ピンガ「俺が生き残る為にオリキャラ生やした」 作:ていとくン
一話でまとめるつもりだったのですが、書いてるうちに余裕で1万字オーバーしてしまったので、2話に分割して投稿します。
カツカツ、と靴の音を廊下に響かせて歩く一人の男。シェリーの監視役を担当しているアルマニャックが向かう先は、当然ながら彼女の研究室。
数え切れない程通った場所だが、今日はやけに道のりが遠く感じる。辿り着いた先、入口のドアが重たく感じることも、今の己の心情故か。
ー合わせる顔がないー
今の自分が、どの面下げて志保の元へ向かうのか。ひたすら自問自答を繰り返しているうちにいつの間にか部屋の前まで来てしまった。
顔を出すべきではないのでは、と考えたが、伝えることすらせずに逃げるのはそれこそ誠意を欠く行為であり、彼女からの信頼に対する侮辱であると判断した。
無論、この先彼女を待ち受ける組織の魔の手から守ってやらねばならないという思いもある。
深呼吸を一つ、ドアを開く。
椅子に腰掛けていた志保が、アルマニャックの姿を確認して跳ねるように立ち上がり、詰め寄ってくる。
「アル!お姉ちゃんが、お姉ちゃんが!」
「志保」
「お姉ちゃんが死んだって、そう連絡されたの。嘘よね?」
「志保」
「貴方が、ラムと共同で守ってくれてたもの。たちの悪い冗談過ぎるわ。一体誰が、」
「志保、聞いてくれ」
「………………アル?」
志保の顔は、もうぐちゃぐちゃだ。不安と焦燥で塗りつぶされている。
心が痛むのを無視して、アルマニャックは意を決して口を開く。自分が今感じている痛みなど、彼女に比べたら。
「連絡を受けて、俺はすぐ任務を切り上げて、コロンビアから飛んできた。日本に戻って、ラムから聞いていた現場に向かって、向かった時には……明美さんは、もう……」
「嘘……」
「………………ごめん」
否定の言葉が欲しかった。彼からの言葉なら信じられたから。信じたかったから。
だが眼の前の彼は。噛み締めた唇から、握りしめた拳から血を滴らせている。悲嘆と苦悶に満ち満ちた顔を、俯かせている。
あぁ、本当に、姉は、たった一人の家族は、死んでしまったのか。
「嘘…………」
「ごめん、本当に、ごめんな……」
もう、立っていられなかった。腰から崩れ落ちた志保を、咄嗟にアルマニャックが支える。
「うぅ、うぐっ、ひぐっ…………うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ごめん、ごめんな……」
「お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!!ゔぅ……ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
泣き崩れる志保を、ただ抱きしめることしか出来ないことに歯を食いしばるアルマニャック。
志保が、どれだけ姉を大事にしていたのかを、彼は当然知っていた。お互いがお互いを慈しみ、愛していたその様子を、間近でずっと見守ってきたのだから。
その二人が引き裂かれた。もう志保は、二度と、大好きな姉に会うことは出来なくなってしまった。
「ごめんな、ごめんな……!」
一人の女性の慟哭と、一人の男性の謝罪の言葉が、いつまでも研究所に響いていた。
事件の日から、数日後。
シェリーが一切の研究を止めてしまった。上層部から恫喝されても欠片も耳を貸さず、あざ笑う有り様。
アルマニャックも説得に来ていた。既に組織内部ではシェリー抹殺の論が上がり始めている。この上志保まで喪うなど、到底容認出来なかった。
「志保、頼むよ。研究を再開してくれ」
「嫌よ。もう一切私は関与しない。やりたければ貴方達で勝手に進めればいいって、そう伝えなさい」
懇願するアルマニャックに対して、志保の対応は梨の礫だ。
焦燥を露わにする彼を見る彼女の目は、どこまでも冷え切っていた。
「このままじゃ、組織に消されちまう。既に上層部には抹殺を提言している奴もいるんだ」
「あらそう。それで?」
「俺が抑えるのも限界だ。"
「そうね、このまま私がサボタージュを続けるなら、組織に消されるでしょうね」
「分かっているなら!」
「そうすれば、お姉ちゃんにも会えるかしら?」
「……………………ッッッ!!!!」
志保が放った言葉に、アルマニャックの顔がぐしゃりと歪む。
駄目だ。志保はもう、生きることを諦めてしまっている。きっと粛清すら、冷めた顔で受け容れてしまうのだろう。
そんなのは嫌だ。アルマニャックはその一念で、志保に訴えかける。
「俺は、スコッチを救えなかった」
「…………」
「明美さんは、間に合わなかった」
「…………」
「志保まで、喪うのは、嫌だ。嫌だよ。もう、これ以上大切な人が消えていくのは嫌なんだ……!お願いだ、生きるのを辞めないでくれ!!」
頭を深く下げるアルマニャック。それを眺める志保。
どれくらいの時間が経っただろうか。志保が、ぽつりと言葉を溢す。
「貴方にとって、私は大切な人なの?」
「当たり前だろう!!…………!!」
がばりと頭を上げた彼は、志保の顔を見て言葉を失う。
志保の顔に、映る感情は。
「大切な人が死ぬのは、嫌?」
「……当然だ。嫌に決まってる」
「貴方は、私に、死んでほしくないと思ってるの?」
「そうだ。志保に死んでほしくない。生きていてほしい」
「私も、お姉ちゃんに死んでほしくなかったわ」
今度こそ言葉を失ったアルマニャック。志保の顔に映るのは、笑みと呼ぶにはあまりにも儚い何か。吹けば飛びそうな笑顔には、寂寥が幾重にも積み重なっていた。
「お姉ちゃんを死なせたくなくて、その思いだけで、私は研究を頑張っていたの。今の私が、どうやってモチベーションを保てばいいのかしら?」
「それは、それは…………」
「………………なんで、お姉ちゃんは死んだの?なんで、殺されなければいけなかったの……?」
「…………!!」
「なんで、貴方は間に合わなかったの?」
「…………ッッッ」
拳を握りしめ、俯く。何も言えなかった。
「……ごめんなさい、これじゃ八つ当たりね」
「……いや、俺は」
「私、もう疲れちゃった」
そう言って、椅子に座り静かに目を閉じる志保。
かけられる言葉など、持ち合わせる筈もなかった。
「……………………明日、また来る」
「…………そう」
足取り重く、研究室を立ち去るアルマニャック。
志保は、見送らなかった。
静謐に包まれた研究室。うっすらと目を開けた志保は、照明に手を翳す。一人佇む志保の胸の内によぎるは、これまでの日々。
(この部屋って、こんなに静かだったのね)
5年前、まだジンとウォッカが自分の監視をしていた頃は、きっとこんな空気をしていたのだろう。重苦しい程の静寂だけがここに在る、今の部屋のような。
たった5年。それだけでこの部屋の空気はがらりと塗り替えられた。お姉ちゃんとアル、あの騒がしい二人がいた時の研究室は、うるさかったけど、楽しかった。明日を迎えることが楽しみだった。未来に希望を持つことが出来た。
私の誕生日は、結局5年間ずっとウェディングケーキだった。彼のおかげで、ケーキに関してはだいぶ舌が肥えてしまった。もはや一端のケーキ評論家だ。
遊園地にも連れて行ってもらった。お姉ちゃんとアルがはしゃぎ通してて、私は振り回されっぱなしだった。テーマパークならではの被り物を半ば無理やり被せられて写真を撮られた時は本当に恥ずかしかったけど、同じ位に楽しかった。
教師の真似事も、結局5年間続いた。最後の方は単純に知識を問われるのではなく、物語の感想や今後の展開など、答えのない問いを話し合えるまでになった。最初の頃に比べたら、彼の情緒は本当によく育ったと思う。
たった5年。それだけで、この部屋には楽しい思い出が詰まっていた。
今はもう、何も残っていない。全ては喪失に塗りつぶされた。
毎日が楽しかった。もう、そんな日は来ない。一人はこの世を去り、一人は失意に沈み、一人は生を諦めた。
(彼には、酷いことを言ってしまったわね。お姉ちゃんは、怒るかしら)
それもいいかもしれない、と思う。お姉ちゃんに怒られるということは、同じ場所にいけたということだから。
その日が来た時、彼は怒るだろうか。悲しむだろうか。
(きっと怒るのでしょうね。他ならぬ、自分自身に)
気の毒に思う。思えば、彼には最期まで負担をかけっぱなしだった。
自分が死ぬことで、その荷を下ろしてくれればいいなと思う。
(ごめんなさい。でも、私はもう……駄目)
再び目を閉じる志保。そのまま、彼女は動かなかった。
昨日と同じ道をとぼとぼと歩くアルマニャック。
どうすれば、どんな言葉をかければ、死に向かう志保を思い留まらせることが出来るのか。いくら頭を捻っても答えは出てこなかった。この局面で、自分が頼りにしていた腕っ節の何と儚く役立たずなことか。
益体もない自嘲を考えながら歩いていると、ふと複数の気配を感じた。剣呑な気配が、あちらこちらに。特に冷たい気配が二つ。その、方向は。
(こっちは……志保の研究室?…………ッ!?)
一気に血の気が引く。目を限界まで見開いたアルマニャックはトップギアで駆け出す。
(志保を消しに来たか!となると、この二人は……ジンとウォッカ!)
まずい。あの二人に限って、志保に容赦などしないだろう。確実に殺す為でなければ派遣されることのない二人だ。
志保が危ない。
階段を文字通り飛び跳ね、曲がり角では壁を蹴って駆け抜ける。志保の研究室に辿り着き、ドアを蹴り破った先に見えたものは、半ば予想していた光景だった。
ジンとウォッカが、嘲笑と共に志保に銃口を向けている。ご丁寧に、志保の背後に立つ形で。入口から入ってきた自分の位置では、ジン達に向かって銃を撃てば志保に当たってしまう以上、此方からは引き金を引けない。そのための立ち位置なのだろう。
舐めるな。
神速で懐から抜かれた二丁のリボルバー。間髪置かずして2発の銃弾が放たれる。
ジンの目が訝しげに歪む。その角度からでは、自分達に当たるどころかシェリーに当たってしまうだろうと。
だがその後に起きた現象は、彼をして目を見開くものだった。
放たれた二発の銃弾が、
それを一瞬の思考で決断し、あまつさえ自分の弾丸同士で成功させて見せた彼こそ、凄腕という言葉さえ陳腐に見える程のガンマン。
虚を衝かれたジンと、未だに状況が把握出来ていないウォッカ。今の二人を出し抜くことなど、アルマニャックにとっては赤子の手をひねるようなものだった。
リボルバーを懐に収め、一瞬で肉薄したアルマニャックはジンに向かって正拳を放つ。辛うじて防御だけは間に合ったものの、勢いを殺すには至らず、壁際まで吹き飛んでいく。そちらに意識を取られたウォッカの横腹に前蹴りを放つことで同じように吹き飛ばし、脇に志保を抱えて後ろに跳び、一気に二人と距離を離す。
そこでようやく一息ついたアルマニャック。二人に意識を向けつつ、志保を案じる。
「志保、無事か!?」
「えっ!?え、えぇ、無事よ。怪我もしてないわ」
「良かった。俺から離れるなよ」
「っ、えぇ」
腹を押さえ、よろよろと立ち上がるウォッカと膝立ちで壁に手をつき此方を睨みつけるジン。
「ゲホゲホッ!あ、兄貴、ご無事で……!?」
「……この位で、へばってんじゃねぇぞ、ウォッカ。俺の前で情けねぇ面晒すな」
「へ、へい、すみません……!」
「おうおう、麗しい兄弟愛じゃねェか。見せつけてくれるじゃんかよ」
「てめぇ、アルマニャック………!」
怒りを露わにするウォッカに対し、殺意が乗った視線こそ向けてくるものの、存外落ち着いているジンに違和感を覚える。……考えられるのは、増援。
ちょうど、この部屋に近づく気配を探知していた。二人と入口の双方を視認出来るよう、体の向きを変えたところ、同じタイミングで音もなくドアが開き、一人の男が入ってきた。既に気づかれていたことに僅かな驚きこそしていたものの、落ち着いた素振りでシェリーに銃を突きつける。
その男の姿は、確実にアルマニャックの虚を衝いていた。
「………………随分と、久しぶりだな。バーボン」
「……えぇ、本当に久しぶりですね、アルマニャック。女性に銃を向けるなど気は進みませんが、これも命令。悪く思わないでくださいね」
普段浮かべる不敵な笑みはそこになく。能面の如き無表情を向けるバーボンに、苦い顔をするアルマニャック。
「成る程、確かにこのゲストは俺にとって悪い意味で想定外だ。だが、それがどうした?武器を喪失した手負いの貴様らとバーボンだけで、俺を止められるとでも?」
「いやァ?思っちゃいないさ。てめぇは確かに殺してやりたい程クソ生意気だが、こう見えて俺はてめぇの腕だけは買ってるんだぜ?」
だから他にも用意してるさ。そう呟いたジンが懐から取り出したものは、リモコン。
アルマニャックの顔が訝しげに歪むが、それに構わずジンはそのリモコンで壁にかかったテレビのスイッチを入れる。
画面に映ったものを見て、思わず目を剥くアルマニャック。
椅子に縛り付けられたピンガとキール。その背中に、コルンとキャンティがそれぞれ構える狙撃銃が突きつけられている。
ややあって、部屋中に吹き荒れる殺気の奔流。
全身が潰されたのではと錯覚する程のソレに、ウォッカとバーボンは大粒の冷や汗を垂らしているが、ジンの笑みはより凶悪になる。
そのタイミングで、アルマニャックの懐が震える。
「ほら、てめぇの愛しいラムから電話だぜ。出てやれよ」
ジンとバーボン、そして画面。そして志保。全てに意識を割きつつ、アルマニャックは通話ボタンを押し、スピーカーにして椅子へと放り投げる。この状況で両手を塞ぐなど、愚の骨頂に他ならないからだ。
「よう、ラムの旦那。先に言っとくが、今はスピーカー状態だ。聞かれたくない発言はしないほうがいい」
『配慮に感謝しますよアルマニャック。では、ジン。現地と中継を繋ぎなさい』
「あぁ、分かった」
ジンが端末をいじる。程なくして、同じようにスピーカー状態にした携帯をアルマニャックの方に向けてきた。
『やいてめぇアルこの野郎!今度は何をやらかしやがった!何でてめぇのドジで俺が簀巻きにされなきゃならねぇ!』
「ピンガ……」
『アル、貴方は……無事なの?』
「キール……」
まず聞こえたのは、ピンガからの罵倒。努めて平常に振る舞う彼の声は、普段から親しい者にしか分からない程微かに震えていた。
次いで聞こえたキールの声に乗る感情は、悲哀と焦り、そして恐怖。それらを必死に押し殺した声に、アルマニャックの顔が歪む。
『アル。頼む……退け』
「…………コルンか」
『コルンの言う通りさ!アル、頼むからアタイにこの引き金を引かせないでおくれよ!』
「キャンティ…………」
『『アル!』』
次いで聞こえてきたのは、二人の狙撃手の声。
ピンガの背にレミントンを突きつけるコルンが、キールの背にPSG-1を突きつけるキャンティが、アルマニャックに向けて懇願する。常の冷酷なる狙撃手とはかけ離れた二人の様子に、ジンとバーボンは僅かに眉根を上げる。
それを聞いていたアルマニャックから放たれる殺気の重さが、また一段と強まる。バーボンとウォッカは、自分の膝が震えていることに気づいた。
「嗚呼、成る程、これは効果的だ。確かに、俺を仕留めるならこの手しかない。
「これが、これがあんたのやり方かよ、ラム…………!!!!」
『貴方が言った通りです。貴方を本気で抑えようと思うのなら、これ以外にやり方はありませんから』
「そういうことを言ってるんじゃないって事くらい分かってるよな……!?」
『えぇ、分かりますよ。人質一つで貴方を抑えられるなら実に効率がいい。……それともなんです?まさか、私が貴方と同じく義理や恩義を重んずるとでも?正々堂々貴方と矛を交えるとでも?笑わせないで頂きたい』
ラムのくぐもった嘲笑が辺りに響く。
信頼を裏切られた。その怒りがアルマニャックの脳髄を瞬時に沸騰させた。あまりの怒り故に一周回って冷静になった彼は思考をめぐらす。
「………………あぁ、そうだな。あんたが動く理由はあくまで打算か忠誠。そこに義理人情が入る余地はねェ」
『……なんだ、分かっているではないですか。であれば、』
「ないんだよ、利益が」
『!』
「ここまで派手に事を起こすのも、俺と真っ向から対立するのも、シェリーを手にかけようとするのも、全てにおいてあんたの利がないんだ」
『それは貴方から見えていないだけで……』
「"
その通り。ラムは大きくため息をつく。アルマニャックは学がないだけであって、決して馬鹿ではないのだ。
加えて勘もいい。……こちらの思惑を、しっかりと読んでくる程度には。
『分かっているのなら、引いて頂けませんか?』
「引ける訳が無いことも分かっている筈だぞ。で、何を企んでいる?」
『企むとは?』
「問答で俺が止まらない事くらい分かってるだろ。分かっていることを焼き増しするなんて、俺の知っているラムならそんな無駄なことをしない。つまり、ここから更に手を打つ筈なんだ。完全に俺を止められる、一手をな。それが何かと聞いているのさ」
止められる訳には、行かないから。そう言い切るアルマニャックの目は、どこまでも真っ直ぐだった。
少しだけ。ほんの少しだけ、ラムは彼を眩しく思った。
組織の強大さを知らぬ彼ではない。確かに彼は比類なき強さだが、たった一人で我ら組織を相手にいつまでも戦い続けられる訳ではない。戦力比は絶対的不利だ。
そう、戦力差は歴然で、それをアルマニャックはしっかりと理解している。決して自棄になった訳では無い。
同じことが出来る人間が、果たして今の世にどれほどいるだろうか。
(司令官が"英雄"と呼ぶ理由が、今なら分かる気がしますよ)
生まれる時代が違えば、間違いなく歴史に名を残したであろう傑物。
秩序と呼ばれるものに立ち向かう勇気を持つ者。世界に変革を齎す者。人はしばしばそれらの人物を指して"英雄"と呼ぶ。
今、自分達が相手取っているのは、そういう相手なのだと。
だからこそ、ラムは決して手を緩めない。負けられない理由があるのは、決してアルマニャックだけではないのだ。
"あの方"からの命令だから、という理由だけではない。
自分にも、
(舐めるなよ若造。
一筋縄ではいかない相手であることなど百も承知。相手は人類史上屈指の戦士。
だからこそ、宮野明美が脱退を願い出たあの時から、片時も休むことなく営々と思考を練り続けたのだ。彼を抑えるにはどうすればいいか、倒すにはどうしたらいいか、寝ても覚めても唯それだけを考え続けた。
それが今、この盤面となっている。後は、駒を進めるだけだ。
『成る程成る程…………ならば止めてみなさいアルマニャック。貴方の全てを以て、私の策を破ってみせなさい。私の頭脳を以て、貴方を打ち破ってみせましょう』
「あぁ。来いよ、ラム。俺の全力で以て、お前を破って見せる。シェリーを死なせはしねェ……殺す気でかかってこい!!」
なんだか打ち切りエンドみたいですが、普通に続きます。本当ですよ?
次回でこの章も終わりです。今後も、事件毎に細かく章を分けて書いていこうと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。よろしければ、感想・評価・お気に入り登録の程よろしくお願いいたします。
特に感想は本当に嬉しいです。全て大切に読ませて頂いておりますし、作品を作る上で大変励みになります。よろしくお願いします。