ピンガ「俺が生き残る為にオリキャラ生やした」   作:ていとくン

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☆9:スネコスリ様

高評価ありがとうございます!皆さんの応援がワイの力!


黒鉄の魚影編、これにて最終話とさせていただきます。ちょっと中々な分量になってしまいました。2話に分けるべきだったかな……。
後書きに魚影編を通じてのまとめとか、次章についてのお話を載せてあります。特に次章についてはだいぶ好みが分かれると思うので、ご一読頂ければ幸いです。
それでは。



急転直下

 

 

 

 

 

 

(なるほど……名探偵、というだけのことはあるわね)

 

エーテルを利用した麻酔薬を使ってレオンハルトを眠らせ殺したこと。レオンハルトが自殺したように見えた映像がフェイクであること。映像に映っているレオンハルトは、本人ではなく犯人が老若認証を用いて偽装したということ。

自身を追求するそれらの手がかりが、眠った姿の毛利小五郎によって次々と提示されていく。それをピンガはどこか他人事のように聞き流しつつ、()()()()()()()()()にちらと視線を向けた。

確かに、粗はあった。拉致に殺人、それらの隠蔽にしたって全て場当たり的な作戦だ。自らが目指す頂の一角であるラムからすれば、目を覆う程の杜撰さであったことだろう。

だが、自分はその道のプロだ。即興とはいえ、生半可な人間には到底見破れないような偽装工作を行っていた。専門家であるレオンハルトこそ欺けなかったが、彼の口も封じた。

後は誰にも見られることなくパシフィック・ブイを後にする。それだけだった筈が、たった1人の子供にひっくり返されようとは。

自嘲と怒り、僅かな感心。内心をよぎるそれらの感情に浸っている間にも証拠の提示は進み、遂に自身へ追求の手が伸びた。

 

 

「そう、このカップの縁についた口紅を拭く仕草……あなたはここでよくそうしていましたよね。──グレースさん」

 

 

周囲の人間が驚きの視線を自分に向けている。まだ確信ではなく疑念の段階だ。であれば一応抵抗はしておこうか、と今更ながらに狼狽えた演技をする。

 

 

「な、何を……」

「きっとその仕草が癖になっていたのでしょう。──女性であろうとする余りに」

「女性であろうとする余り!?」

「私の勘が正しければ、この人は恐らく女性ではないと思いますよ」

 

 

(へぇ、そこまで分かってるの。……もしかしてこの子、()()()()()()()()()()()()()()()()?)

 

警戒を更に一段階上げる。グレースがレオンハルトを殺した犯人であることは、確かに幾つかの証拠から導き出せるかもしれない。

しかしグレースの正体が男性であることは無理だ。シェリーの拉致とレオンハルト殺害の際に使用した薬物がどちらもエーテル由来のものである、という事実だけでは足りない。グレースがピンガであることを知っていなければ辿り着きようもない真実だ。

 

 

「反論しないということは、やはり貴方は──」

「驚いて声も出ないのよ。女じゃないなんて言われると思ってなかっ──」

「コナンから聞いたんだが、蘭。哀君を拉致した2人組のうち1人は、お前の蹴りで首を負傷しているとか」

 

 

直後、先程から背後に立っていた刑事によってスカーフを剥ぎ取られる。首についた大きな痣、そして喉仏の存在に気づいて大声で驚くエド。

 

(──あぁクソ、やられたぜ。よりにもよって、それが最後のピースかよ)

 

流石にここからの反論は不毛だ。何より、自分を最後に追い詰めたのが戦場での己の油断とあっては、言い訳をする気にもならなかった。

ここからは第2ラウンドだ。既にバレている以上、もうグレースである必要はない。変装の為の演技を止め、意識を切り替える。

勝負はまだついていない。ここから無事に脱出さえ出来れば勝ちだ。それに何より、自分は飛び切りの手札を1枚持っている。組織内での序列すらひっくり返せる程の、特級の鬼札(ジョーカー)を。

 

 

(褒めてやるよ、()()()()。よく俺に辿り着いたな。──だが、まだ俺の勝ちは揺らがねぇ。他でもない、お前という切り札のお陰でな!)

 

 

 

 

━━━

 

 

 

 

「ふふ、ふふふふふふフフフフハハハハハハ……!」

 

 

グレースだった女の雰囲気が、変わる。親しみやすく穏やかな印象を抱かせていた姿に変わりはないのにも関わらず、放つ空気が急速に冷えていく。

やがて彼女は眼鏡を外してストレートボブの髪をかき上げる。どこまでも冷たく研ぎ澄まされたその目を見た周囲の人間が、その変わりように思わず息を呑んだ。

 

 

「油断、慢心、軽率、か……。()()()()()()()()。今回に限っちゃあの野郎が全部悪い。クソが、とんだとばっちりだぜ」

 

 

(ウォッカの名を出した!そっちから尻尾を出してくれたのは好都合!)

 

コナンが内心ガッツポーズを決めている間にも、黒田兵衛管理官が冷静にピンガを問い詰めていく。

追い詰められている筈のピンガは、しかし余裕な態度を崩さない。ピアスを付け替えつつふらふらと歩きながら受け答えをしていく。

 

 

「レオンハルトさんを殺害した動機は?」

「予定外の拉致のせいでな、防犯カメラの改竄が必要になっちまった。仮で処理してから完全に痕跡を消す筈だったが、あのガキが追求したせいで奴が勘づきやがった」

「それでレオンハルトさんに問い詰められ、殺したと」

「あぁ。改竄した記録は消した。俺がやった証拠はねぇ。後は頃合いを見てここから抜け出すだけ……万事上手くいく筈だったんだがなァ!!」

 

 

(スマホ……?マズい!!)

 

袖口から滑り落ちた端末。それを掴み、画面を見ることなく何かを入力したピンガは弾けるように出口へと駆け出した。

 

 

「逃がすな!」

「待て!」

「誰が待つかバァカ!!」

 

 

黒田の鋭い声が飛ぶ。すぐさま目暮警部達警察やパシフィック・ブイのスタッフが立ち塞がろうとしたものの、ピンガは軽業師の如き身のこなしで人と人の隙間をするりと抜け出し、時に飛び越えていく。

出口へと続く階段を一足飛びに駆け上がっていくその足を止めるべく、先回りしていた蘭が拳を振りかぶった。

 

 

「待ちなさい!」

「またお前か!」

 

 

階段の手すりから飛び降りつつの正拳を側転で躱したピンガだったが、すぐに体勢を立て直し追い縋ってくる蘭に向けて被っていたウィッグを放り投げる。

反射で避けた蘭はしかし、眼前に迫るナイフに目を見開く。それすら辛うじて回避したが、崩れた体勢ではピンガの蹴りまでは受けきれなかった。

 

 

「2度も同じ相手にやられるかよ!!」

「あぁっ!」

「蘭!!」

 

 

ナイフすらブラフに繰り出されたピンガの側転蹴りを受けて吹き飛び、階段の手すりすら越えて落下した蘭。幸い黒田が彼女を受け止めたが、一連のやり取りに皆の注目が集まっている間に、ピンガはコントロールルームから走り去っていった。

その後ろ姿、髪型を見て目暮は思わず指を指して叫んだ。

 

 

「金髪のコーンロウ……!まさか、フランクフルトの施設に侵入したのもあいつか!?」

「尚更逃がす訳にはいかない。牧野局長!」

「追っています!だが、どこへ行くつもりなんだ!?逃げられる筈がない!」

 

 

黒田の声に応じて牧野がキーボードを叩く。すぐさまスクリーンの映像が周囲の監視カメラ視点に切り替わり、走り去るピンガの姿が映し出される。

 

 

「この先の丁字路を右だ!」

「了解!」

 

 

すぐに白鳥警部達が走って追いかけていく。しかしコナンは後を追わず、監視カメラの映像を凝視し続ける。

 

(これは……違う!右じゃない!)

 

()()。それに気づいたコナンはスケボーを全速力で飛ばしてピンガを追う。

扉を出た先のT字路を、()。そこから向かう先は海に出る為のドライデッキだ。

薄暗い通路を突っ切ったコナンの視界にピンガが映る。女物の服を脱ぎ捨てスーツに着替えていたピンガはスケボーの走行音に反応して背後を振り返る。

 

 

「またお前か。……何故分かった?」

「監視カメラを一部反転してたでしょ?ピアスが逆になってたよ」

「あ?……チッ、ぬかったぜ」

「油断だね」

 

 

コナンは敢えて挑発するような発言をする。コナン側にとって時間は味方だ。この場にピンガを1秒でも長く足止めしたいが故の行動だった。

対するピンガは眉間に皺を寄せるが、彼もまた聞きたいことがあったらしい。顎をしゃくって会話に応じてきた。

 

 

「いつからグレースが怪しいと睨んでた?」

「コーヒーを頼んだ時だよ。親指と人さし指を立てるこのサイン、フランス人ならこれで2つを意味することが分かるはず。なのにオメーはそれが分からなかった。その時気づいたんだ、この人何かの理由で嘘ついてる得体の知れない人物だってね」

 

 

コナンの推理を黙って聞いていたピンガは、その無表情のまま特大の爆弾を放り投げてきた。

 

 

「成る程。流石だな、工藤新一」

「な──」

「俺もお前が気になって調べたよ。ただのガキにしちゃ勘が良すぎたからな。だが、まさかジンが殺した筈のガキが小さくなって生きていたとは思わなかった」

 

 

(やべぇ、俺の正体がバレた……!?どうする、どうする!?)

 

ピンガが見せてきた画面。工藤新一とコナンの画像が並び、その下には『老若認証一致』の文字列があった。コナンの表情が一気に険しくなる。

どうすればこの窮地を切り抜けられるか。コナンが必死に頭脳を回転させている中、ピンガがどこか訝しげな顔で問いを投げかけてきた。

 

 

「俺からも聞きたいことがある。……お前、()()()()()()()()()()()()?」

「は?…………え?」

 

 

予想から完全に外れた質問に、瞬間コナンの思考が完全に止まる。

 

 

「あの空手女、ありゃアルの差し金だろうが。とはいえ、あいつがシェリーと直接会うのは流石に露見のリスクがデカい。お前が仲介役なんだろ?」

「えっ?いや、なんの話……?アルって、アルマニャックのこと?」

「他にいねぇだろ。アルがシェリーを守るべく、お前を仲介役にしてあの女を派遣した、違うか?」

 

 

(ちげぇよ!待て待て待て待てとんでもねぇ誤解だぞ!)

 

何をどうしたらその結論に至ったのか。完全に思考を乱されたコナンだが、どうにか再起動を果たして必死に否定する。

 

 

「違う違う!俺とアイツに繋がりなんかねぇし、蘭も"組織"と繋がりなんかねぇ、完全に表の人間だよ!」

「すっ惚けてんじゃねぇ。あの女、首に突き出されたナイフを前に何の躊躇もなく突っ込んできたんだぞ。そんなカタギがいてたまるか」

「あ~……まぁ確かに蘭は時々クソ度胸になるけどよ……いやでもマジだって!俺達は"組織"と繋がってる訳じゃない!」

「じゃあ何だ?シェリーの知り合いに()()()()俺と素手で張り合える女がいて?そいつが()()()()今回側に張っていただと?冗談も大概にしろ。てめぇの答えによっちゃ、こっちも今後の動きを色々考えなきゃいけねぇんだよ」

 

 

(いや言いたいことは分からなくもねぇけど!つーかマズい、これは俺の正体がバレたこと以上にマズい!)

 

コナンの背中を冷や汗が滝のように流れる。

工藤新一にとって毛利蘭とは、何より大事な存在だ。己の全てに代えてでも守りたい大切な人だ。

その女性が、よりにもよって"組織"に仇なす刺客だと勘違いされている。下手すればコナンよりも優先的に"組織"から狙われることになる。

どうにかして誤解を解かねばならないと焦るコナンとは裏腹に、当のピンガはどこか苦々しい表情をしていた。

 

 

「まぁいい。老若認証の結果だけ見せるつもりだったが、せっかく来てくれたんだ。お前も連れて行く。体が縮んだカラクリもアルとの繋がりも、ラムの前で全部吐かせてやるさ。……あぁ、そういえば工藤新一はジンが始末したんだったか。じゃあお前を見せれば、あの野郎の顔を潰すことも出来るって訳か」

 

 

(駄目だ、俺1人じゃ打つ手がない!白鳥警部達は……まだか。仕方ねぇ、一か八か!)

 

このままでは蘭がアルマニャックとの繋がりを疑われたまま自分も攫われてしまう。

最悪でも前者はどうにかしなければならないが、その為にはピンガを"組織"へと返す訳にはいかない。

だが、今コナンには打つ手がない。ピンガの身柄を押さえるには、最低でも警察の助力が不可欠だ。

その為にも、白鳥警部達がここに到着するまで、何としてもピンガをこの場に留めておかなければならない。

命懸けで、ピンガを挑発する。覚悟を決めたコナンはピンガの方に向かって一歩踏み出す。

 

 

「正直、俺は結構ビビってたんだ。だってお前、アルマニャックの相棒なんだろ?アレの相棒ってことはどんなやべぇ奴が出てくるのか、戦々恐々だったんだぜ」

「あん?」

「だけど蓋を開けてみれば、度重なるミスにどうしようもない勘違い。……アンタ、ジンに対抗意識燃やしてるみたいだけど、とんだお門違いだぜ?だって奴ならこんなヘマはやらねぇ。いやでも良かったよ──」

 

 

 

 

「──アルマニャックの相棒が、奴やジンには遠く及ばない、とんだ小物のチンピラでさ」

 

 

 

 

━━━

 

 

 

 

背中が、遠い。

 

初めて顔を合わせ、ついでに手合わせもした時から、分かっていたことではあった。アルマニャックという男が、戦士として完成された存在だということを。

 

素直に尊敬した。追いつきたいと思った。隣に並び立つと決めた。だから鍛錬を重ねた。潜入任務の合間も肉体をいじめ抜き、体術に磨きをかけた。

だが強くなればなるほど、奴の背中が巨大な壁となって立ちはだかる。ラムと出会って以降はその壁が2枚に増えた。あまりにも高く、険しい頂。目眩がするようだった。

それでも登り詰めると決めた。戦闘能力だけじゃ足りない、電子戦だけじゃ届かない。知恵と謀略も併せ持たなければ、(テッペン)には立てない。だから必死に頭を回した。プライドを捨て、頭を下げて教えを請うた。

そんな俺だからこそ分かる。俺以外には分かるまい。あの男が、どれだけの高みにいるのかを。

 

アルマニャックという存在をただの戦友だと思っているコルンやキャンティ(アイツら)には。

生意気な同僚だと思っているジンやウォッカ(アイツら)には。

どこか距離を置いているバーボンやベルモット(アイツら)には。

頼るべき背中だと思っているキールやシェリー(アイツら)には。

 

きっと、分からないことなのだろう。アルマニャックを、到達すべき頂だと、乗り越えるべき壁だと思っている俺にしか分からないことなのだろう。

並び立っているラムにすら、正確には分からない筈だ。最初から高みにいる者が、自分の標高を客観的に理解出来る訳が無い。

 

そうだ、俺だけだ。()()()()()()()()()()()()()()。あの背中を目指し続けている俺だけが、頂の高さを知っている。

だからこそ許せない。アルマニャックという男の格を知りもしない有象無象が、好き勝手にあの男を評価していることが。あの頂を目指す俺を見下していることが。

口を開けて空を眺めるだけの負け犬共が、星に手を伸ばした俺を嘲るなど、認められる筈がない。

 

 

それで?今、こいつは何と言った?

 

俺が、アルには遠く及ばない、とんだ小物だと?ジンにすら敵わないと?

 

頭に血が上る感覚すら、遥かに遠い。気がつけば工藤新一の胸ぐらを掴んで壁に叩きつけていた。

ガハッ、と息を吐くその顔に肘鉄を入れると、小さな体が地面でバウンドした。膝の高さまで浮き上がった腹をすかさず踏みつけて再度地面に叩きつける。

 

 

()()()()()()()()()()()……俺がアイツにまだ及ばねぇことくらい……!だから歯ァ食いしばって戦ってんだ!アイツの背中に追いつく為に!アイツの隣に並ぶ為に!」

 

 

咳き込む工藤新一の腹を強く踏みつける。溢れ出す憤怒が抑えられない。

 

 

「コルンでもキャンティでもバーボンでもキールでもねぇ……シェリーでも、スコッチでもねぇ!俺が!奴の隣に立つって決めたんだ!それがどれほどの茨の道か、分かった上でな!」

「ガハッ、ゲホッ……」

「それを何だてめぇは……本当の高みも知らねぇガキが、知った口叩いてんじゃねぇよ!!」

 

 

うつ伏せになった腹を強かに蹴り飛ばす。胃の内容物をベチャベチャと吐き出しながら転がる様子を見て、僅かに溜飲を下げると共に冷静になった。

駄目だ。この場で殺してはならない。死んだはずの工藤新一という手土産は極上の一品だ。コイツが抱える情報も合わせれば、組織への貢献度は計り知れない。

コイツには、俺が頂へとまた一歩近づくことに協力して貰わなければ。

 

屈んで手を伸ばし、工藤新一の胸ぐらを掴む。そのままドライデッキ手前の更衣室へと入ったところで、警察が2人走ってきた。

だがもう遅い。そう思い扉を閉じようとした時だった。

 

 

「ふん!」

「なっ!?てめぇ、この──」

 

 

もう動けないと踏んでいたガキが、胸ぐらに手を突っ込んできた。狙いは端末だ。組織の情報がたんまり詰まった、決して奪われてはならない端末だ。

思わずまた頭に血が上る。咄嗟に殴り飛ばして、後悔した。今の一撃で工藤新一は吹っ飛んでしまった。拾い上げに行けばこちらに駆け寄ってきている警察に追いつかれる。

 

 

「──クソッ!!」

 

 

やむを得ず更衣室に入って扉をロックし、ガンと壁を殴る。

今回の失態、その要因は明確だ。ケアレスミスと、反射。前者はユーロポールでの一件とピアス。後者はレオンハルト暗殺時の仕草と今の一撃だ。

いずれも、思考を挟まず行動した結果が尽くミスに繋がっている。

 

(力や経験でアイツらに劣っている俺が、考えることを止めちゃならねぇ。分かってたことだろうが!!)

 

もう一度壁を強く殴り、次いで頬をピシャリと叩いて意識を切り替える。

 

(いや、反省会は後だ。とにかく今は脱出する。システムを使えば工藤新一はいつでも拉致可能……挽回はきく)

 

ベルモットにハッチを開放するようメールで頼んでから、そそくさとダイバースーツに着替えてボンベを背負う。

準備が終わったタイミングで部屋の中に海水が注入され、程なくしてハッチが開く。そのまま海へと飛び出した。

 

しばらく泳ぎ、パシフィック・ブイと距離を取ったところで、視界の端にちらと何かが映った。

視線を向けようとした途端、背後で大爆発が起こる。パシフィック・ブイに魚雷が撃ち込まれたのだろう。

 

(もう安全圏にいると分かってても、背筋が冷えるぜ)

 

衝撃波の範囲から逃れていることに安堵しつつ、連絡の為に浮上する。水面に上がり、派手に炎上しているパシフィック・ブイを横目に電話をかける。

 

 

『おゥ、こちらアルマニャック』

「ピンガだ。どうやら最後の仕上げが終わったみたいだな」

『らしいな。レーダー越しだとどうにも臨場感に欠けるから実感ねェが』

「ハン、相変わらず締まらねぇな。じゃあ今から合流する。……そういや、面白い手土産を見つけたぜ。ジンの失態だ」

『ほォ?酒のツマミにゃなりそうか?』

「特上だ」

 

 

軽快な言葉とは引き換えに、どこかノッていない口調のアルマニャックに、ピンガは眉を上げる。

 

 

「どうした?なんかノリが悪いじゃねぇかよ」

『あ~まァ……お前さんに見てもらわなきゃいけないものが出来ちまってな』

「なんだそりゃ」

『システム絡みのものだ。……俺の説明、要る?』

「要らねぇ自分で見る。……なんだ、悪い知らせか」

『多分。お前にとっちゃ、とびきり』

「……萎えること言うんじゃねぇよ」

『んなこと言われても……まァとりあえず合流先に向かうわ。そっちもよろしく』

「あぁ。切るぞ」

 

 

 

電話を切ったピンガの細い眉が、極限まで顰められる。重いため息もこぼれ落ちた。

 

任務を通じて散々押し付けられた後味の悪さが、まだ続きそうだと。

 

 

 

 

━━━

 

 

 

 

「……ふぅ」

「ピンガは何と?」

「パシフィック・ブイの爆発を確認した。今から帰還するってさ」

「他にもくだらねぇ話をしていたように聞こえたが?」

「手土産だってさ。見せたいものがあるんだとよ」

「ほぉ、そりゃ楽しみだ。……ピンガとの合流地点へ急げ。自衛隊が出てくる前にずらかるぞ」

「了解!微速前進!」

 

 

ピンガとの通信を終えたアルマニャックは近くの椅子に座って居眠りを始める。緊張感の欠片もない姿に眉を顰めたウォッカが怒鳴ろうとするのを止める。

 

 

「兄貴?」

「放っておけ。起きていてもうるせぇだけだからな」

「へ?へい……」

 

 

豆鉄砲を食らったような顔をしたウォッカが引き下がったのを最後に、合流地点に向かう艦内はしばらくの間静謐に包まれていた。

 

ふと、気配が動くのを感じて振り返る。見ると寝ていた筈のアルマニャックが何やら難しい顔をして落ち着かない様子でしきりに体を揺すっていた。

 

 

「何してやがる」

「……変なんだ」

「あ?」

()()()()

「てめぇの頭が変なこと位、今に始まったことじゃ──」

「そうじゃない。何か、()()()()()()()()()()()()()()()()()()……とにかく、嫌な予感がするんだよ。気になってケツの座りが悪い」

「ハッ、海の中にいる俺達を誰が見てるってんだ。寝ぼけてやがんなら部屋帰って寝てろ」

 

 

要領を得ない発言をウォッカが鼻で笑っていたが、ジンは目を細める。

任務を共にする中で、過去に何度か似たような場面があった。アルマニャックが訴える()()()()。その精度が、発言内容のあやふやさとは裏腹に決して無視できないものであることを、ジンは経験則で知っている。

 

(このガキの戦場での直感は侮れねぇ。……待て、()()だと?この艦内が?それとも、これから向かう先が?……何だ、俺は何を見落としている?)

 

 

「おい、レーダーを確認しろ」

「あ、兄貴?」

「聞こえなかったのか?レーダーを確認しろと言ったんだ」

「へ、へい!おいお前ら!何か映ったらすぐに報告しろ!」

「か、かしこまりました!」

 

 

艦内に緊迫した空気が漂う。アルマニャックは相変わらず難しい顔で体を揺すっており、それが未だこの艦が危機に陥っていることを暗に示しているようで、ジンの眉間に何本も皺が刻まれていく。

張り詰めた時間が流れる中、1人の乗組員があっ、と小さな声をあげた。

 

 

「何だ?」

「いえ、何か、ごく小さな反応が見えたような……気の所為だと思うのですが」

「どこで、どんな反応だ」

「そ、それが──」

 

 

彼の発言を待つことなく、大きな爆発音が艦内に響く。咄嗟に対ショック体勢を取り、そして爆発音に対して振動がほとんど無かったことで訝しげな顔になる。

対して乗組員達は恐慌状態だった。水中カメラの映像を見ながら大慌てでコンソールを動かしている。

 

 

「何だ?何が起こった!」

「う、海が……」

「何だ!!」

「海が、光っています!虹色に!」

「光っている?」

 

 

刹那、それは同時だった。

 

アルマニャックとジン、両名が険しい表情で同時に天井を見上げる。

 

 

「──来る。何かが、来る!!」

「──チィッ!総員、対ショック体勢を取れ!!」

 

 

直後。

 

 

 

 

ドォォォォォォォォォン!!

 

 

 

 

先程のそれとは比較にならない程の爆発音と、先程はなかった大きな揺れ。潜水艦が攻撃を受けたことは明白だった。

 

 

「何が起こった!?」

 

 

ジンの怒号に、制御盤にしがみついていた乗組員達が這々の体ながらレーダーやカメラを確認し、潜水艦が受けた被害を矢継ぎ早に報告する。

 

 

「エンジン出火!」

「発電機から浸水!」

「速力低下!」

「モーター停止!」

 

 

潜水艦のモーターが徐々に動きを止め、それに伴い船体もゆっくりと海底に沈んでいく。

乗組員達は必死の形相でコンソールを操作し、焦ったウォッカも指示を飛ばしたが、状況の改善には至らなかった。

 

 

「サブ電源に切り替えろ!」

「──駄目です!繋がりません!」

「クソッ!何だ!?何があったってんだ!?」

 

 

ウォッカの怒声が耳を掠める中、ジンは思考を巡らせる。今、何が起こったのかを。

 

(攻撃を受けた。それも上方……つまり水上か、上空から。光源を使って潜水艦を炙り出し、それを狙撃する。事実だけを挙げればそうなるが……誰だ?一体誰がこんなことを出来る?)

 

理論上可能なことと、それが実行に移せるかどうかは違う。一体誰が、海中に潜む潜水艦を探り当て、そこに光源を用意したというのか。

一体誰が、その一瞬の好機を逃すことなく、潜水艦の弱点を的確に狙撃せしめたというのか。

警察、公安、他国の諜報機関や果ては敵対組織に至るまで、数多の候補が脳裏を過っては消えていく。

高速で巡る思考に、ふと雑音が混じる。苛立ちも露わに音源の方向を見ると、1人悠々と座っていたアルマニャックが笑っていた。最初はくつくつと、やがて抑えきれぬように片手で頭を抱えて笑い出した。

 

 

「フフフへへへ……いやいやあり得ねェ、あり得ねェだろ。そりゃ最早人間業じゃねェって」

「この状況で何をヘラヘラ笑ってやがる!」

「この状況だからこそだよ!……なァジン、パシフィック・ブイに関わる一連の任務で、俺が役に立つと思うか?特に、この潜水艦の中で」

「ねぇよ。何だ、罪悪感のあまり自虐に走ったか。無能さを認めたことだけは褒めてやるが」

「そうじゃねェよ。俺が言いたいのはな、俺をここに派遣したのはラムの姐さんだってことだ」

 

 

おもむろに立ち上がったアルマニャックは心底愉快げに笑っている。その目にどこか驚嘆の色が乗っていることに、ジンは気づいた。

 

 

「そうだ。今回の任務、()()()()()()()()。機械に囲まれた狭い空間で、俺に出来ることなんかねェからな」

「……何が言いてぇ」

「俺ですら分かってることを、あの人が分からない筈がねェ。……確かに?姐さんは"半分休暇だと思ってくれていい"つって俺をここに寄越してくれたさ。そう、半分だ。じゃあ()()()()()()()()()()?」

 

 

ウォッカやキールが首を傾げる中、アルマニャックが言いたいことにこの場でただ1人気づいたジンは目を見開く。

確かに、この男が今回の任務に必要とは思えなかった。精密機器に囲まれた閉鎖空間など、この男の長所を尽く潰すような場所だ。

故に今回アルマニャックが潜水艦にいるのは、時たま起こるラムの甘やかしだと思っていた。

理性ではあり得ないと言っている。だが、どうだ。任務も大詰めの今、この土壇場になって、()()()()()()()()()()()()()()()ことを、どう考える。

 

 

「確か、この潜水艦は機密情報がしこたま入ってるんだっけか?」

「……あぁ。万一にも誰かの手に渡す訳にはいかねぇ」

「成る程。それで、これは俺にも何となく分かるが、この潜水艦はもう動かねェんだろ?」

「どうなんだ、ウォッカ」

「……駄目みてぇです。予備の潜水艇を準備しねぇと……」

「俺達は脱出し、潜水艦は放棄して爆破、ってところか。さて、()()()()()()()()()()()?」

 

 

キールとウォッカがはっとした顔をする。

現在パシフィック・ブイの方向から合流地点に向かっているピンガは、何か移動手段を持っている訳では無い。自力で泳いでいるだけだ。それで移動出来る距離などたかが知れている。

合流地点の変更とは即ち、ピンガの回収を放棄することを意味する。

 

 

「ピンガは技術職だ。俺やお前みてェな潰しが効く戦闘員じゃない。ここで切り捨てるのはあまりに惜しい」

「……てめぇが迎えに行くと?」

「そうだ。……キール、回収していた水中スクーターの調子はどうよ?」

「充電はさっき終わっているわ。……えっ、アル、貴方まさか、ここまで想定して……!?」

「いや俺は違う。後で遊ぼうと思ってただけだ。想定していたのはラムさ」

 

 

ここに至って、キールとウォッカもアルマニャックの言いたいことが分かったようだ。その顔を驚愕に染める。

 

 

「ラムの姐さんはきっと、何かしらの理由で潜水艦がダメになる可能性を想定していたんだろうさ。……別にあり得ない話じゃない。ICPO直下の施設を落とそうってんだ。当然、妨害や報復を受けることもあらァな」

「だから予備の潜水艇が用意されている。……だが、そのタイミングによってはピンガとの合流に支障をきたす可能性があるだろう」

「その通りだ、ジン。だから俺がいる。ピンガとの合流直前になって潜水艦を捨てざるを得ない状況に陥った際、合流を目指すピンガを拾い上げ、変更された合流地点に自力で向かえる人材を保険として用意したんだ」

「……全てラムの計算通りって言いてぇのか」

「な?笑いたくもなるだろ」

 

 

キールとウォッカが絶句し、ジンでさえ目を見開いている中、アルマニャックは心底楽しそうに腹を抱えて笑っていた。

 

 

「俺はピンガの回収位にしか役に立たねェ。つまりパシフィック・ブイの攻撃からピンガ回収までのごく短期間に潜水艦がダメになった時しか、俺が動く機会はないんだ」

「……この潜水艦のステルス性能は極めて高い。パシフィック・ブイを攻撃するその時まで、我々の存在が露見しているとは思えねぇ」

「だが攻撃してから今まで30分も経ってねェぞ。国家や軍隊はそんなに早く動けんよ。となると攻撃してきたのはどこの誰だ?そんでソイツは、一体何故俺達をこれだけ早く見つけられた?」

「最初から、マークしていたと?」

「あり得ない訳じゃないだろ?フランクフルトで一悶着起きてるんだからな。──つまりだ、あの時点でラムは、組織が何ちゃらシステムを狙うことを一点読みしてここに根を張る何者か(アンノウン)がいると、そう読んで俺を潜水艦に送り込んだって訳だ!マジでとんでもねェな!どこまで見えてンだアンタは!!」

 

 

ひとしきり笑った後、アルマニャックは涙を拭きつつキールに向き合って声をかけた。

 

 

「今からピンガを拾ってくる。さっき言った水中スクーターを用意してくれ。合流地点はメールで伝えてくれればいい。……おォそうだ、ピンガにも報告しとかないとな」

 

 

 

 

━━━

 

 

 

 

「ふざけんじゃねぇ!あのシステムが欠陥品だと!?んな訳あるかぁ!!俺がどれだけ確認したと思ってやがる!!」

「怒鳴りてぇのはこっちだ。てめぇの目が節穴でさえなけりゃ、俺達はこうまで無駄足を踏まされることもなかった」

 

 

パシフィック・ブイ襲撃から、一夜。

 

ピンガは無事救出された。アルマニャックによって回収された彼はそのまま2人で無事潜水艦へと辿り着き、そしてその場でアルマニャックは爆睡した。

ピンガ曰く、水中スクーターは自分が使い、アルマニャック本人はずっと泳いでいたらしい。()()()()()()()()()

潜水艦が沈んだポイントから変更された合流地点までは、優に数kmを超えていたにも関わらず。

とはいえ流石のアルマニャックも疲労困憊だったらしい。帰還報告すらピンガに放り投げ、ほぼ気絶するように眠りについた。

 

(そう言えば、水泳は数少ない()()()()だって、前にアルが言ってたわね)

 

予備の潜水艇には機材もロクに揃っておらず、またピンガの持っていた端末も電池切れだった為、此度の一件における事後報告(デブリーフィング)は一晩明けてからになった。

 

そして、今に至る。

 

ピンガが持ち帰ってきた手土産。工藤新一なる人物と江戸川コナンの写真、それが老若認証システムで一致したという証拠は確かに驚くべきものだった。

江戸川コナンはキールも知っていた。杯戸中央病院に入院していた時、弟の瑛祐と共に現れた子供だ。随分利発そうな子供だと感じた記憶がある。

もう1人の工藤新一も、直接会ったことはないが見覚えがある。高校生探偵、という二つ名でしばしばニュースに取り上げられていた。キャスター時代に彼を扱ったニュースを読み上げたこともある。

そう言えば最近名前を聞かないと思っていたが、何でもかつてジンが消した筈の人物だったらしい。彼が標的を仕留め損なったことも驚きだが、死んだ筈の人間が子供になっていたことはもっと驚嘆すべき事柄だ。

──()()()()()()()()()

この場にいる人物は、自分を除いて7名。ジン、ウォッカ、ベルモット、バーボン、アルマニャック、ピンガ、ラム。尤もラムは通信越しではあるが。

本来は5人の筈だったが、ピンガ帰投の報せを聞くや否やベルモットとバーボンも駆けつけた次第だ。

尤も、会話をしている人物はジン、ピンガの2人のみ。自身が5年もかけて潜入調査していたシステムそのものを否定され激昂するピンガに対し、ジンも苛立ちを隠さず、また他の面々はめいめいの姿勢で場の成り行きを見守っている。

 

 

「おいベルモット、写真を見せてやれ」

「……えぇ、ほら見なさいピンガ。此方で改めてシェリーの画像を認証にかけた結果が、これ。つまり老若認証システムは、似た顔の人物をもピックアップしてしまう欠陥品だったってこと。事実を理解出来たかしら?」

「なん、だよ……これ……」

 

 

ジンの殺気を浴びて尚もいきり立つピンガだったが、ベルモットから提示された画像を見て流石に言葉を詰まらせる。

彼の目から見ても、ベルモットが示した証拠は無視出来ないものであったらしい。顔を驚愕一色に染めている。

キールとしては、ベルモットの表情の方が気になったが。よくよく見ればバーボンも同じような顔をしていた。

 

(……強張ってる?緊張、しているのかしら。2人とも?……何故?)

 

 

「……これ、本物なのかよ」

「紛れもない事実よ。貴方にとっては残念だけれども」

『私の方でも確認しています。……ピンガ、君を責めるつもりはありません。システムはごく最近ようやく実験段階に入った代物。欠陥があったとて、貴方がそれに気付くタイミングはなかったのですから』

「チッ、甘えな。……それで?てめぇの持ってきた"手土産"ってのはそれで終いか?だとしたら俺達はまたしても飛んだ無駄足を踏まされた訳だが」

「…………クソッ、クソッ……!!」

『ふむ…………』

 

 

何やら言い淀む様子のラムに、拳を握り締めて怒りに震えるピンガ。ジンはそれを冷笑し、彼が機嫌を直したことにウォッカは胸を撫で下ろしていた。

ふと、キールは隣を見る。ピンガによって画像が提示されて以降、ずっと沈黙を保っている彼の様子が気になったのだ。

アルマニャックは、何やら難しい顔をしていた。顎に手を当て眉間に皺を寄せ、時折腕を組んで小さく唸りながら何かを考えている。

 

 

「……どうしたの?アル」

「ん〜……あのガキ、どっかで見たことある気がするんだよな……どっかで……どっかで………………んん?」

 

 

突然顔を上げたアルマニャック。キールが小さく驚いていると、彼は驚く彼女の顔をまじまじと見つめてきた。

 

 

「えっと、アル?」

「──()()()()

「へ?」

「そうだ、キールだ。あァそうだキールだ!」

「アル?確かに私はキールだけど……」

「そうだよ!思い出した!知ってるぞ!()()()()()()()()()()()()!!」

 

 

突如叫ぶアルマニャック。その場の全員がぎょっとした顔で彼を見る。

特に、ベルモットとバーボンの顔は驚愕に染まっているように見えた。

当のアルマニャックは叫んだと思ったら、直後頭を抱えて何事かぶつぶつと呟きながらうろうろ歩き出す。見かねたジンが大きな舌打ちを打った。

 

 

「おい、今の発言を説明しろ。日課の奇行は後でやれ」

「…………別に、日課じゃねェ。コイツを知っていることを今まですっかり忘れてたのが恥ずかしかっただけだ」

「これは驚きだ。お前に羞恥の概念があったとはな。少しは人間の真似が上手くなってきたじゃねぇか。褒めてやるよ」

「……うるせェ」

「それで?このガキを知っていると?何だ、クソガキ同士知り合いか。友達が見つかってよかったな」

「あっちがどうかは知らないが、俺はコイツを知っている。何度も会ったからな」

『……どういう意味ですか?アルマニャック、詳細を教えて下さい』

「あァ、勿論だ──」

 

 

後日、キールは回想する。振り返ってみれば、きっとここが分水嶺だったのだ。自分と、彼と、"組織"と、そして世界の。

そしてアルマニャックは決定的な言葉を放つ。"組織"の命脈を決定づけた、運命の言葉を。

 

 

 

 

 

 

「キールが入院していた病院、デカい観覧車の遊園地、そんであの無人島。コイツ、その全てで赤井秀一の側にべったりくっついていたガキだ!」

 

 

 

 

 

 





アルマニャック「先が見えすぎだろアンタはよォ!」
ラム「知らん……なにそれ……」

アルマニャック「ぼくこの人知ってる〜」
バーボン「あわわわわ」
ベルモット「あわわわわ」


ピンガはナレ死ならぬナレ救出。まぁ省略しても大丈夫なだけの理由付けはここまでのお話で作れたかなって。


さて、これにて黒鉄の魚影編は完結です。書き終えるまでに1年半は時間かけすぎィ!それもこれもアルマニャックのせいです。アイツが直美殺そうとしなければこうはならなかったんだ……許さねぇ……
改めて、長く間を空けてしまったにも関わらず拙作を読んでくださり、本当にありがとうございました。

さて、このssも次章で〆となります。ちなみに今回閑話はありません。上手いこと話が考えつかず、また今の流れをぶった切るのも変だなとなりまして。完結させた後に何か思いつけば書くかもしれません。募集したのに申し訳ございません……。
結末については色々迷ったのですが、トゥルーエンドみたいな形になるかと。組織(というよりアルマニャック)とコナン君サイドで痛み分けの形にしようと思っています。
原作で敷かれている"あの方"絡みの伏線は全て吹っ飛ばします。赤ん坊説とか色々あるみたいですが、情報少なすぎてそっち拾おうとすると話まとめられなさそうなので。

それでですね、私が書きたかったお話というのは名探偵コナンの二次創作というより「ピンガ生存if」なんですね。ただ単話で生かしても説得力薄いかなと思い、ここまでお話を書いてきました。
つまり何が言いたいかというと、名探偵コナンの売りである推理パートとかそういうのは最終章にはほぼないってことです。色々頑張って考えていたんですが、私にはそういう頭のいいお話は書けませんでした……。
じゃあどういう話になるんだって訳ですが、

漫画:ヨルムンガンド、BLACK LAGOON、HELLSING
ゲーム:メタルギアソリッド、バイオハザード
映画:ジョン・ウィック、エクスペンダブルズ、RED、HEAT、ダイ・ハード、ポーラー 狙われた暗殺者 、ビーキーパー

参考文献として既知未知問わずここら編の作品を改めて摂取しておりました。つまりそういう作品になります。非常に好みが分かれると思いますので、そこをご理解頂いた上で読んで頂けたらと思います。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。よろしければ、感想・高評価・ここすき・お気に入り登録の程よろしくお願いいたします。
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