ピンガ「俺が生き残る為にオリキャラ生やした」   作:ていとくン

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☆9:凍匠様、くらき様、kaya0821様、zekusu様、雪三霊様

高評価を下さった皆様、ありがとうございます!ここら辺の数字が一つ増える度にニヤニヤするのがここ最近の楽しみでございます。



今章頭でお約束していたので、ここに記載しますね。今章本編における原作からの変更点!
・キールが"あの方"やジンに疑われない
→奪還イベントが大幅変更になった影響
・赤井さんが公然と生きてる
→キール絡みのイベントが消滅した為
・警察庁公安部とFBIが限定的な同盟関係に
→バタフライエフェクト。アルマニャックが頑張りすぎたせい
・コナン君、アルマニャックの存在を認知
→哀ちゃんは情報提供に非協力的
・アルマニャック=ジャバウォックがCIA、FBI、公安部に知られる
→やべぇよやべぇよ……



さて、今回は閑話です。前章と同様、全体的に本編より短めで、皆はっちゃけ気味です。キャラ崩壊とも言う。
ストーリーにはほとんど絡まないお話なので、原作キャラの印象が崩れるのが嫌な方は飛ばしてしまっても問題ありません。



Interlude③ コルン・キャンティとカフェ

 

 

 

 

 

 

「コルン、この写真を見てくれ。こいつをどう思う?」

「すごく…………大きい…………」

「何を見てるんだい?」

 

 

 

ある日の昼下がり。セーフティハウスにて、アルマニャックがコルンに何かの冊子を見せていた。

キャンティもそれを横から覗き込む。

 

 

 

"フランスから超有名パティシエールが来日!期間限定スイーツカフェ開店!"

"目玉はやはりこれ!可愛い動物をあしらった特大フルーツパフェ!本国でも大人気!垂涎の一品!"

 

 

 

その宣伝文句を見て、思わずキャンティは苦笑する。そういえば、この男は無類のスイーツ好きだったなと。

 

 

 

「おや、アルが好きそうな話じゃないかい。んで?これがどうしたのさ」

「この店な、2ヵ月限定のお店でな。おまけに全席予約制ときた。毎日一日ずつ予約が解放されるんだと。んで、昨日いよいよ初日の予約が解禁されたから試しにチャレンジしたんだが、とてもじゃないが歯が立たなくてな」

「チャレンジ?」

「店頭でのくじ引きなのさ」

 

 

 

露骨に肩を落とすアルマニャック。どうやら相当熾烈な戦いに赴き、そして手痛い敗北を喫したらしい。

 

 

 

「時間入れ替え制で、一日合計100人。その枠を求めて何人やってきたと思う?」

「歯が立たないってことは、そこそこいたんだろ?……1000人とか?」

「ざっと数えた限り3000はいた」

「はぁ!?」

「倍率……30倍……!」

 

 

 

キャンティが目を剥き、コルンが慄く。

二人とも甘い物は嫌いではないが、別にそこまでスイーツが好きな訳では無い。たかが甘味にそこまで情熱を燃やす人間がそれほど大量にいるというのが、完全に未知の世界だった。

そして、そこまで聞いたことでこの先の展開も読めた。……つまり、アルマニャックは()()を募りに来たのだと。

 

 

 

「やべェだろ!?こんなん一人じゃ絶対取れないんだよ!抽選に臨む頭数は多いほどいいんだ!二人は別にそこまでスイーツに思い入れとかないんだろうけど、悪い!力を貸してくれ!」

 

 

 

当たったら一緒に行こう、そう言って両手を合わせ拝み倒すアルマニャックをしばし眺める。やがて、どちらともなく顔を見合わせて苦笑する。

 

まぁ、たまにはこういうのもいいか、と。

 

 

 

「オーケイ、アタイらに任せな。ちゃんとアタリ引いてやるよ」

「戦場では、甘い物……大事」

「おぉ……!!ありがとう!!持つべき者は器のデカい友人だな!」

「調子がいいんだから」

 

 

 

もう当選した気で喜んでいるアルマニャックを、微笑ましげに見るキャンティ。そんなキャンティを見てコルンはうんうん頷いている。

 

 

 

「キャンティ……春、到来」

「くれぐれもアルに言うんじゃないよ」

「分かった」

「ん?なんか言った?」

「何も」

 

 

 

何はともあれ、明日の抽選に挑む戦力は整った。

歴戦の戦士は、まだ見ぬ戦場へと赴く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、アル。何か言うことはあるかい?」

「え、どうかした?」

 

 

 

抽選1時間前。極上の甘味を求めて多くの人が詰めかけたスイーツカフェ。

その店舗の前には、()()()()()()()()()()()()。その数、およそ300人。

あまりにも異様な光景に、スイーツを求めてやってきた客もどこか居心地が悪そうに周囲を見回している。通行人も何事かと目を剥いていた。

 

 

 

 

「どうかした?じゃあないだろ!なんだいこの黒服の数は!!」

「下っ端ちゃん達の中から暇してる連中をバイトに雇ったんだ。組織専用の、えすえぬえす?ってやつでな。お駄賃弾んだらみんな快く応援に駆けつけてくれたよ」

 

 

 

抽選に参加するだけで100万、当選したものを譲れば更に200万。あまりにも割が良すぎる任務に誰もが裏を疑った。

しかし、幹部からの招集であること、参加は任意であること、件のスイーツカフェの抽選が激戦であることが判明したことで皆は一安心。結果、日本中の支部から非番の構成員が駆けつけた。

その影響で一時的に人不足になり、その原因を知ったラムが激怒していたが、それはまた別の話。

 

 

 

「馬鹿!!何を考えてんだい!!」

「だって、2人が来てくれたのは嬉しいけど、それだけじゃ頭数が足りなさ過ぎるんだよ……他の幹部連中はみんな任務で忙しいらしいし……」

「一応アタイらは秘密結社なんだよ!?万一こんなんでバレたらどうすんだい!!」

「大丈夫だって。キャンティは心配性だなァ」

「アンタの頭がおかしいんだよこのバカアル!!」

 

 

 

店舗からやや離れた場所で眉間を押さえるキャンティと、それを不思議そうに見やるアルマニャック。

ちなみにコルンは鳩に餌をあげていた。

 

 

 

「これだけ頭数揃えても、当選確率は1割なんだぜ?戦場でたった1割の成功率しかない作戦に身を委ねるか?しないだろ?そういうことよ」

「何がそういうことなんだい……」

「俺としてはもっと呼びたかったんだが、流石に海外から人を集めるには時間が足りなくてな」

「アホか!!」

 

 

 

キャンティは思わずアルマニャックの頭をひっぱたく。

いてェ、と言って頭をさすっている彼を睨みつけていると、コルンに肩を叩かれた。見ると、その手には携帯が握られていた。

画面を見ると、そこに映っていたのは一般人がよく使うSNS。そのトレンドのトップには"黒服"の文字が燦然と輝いていた。

震える指で画面をタップする。案の定、そこには有名スイーツカフェの周辺に押し寄せる大量の黒服を収めた写真が上がっていた。

 

 

 

「キャンティ、もう手遅れ」

「あぁ〜〜〜〜〜!!!!!!」

 

 

 

遂に頭を抱えて蹲ったキャンティに、同情の視線を向けるコルン。

流石にアルマニャックも自分がしでかしたことがキャンティを困らせていることに気づいたらしい。頭を下げていた。

 

 

 

「あ~、ごめんてキャンティ。そんなにまずかったかな……?」

「逆に何をどう考えたらまずくないと思えるんだい……」

「だって下っ端だし、別に俺達と違って名前が売れてる訳じゃないだろ?写真撮られたところでそこから特定なんかされないし……何より、俺もアイツら全員黒服で来るとは思わなかったんだよ」

 

 

 

一応軽く変装はしてねって伝えたんだけどな、と呟くアルマニャック。

少なくともあの場にいる黒服達にとって、軽い変装とは髪型を変えてサングラスをかける程度でいいらしい。次からは私服で来るよう言おう、と決めた彼は、ふと顔を店の方へ向ける。

見ると、店員が抽選の開始を呼びかけていた。

 

 

 

「やべェ、抽選が始まった!二人とも行くぞ!」

「やべぇのはアンタとあの状況だよ……えっ、嘘だろ?アタイらは今からあそこに行かなきゃいけないのかい?」

「キャンティ」

「…………なんだいコルン」

「諦めも、肝心」

「なんでアンタは平常心でいられるんだい……」

「アルが一緒……これくらい、普通」

「まともなのはアタイだけか……!?」

 

 

 

尚もゴネるキャンティを半ば引きずるようにして、二人は店の前に向かった。

無事(?)到着し、抽選券を1人1枚ずつもらう。

後は結果を待つだけだ。キャンティは死んだ顔で、コルンは心なしかうきうきした顔で、そしてアルマニャックは悲壮な決意を滲ませていた。

 

 

 

「今日だけで3億の散財……流石にこれをもう1回はキツい……!頼む!当たってくれ!!」

「そうか。100万を300人に……人件費だけで、3億…………アル、凄い」

「おかしい、の間違いだよコルン」

 

 

 

「抽選結果を発表します!」

「「「「「「!!」」」」」」

 

 

 

周囲に緊張が走る。昨日の抽選では高揚感を全面に出していた店員も、今日ばかりは顔の強張りを隠せない。およそ300名もの黒服に囲まれていては当然かもしれないが。

 

 

 

「本日の当選者は…………こちらです!」

 

 

 

バサリ、と開かれる大きな紙。そこには当選番号がズラリと並んでいた。その場の誰もが血眼で自分の番号を探していく。そして、

 

 

 

 

 

 

「なん……だと……!?」「もうダメだ……おしまいだぁ……」「あっあっ、当選券を奪う方法が、あっ最も簡単で、あっあっ一般的なあっ」「なんの成果も!!得られませんでした!!」

 

 

 

 

 

 

一斉に膝から崩れ落ちる黒服。300名もの援軍と、3億の軍資金が露と消えた瞬間だった。

 

 

 

「あれだけ集めて全滅とか……マジかい……」

「お、俺のスイーツが……3億が…………」

 

 

 

そして当然のように、二人とも落選した。キャンティは自分が外れたこと以上に黒服全滅という絵面に驚きを隠せず、アルマニャックは絶望のあまりFXで全財産を溶かしてしまったかのような顔をしている。

そんな中、コルンは自分の抽選券をヒラヒラ振っていた。

 

 

 

「俺、当たった」

「「マジで!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや助かった!ありがとなコルン!」

「俺も……楽しみだった」

「アンタもこういうの好きだったのかい」

「アルが勧める食事……間違い、ない」

 

 

 

無事店内に入る権利を得られた3人は早速メニューを広げて吟味を始めていた。

『森のくまさんふわふわスポンジケーキ』や『ねこちゃんの肉球ゼリー』など、()()()()()()()()()()()()がずらりと並んでいる。

 

 

 

「全部美味しいらしいけど、中でもパフェはイチオシらしいぞ」

「それならアタイはパフェにしようかね」

「俺も……パフェに、する」

 

 

 

それからしばらく3人でわいわい談義した後、注文を決めて店員を呼ぶ。

しかし、ここでキャンティにとって、この日最後にして最大の試練が訪れる。

 

 

 

「お待たせ致しました。ご注文がお決まりましたでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

「おう、俺はこの『ふわふわうさぎさんのぴょんぴょこ苺パフェ』を一つくださいな」

「俺……『にゃんにゃんねこちゃん肉球ぶどうパフェ』を一つ」

「なっ…………!?」

「キャンティは?」

「何に、した?」

 

 

 

コルンとアルマニャックがキャンティに視線を向ける。店員も同じく。

そして、キャンティは大粒の冷や汗をかいていた。

 

 

 

(え、嘘だろ?この商品名、言わなきゃいけないのかい?)

 

 

 

メニューに載っている食べ物は、どれもこれも非常に可愛らしい見た目と名前をしている。……そう、具体的には、3()0()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

(じ、冗談じゃないよ!!アタイの年齢でこれを口にするのは……口にするのは……)

 

しかし、そうは問屋が降ろさない。

コルンとアルマニャックは普通にそのまま読んでいた。そんな中、自分だけ端的にパフェの種別を言ってしまえば、"()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()"という構図がかえって強化されてしまう。

言わなければ自意識過剰のイメージが、言ってしまえば年齢とのギャップが、自分を羞恥心で仕留めに来るだろう。まさにDeath or Dieである。

 

(大体、なんでアンタらは普通にあの小っ恥ずかしい名前を口に出来るんだい!?)

 

自分を嵌めるべく結託した、そういう雰囲気ではない。アルマニャック個人ならともかく、少なくともコルンはそういう悪戯をしない人間だ。

つまり二人は、このゆるふわな名前を口にすることに一切の羞恥を感じていない。キャンティをして、恐るべき精神力であると評価せざるを得ない。

 

 

 

「あれ?キャンティ、もしかしてメニュー決まってなかったのか?」

「いや、決まってた。さっき……指さしてた」

「んん?じゃあほら、早く注文しようよ」

「いや……アタイは、そ、その……」

 

 

 

数少ない無難な名前のメニューに変えようか、そんな目論見はコルンによって潰された。戦場では頼りになる相方が、まさか横腹から殴りかかってくるとは思っても見なかった。内心コルンを罵倒する。彼からすればとんだとばっちりである。

今から注文を変えてしまえば、コルンは必ずそのことを突っ込んでくる。もうそちらの方が恥ずかしい。耐えられない。

それならば、まだ元の商品名を口にした方がマシだ。

だが、やはり一つだけ問題があった。

 

(あぁ、なんでアタイはよりにもよってコイツにしちまったんだい……)

 

キャンティの頼みたかったパフェだけ、名前がやたら長いのだ。具体的には2人の倍程もある。恥ずかしさは二乗だ。

こうして時間をかければかけるほど、羞恥心は1秒毎に指数関数的に増加していく。早く口にせねば、そう思うものの、肝心の言葉が口から出てこない。

 

(あ~〜〜〜!!もう分かったよ!!女は度胸さね!!)

 

だが店員含めて3人からの催促する視線も厳しかった。遂にキャンティは腹をくくって注文を口にする。

赤井秀一を狙撃した時よりも遥かに険しい表情で、キャンティはメニューを指差す。

 

 

 

「あ、アタイは……こ、この…………『いたずらおさるさん襲来!特大バナナとチョコレートの山盛りてんこもりうっきっきーパフェ』を、一つ……」

 

 

 

 

 

 

「かしこまりました。ご注文を繰り返します。苺パフェ、ぶどうパフェ、チョコバナナパフェがお一つずつ。以上でよろしいでしょうか?」

「名前言えよ!!!!」

「ファッ!?」

 

 

 

突然噴火したキャンティに驚く店員。アルマニャックとコルンも目を剥いていた。

 

 

 

「キャンティ!ど、どうしたんだいきなり大声出して」

「どうしたもこうしたも!あ、アタイが、アタイが、あれだけ恥ずかしい思いをして、名前を言ってやったってのに……!略すんなら最初からそう言いなってんだ!!」

「キャンティ、落ち着け」

「そうだよここ店の中だぞ!こんなんで追い出されたらどうすんだよ〜!すみません店員さん、彼女ちょっと情緒不安定なところありまして……すみませんすみません」

「誰が情緒不安定だい!!」

 

 

 

尚もいきり立つキャンティをどうにか二人がかりで抑え込んだ。すっかり怯えてしまった店員にアルマニャックとコルンで頭を下げたおし、どうにか注文を通してもらった。

 

 

 

「注文言うのが恥ずかしかったの?それなら言ってくれれば俺がやったのに……」

「恥ずかしいから言ってくれって頼めってかい?それこそ恥ずかしいだろ!」

「店内、騒ぐ……そっちの方が、恥ずかしい」

「黙りなコルン!」

 

 

 

小さな声で怒鳴るという器用な真似をしているキャンティ。

今日は絶対に厄日だ。この店出たら浴びるほど酒を飲んでやる。彼女は固く決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにパフェはとっても美味しかった。

 

 

 

「美味い、美味いけど……なんか凄く負けた気分だよ……」

「うまうま……うまうま……」

「ぶどう、ジューシー」

「…………ホント、アンタらは呑気だねぇ」

 

 

 

 

 

 





SNS ツミッターにて

"カフェの前で黒服が大量発生しててワロタwww"
"【悲報】有名パティシエール ヤクザのカチコミを食らう"
"何が始まるんです?"
"第三次世界大戦だ"

ラム「お前ホントふざけんなよ……」プルプル
アルマニャック「ごめんて」



コルンとキャンティに、可愛いフードメニューの名前言ってほしかった。ただそれだけのお話です。

皆さんは経験ありませんか?商品名をフルで言って注文したのに、当の店員が種別名しか言わないやつ。
俺は恥を忍んで"くまさんのチョコレートケーキください"って頼んだのに、注文を繰り返す時に"チョコケーキが一つですね?"って返してくる店員が、歩美ちゃんが作ったカレーにサッカーボールぶち込んだ元太並みに嫌いです。



最後までお読み頂き、ありがとうございました。よろしければ、感想・評価・お気に入り登録の程よろしくお願いいたします。
特に感想は本当に嬉しいです。本当に励みになります。どうかよろしくお願いします。

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