魔の神様と苺のケーキ   作:かりん2022

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お店

「ということで、新生魔法雑貨店は作りたい物を作って売りたい物を売ります。当座の資金ならある‼︎」

「おお……」

「すげー。殿様商売だ」

「ティアラがんばります」

「頑張るんじゃぞ」

「ってことで、何作りたい?」

「「ロボット‼︎」」

「あれ、面倒だよ?」

「面倒って事は、作れんの⁉︎」

「レシピ見る?」

 

 私は、どさりと分厚いレシピを渡した。

 最近、ようやく天使の鍵が開いたのよね。

 

 これでゲーム時代のレシピが復活した。大量の素材も完成品も私のものである。

 

「作りたいならチャレンジすればいいわ。わからなかったら聞いてね」

「「作りたい‼︎」」

「がんばれ、若人。欲しい材料があったら天空島に取りに行っていいから」

「おうっ」

「光香師匠も作ろうよ」

「私は既に最高傑作があるからね。動かす?」

「「動かす‼︎」」

 

 張り切っている彼らに、操縦方法を書いた紙とロボットを封じた本型の箱を二箱渡す。

 

「平原で試運転してくるといいわ」

「わしらは調薬を頑張りたいのぅ」

「はい、ティアラは皆様のお役に立ちたいです」

「そっちは地道に診療とかして腕を上げようか」

 

 私は何をしようかなぁ。

 浮遊島で素材取りでもしながら、何を作るか考えようかな。

 飛空船でも作るかなぁ?

 これから魔法使いが増えるわけだから、魔法式の船にも需要はあるかも。

 そうと決まれば船やらロボットやらが作れるとても広い工房が必要である。

 

 私は早速設計図を持ってアステラの大工に持って行った。

 

 その次の日には軍人さんがやってきた。

 

「あれを学校で教えないなんてずるいじゃないですか‼︎」

「一年生のヒヨッコにあれが作れてたまるか。相応しい難易度というものがあるのよ。本質的には職人なんだから、腕の上達を見て新しい課題を与えていくつもりだったのよ」

 

 レックスと静流はデスマーチ中も貪欲に勉強を忘れなかったからね。

 才能があって努力してる。下積みもしてる。それだけの力があるのである。

 

「ぐぬぬ……お願いします、教えてください」

「要点を教えたら一年で用無しでしょ? まあレシピは渡しますよ」

 

 騙して放り出すような事をするからそうなるのである。恨みは買いたくないから、これ以上は虐めないけれども。

 ゲートのある国、アクア国からもトリス魔道国からもパルス帝国からもイラッシャ商王国からもロボットの売却の要請が来た。ついでなので、それと大和国にレシピと儀式用の魔法陣を書いた紙を配布する代わり、十年後の国際大会の開幕と腕のいい魔術師への補助金制度をお願いする。それとは別に、レシピの写本手数料として大金をいただいた。流石に、どの国もいくつかレシピを買ってくれた。そう、コピーすればいいってもんじゃないのである。私達にも還元しようって気持ちが大事だよね。ロボットのレシピはお金を払えば誰にでも売ったので、企業なども名乗りを上げた。

 

 さて、条件は皆同じなのでがんばれ。

 

 それはともかくとして、空飛ぶ小舟を十五艘ほどオークションで売ったら魔法使いしか使えないにも拘らず、大金で売れた。これで研究費はバッチリである。

 

 めざとい大和の会社は、部品を作れるようになった段階で各国に売っている。

 各社でそれぞれ部品を作り、どこかが組み立てるだろうという作戦である。

 それはそれで正しい。ただし、売ったレシピって10体の割とコンセプトの違う設計図をランダムにお渡ししてるんだよね。てへっ 

 

 工房が完成し、本格的に静流とレックスが作業を始める。

 ロボット作りを頑張るぞってのはもう広まってて、飛び込み弟子はいいんだけど、儀式も終えずにってのはちょっと図々しくない……? ということで、弟子入り条件に儀式とレシピの暗記を終わっている人とした。

 レシピを覚えているということは、大和語も文字の読み書きもわかるということ。

 そこら辺は最低限しておいて欲しい事である。

 でもそこまで出来る子はうちに声かける前に国からスカウトされるんだよね……。

 

 五年後。

 レックスと静流はロボットを完成させた。

 

「プロトタイプかんせー‼︎」

「後は改善していくだけだね」

「すごいわ。よくこんな短期間で出来たわね」

「他の人達はもっとすごいよ」

 

 確かに、三年前から各国で続々ロボットが完成したのだけれども。

 それは大和国の部品を使ってのことである。それなしの独力での快挙だ、十分すごい。1から全部やるのはとても大変なのだ。

 そうそう、弟子も3人ほど入った。

 かつての生徒とこの国の王子である。

 

「これからは大和の会社の部品も使っていくよ。一通り作ることは試したし」

 

 大和国の取材を受け入れ、苦労話をしていく二人は一人前の男という感じだった。

 二人は記念すべき一体目をスッパリと売ってお金と素材に変えた。

 まだ完成させてなかったアクア国は大喜びである。 

 

 一方私は、日替わりで作りたいものを作って売り、たまに船を作ってオークションに流していた。

 

「なあ、光香。たまには遊びに行かねー? 各工房から招待状届いているし」

 

 1から全部作ったことへのお祝いついでに、招待してくれる工房がいくつもあったのである。要はその講義をして欲しいということなのだが、いろんな工房を見られるのは純粋に勉強になる。

 

「旅行、いいわね」

「いろんなロボットが見れるよ」

「私、ロボット見るの好きです。トリス魔道国の医療院も見たいです」

「旅行、嬉しいねぇ」

「「「やったー」」」

 

 ということで、旅行である。

 

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