【完結】NGチルドレン【EVAFF】   作:ガルカンテツ

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Part-C

--Nerv本部会議室

 会議室は重苦しい空気に包まれている。

 

 未だにシンジの行方が分からない。総司令、情報部長、技術部長、作戦部長で集まって情報の整理を行っていた。ゲルハルトは資料を見ながらため息を付く。

 

「フィフスに関する情報は一切なしか……」

「ああ、Seeleチルドレン7人の内、判明しているのは4名だ」

 

 Seeleチルドレンと呼ばれている7人の内、セカンドチルドレンとして登録されている4人は既に身元が判明している。

 全員ドイツ出身、家族も健在で資産家の子供も居た。モルゲン・ツェッペリンに関しては本当に惣流・キョウコ・ツェッペリンの姪だった。ただ本人達の現在の居場所は判明していない。家族も心配しているというが、実際はそうでもなさそうなところに闇を感じる。

 

 セカンドチルドレン選抜時の組織マルドゥック機関は、惣流夫妻が娘の行方を捜索したときに、108の関連企業は全てダミーで実体はSeeleそのものが操っていたことが判明している。

 

 アスカがEVA弐号機のパイロットとして採用された後、残りのセカンドチルドレンをSeeleチルドレンとして取り込んだようだ。

 

「セカンドチルドレンの4名、いや4機のErzengelが使徒捕獲失敗でネバド・デル・ルイス火山から撤退するときも追尾ができていません。Erzengel自体が一切レーダーに掛からないようです。人工衛星からのカメラでもロストしています」

 

 リツコがセカンドチルドレンの調査状況を報告する。

 

 彼らの本拠地を探ろうとしているが、こちらも未だ不明。EVA同様Erzengelもメンテナンスの大規模な施設が必要で、それだけの施設が隠すことは難しい。Nervのようにヒト、モノ、カネの大量の動きがあるはずだが傾向が掴めない。

 考えられるのはNerv結成以前から慎重に準備が行われていたということだ。

 

「渚カヲルの情報では、セカンドチルドレンの本拠地は『赫き月』と呼んでいるそうです」

「そしてその他3人の本拠地は『蒼き月』か……」

 

 リツコの言葉を受けゲルハルトもその名称を思い出す。

 

「『赫き月』に『蒼き月』……やはり『白き月』『黒き月』のようなものなのでしょうか?」

「『白き月』『黒き月』って?」

 

 ミサトがその知らない単語に反応する。リツコがそれを受けてゲンドウに向き直った。

 

「総司令。作戦部長に情報開示を許可願います」

「許可する」

 

 今度はミサトに向き直り、『白き月』『黒き月』について説明する。

 

「Nerv本部が『黒き月』!?」

「そう、直径13.75kmの球状空間。それが『黒き月』よ。そのうち89%が土砂で埋まっていてジオフロントはその空間を利用しているの。そして『白き月』は南極にあったアダムが居たところよ。それがどうなったかは、あなたが一番知っているでしょ」

「セカンドインパクト……なんなの?そのナントカの月って……」

「それは諸説あるわ。地球外がら来たのは間違いないけど」

 

「シンジ君が連れて行かれたのもNerv本部みたいなところかもしれない?」

「そうね。渚カヲルが向かったところが恐らく『蒼き月』ね」

「この地球のどこかの地下にシンジ君がいるのか……」

 

 なんとなく漠然としたことをミサトが呟いたとき、携帯電話が鳴った。

 

「なに?日向君。会議中よ」

『パターンブルーです!使徒が出現しました!』

「こんな時に!?」

 

 

--蒼き月

 天頂の人工太陽が光度を下げ夕方から夜に移ってきた。

 

 ちなみに日本の標準時にあっているらしくシンジの時計と同じ時間のようだ。夜の時間になっても完全な闇ではなく、人工太陽が丁度月明かりのようになっている。ただ星明りはない。3人の住居日本家屋以外の明かりはなく、本当にこの広大な地に3人だけで住んでいるようだ。

 日本家屋には電気も水道も通っているようで不便はなさそう。意外にもグラオベ・アンカーだけが料理を作ることができ、夕食も彼が作っていた。

 

 シンジが素直に美味しいと褒めると

 

「いいからさっさと喰え」

 

 と取り付く島もなかったが、カヲルによると照れているそうだ。ちょっと印象が変わったシンジだった。

 

 夕食の後は、花火をすることになった。

 

 といっても大きな打ち上げ花火などではなく、おもちゃ屋などに売っているファミリー向けだ。

 

 縁側から庭に出て準備していると、綾波が浴衣に着替えて出てきた。青色を基調に花柄をあしらった浴衣を着ている。

 

「綾波、その浴衣とてもよく似合っているね」

「何をいうのよ……」

 

 表情が余り変わらない綾波だったが、しばらく一緒にいるとシンジにもちょっと分かるようになってきた。今は照れているようだ。

 

 ロウソクを付け、皆で手持ちの花火を楽しんでいたところ、グラオベ・アンカーがスイカを切って持ってきてくれた。ご丁寧に塩も添えてある。

 

「あ、ありがとう」

「構わん。折角育てたスイカだ。食わないと勿体ないからな。いつまで畑を維持できるか分からんし」

「え?それは……」

 

 シンジの問いには答えず、種をプププと飛ばすと綾波を見ながらこう言った。

 

「ありがとうなシンジ。良いものが見れた」

 

 顔はこちらを見ていない。小声だったので一瞬聞き違いかと思ったが感謝されたようだ。

 

「いや、こちらこそスイカありがとう、えーっと」

「グラオベでいい」

「うん、ありがとうグラオベ君」

「……今日だけだ。次に会ったときは敵だ。覚悟することだな」

 

 それだけいうと、奥に戻って行ってしまった。カヲルは笑顔でそれを見ていた。

 

「さあ、そろそろ片付けて寝ようかシンジ君」

「うん」

 

 

--中央発令所

「第6サーチ、衛星軌道上へ。接触まで後2分」

「目標を映像で捕捉」

 

 主モニターに映し出された使徒は常識を疑うような姿をしていた。発令所のスタッフが困惑した声を上げる。

 

「目標と、接触します」

「サーチスタート」

 

 オペレータの宣言の後、画像が乱れて消えてしまった。監視衛星を破壊したようだ。

 

「A.T.フィールド?」

「新しい使い方ね」

 

 ミサトの疑問にリツコが感心したように答える。防御ではなく攻撃にA.T.フィールドを使ったようだ。

 

 使徒は突如衛星軌道に出現した。

 

 監視衛星を破壊した後は行方をくらませている。かなり巨大な使徒で中心に目のような模様があり蝶の翅のように左右に広がっている。衛星軌道なので手の出しようがない。

 

 以前使用したSSTOは正式配備のため一旦Nerv北米支部に移動している。近日中に24機分が本部に到着予定だ。

 

 1時間ほど経ったとき状況に変化があった。

 

「たいした破壊力ね。さすが、A.T.フィールド」

「落下のエネルギーをも利用しています。使徒そのものが爆弾みたいなものですね」

 

 主モニターには衛星からの映像で、海に波紋が広がっている様が映し出されている。場所はニュージーランドとオーストラリアの中間付近。そこに使徒の一部を落としたらしい。

 

 衛星軌道からの落下エネルギーとA.T.フィールドによる破壊力で、地上に落ちたら大変なことになる。幸い落ちた場所が海のため津波は発生しているが、大きな被害は無さそうだ。

 

「しかし、なんでこんな場所に?」

「さあ?でも北米や南米の使徒の件もあるから、何か目標があることは確かね」

 

 マコトの疑問に答えるが、目標が何なのかミサトにも分からない。使徒の現在地は不明だ。

 

「まさか『蒼き月』?」

 

 マコトには聞こえないように小声でぼそっと呟く。使徒は何かを探っているように見える。

 

「日向君、統合軍参謀本部に連絡。使徒の衛星軌道からの攻撃が内陸にも行われる可能性あり警戒されたし。と」

「了解!」

 

 ミサトの心配の通り、1時間後第2射が行われたようだ。今後はオーストラリア南東部に落ちた。幸いにも人が余り住んでいないところらしく、大きな被害はない。

 

 現在のオーストラリアは南極で発生したセカンドインパクトの被害が大きく未だ再建の途中だった。南半球の国はどこも似たりよったりで、地球統合政府の援助が無ければ立ち直りも難しい。

 

「第1射と第2射の場所を線で結んでみて、その延長に目標があるのかも」

 

 ミサトの予想だと使徒は攻撃する場所の誤差修正をしているように見える。次かその次辺りが目標の場所かもしれない。

 

「主モニターに表示します。線はオーストラリアの中央を通っていますね……」

「このランドマークは?」

 

 予測線が通るオーストラリアほぼ中央に印があった。その上空を線が通っている。

 

「エアーズロックですね」

 

 オーストラリアのエアーズロックは世界最大の一枚岩として有名だ。セカンドインパクトの後でもその姿を保っている。

 

「なんかいやな予感がするわ……」

 

 ミサトの予感は1時間後に的中する。

 





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