今回の話ぐらいからから、自分の書きたい作品が
よくわかってくるのではないでしょうか。
ちなみに、影響を受けた作品は山のようにありますが
その中にマ〇クラとル〇ファクがあるのは、見ていれば言うまでもないと思います。
作者は本を読むよりもゲームのシナリオで育ってきた生い立ち故に……
そんなこんなで始まります。
いろいろ作者が影響を受けた作品なんかも想像しながらどうぞ、お読みくださいまし!
ちなみに毎日投稿は(多分)無理です。社畜故、N●Sとマ〇ターデュエルの奴隷故に……
経営ファイル2 そして物語は始まりへ(前編)
それは高知に広がる大自然。前を向けば草原、振り向けば大森林、遠くを見渡せば岩山から荒地まで。
空には鳥――時々ワイバーン。人工的な造形物など、ここを除けばどこにも見当たらない。よく言えば抑圧的な世界からの解放、悪く言えば文明社会からの完全な孤立。一般の人間が見慣れたそれとは、まるで別次元の世界である。
そんなある種、幻想的ともとらえられる世界でも日は昇り、やがて沈む。そして月が浮かび、またやがて沈む。
「ふぁ〜……あ……」
大草原の端、森林地帯を背にして建つ一軒のボロボロの宿屋。その敷地の中に構えられたテントの中から、一人の少年が欠伸をしながら出てくる。
「……テントでの寝起きには慣れてるけど、さすがにベット以外で連続で寝た回数は、記録更新かな……」
少年は伸びをすると、外着に着替える。そして防具を装着し、無骨な長剣を背負う。最後にお気に入りのバンダナを、ハチマキ状に頭に巻いた。
少年の髪は白髪にも近い美しい銀髪だ。外に出ると朝日に照らされ、まるで磨かれた銀食器のようにきらびやかに光る。
日の光を浴びつつも、冴え切ってない頭のまま宿屋に向かう。
「……う~ん……おはよう、ガーネッタ」
宿屋に入ってすぐ、メインのエントランス。そこではメイド服を着た赤髪の少女が、涼しげに箒を掃いていた。
「おはよう。相変わらず早起きね、アンタ。店主らしく、寝坊でもしてきたら?」
少女はふてぶてしく挨拶を返す。彼女はオンボロ宿屋の若店主・ライトに仕える、自称メイドの少女ガーネッタである。
「ちゃんと、仕事はしてるんだね」
「アンタと同じく、アタシも"できた"人間だから」
二人は顔を合わせるなりイヤミの応報を繰り広げる。だが、それも無理はないだろう。二人は今から少し前、最悪で、破滅的な出会いをしたからだ。
そう、あの衝撃的な出会いから数日。話はその出会いの日に遡る。
少年、ライトは祖父の経営していた宿屋を引き継ぐため、僻地のここまで数週間かけやってきた。しかしいざ到着してみれば、宿屋は嵐にでも吹かれたのか、廃墟寸前の有様。しかもそんな現実に絶望している暇もなく、入り口のドアをけ破り『赤髪の悪魔』が現れる。
赤髪の悪魔もとい、メイドの少女ガーネッタが話す限り、彼女はライトの祖父が生前、ライトのサポートの為に遣わしたメイドとのこと。最初は懐疑的だったライトだが、彼女から見せられた祖父のサインは確かに本物だった。
暴力的で、破壊的で、非常識に溢れた彼女。勿論、その性格と突き付けてきた契約の内容は、まさに悪質その物。悪魔ですらためらう契約、いやもはや一方的な要求だったのである。その制約に縛られてしまったせいで、ライトは建物のオーナーでありながら、建物の外で寝泊まりを強いられてしまっていたのであった。
「……人の顔を見るなり嫌味を言ったり、改めて、君は一体何が目的なんだ?」
「別に。理由をアンタに言う権利は無いわ」
「これでメイドっていうんだから恐ろしい……」
ライトは呆れ気味にため息を漏らす。その顔には、とても濃い疲労の色がうかがえる。
「さすがの僕も、君の横暴な態度にはうんざりだ。これ以上、酷い態度を続けるようなら――」
「契約書、サインしたの忘れたの?」
ガーネッタは食い気味に発言を止める。
「仮契約、試用期間だといったじゃないか。僕は君の――」
「それでも契約は契約よ。アタシだって生きていくのにギリギリなの。目的のために手段なんて、選んでいられる状況じゃないんだから」
「そりゃ、あんな契約を押し付けていれば誰も契約してくれないでしょ……」
ライトはあきれ気味に視線を逸らす。
「第一に、アタシの最初の態度や契約内容を見ていれば、どういう未来になるのかなんて想像ついていたでしょ。試用だろうが、本採用だろうが、アタシの性格や態度は、間違いなく変わらないわよ」
「それは――その……」
ライトは頭を抱える。ライトはこう言われると、とにかく言葉の歯切れが悪い。ガーネッタもその弱さを見越し、利用しているのだ。
「じいちゃんがわざわざ契約してくれたってことは、きっと何か意味があってなんだと思うし、わざわざ選んでくれた人をおざなりにはできないし――」
「それだけじゃないでしょ?」
「――うぅ……」
ではなぜ、ライトはそんな要求をのみ、苦い顔をしながらも彼女の滞在を許可したのか。それは僻地での生活の"限界"故である。
「道具の数々は旅の道中に失い、川を跨ぐこの周辺唯一の連絡橋は陥落、復旧に一か月程。王都に戻ることもできず、かといってどこか行き先があるわけでもない。そして周りは大自然。人っ子一人いるわけない。哀れなものよね、不幸もここまでくるとお笑い沙汰だわ」
そう、彼女が言う通り、ライトは現状"詰み"かけている。それはここまで来るまでの間に、道具や食料など、冒険や生活に必要な物の大半を失ってしまったからだ。
一応彼には、父親から学んだ剣技とサバイバルの知識、そしてそれなりに恵まれた身体能力がある。そのため野営をして、ある程度大自然で生活をしていくことは、割と不可能な話ではない。しかしながら、彼はまだ16歳と少しの少年だ。さすがに限られた道具・現地調達が基本の食糧事情で、何か月もの一人でのサバイバルは、いささか心身ともに負担が大きすぎる。そして畳みかけるように、ここは都会からかなり距離の離れた、いわゆる僻地だ。人の通りなど一切見えないし、近くに人の集落があるのかもまだわからない。いざというときに誰の助けも借りられないのは誰であろうと致命的なことである。
「だから、アタシにアンタは頭が上がらないと」
彼女の言うことは全てごもっともである。そのため、ライトは言葉の歯切れがとても悪い。
「で、どうしたいの? 実際この環境で一人でやっていけるの? 追い出したいならさっさと追い出せばいいじゃない。そもそもここには警察も、裁判官も、国王陛下もいないわ。一方的に破棄しても証拠がないから、誰にも咎められないわよ」
ガーネッタのマシンガンのような言葉攻めの数々に、ライトは盗み食いを叱られる犬のように、黙り込むことしかできない。正論という凶器は、時に物理的な攻撃より致命傷になる。
「わかった、降参だ。君の実力の高さには、本当に僕も驚かされている。ただ、これからは接客業をするわけだから、せめてもう少し言葉遣いくらいは――」
「うっさいわね、アンタは客なの? 一円でも店に金落とした? 客と店主は立場が違うの。お客様は神様、メイドは女神様、店主は奴隷、今の流行りの言葉でしょ?」
「確かに、今の時代、社会においてのメイドの立場はかなり高いけど……それにしてもそんな無茶な……」
口は悪いが、彼女の発言も実は『一部』間違いではない。
かつて地上は『神』と『人』との長い戦いが繰り広げられていた。一時は混迷を極めたが、そんな戦争は訳あって『人』の勝利で幕を閉じる。それから戦後七十年と少しの現在。世界の需要は兵器開発や戦争経済から、娯楽や広告・福祉での競争にへと変貌を遂げていた。その中でも特に活躍の場が増えたのは、ほかでもない『メイド』という職業である。彼女たちは今や店や企業の顔であり、彼女たちの存在こそが店の存在価値にもなりつつある。いわば彼女たちは広告であり、顔。つまりアイドルなのだ。
「第一、他にDIYもできるメイドなんて世の中にいる? 戦闘から魔術、経理、料理、力作業、サバイバル、アタシはなんだってできるわよ? 顔や声だけの連中なんかと一緒にしないでもらいたいわね」
これに関してはガーネッタの言う通り、彼女の価値はメイドであることと暴言だけではない。
彼女は家事は万能で、話によると経理もできる。戦っている姿を見たことは無いが、本人曰く「ドラゴンだって叩き落とせる」らしい。なによりこういった極限状態のサバイバルにおいて、ライトと同じく『非常に』優れた知識と技術を持っている。
提示された条件は非常に厳しいものではあったが、ライトにとって彼女の実力は未知数なものがあった為、試用期間として契約された。
ちなみに契約の内容は様々だが、手始めの契約金は3000ゴールド。一般的な仕事の月収が1000ゴールドなので、それなりの金額だ。そこに細かな勤務体制から、極めつけは最後の一文『雇用主より良い待遇を所望する』である。いい加減にしろ。
「で、今日は何すんの。また資材調達と部屋とかの修復作業?」
ガーネッタは特に自分の発言を悪びれることもなく、話をサラッと流し進めていく。
「……基本はね。ただ、今日はちょっと遠くまで行くかも」
ライトは腰にぶら下げた青色の石をかざす。すると、まるでホログラムか何かのように、空中に地図が浮かび上がる。
「まさかこの宿屋周辺が、市販の地図には無い地域だとは思わなかったよ。お陰で手動で地図を作らないといけなくてさ」
ガーネッタは、自身の生活する為の綺麗な部屋を確保した後は、全てにおいてやる気が非常に低い。ほぼ毎日掃除か、時折食糧・水の確保のために、少しだけ外出するくらいだった。それはライトに小言を言われない為の理由付けであり、まごころや奉仕の心は一ミリもない。そんな中、ライトは毎日自身の部屋を確保するために、資材調達や宿屋の修復作業に、東奔西走していたのであった。これではどちらが主人なのか。
「とりあえず、資材調達のついでに、周辺環境の調査って感じかな。このまま宿屋の営業を続けていくかはわからないけど、しばらくはここに住むことになりそうだから。周りのことを何も知らないってのはちょっとアレかなって」
「わかった。そういうことならアタシも建物の掃除や修復にも飽きてきた所だったし、今日はついて行くわ」
そういうとガーネッタはホウキを軽く投げ捨てる。するとホウキは炎に包まれ、どこかに消えてしまった。
「意外だね。てっきり、まためんどくさいとかなんとか理由をつけて、断ると思っていたけど」
「アンタの言う通り、こんな未開の地で周辺のことを知らないのは、いざと言う時命に関わるから。アンタは男で体力的には頼れるし、こういう機会がある時位、ついて行って確認しておかないと」
ちなみに、この宿屋の設備は以下の通りだ。
・客室(一階と二階、三階にあり。二階は外からの飛来物か何かで所々壊れている。三階はほぼ全壊。なおどこの階層も飛来物などで、壁や床に穴が開いていたり、雨水などで腐っている)
・従業員の生活スペース(事務室件、従業員側の生活スペースとなるであろう部屋がカウンター奥に一つ、さらに生活スペースの奥に寝室が三つ。一つの部屋にベットが二つあり、おそらくそれ以外の物は共用)
・ガーネッタの部屋(生活スペースの寝室の一つ。元より比較的綺麗だったのもあるが、ライトと協力し、二日ほどで部屋を綺麗に修復した。その後ライトを追い出し、完全に乗っ取った)
・調理場(調理器具などは無事だったが、衛生的な問題でまだ使えない)
・壊れた炉(二つ付いていた。おそらく調理用と鍛冶用。つくりからして燃料の供給元は一つ)
・食料庫(ほぼ空。しかし酒蔵が付いており、酒蔵は地下室に合ったこともあってか酒類は無傷。ドワーフのオヤジはここから勝手に酒を持ち出している)
・倉庫(物置。さまざまな工具や農具、その他簡易的な武器防具も置いてあった。建物の修復につかえそうな物はほぼ使い切った)
・コアストーン(建物の設備全体を動かしたり、外部と通信できたりする、建物の要となる大きな魔石。通信機能が使えないが、完全に壊れているようではないようだ)
・水道(設備はあるが水が出てこない)
「アンタ、持ち物に余裕はあんの?」
「なんとかって感じ。魔石も全部持ってかれた訳でもないし、スミスに工具とか、必要最低限の物はもらったから、今は何とかなっているけど……」
『魔石』
この世界のインフラの一部を
「てか、スミスって誰?」
「あのドワーフのおっちゃんだよ。鍛冶屋だからスミスでいいって」
「ふーん、なるほどね……」
ちなみにドワーフの親父もとい、スミスはそれなりの頻度で宿屋を空ける。酒類は店の倉庫から持って行っているらしいが、なんの目的が有り定住しているのか、たまにどこに赴いているのかは未だに不明である。
「まっ、それじゃ準備もできてるなら無駄口叩いてないで、さっさと行きましょ。見知らぬ土地で夜を出歩きたくは無いから。朝早くのうちに行って、暗くなる前には余裕を持って帰りたい」
「了解。荷物準備するから待ってて」
こうして一行は簡単に準備を整えると、そそくさと宿屋を後にする。
二人は森を目指し、小さな旅に出るのであった。
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■ガーネッタ■
年齢:16歳
肩書:破壊魔
体力:C 筋力:D
魔力:B 俊敏:B
能力
・サバイバルの知識
・商売の知恵
・????
・????
・????
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