ピンガ「俺が生き残る為にオリキャラ生やした」 作:ていとくン
☆9:黒雪09様、紅葉 千夜様、北の大地よ様、トクバッチ様、プロップ様、はろろんろん様、駄洒落頭様
高評価ありがとうございます!遂に☆9が200名突破致しました……!なんかここ最近嬉しいとしか言ってないですが、いや本当に嬉しいんですもの。
ふと思い出しましたが、前に告知してから1年以上空いてしまっているのか……では改めてお伝え致しますね。
もし、前書きに名前を載せて欲しくないという方は、お手間でなければ評価の際にコメントでご一報下さい。感謝の念は私の心の内に留めさせて頂きます。
8/22 15:30 日間ランキング57位
二次日間31位
ご愛顧に感謝です。ランキングの常連って結構凄いことですよね。うへへ。
さて、黒鉄の魚影における山場の一つ。今回はそこがメインになります。
なんか超絶ガバい理屈が出てくるかもしれませんが、後書きでそこに至った経緯を説明しております(話の大筋に関わるものではないので読み飛ばして頂いても問題ありません)ので、さらっと読んで頂けたらと思います。
言いたいことだけ言い放ったアルマニャックが扉を閉め、部屋に戻ろうとしたところ、キールとばったり出くわした。
「……おォ、どうしたキール」
「………………直美は、捕縛という命令だった筈よ」
「…………どこから聞いてた?」
「船室の扉が閉じるところが目に入って……」
とりあえず挨拶で誤魔化そうとしていたアルマニャックは思わず天を仰ぐ。まさか最初から聞かれていたとは、と。
(扉挟んですぐ向こうの気配にすら気づかないとか、頭に血が上りすぎだろ)
今回の件は、それだけ腹に据えかねる事だったのだ。今の今まで感情を圧搾出来ていた自分を褒めたい位に。
だが、どう言い訳したところで現状は変わらない。決して聞かれてはならない内容を聞かれてしまったという事実は。
アルマニャックは、即座に頭を下げる。彼女を前に、口を封じるなどという手段は
「無理を承知で、頼む。誰にも、言わないでくれ」
「……分かったわ」
「…………自分で言っておいて何だが、いいのか?」
「貴方には幾度も助けられてる。それこそ、最初に会った時から。だからいいわ。それに……私が黙っていたところで、『老若認証』は誤魔化せないし」
その言葉に、アルマニャックは思わず眉を顰める。
そうだ、結局そこに行き着く。現状志保を直接逃がそうとしていないのも、正にそこが理由なのだ。
アレに捕捉されてしまった以上、逃げ場など地上のどこにも存在しない。機械に疎いアルマニャックでも、それ位は理解出来る。
「だとしても、僅かに疑いを持たせることは出来る。だから、ありがとう」
「……どういたしまして。ただ気を付けて。ジンの命令を受けてから、ウォッカはずっと貴方を警戒しているわ。ここにいたのが彼だったら、一巻の終わりだったわよ」
「そう、だな。アツくなり過ぎた。気をつけるよ」
バツの悪そうな顔で頭をかくアルマニャックを見て、一瞬目を伏せるキール。
中の人質に聞かせていい話ではない。幹部達の居住区に移動しながらの会話だが、キールの様子に目ざとく気づいたアルマニャック。だが彼が疑問をぶつける前に、彼女は表情を真剣なそれに戻し、彼に忠告する。
「それと、直美の抹殺は駄目よ。生かして捕らえろとの命令だし、それに……貴方が一番伏せたい事実を露見させてしまうわ」
「あァ、それについては問題ない。潜水艦に乗る直前、ラムから特命を受けたんだ」
「特命?」
「極秘に、ってことだったが……まァキールならいいか。俺が喋ったことは誰にも言わないでね?ラムに怒られちゃうから」
苦笑するアルマニャックが語る内容は、直美の救出を密かに願っていたキールにとって、正に悪夢であった。
━━━
ラムが一本の電話をかけている。発信画面に表示されている名前は、アルマニャック。
『おう、こちらアルマニャック。どうした?ラムの旦那』
「まだ潜水艦に乗り込む前でしたか、間に合って良かった。肝心なことを伝え忘れていましてね、我ながら情けない」
『なんか急ぎの用事?……もしかして、急な任務が入ってたとか?そんな〜!!潜水艦、楽しみにしてたのに……』
アルマニャックが眉をハの字にしている様子が目に浮かぶ。思わず強い苦笑をこぼしたラムだったが、すぐに表情を引き締める。
これから話す内容は、彼と交わした原初の契約に、抵触し得る内容だからだ。
「確かに貴方からすれば急な任務でしょうが、潜水艦内でのお話ですからそこは心配なさらず」
『そっか、ならよかったぜ。……でも潜水艦内部での任務?俺に出来ることか?』
「……単刀直入に言いましょう。条件付きではありますが、直美・アルジェントの暗殺をお願いしたい」
『………………えっと、誰だそいつは?』
思わずラムはずっこけそうになる。『老若認証システム』について、あれだけ丁寧に説明したというのに、まさか開発者の名前すら覚えていなかったというのか。
(いや、今更驚くことではない。アルマニャックとはこういう人物なのだから)
ため息一つ、咳払い一つ。改めて説明する。
「もう忘れてしまったのですか?『老若認証システム』、その開発者ですよ」
『お〜、確かこれから拉致るっていう……ん?ちょっと待ってくれ、そいつのオツムが欲しくて拉致するんだろ?殺したら駄目なんじゃ?』
「ですから、"条件付き"なのです」
さて、ここからが本題だ。ラムは水で喉を潤すと姿勢を正した。
「これも単刀直入に言いましょう。──CIAは、ほぼ確実に、"ジャバウォック"が組織に身を潜めていることに気づいています」
『ッッッ!…………
「えぇ、つまり我々は今後を見据えて──」
『切り捨てるなら今のうちだぞ』
自身の言葉を遮ったアルマニャックの発言に、ラムは思わず言葉を詰まらせる。だが、それも一瞬のこと。
(貴方がそう言ってくる可能性も、考慮はしていましたとも。……それにしても、微塵の躊躇もありませんか、流石ですね)
『
「…………」
『俺が組織に入って、そろそろ7年。
「もう結構です。そも、貴方を捨てることなど最初から考えていませんので」
恐らく、彼は最初から、いつかは捨てられることを前提に組織へと入っていたのだろう。恨みを抱くこともなく、だ。どこまでお人好しを極めれば気が済むのか。よく今の今まで裏社会で生き延びられたものだと、ラムはいっそ感心した。
だがこれ以上愚にもつかない話を聞くつもりはない。結論など7年前から決めているのだ。とっとと話を先に進めたいラムはアルマニャックの言葉を遮った。
『戦争を、するつもりか。
「貴方に正気を疑われるとは、とんでもない侮辱ですね。慰謝料は給料から天引きしておきますよ」
『冗談言っている場合か!』
「その言葉、そのままお返し致しましょう。……まさかとは思いますが、私がそんなことも考えずに貴方をスカウトしたとでも?」
今度はアルマニャックが言葉を詰まらせる。
そうだ。"ジャバウォック"を組織に招き入れる時点で、こうなる可能性など考慮し尽くしている。メリットとデメリットを入念に天秤へとかけた上で、それでも、自分は彼をスカウトすると決めたのだ。
「私が貴方をスカウトする際にかけた言葉を、覚えていますか?」
『……俺を仲間に出来るなら、釣りの上に―――』
「特典がつく。その通り、私はあらゆる未来を考慮した上で、貴方を組織に招いた方が利益があると、そう判断したのです」
『それは、アンタならそうだろうけど。でも……』
「貴方が考えられる程度のリスクなど、端から織り込み済です。……思考で私を上回ろうなど、烏滸がましいにも程がある。あまり私を舐めるなよ、小僧」
電話口から、小さく息を呑む音。ややあって、笑い声が聞こえてきた。
『フフ、フフフフフ……!本当に、アンタには敵わねェな、旦那』
「満足しましたか?それでは本題に入りましょう」
『今のが本題じゃないのかよ!』
「私は貴方に"暗殺をお願いしたい"と言った筈ですよ。そっちが本題に決まっているでしょう」
『……それもそうか』
そこからラムは説明した。来たるべき
だからこそ、情報戦で組織が上回る、最低でも負けないことが何より大事なのだと。
その為に、『老若認証システム』は手中に収めたいが、どうしても無理なのであれば確実に破壊したいのだと。
「直美がこちらにつけば、それで良し。当然殺す必要などありません。ですが、どう転んでも組織に味方しないというのであれば、その時は貴方に始末を頼みたいのです」
『条件付きってのはそういうことか……でもよ旦那、そういうのって、作ったやつぶっ殺したところで別のやつが引き継げるんじゃないのか?』
「これはピンガからの情報ですが、システムは未だ試運転の段階とのこと。その開発から実践まではほぼ全てを直美・アルジェント1人が握っており、他組織との共有がまだ為されていないとのことなのです」
『……随分こっちに都合がいいな』
「えぇ全く。つまり、最悪の場合でも、直美を抹殺し、パシフィック・ブイを破壊すれば、システムの復旧は絶望的との試算です」
この任務をアルマニャックに預けるには、一つ問題がある。
彼は"カタギを手にかけない"というポリシーを掲げている。内心下らないとは思いつつ、ラムはこれまでそのポリシーを尊重してきた。
だが、今回のターゲットである直美・アルジェントは技術職の人間だ。いくら
ジンにやらせるか、とも考えた。だが彼は
抹殺は、本当に最後の手段なのだ。出来ればとりたくはない。可能な限り『老若認証システム』は手中に収めたい。
それは何も組織が情報戦で優位に立つ為だけではない。ジンにも、アルマニャックにも、自身の側近にさえ告げていない、
(最近姿を見せない、"あの方"の所在。老若認証ならば、或いは届くかもしれませんから)
そこまで考慮した場合、極力殺したくないと考えるであろうアルマニャックの方が、見極めは正確にしてくれるだろうと思えた。
しかし彼は、たった一人の仲間を庇う為に、組織にすら喧嘩を売る男だ。彼にとってポリシーとは、命より重い。
それを曲げさせようというのだ。どれほど言葉を尽くしても足りる気はせず、それでもラムは口を開いた。
『話は概ね理解した。つまり、俺に依頼したい仕事ってのは』
「えぇ。直美がどちらに転ぶか、その分水嶺の見極め。そして万一の事態に備えての──」
『後始末、と』
「……貴方のポリシーは、理解しています。ですが、直美の抹殺に関しては、万一にも失敗があってはならないのです。私が知る限り、組織最高の始末屋は貴方をおいて他にない。ですから──」
『旦那』
ラムの言葉が遮られる。思わず身構えたが、携帯から聞こえるアルマニャックの声は、予想に反して凪いでいた。
彼の笑みが、見えた気がした。
『俺は、旦那がこれまで俺のやり方を尊重してくれていたことを、しっかり分かってる。そんな旦那が、それでも俺に頼まなきゃならない位、
「──」
『それに、そいつもインターポールなんだろう?なら大丈夫だ、俺の法には触れない。裏方ってのは、まァ確かに気にはなるが』
「えぇ、そう思って──」
『そもそもな話、だ』
「!」
『ラムという男は、この世界でたった一人、俺が認めた俺の上官だ。……他ならぬ
『──
アルマニャックは、ラムの知る限り世界最高峰の殺し屋であり、誇りとも呼ぶべき強い矜持を持つ戦士だ。その意志の強さは、ごくごく僅かながらとはいえ、ラムをして憧憬を覚える程に。
その男が、ラムを認めて頭を垂れた。
それを理解した瞬間。ラムの背筋を、ぞくぞくと走る、この感覚は。この感情は。
「…………組織が次席、ラムの名の下に命じます。
『
━━━
「──ってな具合で、直美の抹殺はラム直々の命令って訳よ。勿論、さっき言った条件がある以上、『まだ』殺すことは出来んがな。あの様子を見る限り、時間の問題だろうぜ」
CIA絡みの話は、他者には聞かせられない。そのあたりを丸々抜いた為に触りの部分のみとなったが、ラムから特命を受けた経緯を話したアルマニャック。
それを聞いたキールは愕然としつつ、辛うじて返答をした。
「そ、そういう事情があったのね……」
「……キールからしたら、是が非でも直美にゃ首を縦に振ってほしいかな?」
揶揄うように口の端を上げながら問いかけてきたアルマニャックに、キールはどう返答すべきかやや迷った。
直美の帰順を望むことは、どう考えてもアルマニャックの意に沿うとは思えず。とはいえ今の様子を見る限り、先程までの怒りは収まったようだ。
「……そうね、無事システムを入手出来るに越したことはないわ」
「血を見ずに済むもんな」
「……意地悪ね」
「悪い悪い。ただラムからも『出来る限り殺したくはない』とは言われてる。俺も最大限その意向にゃ従うさ」
飄々とした今のアルマニャックから内心を読み取るのは難しい。その程度の精神的余裕を彼が取り戻したことを、喜ぶべきか。
話しているうちに居住区へ着いたが、アルマニャックはそこから踵を返した。
「んじゃ、俺は今から発令所に行ってくる」
「……いいの?そこにはウォッカがいるわよ」
「だからだ。どうせ目をつけられてるんなら、奴から見える範囲にいた方が、いらん疑いをかけられないだろ。直にコルン側の準備も整うだろうしな。キールはどうする?」
聞かれた彼女は、少し考えて居住区を指差す。色々と精神的に疲れたし、整理したいこともある。短くとも、一人になる時間が欲しかった。
アルマニャックは軽く頷き、その場を後にした。時間になったら呼ぶから、と言い残して。
━━━
「大丈夫、大丈夫だから!彼らはあなたの技術が欲しくて拉致したのよ?あれはただのブラフだわ!」
アルマニャックが去って後、恐怖で取り乱し啜り泣く直美を灰原が必死に宥めて数分。
辛うじて小康状態を取り戻した直美は、しかし怯えを隠せずにいた。……灰原に対してさえも。
「哀ちゃんは、彼と知り合いなの?」
「ッ!……どうして、そう思ったの?」
「彼、言ってた。お前のせいでシェリーが呼び戻された、って。あの黒服を着た大男も、あなたを前に同じ名前を口にしてた。シェリーって、あなたのことでしょ?」
志保、という決定的な名前こそ出さなかったとはいえ、あのタイミングでアルマニャックの口から出た言葉は、十分致命的だった。多少頭が回る者であれば、推測するのも不可能ではない。
(…………駄目ね、誤魔化しきれない)
無論、全てを話す訳にはいかない。シェリーの全てを知ってしまえば、それこそ彼女が生き延びる可能性が完全に途絶えてしまう。
耳を澄ませて確認したが、幸いというべきか、今周囲に監視の耳はない。故に、ある程度ぼかした真実を話すことにした。
「昔、私は彼らに、あの黒服達がいる"組織"に囚われていたの。あるきっかけで逃げるチャンスを得られたんだけど、そのチャンスをくれたのが、さっき来た男」
「アルマニャックって、名乗ってた……」
「……そう。彼の献身で、私はここから逃げられた」
しばし目を瞬かせていた直美は、やがて自嘲の笑みをこぼした。
「そっか。……それなら、私が恨まれるのも、仕方ないね。やっぱり、私のせいで哀ちゃんを巻き込んじゃったんだ」
「それは違うわ!拉致したのは彼らよ。あなたは悪くないわ!」
「……庇ってくれるのね、ありがとう」
「そういう訳じゃ……!」
尚も灰原は直美を慰めようとしたが、彼女は膝に顔を埋めてしまった。それ以上は流石に声をかけられず、気まずい沈黙が室内を占拠する。
だが、その沈黙が不意に破られる。
「なんだ、揃ってだんまり決め込んでたのかよ、辛気臭えな。同じ境遇同士、仲良くした方がいいんじゃねぇか?」
「「!?」」
ガラガラとドアが開けられ、ウォッカが部屋に踏み込んできた。気まずさ故に沈黙していた両者を見て、嘲りの笑みを浮かべている。
そのまま直美の眼前に立ったウォッカは、二段ベッドの上段に手をついて彼女を見下ろす。
「それで?俺達の為に働く決心はついたか?」
「…………嫌よ」
「へぇ、そうかぃ。……なら仕方ねぇな、来い!」
「きゃっ!?」
ウォッカの目を見ずに拒絶の言葉を突きつけた直美に対し、表情を消したウォッカが彼女の腕を掴んで無理やり部屋から引きずり出した。
「おら、入れ!」
しばらく潜水艦を歩いた後、乱雑に放り込まれ、床に転がった直美。すぐに立たされた彼女の視界に入ったのは、何枚かのモニター。
その様子と、どこかを映しているらしい画面を無表情で眺めていたアルマニャックはウォッカにちらと視線を向けると、すぐに画面に目線を戻した。
呼ぶ前に待機しているとは随分準備がいい、とウォッカは嫌味の1つでも言おうとしたが、今しがた入ってきたキールが耳打ちしてきた内容に眉根を思い切り寄せた。
「ピンガから。……始末したって」
「チッ、あの野郎、計画にねぇことをしやがって……」
「即席で拉致をねじ込んだお前が計画性のなさをなじるのか。滑稽だな」
「アレはジンの兄貴の指示だ!文句言うんじゃねぇ!」
逆に皮肉を言われて苛立つウォッカだったが、すぐに悪どい笑みを浮かべると、直美の顔をモニターに近づけた。
その画面が何を映しているのか、それを理解した直美の顔が悲痛と怒りに染まる。
「父さん……!!」
「頭のいいお前なら、これが何を意味するか分かる筈だぜ」
「あのシステムは、父さんが人類平和の為に作り上げたシステムよ!」
「そんな素晴らしい父親を死なせるってのか?ひでぇ娘だなぁ、えぇ?」
「あなた達には、絶対に渡さない!!」
「そうかい、それじゃあ……お楽しみタイムといこうか」
「逃げて!逃げて父さん!!」
直美を片手で押さえつけつつ、どこかに通信を繋いでいるウォッカ。その様子を、拳を握りしめて見つめるキール。
自分が父親を喪うきっかけとなった、あの日。それを思い出して唇を噛む彼女の視界が、ふいに遮られた。
「アル……」
「見るな。キールにゃ、
キールの顔を見ることなく掌で目線を隠していたアルマニャックは、そのまま彼女を自身の後ろに庇った。……見たくないものを、見なくて済むように。
キールの顔が、先ほどとは別の感情でくしゃりと歪む。
(本当に、貴方はどこまでも……)
アルマニャックの手を優しく払い、キールは彼の隣に立つ。
「……平気よ。私は、大丈夫」
「大丈夫なやつの顔じゃねェよ。いいから下がってな」
「それでも、私は、目を逸らしてはいけないわ」
「…………ホント、損な性格してるぜ」
「貴方には言われたくないわね」
「さて、何のことだか」
━━━
一方その頃フランクフルトでは、ちょうど組織の戦闘ヘリからコルンが投下したタイミングだった。
インカムから、相棒の声がコルンの耳に響いてくる。
『そっちは任せたよコルン!』
「ああ、任せろ」
『映像はアルも見てる!抜かるんじゃないよ!』
「勿論。問題、何もない」
話しながらも駆け足で指定のポジションにつき、スコープ越しに捜索してすぐ、ホテルの一室で電話をしている
いつでも撃てるよう構えていたものの、マリオはふと周囲を見回すと、柱の陰に隠れてしまった。
「気付かれた?……でも、逃さない」
照準を、付近の道路に移す。丁度そこにやってきた大型トレーラーのタイヤを、コルンは的確に撃ち抜いた。
派手に横転するトレーラーに、複数の自動車が突っ込み、大きな衝突音を鳴らす。
道路の騒ぎを耳にし、マリオは思わず陰から頭を覗かせてしまった。
ガラスが割れる音。数拍の後、何かが倒れる鈍い音と、振動。
「標的、沈黙」
コルンが覗くスコープの向こう側で、蟀谷に風穴が空いたマリオ・アルジェントが、血溜まりに沈んでいた。
コルンの狙撃精度が原作より向上している為、一命を取り留めることが出来ませんでした。残念ながら直美パパはここで退場です。
直美を殺せばシステム云々、という話はだいぶご都合主義な気がしますよね。僕もそう思います。
でもこれ原作でも恐らくこんなノリなんですよね。パシフィック・ブイを爆撃して機能停止にしたところで、よしんばそれで直美が死んだとして、それで老若認証がおしまいとはならないと思うんです。施設なんかまた作ればいいし、システムだってほぼ完成してるのだから、残ったデータなり何なりでいくらでも復旧が可能でしょう。
ならわざわざインターポール相手にド派手な宣戦布告してまで壊す意味はないと思うんですが、"組織"はパシフィック・ブイの破壊に舵を切りました。
ラムやジンがそうするのは"あの方"の指示だとして、じゃあ"あの方"は何故そうしたのか。
・ベルモットの報告を受け、"あの方"は破壊の指示を出した→"あの方"が嫌がったのは老若認証システムの方
・設備を壊し、システム開発者を殺したところでシステムそのものをオシャカには出来ない筈だし、"あの方"はそれが分からない程の機械オンチとは考えづらい
以上の事を考えると、まぁ今回のお話で語ったような結論になるのかなと考えました。いや保守ガバガバすぎひん?
最後までお読み頂き、ありがとうございました。よろしければ、感想・高評価・ここすき・お気に入り登録の程よろしくお願いいたします。