶつかり合う。熱い奴もいるし、冷めた奴もしかり。

 

 

 最後の追加配備が終了した夜。受入作業が終了したEVAが駐留するケイジに熱い奴、飛鷹ノリコが居た。

 

「苦節二十八年!!待ちに待ってた私の乗機が、やっと来たのね!!」

「あんた、まだ14歳でショ」

 

 冷めた奴、ユング・レキシントンも一緒に居た。

 

 彼女達は、同じ第二中隊第三小隊のメンバー。一応、ユングが小隊長だ。

 

 ノリコは目の前のEVAに向かって、ずびしっと宣言する。

 

「あなたを『ガンバスター』と名付けましょう!」

「もう、EVANGELION十六号機という名前が付いているワ」

「必殺技は『スーパーイナズマキック』よ!」

「どうせ只の飛びげりでショ」

「これで、宇宙の平和が守れるのね!」

「せめて、地球の平和にしなさイ」

「ああ、沖女のコーチ!おねえ様!天国から見守っていてください!」

「死んでないっテ」

「……」

「……」

 

「えーーーん!ナディア~!ユングがいぢめるよぉ~!」

「ふン」

 

  第三小隊の後一人のメンバー、ナディア・クレマンソーも付き合ってここに居た。泣きついてきたノリコの頭をなでる。

 

「ヨシヨシ。でもノリコ、EVAに落書きは良くないよ」

 

 目の前のEVA十六号機、飛鷹ノリコの乗機に、『私の(はぁとまぁく)』と書かれていた。

 

 閑話休題。

 

 

 再び総司令執務室に沈黙が下りる。ミサトは、もう用はないのかと踵を返そうとすると、ゲンドウに呼びとめられた。

 

「葛城君」

「はい?」

「これから君に話すことは、最重要機密だ。聞くかね?」

「え?」

 

 ミサトは、Nerv本部の中でかなり高い地位にある。

 

 数ある部門の中でも作戦部は重要視されているからだ。しかし司令部には及ばないし、Nervの根幹である情報部、技術部などとも隔たりがある。

 

 だから、情報を制限されたとしても当然だと思っていたし、自分は現場の人間だから役割を果たせば、それでいいとも思っていた。

 

 しかし……

 

「はい。お願いします」

 

 ゲンドウが選択権を与えることは滅多にない。聞いたら引き返せないということだ。

 

 Seeleという組織。

 プラン(オー)

 アダム。

 真・人類補完計画

 サードインパクト・リバース

 

 どれも驚愕に値する内容だったが、惣流情報部長から直接聞いたことに一番衝撃を受けた。

 

「ミサトちゃん……これは確認が取れていない情報なんだが……君のお父さん、葛城タカオ博士が生きているかも知れない……」

 

 

--野外模擬戦場

 今日も鬼少佐ミサトの怒号が響く。

 

「浅利君!!配置に着くのが遅れているわよ!もう一度フォーメーションを組むところから始めなさい!」

『『『『『はい!!』』』』』

 

「駄目駄目!!連携がなってないわ!!もう一度初めから!」

『『『『『は、はい!!』』』』』

 

「遅い!!もう一度初めから!!」

『『『『『ひぇ~~~~~』』』』』

 

「もう一度初めから!!」

『『『『『うぉーーーー!!!(やけ)』』』』』

 

 

--女子更衣室付きシャワー室

「はあ……『もう一度初めから!!』」

「止めて~~~アスカぁ~~~もうそれ聞きたくないよ~~~」

「ほーんと、今日の訓練も厳しかったわね~」

 

 訓練終了して疲れきったアスカ、レイ、マナ。他のチルドレンも疲労困憊だ。三人は隣合わせの個室でシャワーを浴びている。

 

「あ、アスカ~しゃんぷー貸して~」

「んったく、ちゃんと自分の持ってきなさいよレイ。これ高いんだから。ほれ!」

 

 シャワー個室の壁の隙間から、ぽいっと高そうなシャンプーのボトルを投げる。

 

「おっとっと、さんきゅ~。そういやマナちゃん戦自のがっこ~で訓練受けてたんでしょ?それでもキッツイの?今日のやつ」

 

 今度は逆方向の個室のマナに話し掛けた。マナは戦自の学校に居たことがあるので感想を聞きたいようだ。

 

「んーーんん、そうねー戦略工科学校でやった訓練は、体を使うだけだからねーEVAみたいに神経ごと疲れるってことはないわね。小隊長としても気ぃ使うしー」

 

 マナも髪を洗っているのだろうわしゃわしゃという音が聞こえる。その言葉を受けてアスカがしみじみと語った。

 

「分かる分かる。アホな部下持つと苦労するわー」

 

 アスカの部下といえば第一小隊だが、この場にいるのはレイだけだ。さすがのレイも自分のことだとすぐ分かる。

 

「あ~~~!!ひどいアスカ!!私だっていっしょーけんめーやってるもん!!」

「だったら何にもないところでコケないでよ……恥ずかしい……」

「うぐぅ」

 

 反論は許されない。マナが話題を変えるように最近のことを話す。

 

「それにしても、最近きびしくない?ミサト少佐」

「なーんかミサトが少佐になってからよね。はりきってるのかしら」

「楽しかったね~『ミサトさん昇格おめでとうパーティ』!」

 

 ケンスケが幹事となり、ミサトの昇進を祝ってパーティが先日開かれた。アスカが、そのときを思い出しながら苦笑いする。

 

「相田の奴、ウチとレイの家を会場にしやがって。ただの焼肉パーティーなのにチルドレンみんな来るし。リョウコと天城は喧嘩を始めるわ、ナディアは野菜しか焼かないわ、長良はお土産のケーキを爆破するわ、ユキノと鞍馬はイチャイチャするわ、ヒカリはイヤンイヤンするわで、後始末が大変だったわよ」

 

 マナも、そのときのことを思い出しながら、シャワーを止めバスタオルを巻いて個室から出た。

 

「アスカだって加持さん来て喜んでたじゃない。私もシンジくんの部屋覗けて嬉しかったな。あっ、そうそう聞いて聞いて!男子が騒いでたんだけど、シンジくんエロ本隠してたんだって~、ぷぷぷっ!やっぱりオトコノコなのね~」

 

 同じく個室から出たアスカとレイがそれぞれの反応をみせる。

 

「……後でとっちめてやる!!」

「……後で見してもらお~」

 

 実はケンスケの持ち物を隠してた。というのが真相だが。

 

 三人とも体を拭いて髪を乾かし着替え終わる。後は帰るだけ。

 

「あれ?レイとアスカは帰らないの?」

「うん、今日も練習なの!」

「レイ行くわよ、シンジと渚が待ってるだろうから」

「じゃ~ね~マナちゃん!みんなー!」

「……あー、例の演奏か。大変ねー。私は絵画にしちゃったけど。ふふふ、シンジくんの『伝説のチェロ』が聞けるのねー楽しみっ」

 

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