--第一実験場モニタルーム
「!?初号機に反応あり!」
EVA初号機の状態をモニタしていたマヤが叫ぶ。周りも反応しコンソールを操作し始めた。
「戻って来たか」
ゲンドウは立ち上がり、実験場へと向かう。
実験場では、EVA初号機を立たせ、むき出しのコアの前に足場を用意している。リツコやアスカ、レイがコアの前で、ユイとシンジが出てくるのを待つ。
コアの表面が波打ち、何かが出てくる兆候を見せた。最初に見えたのがプラグスーツ姿のユイだ。
「ユイ!」
「ユイさん!」
ゲンドウとリツコがコアに近寄ると、ユイは歩いてコアから出てきた。そして背中にシンジを背負っている。
「ただいま。ふふ、さすがに重くなったわね。シンジ起きなさい。早く降りて」
「ん?んん……おはよう……」
寝ぼけまなこで、母の背中を降りた。正面を見るとアスカが腰に手を当て仁王立ちしている。
「あ、アスカ。ただいま」
「おかえりシンジ……真っ裸よ」
「え゛っ!」
ユイはプラグスーツを着ていたが、シンジは真っ裸。
「わわわ!なんで!?」
「ほらタオル」
慌てて手で局部を隠す。アスカに投げてもらったタオルを腰に巻いた。
ニヤリとするアスカ。
「シンジ」
「ん?なに?」
「ほれ」
というとスカートをたくし上げ、スパッツを見せようとする。
「わわ!!アスカ!何してんだよ!」
シンジは顔を真っ赤にして手で覆い隠した。その反応にアスカは
「っし!」
「何ガッツポーズしてんのアスカ」
隣に居たジト目のレイに突っ込みを食らう。
念のため検査入院すべく病院に向かった2人を見送った後、警報がなった。
『新たな使徒出現!場所は大涌谷上空!EVA弐号機出撃願います!』
「ようやくアタシの出番ね!」
--アルピーヌ・ルノーA310運転席
「後15分でそっちに着くわ。弐号機を32番から地上に射出、零号機はバックアップに廻して」
『了解!通信終わり!』
「使徒を肉眼で確認……か……」
ミサトの運転するルノーの窓から巨大な光る輪が見える。
松代からNerv本部に向かう途中で大涌谷上空に突如として使徒が出現。現在世界3か所に使徒が出ているが、予想通り第三新東京市にも現れたようだ。
--中央発令所
「遅かったわね」
「言い訳はしないわ。状況は?」
「膠着状態が続いています」
リツコが代理で指揮を執っていた。言い訳より現状把握を優先する。
ミサトが発令所についても使徒は動きを見せていなかった。相変わらず大涌谷上空から動かず定点回転を続けている。他の場所も同じでErzengelとの睨み合いも続けている。
「弐号機は桃源台に配置。零号機は都市東側に位置しました」
「このままじゃ埒が明かないわね。L7ブロックの兵装ビルを稼働、使徒に対して攻撃を……」
「空間の歪みを検知!都市中央部です!」
「なんですって!」
第三新東京市の上空にも巨大な赤い円状の現象が発生、中央の黒い穴からErzengelが降りてくる。しかも2機。
片方は暗めの赤色のErzengel四番機。搭乗者はモルゲン・ツェッペリンのはずだ。翼をはためかせEVA弐号機の傍に降り立つ。
もう一機のErzengelは都市西部に降りるようだ。機体の色は青でErzengel弐番機。搭乗者は綾波レイ。
「何のために?レイ!EVA零号機は都市西部に向かって!青色のErzengelを牽制!」
『まーかせて!』
--EVA弐号機エントリープラグ
『お久しぶりですわね。アスカ』
「アンタ何しに来たのよ……」
『教える訳ないじゃありませんの。おばかですの?』
通信スクリーンにツリ目でウェーブの掛かった金髪の少女、モルゲン・ツェッペリンが表示された。勝気な表情で口に手を当て、アスカを嘲笑している。
「相変わらずイラっとする女ね。邪魔したらアンタもブッとばすわよ」
アスカは通信を強制的に切断し、発令所に繋げる。
「ミサト、使徒に攻撃を仕掛けるわ。支援よろしく!」
『了解。気をつけてね』
--EVA零号機エントリープラグ
EVA零号機を急いで走らせ都市西部に着く。背後で兵装ビルから攻撃が始まっている。あちらはアスカに任せ、こっちの任務、青色のErzengel弐番機を牽制することに集中。
どうやらErzengel弐番機は高台の公園近くに居て、しゃがんだ状態から立ち上がるところのようだ。
「牽制ってどうすりゃいいんだろ?」
碇レイは、とりあえず通信をつないでみる。
「もしもーし、そちら綾波レイさんであってますかー?」
Erzengel弐番機の搭乗者は碇レイとそっくりの綾波レイと聞いている。自分とそっくりの人間がいることはビックリだ。一度お話してみたいと思っていた。
少し経つと通信を接続してくれた。綾波レイがウィンドウに表示される。
(わっ、本当にそっくり!)
映し出された顔は、毎朝鏡で見ているレイの顔そのままだった。蒼銀の髪と赤い目も同じだ。
「こんにちは!」
『……』
「えーっと」
『……』
繋いでくれたものの反応がない。綾波レイの顔も表情がまったくなく何を考えているか分からない。その辺りは自分と大分違うようだ。
「Nerv本部の碇レイです!綾波レイちゃんで合ってるよね?」
『碇クン?』
「クン?ああ、碇シンジはお兄ちゃんだよ」
『そう』
兄の名前に反応する。シンジの報告では綾波レイとずいぶん仲良くしているようだ。妹としてちょっとジェラる。
「綾波レイちゃん……じゃあ長いな。レイちゃんじゃ私と同じだし。アヤちゃんでいい?」
『ええ』
シンジの名前をきっかけに少しずつ話してくれるようになった。そのまま会話を続ける。一方的に碇レイからしゃべりまくる感じだが一応牽制(?)になっているようだ。
--EVA弐号機エントリープラグ
光る輪の使徒はパレットガンや兵装ビルからの攻撃でもビクともしない。どうやら直接接近戦で攻撃するしかなさそうだ。パレットガンを捨てソニックグレイブを構える。
「ミサト!接近戦を仕掛けるわ!」
『何をしてくるか分からないわ!慎重にね!』
「了解!A.T.フィールド全開!」
A.T.フィールドを全開にした瞬間、使徒が反応を見せた。光る輪の状態から途中で切れて光る紐になり、EVA弐号機を襲ってくる。その姿は光るミミズのようだ。
--東西アメリカ国境付近
「うおっと!!」
光る紐の使徒をギリギリで避けるEVA参号機。突然輪っかの状態から紐になり襲ってきた。
咄嗟にパレットガンで防いだが、破壊されてしまった。避けても何度も襲ってくる。ミミズみたいでキモイ。
「こんにゃろ!」
光るミミズの頭が再度突進してきたところを殴る。
EVA参号機の拳にはサンダーナックルという白兵戦用の武器を装備しており、打撃と同時に電流で攻撃するが、まったく効いていないようだ。
殴ったり避けたりを繰り替えすだけで、なかなか進展しない。ふと視界の端に見えるErzengel五番機を確認すると、チンピラみたいにウンコ座りで見物している。イラっと来た。
--サハラ砂漠
ヒカリもトウジと同じように光る紐の使徒に苦戦していた。
「くっ!」
EVA四号機は使徒の突進を二本の刀、アクティブソードをクロスして抑える。超振動の刃でも切れず決定打に欠けていた。
『きゃはは!ブザマブザマ!』
それに加えリヒト・ザイドリッツからの通信で煽られ集中できない。
「貴女何しに来たのよ!」
--オーストラリア大陸中央部
光る紐状の使徒は素早く、なかなかライフルを当てることができなかった。何とか当たっても酷く頑丈で、まったく効いていない。
「こうなったら……」
今度はライフルを構えず、突進してきた使徒を避けながら掴んだ。その状態でライフルの銃口を押し当て接射する。何度も何度も打ち込むが貫けず、暴れる使徒を手放してしまう。
「固ってー!」