ピンガ「俺が生き残る為にオリキャラ生やした」 作:ていとくン
☆10:かびごん様、もっつあん様
☆9:颯P様、ひきわけ様
☆8:赤い羊様
高評価を下さった皆様、ありがとうございます!ちまりちまりと評価が上昇しているのを見てはニヨニヨしております。
10/28 23:00 日間ランキング31位
二次日間ランキング24位
10/29
08:00 日間ランキング57位
二次日間ランキング44位
15:00 日間ランキング35位
二次日間ランキング27位
23:00 日間ランキング39位
二次日間ランキング31位
ご愛顧のほど、ありがとうございます!久々に日間ランキング載ったのも嬉しすぎるし、初めて丸一日ずっと日間載ってた……!!
そしてこちらは小説情報に記載しましたが、なんと初のトップ10入り!!ほんま、ほんま嬉しい……!!
ここから流れが原作から大きく乖離していきます。上手くお話を紡ぎきれるかしら?頑張ります!
ちなみに原作と同じような流れになる場合は結構ばっさりカットしていきます。コピペモドキになってしまうのはよろしくないので……ご了承ください。
東都水族館。近年リニューアルが行われた、日本屈指のテーマパークだ。遊園地も併設されており、広大な敷地と巨大な二輪観覧車が大きな目玉となっている。
少年探偵団の面々は阿笠博士のビートルに乗り込み、この水族館を訪れていた。
到着早々、歩美・光彦・元太の3名は観覧車へ向かって一直線に駆け出していく。博士が慌てて後を追いかけ、それを見るコナンと灰原は苦笑を浮かべて肩をすくめている。
「あいつらホント元気だな〜」
「あら。その発言、オジサン臭いわよ」
「へーへー、あいつらに比べたら俺は十分オジサンですよ」
「ひねくれちゃって、可愛くないわね」
「オメーに言われたくはねぇな」
「こんな美少女を捕まえて、何か言ったかしら」
あっという間に見えなくなった3人。尤も、目的地は観覧車だと分かっている上に博士もついている以上、急ぐ必要もない。
と思い、しばらく2人で歩いていたコナンと灰原だが、ベンチの前で立ち止まる3人を見つけた。
観覧車よりもだいぶ手前の位置だ。怪訝に思い、首をかしげる。
「わっ、おねえさん!足怪我してるよ!手当しなきゃ!」
「えっ?」
「お!俺、バンソウコウ持ってるぜ!貼ってやるよ!」
「その前に元太君、まず傷口を消毒しないといけませんよ!」
「へへっ、いっけねえ!」
少年探偵団の面々が、ベンチに座った女性に話しかけていた。コナンはざっと記憶を辿るが、生憎見かけたことはない。
「あいつら何してんだ?」
「……?あの人……」
「ん?どうした灰原」
「いえ、あの人、どこかで見たことがあるような気が…………気のせいかしら」
女性の顔に既視感を覚えた灰原だが、記憶を辿っても思い出せず、そうこうしているうちにコナンも子供達に合流してしまったので慌てて後を追う。
「お前ら何してんだ?」
「コナン君!あのね、おねえさんがボロボロでボーっとしてたから、歩美気になっちゃって」
「近づいてみたら怪我してることに歩美ちゃんが気付いたんです」
「それで俺達が話しかけたんだぜ!」
「確かに怪我してるし、つーかこれは、ガソリンの臭い……?」
女性から仄かに漂ってくるガソリンの臭いを嗅いで怪訝な顔をするコナン。ふと周りを見ると、細かいガラス片が散らばっていた。
つまみ上げてしげしげと眺める。どうやら古い車種のフロントガラスらしい。
フロントガラスの破片を散らばらせ、ガソリンの臭いを漂わせる、怪我を負った女性。
コナンは一つの心当たりに行き着く。昨晩、首都高にて発生した大規模な交通事故。
いくつか質問を投げかけるうち、女性は記憶喪失状態にあることが分かった。……警察に行くことを、酷く嫌がっていることも。
「お姉さんの記憶を取り戻す手伝いをさせてよ」
「おぉ!いいこと言うぜコナン!」
「そうですよ!僕達少年探偵団がお姉さんのお手伝いをします!」
「で、でも……いいの……?」
「大丈夫だよおねえさん!歩美達に任せて!あっ、でもその前に消毒しないと……ええっと……あった!水道!」
「よし!それじゃ行くぞねーちゃん!ちょっといてぇかもしれねぇけど、大丈夫か?」
「えぇ、大丈夫よ。ありがとう」
「よーし!それでは少年探偵団、出発です!」
「「「おー!!」」」
「お、おー?」
「いやおいちょっと待て……」
「行くよ〜!!」
コナンの制止も耳には届いていないようで、歩美達は女性の手を取って走っていってしまった。
仕方ないので阿笠博士にもついていかせ、自分は携帯を取り出す。
「本当に警察に話さない気?」
「バーロ、んなわけあるかよ。……彼女はほぼ間違いなく、昨日の交通事故の関係者だ。警察に話を通した方が、色々手っ取り早い」
「…………そうね」
「どうした灰原?さっきっからおかしいぞ」
「何だか……あの女性を見ていると、胸騒ぎがするのよ……」
灰原が言う"胸騒ぎ"は字面通りの意味ではない。コナンの眼光が鋭くなる。
「まさか、黒ずくめの?」
「……分からない。けど……」
「でも、だとしたら何であんなところに?しかも、オメーや俺に絡んでくるならともかく、あいつらに絡む理由もないだろ。そもそも、歩美達から話しかけたらしいしな」
「それは、そうだけど……」
尚も煮えきらない態度の灰原に首をかしげるも、結局やることは変わらない。高木刑事を通じて警察に顔写真を提供し、調査をしてもらう。
「んじゃ、俺達も行くぞ。もし彼女が危ない奴なら、あいつらだけに任せられないしな」
「えぇ……」
彼女達を追いかけて歩き出す2人。だが、灰原の表情は浮かないままだった。
『どうですか、公安に動きは?』
「……今更だけどよ旦那、こんな遠くから見張ってても車の出入り位しか分からんぞ?」
『それで構いません。公安が大きく動き出す、そのタイミングさえ知れればいいので』
「そうかい。ちなみに現状動きはねェな」
『成る程』
セーフティハウスにて、ぼんやりと見張りを続けていたアルマニャックの元にラムから着信が届いた。
アルマニャックはラムが保有する中でも最大の大駒で、しかも制御が難しい。動かし方を間違えると他の計画にも支障が出る。
どちらかと言えば、監視というより現状彼に表立って動いてほしくないが故の配置だった。
『こちらは動きがありました。ベルモットが東都水族館にてキュラソーを発見したとか。五体満足だそうですよ』
「……そうか、そうか。……良かった」
良い報告に、思わず顔をほころばせるアルマニャック。
ラムは、相変わらず感情が手に取るように分かりやすいと笑いながら、一方で少々悪い報せも付け加える。
『ですが少々面倒なことになっていまして。ベルモットの呼びかけに彼女が応えなかったとか』
「そりゃ、我が麗しのお師匠サマはキュラソーと因縁があったろ?それで嫌われてるんじゃね?ウケる〜」
彼女の生存が確認出来た故の安心。その反動か、軽薄な様子でケラケラ笑うアルマニャックに、思わずため息を溢すラム。
『……彼女がまだ任務の最中だということを忘れておりませんか?』
「あ、あ~……忘れてた。確かに任務中の動きとしちゃ不自然極まりないな」
『ベルモット曰く、明らかに普段の彼女とは様子が違ったと』
「ほ〜ん…………あ、もしかして、記憶喪失とか?」
『……あまり巫山戯ていると怒りますよ?そんなことある訳……』
言いかけて、ラムは思わず口を噤んだ。疑問が頭に浮かんだのだ。
キュラソーは今なお任務の最中だ。自身の右腕として重用している彼女が、報告の一つもせず水族館をふらつくなど、およそ尋常ではない。……であれば、
彼女は公安から逃走すべくカーチェイスを行い、その最中に消息を絶った。その際、大きな爆発事故もあったという。
もし、その時頭を強くぶつけるなどしていたら?一時的に記憶が飛んでしまうという事態が、ないと言い切れるか?
彼女は特別な脳のつくりをしている。そのおかげで優秀な働きをしてくれるが、その分常人の脳よりやや繊細だ。
(愚者の一言、というやつですか。成る程、馬鹿になりませんね)
苦笑が溢れる。彼の突飛な発想には驚かされることも多いが、今回はいい方向に働いた。
「あら?どうした?」
『……いえ、確かにあり得ないとは言い切れないと思いましてね。ベルモットやジンには可能性の一つとして提示しておきましょう』
「おん?そうか、まァ役に立てたなら良かった」
『えぇ、助かりました。それともう一つ』
「うん?まだ何か?」
さて、ここからが本題だ。キュラソーからの最後の連絡、NOCの詳細について、アルマニャックには話をしなければならない。
キュラソー失踪の件と同時に報告するのは、彼にとって
『キュラソーから送られてきた最後のメール。その内容について、貴方と相談がしたい』
「……?構わないけど、改まってどうしたの?」
『内容を聞けば分かりますよ。読み上げますね。…………赤井秀一を発見。
「!…………ほうほう、成る程成る程」
通話口の向こう側で、戦意が揺らめくのがラムにも伝わってきた。
確かにこれは驚くべき事実だ。ラムとしてはこちらの情報の方が重要度が高い。
だが、
『NOCはスタウト、アクアビット、リースリング。
「!」
『……メールはここで終わっています。さて、今の内容を聞いて、貴方はバーボンについて、どう思いますか?』
「…………リースリングとバーボンの間で一旦文章切れてる?それならバーボンは白なんじゃないのか?黒なら普通に続ければいいだろ?」
『実は、バーボンとキールに関しては個別に調査するよう命じていたのです』
「何故?」
『キールは、正直ただの勘です。経歴があまりにも完璧過ぎることが少々気になりまして。バーボンは…………分かるでしょう?
アルマニャックが口を噤む。彼にとって例の一件は未だに地雷だ。スコッチについて不用意に言及し嘲った幹部が
ここからは慎重に言葉を選ぶ必要がある。ラムは一度水で喉を潤した。
『ですから、そこで文章が切れているからといって彼の潔白が証明出来る訳では無いのです』
「…………成る、程。……まずキールだが、シロだと思う。何度か話したと思うが、そもそも彼女は裏の人間じゃあない。スパイなんて所属が違うだけで結局裏の人間だろ?そういう臭いはしないんだよ」
『だからこそです。貴方は彼女を"表側の人間"だと言っていましたが、そんな人間が、いくら親が名を連ねていたからと言って我々"組織"に入ってくるでしょうか?』
「親がキールを道具として扱うつもりのクソ野郎だった、という可能性を排除するなら、確かにそこは疑問だった。……でも俺の理性も直感も、彼女がシロだと結論を出してる」
『……恐ろしいですね。万一彼女がどこかの諜報員なのであれば、
「まァ、上に立つ人間としては万一を想定すべきではある、か。……心配なら、しばらくはそれとなく監視しとけば?」
『……現状それしかなさそうですね。彼女はメールでも言及されていませんから。では……バーボンについては?』
沈黙。あまりに重苦しいそれが、どれほど続いただろうか。ラムの額に、冷や汗が一筋流れ落ちる。
「あり得ない、とは言えない。……バーボンは、スコッチと親しかった。特別に。
『私が疑っていた理由も、正にそこです。それで……』
「旦那」
『……何でしょう』
「バーボンの件は、俺に預けちゃくれないか」
やはりこう来るか。ラムは額を押さえる。
3年前の一件以来、両者の関係が疎遠になったとは聞いている。だが、かつて親しかった事実が消える訳では無い。
彼の性格上、手を下すことになれば必ず心に傷を追う。シェリーが消え、キールも信頼しきれない現状で彼のメンタルケアが行える人材に、ラムは心当たりがない。
彼が行動不能になることは、ラムとしては避けたかった。
『正直、賛同出来ませんね。スコッチの一件で貴方がどれだけ憔悴したか、私の耳にも届いていました。……あれの二の舞は、御免です』
「フフ……旦那は、優しいな」
『冗談は程々に。私が情けで発言していないこと位、分かっているでしょう』
「だとしてもだ。純粋な打算だとしても、結果としてアンタは俺を気遣ってくれている。俺は、それが嬉しい」
『……それで、考えを、変える気は?』
「ねェな。バーボンは、俺が預かりたい」
『一応聞きますが、逃がしたりは……』
「それはない」
強い断定。今日一番の強い口調に、思わずラムが怯む。
「俺はあの時、アンタへの恩義とスコッチへの友情を天秤にかけて、前者を選んだんだ」
『えぇ、分かっています。だから私は貴方を信頼している』
「ここで俺がバーボンを逃がすなら、あの時スコッチも逃がすべきだった。でも、俺は
『…………』
「バーボンを逃がす?それなら、
『ッ、貴方、は……』
「バーボンだけ逃がせば、スコッチの死は無意味になる。あいつは、ただ無価値に殺されたことになる。……それだけは、出来ない。ここで例外を作るなんて、それこそスコッチに対する
血を吐くようなアルマニャックの独白に、ラムは頭を抱える。
そして、彼を無視して秘密裏に片付けることも出来ない。そんなことをすれば、それこそ彼は"組織"から消え去ってしまうかもしれない。
無論、相談しないという選択肢も存在しなかった。今回の件は大事になる。完全に緘口令を敷くことは不可能であり、いくら秘密にしようがいずれ彼の耳にも入ってしまう。
つまり、
『自罰的で、内省的。……貴方、長生き出来ませんよ』
「構わない。今まで散々殺してきたんだ。長生き出来るとも、死にたい時に死ねるとも思ってないさ」
『そういうところですよ。………………分かりました。バーボンの身柄は貴方に預けましょう。ですが、万一彼を始末する際は必ず私に連絡を』
「構わないが、何故?」
『コルンとキャンティを呼んで、貴方につけます。バーボンを殺した後の貴方を、とてもじゃないが一人で置いておけませんので』
「……悪い、手間をかけるな」
『貴方の、これまでの働きあってこそですよ』
「ハハ、勤勉さは美徳ってか」
力なく笑う彼に、言葉が詰まる。
バーボンがNOCでなければ、これまでの心配事は全て杞憂で済むのだが。
根拠のない祈りをするなど、ラムをして初めての経験だった。
『私からは以上です。……何か、ありますか?』
「いや、大丈夫だ」
『分かりました。……また、何かあれば』
「ん、分かった」
『……では』
通話を切り、ラムはソファに深く腰掛ける。彼をして、中々に精神を削る仕事だった。
(彼と出会ってから、もうすぐ7年。……少々、
ラムは、自分を冷徹な人間だと思っている。頭脳明晰にして冷酷無比、それこそが組織における己のアイデンティティであり、それ故に今の地位にいることも、しっかり理解している。
そんな自分が、この数年でごく僅かではあるものの、精神が変化していることにも気づいていた。
裏社会に深くその身を置きながら、表側の人間かのように、深い情を持つ男。義理と恩義を重んじる、古い任侠のような男。
アルマニャックに振り回されるうちに、自分の精神が少しだけ彼の側に寄ってしまったのかもしれない。
情を移した、というにはあまりに弱い。しかし、冷酷というには少々遠い。
彼が内心軽蔑する、どっちつかずの半端者。そこに、己が少しだけ近づいていることに、危機感を抱いていた。
(加齢につれて、ヒトは感傷的になると聞きますが……まさか自分に、そんな真っ当な人間としての機能が残っていたとは)
苦い笑みを溢した後、目を閉じて頬をぴしゃりと叩く。
情など要らない。真っ当さなど必要ない。そんなものなど、枷にしかならない。
今一度、自分の原点に立ち返らなければならない。
カッと見開いた目には、これまで通りの冷徹な光が宿っていた。
「さて。私は私の仕事をしましょうかね」
それまでの会話などなかったかのように、彼は携帯を手に取った。
『ピンガ、今いいですか?君に調べてもらいたいことがあるのです。えぇ、そうです。………………』
前回の戦いにて、キュラソーはウィッグを投げつけず、コンタクトレンズが取れることもなかったので、変装はそのままです。それ故、コナン君や灰原達が強い違和感を抱くこともありませんでした。
ラムはこんな感じ。それなりに濃い付き合いをしているので、多少影響を受けることはあっても根っこから揺らぐことはないです。なんたって、組織の重鎮ですから。
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