ピンガ「俺が生き残る為にオリキャラ生やした」 作:ていとくン
☆10:Spiral様
☆9:hamuta様、むつきゅー様、Popo助様、バナナミルク二世様、きりんり様
高評価ありがとうございます!☆9、10が1人増える度にガッツポーズしてます。すんごく嬉しいので。
8/16 19:00 日間ランキング41位
二次日間30位
8/17 11:30 日間ランキング44位
二次日間36位
びっくりしちゃった。まさか再びランキングに乗れるとは思ってもみなかったので……皆様の変わらぬご愛顧に、心から感謝致します。
たまにね、拙作が頂いていた高評価が消えてたりするんです。悲しいなぁ……と思ってたんですが、ふと思い立って違反者一覧覗いてみたら、その……ね。
みんな!特に私の作品に高評価とか感想とか下さってるみんな!ハーメルンでは丁寧な言葉遣いを心がけてね!貴方が消されると私は本当に悲しい!とても!
さて、前回の後書きでも書きました通り、割とサクサクカットしながら書いていきます。キリがいいところで止めたので今回はちょっと短め。
映画本編の方が億倍面白いので、分からない箇所があった方はまずそちらをご覧頂ければと思います。
そうそう、Netflixで配信されているコナン映画、8/31までらしいなので気になっている方は是非。
日本 八丈島近海 海底
黒塗りの潜水艦が、海底近くを静かに航行をしている。最新鋭の技術をこれでもかと言わんばかりに詰め込んだ黒鉄の鯨の内部では、多くの乗務員が慌ただしく動いていた。
そこから少し離れた区画。幹部用に割り当てられた個室にて、窓に張り付き景色を眺める1人の男。かれこれ2時間はこうしているが、身じろぎの一つも見せない。
部屋がノックされるも、その男は視線すら向けない。ややあって開かれたドアから入ってきた大男は、窓に張り付く同僚を見てげんなりした顔をしつつ近づく。
「お前、まだそれやってたのかよ……」
「お〜……」
「バーボンとベルモットが帰ってきた。お前もこっちに来い、アルマニャック」
「お〜……」
「……聞いてんのか?」
「お〜……」
「集合だって!言ってんだよ!」
蟀谷に太い青筋を立てて怒鳴るウォッカだが、怒鳴られた当のアルマニャックは眉を顰めて迷惑そうな様子を隠しもしない。
両耳を押さえ"自分は被害者です"と言わんばかりの顔をしているアルマニャックの様子を見て、ウォッカの額がみるみる険しさを増していく。
「うォっ!うるさいなァ……なんだよ耳元で。人が景色を楽しんでるってのに」
「海しか見えねぇじゃねぇか!つーかテメェは何しにここに来たんだ!」
「泡が見えるぞ!魚だって時々泳いでる!俺は初めて乗る潜水艦を、初めて見る海中の景色を、思う存分満喫する為に来たんだ!」
「遊びに来てんじゃねぇ!」
「ラムの姐さんから許可は貰ってるもん!」
アルマニャックのあんまりな言い分に、思わず右手で頭を抱えるウォッカ。
この
「いいから来い!お前以外はとっくに全員集まってんだよ!」
「俺が行く意味ないだろ。なんちゃらシステムとやらを眺めて、何か分かることがあるとでも?」
「全・員・集・合・だ!!」
「分かった分かったようるさいなァ……」
ぶつくさ文句を言いつつ、嫌々な様子を隠しもしないアルマニャックに、ウォッカのため息が止まらない。
それでも着いてくる辺り、申し訳程度には仕事中という意識はあったのだろうし、この際それでいいのだ、とウォッカは自分に言い聞かせて船室へ向かう。
船室につくと、ウォッカの言った通り幹部全員が集結していた。
キール、バーボン、ベルモット。3人を一瞥したアルマニャックはバーボンを見た際にほんの一瞬動きを止めたものの、無表情を貫き視線を逸らす。バーボンも微かに眉根を寄せたものの、特に言葉もなく。
その様子にただ一人気づいたベルモットは僅かに目を細めるも、敢えてそちらには触れずに声をかける。
「遅かったわね、アルマニャック。……いえ本当に。さっきまで出掛けていた私達より遅いってどういうことよ」
「外の景色見てた。つーか俺要らんだろ。機械だのシステムだの、なんか言われたって何も分かんねェぞ」
「まだ窓を見てたのね……あくまで一応よ。軽い解説位なら私がするわ」
「良かったな、キールに面倒見てもらえてよ」
「なんだ、いちいち突っかかるじゃんかよウォッカ」
「兄貴に逐一喧嘩売りやがるテメェに言われたかねぇよ!」
「……そろそろ本題に入りませんか?我々も暇ではないので」
痺れを切らしたバーボンの催促で、全員がモニターに注目する。
ベルモットがマウスをクリックする度に画面が切り替わっていき、やがて一つのファイルが表示される。
「画像ファイルみたいね」
ダブルクリックで、ファイルを開くと2枚の画像が表示された。
組織から逃亡した研究員、シェリーと。彼女に良く似た1人の子供の写真が。
「「「「「!?」」」」」
全員が驚きを露わにする。攫ってきたエンジニア、直美・アルジェントとシェリーの間に関係があるという
組織にすら掴めていない秘密裏な関係があるというのか。
だがそれ以上に無視出来ないのが、隣の子供だ。ベルモットの口から思わず言葉がこぼれ落ちる。
「これは……シェリー!?」
「隣のガキ、良く似てるな……」
ウォッカの言う通り、似ているのだ。画面に映る少女の姿が、
誰もが画面に釘付けになっていた。──否、ただ一人だけ。いち早くその状態から脱した者がいる。キールだ。
この場にいる者の中で、誰よりも長くアルマニャックと行動を共にしている彼女だからこそ、画面の少女がシェリーである可能性という衝撃よりも尚、
彼女は隣に立つアルマニャックの表情を横目で素早く確認する。
そして案の定、血走った彼の目は限界まで見開かれ、その顔を驚愕一色に染めていた。その様子を見て、キールは確信を抱く。抱けてしまった。
(──あぁ、この子は本当にシェリーなのね)
この部屋にいる面々の中で、最も長くシェリーと接していたのは他ならぬアルマニャックだ。
どういう理屈で彼女が子供になっているのかは皆目見当が付かず、また彼がそれを既に知っていたのか今知ったのかも不明だが、彼に限って彼女と他の人物を見間違うことは有り得ないだろう。
つまり画面に映る少女は紛れもなくシェリー本人で間違いなく。である以上、キールはこの先起こり得る最悪の事態を容易に想像出来た。
それを防ぐべく、彼女は周囲に目線を配りつつアルマニャックの脇腹を肘で軽くつつく。
彼がこちらを向いたのが、視界の端で確認出来た。やはりとんでもない顔をしている。これでは他の幹部にもすぐさま真実を悟られてしまうだろう。
キールは自分の両眼を指で示す。
アルマニャックは刹那停止した後、ゆっくりと目を閉じて深呼吸をする。
目を開けた時には、ある程度その顔に理性が戻ってきていた。……尤も、瞳は闇よりも昏い光を放っていたが。
そのタイミングで、他の人間が驚愕に染まっていた思考を再起動する。
ダメ押しで彼ではなく自分に注目を向けるべく、彼から少し距離を置いて口を開く。
「幼少期のシェリーかしら?」
「いや、最新の写真だ。奥の野郎の手元を見ろ……あのスマホ、最近出た機種だぜ」
キールのすっとぼけに気づいた様子はなく、ただ事実をもってそれを否定するウォッカ。
存外目端が利くのね、と少々感心していると、ベルモットも同じことを思ったのか、僅かにウォッカの方へ体を向けた。
「成る程、ね……」
「つまり……どういうこと?」
「まさか、このガキがシェリー!?」
尚も驚愕を隠せない様子のウォッカ。彼はややあってアルマニャックの方を向く。
「おい、どうなんだよアルマニャック!」
「………………何が?」
「このガキはシェリーなのかどうかって話だ!幹部の中で、一番シェリーと付き合いが深かったのはお前だろうが!」
「ちょっ……!?」
ベルモットが焦りを露わにする。
当然だ。いち早く気づいたのがキールであるというだけで、彼女もまたシェリーに絡んでアルマニャックが起こした反乱未遂の現場にいたのだから。
彼女の存在が彼にとって特級の地雷である事は把握しており、それを真っ向から踏み抜きに行ったウォッカの軽率さに慌てている。
側のバーボンも目を見開き、その蟀谷に一筋の冷や汗が垂れていた。
一方で、問い質された形になるアルマニャックは、瞳を閉じて腕を組み、見かけ上は平静を保っていた。
「……………………さァな。俺がシェリーに初めて会ったのは、12だか13だかの頃だ。こんなガキの頃は知らん。断定して言えることは何もねェよ」
「ケッ!どうだかな……」
大きく舌打ちをするウォッカに対して、内心思わず胸を撫で下ろす3人。この場で核が炸裂することは、ひとまず避けられたようだ。
しかし予断は許さない。ウォッカはそのまま電話が備え付けられている船室へ移動する。他の面々も各々思考を巡らせつつ付いていくと、最初に部屋へと入ったウォッカは既に受話器を取っていた。
「兄貴、夜分遅くにすみません。至急報告してぇことが……」
『何だ?』
━━━
(最悪ね……)
分かってはいた。これは明らかにウォッカの手に余る情報だ。である以上、彼がジンに連絡を取ることも、彼がシェリー生存を知ってしまうことも、最早避けられない事態だ。
かつてアルマニャックはシェリーを守る為、組織に真っ向から立ち向かった。
シェリーを庇いながら戦っていたあの時と違い、今のアルマニャックには足手まといがいない。彼女を捕縛するとなった際、彼がどう動くのか。本気で動く彼を、組織が果たして止められるのか。
(無理ね。……アルも多少は冷静さを取り戻してくれているのが、せめてもの救いだけれど)
これからどう動くべきなのか。キールには、一切見当がつかなかった。
キールが頭を悩ませているのを横目に、ベルモットもまた思考を巡らせていた。
(さて、どうしたものかしら……)
この場にいる人間の中で、アルマニャックを除くと、彼女だけが画面の少女とシェリーが同一人物であることを
ベルモットとしては、可能であれば始末したかった人物。だが彼女の身柄に関しては
まして、アルマニャックの存在だ。シェリーを捕縛するとなれば、あの時の焼き増しになることは目に見えている。
"あの方"にさえ公然と唾を吐いた特級の狂人が、一度見逃されたからと言って自重するとは思えなかった。
怒り狂う暴虐の化身を相手取るなど、"あの方"の命令であったとしても可能な限りやりたくはない。
(何より、
老若認証システム。登録した人物が成長・老化した姿も探索出来るという話は事前に聞いていたが、若返りにまで対応しているのは想定外だった。
ベルモットが、そして"あの方"が抱える秘密。組織における
(開けてはならない、玉手箱かも……)
バーボンは、冷徹な表情の裏で驚愕と苦悩を必死に押し留めていた。
(まさか、本当にあの少女が……!?だとすれば、"組織"はまた、彼女に手を伸ばすというのか……!)
今尚信じ難いが、システムに映し出された少女は"シェリー"らしい。若返り、とでも言うのだろうか。確かに、どういった手法であの姿になったのかについても興味は尽きないが、本筋はそこにない。
"シェリー"は、否、宮野志保は、"降谷零"にとって
だが今再び、彼女に魔の手が伸びようとしている。
"降谷零"にとっての優先順位は、かつての時と変わらない。"組織"の壊滅、その為の情報収集が最優先事項だ。……あの時と違い、"ジャバウォック"捕縛が第二に据えられてはいるが。
その為にも、"組織"に対して弓を引くなど言語道断。裏切りを疑われる行為は避けて然るべき。である以上、シェリー捕縛に関して、バーボンが出来る妨害などたかが知れている。
この状況を、バーボンは覚えている。ほんの数ヵ月前の出来事であることを差し引いても、鮮明に。
(……シェリー抹殺に伴うアルマニャックの反逆未遂。あの時を、どうしても思い出してしまうな)
助けるべき命を助けられないもどかしさと悔しさ。そして、自分に代わって救って貰ったことへの感謝と、一抹のやるせなさ。
そして、あの時に彼が放った啖呵。それを思い出す度に、降谷零は"あの夜"を思い出してしまう。……二人の友を喪った、あの夜を。悲しみを。怒りを。嘆きを。決意を。
そこまで考えて、小さく頭を振る。
(違う。今考えるべきことではない)
この件に関して、バーボンが出来ることは少ない。精々が情報のリーク位であろう。
であれば、ひとまず考えるべきことは、リークする相手であり。
(コナン君に、一報を入れるべきだろうね)
━━━
三人がそれぞれ思考を巡らせる間、ウォッカは電話先でジンの指示を受けていた。
老若認証を使ってガキを捜し出し、誘拐せよ、と。
「ヘヘッ、流石は兄貴だ」
「……攫うつもり?私はお断り」
「あぁん?」
敬愛する兄貴分から直々の指令を貰って上機嫌だったウォッカだが、ベルモットに出鼻を挫かれる。
「計画にない行動はすべきじゃないわ。『老若認証システム』を改竄して、過去の防犯カメラの記録から私達の痕跡を消す……それが、ボスの命令よ」
「同感ですね。予定外の行動は、計画の失敗を招きます」
「ッッ」
立て続けに断られ、眉間に皺を寄せるウォッカ。
その視線が自分に向いたことを確認した上で、キールも断り文句を口にする。
「私も遠慮するわ。優先すべきは今の任務。それに……
アルマニャックの方をちらと見ながら放たれた言葉に、ウォッカも視線をそちらに向ける。
当の本人は、先程から目を瞑って腕を組み、やや俯いて座っている。目は口ほどに物を言うとあるが、今の彼から感情を読み取るのは難しい。
ウォッカが話しあぐねていると、アルマニャックの方から口火を切ってきた。
「……俺が、行ってやろうか?」
「ッッ!!……駄目だ。テメェには前科がある。拉致の現場に連れて行きゃ、シェリーかもしれねぇガキを逃がす可能性があるからな」
ウォッカの声は固く、額に冷や汗が流れている。今更ながら、先程自分が吐いた言葉があまりにも軽率だったことを理解したのだろう。
幸いと言うべきか、今のアルマニャックは一切の感情を露出していない。シェリーの名前を聞いて、冷静ではいられない筈の男がである。
尤も、普段のあけすけ具合を知っているからこそ、それが却って得体のしれなさを感じさせているのだが。
室内が極度の緊張に満たされるのを知ってか知らずか、アルマニャックは様子を変えることはない。
「なら、誰を連れて行くんだ?もうお前にアテはないだろう……適当に下っ端でも呼ぶのか?」
「…………いや、いるさ。これはピンガにやらせる」
「なっ……!?」
キールが、大きく息を呑む。ベルモットとバーボンもまた同じく、焦燥を露わにしている。
ピンガがアルマニャックの
アルマニャックにとっての逆鱗を、彼の相棒に踏ませる。明らかな侮辱であり、彼が激昂することが容易に想像出来る。
それ故慌てた3人だが、当のアルマニャックは身じろぎ一つせず、返事を口にするのみだった。
「そうか」
「…………あのピンガが、貴方の言う事を聞くかしら?」
「ラムの命令なら聞くだろうよ。……かつてラムの右腕だったキュラソー亡き今、その後釜に収まってるのがピンガだ。せっかくの立ち位置を自分から捨てるような奴じゃねぇからな」
辛うじてベルモットがそれとなく人選のミスを指摘するも、ウォッカは気づくことなく、悪い笑みを浮かべたまま彼は部屋を後にしてしまった。
それを見届けてすぐ、アルマニャックも席を立った。
「俺は自室に戻る。何かあったら呼んでくれ」
「え、えぇ……分かったわ」
「んじゃ」
能面のような無表情でヒラヒラと手を振りながら、アルマニャックは部屋を出ていった。
その場に残された3人。空気は、非常に重たかった。
━━━
「あん?任務の追加?オイオイ、こっちはただでさえ忙しいってのに、勘弁してくれよ」
『こちらとしても本意ではありませんが、この任務は貴方にしか任せられないのです』
パシフィック・ブイでのその日の業務を終え、自室で寛いでいたグレースもといピンガの元に、ラムから連絡が飛んできた。
変声器越しに聞こえる彼の声に常の余裕はなく、それがピンガに嫌な予感を想起させた。
そして事実、ラムは特大の爆弾を投下してきた。
『単刀直入に言いましょう。老若認証システムで、シェリーと思しき人物が見つかりました。……何でも子供になっていたとか』
「…………………………はっ?」
『ウォッカからの報告です。既にジンに情報が伝わっており、フランクフルトからヘリで向かっているそうです』
「
ジンは現在フランクフルトにいる。ユーロポールと一悶着あった為に一応の後詰めとして派遣されたのだが、それが結果的に功を奏する形となった。
彼が潜水艦に到着するまで、約一日ほど時間の余裕がある。
『私が言いたいことは分かりますね?……ジンが到着するまでに、何としても我々の手で該当の人物を攫わなければなりません。あくまで手中に収めたのは我々、その形を作らなければ……』
「──あの時の、二の舞になる」
『その通り。……全く、ウォッカも厄介なことをしてくれたものです』
「…………アルは、知ってるのか」
『えぇ。目を瞑って腕を組み、一切反応を示さなかったそうです』
「完ッ全にブチギレてるじゃねぇか……」
頭を抱えるピンガ。恐らく電話の向こう側ではラムも同じ動作をしているのだろう。
組織における厄ネタはいくつか存在する。総帥たる"あの方"の正体を探ることなどが最たる例だが、実は抱える厄ネタの数で言えばアルマニャックも負けていない。
中でも特級の地雷がシェリーだ。"あの方"にさえ逆らってまで守ろうとした彼女を、再び組織が手を伸ばすとあれば、彼の怒りがどれ程のものとなるか、想像もつかない。
『だからこそ、我々が手中に収めなければならない。所有権が万一ジンに渡ってしまうことがあれば、あの潜水艦が沈む程度では済みません』
「ハァ、駆け込みでこんな重たい仕事湧いてくるなんてな……」
『失敗は絶対に許されません。いいですね?』
「分かってる。万一にも抜かるかよ」
『くれぐれも油断しないように。彼女はアルマニャックに最も近しかった者……何かしらの防衛策は握らされているという前提で動くように』
「了解」
電話を切り、椅子に凭れ掛かる。知らず、濃いため息がこぼれた。
あの時、アルマニャックは本当に命懸けでシェリーを組織から守っていた。
あの場所でアルマニャックと向かい合ったからこそ、ピンガには分かる。
そこまでしてようやく無事逃げられた筈の彼女が、今再び組織に捕捉されてしまった。
「まさか、ガキになっているとはな……」
上手く、逃げられていたのだろう。シェリーは当時18歳、それが子供の姿になっているなど想像すら出来なかった。
老若認証システムさえなければ、きっと死ぬまで見つからなかったのではないか。
どんな絡繰があるのかは知らないが、子供に化けるという彼女の策は完璧だった。故に彼女に非はなく、これはきっと、運が悪かったということなのだろう。
「悪く思うなよ、アル……」
ピンガはもう一度、深いため息をついた。
ここら辺、書いては消してを繰り返していました。中々納得の行くものが書けず、苦労しましたね。心情描写というのはやはり難関です。
アルマニャックが何でこんなに大人しいのか、というのは次回以降で書いていきます。
このssの独自要素として、ベルツリー急行事件は発生していません。
理由は二つ。一つは"あの方"直々に生存を許されたシェリーを始末することはベルモットといえど憚られたこと。
もう一つはアルマニャックの存在ですね。こっそり始末などしようものなら、彼によって確実に報復されることが分かっている以上、誰も手を出せなかった訳です。
ちなみに、埠頭での一件、すなわちベルモットがカルヴァドスを動員してシェリーを始末しようとしたものの赤井に阻まれた事件は発生しています。
これに関しては、ベルモットは組織に一切の報告をせずカルヴァドスを引き連れてシェリーを殺しにかかりました。
自分に惚れているカルヴァドスを利用してシェリーを殺させ、その後彼を始末することでアルマニャックに恨まれることなく完全犯罪を成立させるつもりでした。まぁコナンと赤井に阻まれるのですが。
優秀だけど使い捨てられる手駒がいなくなったことでベルモットは同様の手段を取ることが出来なくなり、上記の理由も相まってベルツリー急行に踏み切ることが出来なかった、という形です。
なので組織としては「死んだ筈のシェリーが見つかった」ではなく、「ピスコの一件以来消息が掴めなかったシェリーがようやく見つかった」という形になります。
アンケートですが、思ってた以上に差がついててびっくりしました。まぁあれだけお待たせしてりゃそうなるか……。
一応今話までは引き続きご意見募集しております。ご協力よろしくお願い致します。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。よろしければ、感想・高評価・お気に入り登録の程よろしくお願いいたします。
ここすきもすっごく嬉しいです。よろしければ是非。
更新速度どうしましょう?
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出来次第とっとと投稿せんかい!
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章ごとにまとめて投稿せんかい!