ピンガ「俺が生き残る為にオリキャラ生やした」   作:ていとくン

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高評価頂けたのがありえん嬉しかったので、ここで発表させて頂きたく思います。

☆10:ショッピング様、syu9673様、がーくん様
☆9:くい様、シロク様、悠織様、眠いんだな様、SNMAGN様、嵐蹄フェコルー様、サターン様、Kazuma@SB様、あっぽ様、くらき様、雷ねずみ様、トリトリ伯爵様、ぬぬぬのぬ様

本当にありがとうございます!すごく、すごく励みになっております!皆様のお陰様で、評価バーの色が赤になりました!いやこれ、本当に嬉しいんです……!
今後も☆8以上を頂けた方は前書きの場所を借りて御礼申し上げたいと思います。
もし名前を出されることを望まない方がいらっしゃいましたら、お手数ですがご一報頂けたらと思います。



さて、今回はちょっと短めです。それと、ルビを使って遊んでおります。字が小さい部分があるので、読みにくい場合は適宜拡大して頂けたらと思います。





Interlude② ピンガとおかいもの

 

 

 

 

 

 

「買い物?」

 

 

 

ショッピングに付き合ってほしい。そんな電話先の声に、思わず怪訝な声を上げるアルマニャック。

付き合うことそのものは別に構わない。だが、何故自分なのか。少なくともファッションにこだわっているなどと吹聴した覚えはない。

 

 

 

『そうよ、買い物。そろそろ季節モノの服とか化粧品を買い揃えたいんだけど、誰もスケジュールが空いてなかったのよね〜』

「はぁ……え、まさか俺にファッションを聞くのか?やめといた方がいいぞ……?」

『大丈夫よ〜♪選ぶのは私がやれるから安心して。……お願い出来ないかしら?(いいから黙ってイエスと言え)

「お、おう……分かった。いいぞ。んじゃ日時はメールで頼むぞ、()()()()

『ありがとう!当日楽しみにしているわ、()()()

 

 

 

 

ガチャ

 

 

 

「最近の若者、コワ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、パリ シャンゼリゼ通り

 

アルマニャックはカフェで寛いでいた。変装をしてこいと言われていた為、長い金髪のウィッグを被り、服装も普段愛用しているパーカーではなくカジュアルなスーツを着こなしている。

 

ケーキをつついていると、ふと知った気配を感じる。しばらくして、カランとドアベルが鳴り、一人の女性が入ってきた。

高身長でスタイルのいい女性だ。眼鏡をかけ、肩口で切りそろえた茶髪を揺らし、首元にはストールを巻いている。

彼女は店内を軽く見回した後、アルマニャックの方へ近づいてきた。

 

 

 

「お待たせ、()()()

「気にするな()()()()、今ちょうどモンブランとカフェラテを楽しんでたところだ」

「なら私もコーヒー頂こうかしら」

「なんか食っときな。朝を抜くのは体に悪い」

「……貴方、意外に健康思考よね」

「そうか?」

 

 

 

この女性、グレースはピンガの変装だ。彼は数年前から"グレース"という身分でインターポール(ICPO)に潜入している。トップシークレットである為、潜入先について知るのは彼の直接の上司であるラムと、彼の右腕たるキュラソー、そしてアルマニャックだけだ。

 

そんな重要任務を請け負うピンガだが、女性として潜入していると色々苦労が多いらしい。服装一つ取っても定期的に新しいものに変える必要がある。コスメや小物等もまた同じだ。男性以上に"お洒落"について意識を割かないと、違和感を抱かれてしまう。

今回はその為の買い物だという。だが女性が一人でそうした買い物をしていると、どうしても周囲から浮いてしまうとのことだ。それだけならともかくナンパなどされても困るし不愉快という理由から、普段は誰かしら組織から同行者を募っているらしい。

普段はキュラソーやベルモットを頼ることが多いが、今回は二人とも任務が入っており都合がつかなかった。

そして性別を偽っている都合上、潜入先の同僚を同行者には選べない。

そうした都合から、アルマニャックに白羽の矢が立ったとのことだ。

 

 

 

「今日は色々お店回るから、荷物持ちよろしくね〜」

「別にそりゃ構わんが、暇だな……」

「貴方も買うのよ?」

「俺も?」

「貴方一人だと服とか買わないでしょ?私も選ぶのに協力するから、(俺の隣にダサい奴を立たせる)色々試しましょ?(つもりはねぇぞ?)

「へいへい、グレース様の仰せの通りに」

 

 

 

食事を終わらせて席を立ち、店へ向かう。どちらも変装しているものの、美形であることは隠せない為周囲の注目を集める。ピンガは気にも留めていないものの、アルマニャックは視線を高速であちこちに向けている。

 

 

 

どうしたのよ、そんなにキョロキョロして(気づく奴は気づくぞ。目立つからやめろ)

「悪いがこればっかりは昔からの習性だからな、ほぼ反射だ。視線向けられて無神経じゃいられんのよ」

「貴方も難儀ね……」

 

 

 

話をしているうちに高級ブティックに到着した二人は、早速店員から下にも置かない待遇を受ける。

ピンガは慣れているようだが、アルマニャックはそもそもブティックを訪れるのが初めてらしい。甲斐甲斐しく世話を焼かれることに戸惑いを隠せずにいる。

 

 

 

何よ、どうしたの?(田舎もん丸出しでこっち)そんなにあたふたして(まで恥ずかしいだろうが!)

「ブティックってのは、どこもこうなのか?なんつーか、その、落ち着かない……」

「上質な接客というのはどこもこうよ。だから堂々としてていいの(さっさと慣れろ)

「おう、頑張って慣れるわ……」

 

 

 

そこからピンガ改めグレースは多くの洋服を試着し、次々と会計に入れていく。最初は傍観していたアルマニャックもすぐに巻き込まれ、店員達の手によって着せ替え人形と化していた。

 

 

 

 

 

 

 

「お客様は足が長くスタイルも大変よろしいですね!……ふむ、髪色とお顔立ちからするに、こちらなどは如何でしょうか?」

「お、おう……えぇと、これは似合ってるのか?」

「貴方はもう少し寒色系が似合うわね。デザインも……そうね、これなんてどうかしら?(素のお前が着るならこっちだ)

「……あ~、すまんがこっちを一着くれ」

「かしこまりました」

「せっかく選んでくれたのに悪いな」

「いえいえとんでもございません!お客様が気に入ったものをこそお求めになって頂きたく!それに、やはり彼女さんが選んだものとなれば思い入れもひとしおですからね」

「か、かの……あぁうん、ハイ」

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、新しいストールなんだけど、これとこれならどっちのが似合うと思う?」

「だから俺にファッションを聞くなって……ストールなんてつけたことねェし……」

いいからいいから!(ここで勘を磨くんだよ早くしろ)

「え〜……あ~、じゃあこっちの水色の方がいいかな」

「!……へぇ、そう」

「なんだよ、まずかったか?」

「いいえ、これにするわ。……それなりに見る目はあるようだな

「?」

 

 

 

 

 

 

「……もしかして、グレースは俺がスカートを履くと思ってるのか?だとしたら、そりゃ重大な誤解だ。早々に正してくれ」

「あら、男性からどう見えるかも大事なのよ?だからほら、お気に入りを選んでちょうだい(ぐだぐだ文句垂れてんじゃねぇ)

「……………………じゃあ、これ」

「センスないわね〜。私が着るのにこのデザインは似合わないわよ。普通はこっちを選ぶわ」

「だから言ったじゃんか!キレるぞ!?」

「でも色のチョイスは悪くないわね」

「…………そうかい」

「何?照れてるの?可愛いわね〜」

「やかましい」

 

 

 

 

 

 

「お買い上げありがとうございました」

「ありがとさん」

「ありがとうございました〜♪」

「…………ふぅ、終わったな」

「えぇ、()()()()()

「は?」

「言ったでしょ?何軒も店を回るって。何のために早くから集まったと思ってるの?」

「1軒だけでも疲れたんだが……」

「行 く わ よ ?」

「…………サー、イエッサー」

「いやぁ〜貴方がいてくれて助かるわ。どれだけ買っても問題ないもの」

「あのな、確かに重量としては問題なくても紙袋ってかさばるんだよ。俺の腕は2本しかないってことを忘れるなよ?」

「駄目なら発送頼めばいいじゃない」

「じゃあ俺要らないじゃん」

「なにか、言ったかしら?」

「イイエナンニモ」

 

 

 

 

 

 

「春服?おい、今は秋だぞ。冬服を選ぶってならまだ分かるが、時期外れにも程があるだろ……」

「ファッションってこういうものよ。2シーズンは早く買い始めるものなの。まして、私は次いつ買い物に来れるか分からないんだから」

「あ~、なるほど確かに……買えるうちに買っとくのは重要か」

「分かったらジャケットを見てちょうだい。この4つの中なら、どれがいいかしら」

「ん〜〜〜〜……こっち、いや……こっちかな」

「……まずまずといったところかしら。この中なら2番目ね」

「褒められてるのか貶されてるのか分かんねェや」

「一応褒めてるわよ?そこそこセンスあるわねって」

「へーへーそりゃどうも」

 

 

 

 

 

 

「なァ、これって本当に俺が選ばなきゃ駄目なのか?口紅だぞ?」

「スカートの時も言ったでしょ。男性目線で選ぶのも大事なの。だから貴方が選んでちょうだい♪」

「お前だって男性じゃんか……」

「な に か?」

「ハァ……………………分かったよ」

「で、どれがいいと思う?」

「これ」

「!……即答じゃない。どうして?」

「理屈なんかねェ。この色が綺麗だと、似合うと思った、それだけだ」

「そう。…………大当たりよ。この中じゃ一番私に合うやつじゃない。どうやら貴方、色彩のセンスは抜群みたいね」

「そりゃどうも」

「あら、これは純粋な称賛よ?見事なものだわ(やるじゃねぇかってな)

「…………そりゃどうも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は夕暮れ時。実に半日をショッピングに費やしたグレースは満足感で心なしかツヤツヤとしており、対照的に両手はおろか、全身を使って数え切れない紙袋を抱え込み、紙袋の妖精と化したアルマニャックの顔は、主に精神的疲労でげっそりとしている。

 

 

 

「いや〜買ったわね〜♪これだけ買い込んだのは久しぶりよ。これなら1年保つかもしれないわね」

「これだけ買って1年しか保たないのか……」

「ファッションの奥深さが理解出来たかしら?」

「あぁ、俺には厳しすぎる戦場だってな」

 

 

 

げんなりした様子を隠しもしないアルマニャックは、あらかじめ部下に回させたベンツのもとに辿り着くと、トランクを開けて今日の荷物を放り投げていく。当然の如く入り切らなかったので、後部座席も埋めることになったが。

荷物を全て車内に収めたアルマニャックは乱暴に運転席へつく。周囲をざっと見回し、気配も探知した上で、誰にも見られていないことを確認する。

 

 

 

「なァ、もう車の中だし、周囲の目もねェ。変装解いてもいいよな?」

「えぇ、そうね。……ちゃんとスモークガラスだな。いいぜ、俺も"ピンガ"に戻る」

 

 

 

その言葉を合図に、二人同時にカツラを脱ぐ。アルマニャックに至っては変装用のマスクを破り捨て、精神的な解放感から大きく息をついた。

 

 

 

「あ゙〜スッキリした。めっちゃ疲れたわ……」

「普段マフィアの拠点なんかを一人で潰してる奴が何を言ってやがる」

「そんな温い仕事より億倍疲れたぞ。もうやりたくねェ」

「てめぇの価値観はどうなってやがんだ」

 

 

 

ケラケラ笑うピンガに渋い顔をするアルマニャック。

車を走らせつつ、彼は今日一日気になっていたことをピンガに問いかける。

 

 

 

「なんで、ピンガはそこまでファッションにこだわるんだ?」

「あ?言ったろ、仕事に必要だって」

「仕事に必要な範疇超えてるでしょってお話だわ」

 

 

 

ピンガがスッ、と目を細める。それに気づいてか気づかずか、アルマニャックの様子は変わらず軽薄なままだ。

 

 

 

「……何が言いてぇんだ」

「別に責めてる訳じゃない。ただ、趣味と呼ぶには執着が強いと思ってな。第一、仕事上の都合だけなら俺に選ばせる意味も、俺の服をあれだけしこたま買う意味もねェだろ」

「…………」

「別に言いたくないなら言わなくてもいい。聞いただけだ」

 

 

 

数秒か、数分か。沈黙を破ってピンガが話し始める。

 

 

 

「人間は、見た目で判断される。見た目が全てだ」

「見てくれが大事ってのは理解出来るが、そこまでか?」

「質問を返すがよ、アル。仮に中身が同じ菓子だったとして、小汚え新聞紙に包まれた箱と綺麗な包装紙に包まれた箱だったら、お前はどっちを取るよ?」

「当然、後者だな」

「そういうことだ。馬鹿ほど「中身が大事」とか抜かすがな、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だから着飾るんだ。中身に見合うように。少しでもよく見せる為に」

「なるほど、一種の武装ってことか」

 

 

 

物わかりがいいな、と笑うピンガ。

そういうことならアルマニャックにも理解は出来た。女性として潜入する以上、そういった戦場で戦う必要もある。ピンガにとっては欠かせない武装なのだ。

だが、ピンガの話には更に続きがあった。

 

 

 

「つっても、理由はそれだけじゃねぇがな」

「?どういうことだ」

「俺は、今の地位で満足する気はねぇ。もっと上に行く。もっとのし上がってやる」

「おう、それは前にも聞いたぜ」

「いつか俺は頂点に立つ。分かるか?お前はそういう奴を相棒に選んだんだ。俺の隣に立つ奴が見窄らしいナリなんざしてやがったら俺まで格好がつかねぇ。……アル、お前は腕が立つんだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

ここに至ってようやくアルマニャックも理解した。つまり、今日一連の動きは、ピンガなりのアルマニャックに対する気遣いだったということが。

自分が認めた男だからこそ、立派な旗であってほしい。あるべきだ。あまりにも不器用な激励に、知らず、彼の口角が上がっていく。

 

 

 

「俺は、服なんて着られりゃ何でも良かったんだがな…………分かったよ。また買い物行く機会あったら呼んでくれ」

「おう、これからも俺の買い物に付き合わせてやるよ」

「付き合わせてやるよ、か。"ピンガ"に戻っても女王様気質は変わらねェのな」

「うるせぇ」

「さて、買い物も終わったんだ。飯でも食いに行こう。さっきから腹が減って仕方がねェ」

「それについちゃ同感だ。"グレース"やってる時はガッツリしたものは中々食えねぇからよ。そういうのを食べに行こうぜ」

「なら、ステーキはどうだ?この近くに美味い店を1軒知ってる」

「ほぉ?お前がパリに行きつけの店を持ってるとはな。美食家なのは知ってたが、そこまでだったか」

「おう、この前ラムに教えてもらったんだ」

「てめぇで見つけたんじゃねぇのかよ」

 

 

 

軽口の応酬を続けるアルマニャックとピンガ。特にピンガは忙しく、二人が会える機会は中々少ないが、今の様子からは距離の遠さは感じられない。

 

気の置けない友人同士の姿が、そこにはあった。

 

 

 

 

 

 





なんか、ピンガがどんどんツンデレになっていくな……。

見た目はグレースだけど中身は当然ピンガで、パシフィック・ブイの外にいて同僚も周囲にいないことから、言葉遣いこそグレースのままだけどその背後に素の発言が微かに漂っている、そんなニュアンスを出したくてルビを多用しましたが……ちょっと読みにくかったですねw

次はまた原作軸に戻ります。章の内容が終わったら、今後もこうして閑話を挟んでいこうかなと考えています。



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