欲望とメダルとヒーローのアカデミア 作:ヒーロー好きの一般人
ちなみに、心操くんは残念ですがあれで退場です…
嫌いじゃないんですけどねぇ…ちょっと展開的に入れきれなかった…すまねえ…あと編成見たらわかると思うんですけど、今回B組入れられなかったです。B組ファンと心操くんファンの方申し訳ない…このお詫びはいつか必ず本編できっと…
…ってわけで、本編どうぞ。
欲望とメダルとヒーローのアカデミア、前回の3つの出来事!
一つ!雄英体育祭、第二回戦騎馬戦開始!
二つ!全出場者の目標が、1000万を持つ緑谷に集中!
そして三つ!激闘を制し、15人が最終戦に進出した!
◆◆◆◆
「あの…話って…何?」
「わざわざ決勝トーナメント前に呼び出したんだ、相当のことなんだろ?」
俺と緑谷は、ある一人の少年に呼び出され、昼休みの最初の数分間を彼との対話に使おうとしていた。
早くしないと食堂も混むし…と少々控えめに催促した緑谷の声に、彼…轟はボソリと言った。
「気圧された…。」
「え…?」
「てめえの制約を破っちまう程によ…」
彼の言葉に、俺は一つだけ心当たりがあった。
緑谷と轟が、騎馬戦でぶつかり合っていたときのこと。
轟は緑谷が振るった拳に、今まで使ってこなかった左手の炎を放ったのだ。
彼の言葉から推測するに、今までは制約として炎を使わなかった…いや、使いたくなかった…?
「…飯田も八百万も口田も、麗日も障子も、感じてなかった。最後の場面、あの場で俺だけが気圧された。…かつて、オールマイトの戦いを間近で見た俺だけが…」
…オールマイト?なんでここでオールマイトが…
「それ…どういう…」
緑谷も意図が掴めないというふうに声を出す中、轟は続けた。
「オールマイトと、似たような何かを感じたってことだ…!」
その声を聞いた緑谷が、目に見えて狼狽えた。
…ついていけないの、俺だけ?てか緑谷ってただオールマイトが気に入ってるだけなんじゃ…
「緑谷、お前…」
轟が、ついに口を開き。
「……オールマイトの隠し子かなんかか?」
「…隠し子ォ!?」
…想像の斜め上、そして最も遠い位置にいるはずの言葉が飛んできて、俺はこの空気感に似つかわしくない叫び声をだした。
「…どうなんだ…」
「ちっ…違うよ、それは!あ…でももし本当に隠し子だったら違うって言うんだろうし納得してもらえないだろうけど、そんなんじゃなくて…!…逆に聞くけど、なんで僕にそんな‥」
「そんなんじゃなくてって言い方、少なくとも何かしら言えないつながりがあるってことだな。」
あ、こいつなんかやらかしたな。後で聞いてみよ。
「…俺の親父はエンデヴァー、知ってるだろ。万年No.2のヒーローだ。…お前がNO1ヒーローの何かを持ってるなら、なおさら勝たなきゃいけねぇ…!」
…俺と緑谷は、その瞬間理解した。
…彼は、この年で背負うべきでない重荷を背負っていることを。
◆◆◆◆
「俺の親父は極めて上昇志向の強い奴だ。ヒーローとして破竹の勢いで名を馳せたが、その分、生きる伝説オールマイトが目障りで仕方なかったらしい。」
彼の語り出しからも、先ほど感じたことが間違いでないことを理解する。
「自分ではオールマイトを超えられねえ親父は、次の策に出た。」
「ちょっと待ってよ轟くん、一旦僕に何を…」
轟は緑谷の問いかけに答えることはなく続けた。
「個性婚、知ってるよな。超常が起きてから、第二、第3世代間で問題になったやつ…自身の個性をより強化して、子供に継がせるためだけに配偶者を選び、結婚を強いる…倫理観の欠落した前時代的発想…」
…まさか。いや、いくらなんでもあの男がするはずは…
この話の行き着く先を悟ってしまった俺は、その結論を必死で打ち消そうとした。
…だが、その結論はどうやら正しかったようだ。
「実績と金だけはある男だ…親父は母の親族を丸めこみ、母の個性を手に入れた。俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで、自身の欲求を満たそうってこった…」
「うっとおしい…そんなクズの道具にはならねぇ…!…記憶の中の母は、いつも泣いてる…お前の左側が醜いと、母は俺に煮え湯を浴びせた…」
…左側…炎側。すなわち、エンデヴァーの息子であるという象徴。
……ひどい。ひどすぎる。その言葉すら軽薄であると思えるほどの話。
「ざっと話したが、俺がお前に突っかかるのは見返すためだ。くそ親父の個性なんかなくたって…いや、使わず一番になることで、奴を完全否定する…!火欲、お前に挑むのもそのためだ。お前がUSJで倒したヴィラン、あれがオールマイトを倒すための存在なら…それを倒したお前を超える。」
…彼はそう言い残すと、さっそうとその場を立ち去っていった。
……たとえこの世界が創作作品の世界であろうと、この世界を生きる人、そして俺にとっては現実。…その世界で、こんなことがあるとは思っていなかった。
…転生で力を手にした俺は、彼に掛ける言葉を持っていなかった。
◆◆◆◆
『さぁ!昼休憩も終わって、いよいよ最終種目発表!とその前に、予選落ちのみんなに朗報だ!』
昼休憩終了後、再び会場にプレゼント・マイクのボイスが響き渡った。
『あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!本場アメリカから、チアリーダーも用意して一層盛り上げる!…が…一ついいか?』
…マイクの見た先には、俺が…いや、A組男子に見覚えしかない女子計6名が、例の本場チアリーダーと同じ格好で立っていた。
『どーしたA組!どんなサービスだそりゃ!?』
…えーっと…何事!?
「峰田さん上鳴さん騙しましたね!?」
…あいつらか!なら納得だわ!絶対昼休みに吹き込んだろ!
「なぜこうも峰田さんの策略にハマってしまうの私…衣装まで創造で作って…」
「アホだろコイツラ…!」
「えー…女性陣、コイツラに一発ロケットパンチやった方がいい?」
「「「「「「今すぐ!」」」」」」
「おいおい待てよ火欲!お前だって嬉しいだろ!?女子のチアリーダー姿は男の夢だろ!?」
「それを否定したら嘘になる!だけど騙すのは文字通り嘘だろうがよ!───でもなんだかんだ可愛いので一人一発に留めておきます!」
「「「「「「火欲 くん/さん !?!?!?!?」」」」」」
だって可愛いんだもの!しょうがないね!
「おい火欲、話が違うって!」
「しょうがねえだろその通りなんだから、なんだかんだ耳郎も可愛いし。」
「かわっ…」
あーチョロインかこいつ、変な男に引っかからねえか心配だな…
「…マジで…?」
「アイツラと違って嘘つかねえよ。可愛いのはホントだ。」
「…ありがと…」
誰かー!こいつにボディーガードつけといてくださーい!
「おいこの女たらし!ふざけてんじゃねーぞ!」
「女騙しはお前らだろ!」
「うまいこと言ってんじゃねーよ!」
アルトじゃないとってな!とりあえずマイク先進めちゃって!制裁はあとにするから!
『OKOK!気を取り直して、楽しく競えよレクリエーション!それが終われば、最終種目進出!4チーム、15人からなる1対1の、ガチバトルだァ!』
ガチバトルか…去年もトーナメントだったらしいけど、種目はスポーツチャンバラだったらしいね。
そんでもって色々飛ばして、くじ引きという厳正な抽選の結果決まった組み合わせが、こちら。
第1試合 緑谷VS口田
第2試合 轟VS瀬呂
第3試合 火欲VS芦戸
第4試合 障子VS耳郎
第5試合 八百万VS常闇
第6試合 飯田VS発目
第7試合 麗日VS爆豪
シード枠 切島
うーん最初は芦戸か。確か個性は酸だっけな…対応できそうなメダル考えないとな…
「一回戦から火欲かぁー、勝てる気しないなぁ〜!」
「俺も同じだよ…全員油断できないよ、このメンツなら。…というか、ほとんど進出者A組だな…」
「確かにそうだねー、まっ、それだけ私達が強いってことで!」
うーん、どこまでも前向き。いいねそういうの。
「ま、本盤よろしく。」
「こっちこそ!」
さーて、作戦タイム兼観戦タイムとでもいきましょうかね。
◆◆◆◆
んで、時は流れてレクリエーション後。
俺たちは観客席に座ると、その時を待っていた。
『Hey guys! Are you ready!?』
プレゼント・マイクのナレーションに、その場にいたすべての観客が沸き立つ。
『色々やってきましたが!結局最後はこれだぜガチンコ勝負!頼れるのは己のみ!ヒーローでなくっても、そんな場面ばっかりだ!心技体、知恵、知識!総動員して駆け上がれぇ!オーディエンス共!待ちに待った最終種目がついに始まるぜ!第一回戦!成績の割には、何だその顔!?ヒーロー科!緑谷出久! VS! 心優しき無口の巨漢!ヒーロー科!口田甲司!』
おー、どことなくビルドのベストマッチ的な紹介。いや、アレがこれっぽいのか。
『ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする!もしくは、参った、とか言わせても勝利のガチンコだァ!怪我上等こちらには、我らがリカバリーガールが待機してっから!道徳・倫理は一旦捨て置け!だがまあもちろん命に関わるようなのは、クソだぜ!OUT!』
「その場合は止めるからね。」
セメントを操る個性を持つプロヒーローにして雄英教師、セメントスが自分専用の椅子を作りながら言った。ちなみにこのバトルフィールドを作ったのも彼。頭が上がらんぜ。
『それじゃあ行くぜ!?準備はいいな!?───第1試合、スタートォ!』
…戦いの火蓋が、切って落とされた。
「っ!」
『緑谷がいきなり仕掛けたぁ!この状況では口田の個性が使えないと踏んでの策かぁ!?』
緑谷は反対側に立つ口田にむけ走り出すと、その拳…いや、手のひらを伸ばした。
「デク君、何をする気なんやろ…」
「多分、掴んでそのまま場外に放り出そうっていう魂胆だろうな。現状周りに動物が少ないって言う状況から、搦め手は使われないから正面戦闘で行こうって思ったんだろ。」
その推測はどうやら間違いではなかったらしく、緑谷は口田の肩を掴み、そしてそのまま…
……緑谷が投げ飛ばされた。
「があっ!?」
「デク君!?」
「口田は素の力が強い、個性がなくとも平均以上の筋力はある。緑谷は個性を発動してなかったみたいだし、多分力負けしたんだろうな…」
『おぉーっと緑谷、逆に投げ飛ばされたぁー!』
『口田の個性に気を取られ、あいつ本人の力を見落としていたな。あいつらしくないミスだ。』
先生二人の解説が入る中、緑谷はなんとか口田から距離を取る。
「どう思う、火欲。」
「正直、緑谷も個性を使えれば勝ち目はあると思う。でも、あいつは使えば腕がああなるから、全力じゃ無理なんだろうけど…」
耳郎の問に俺が答える中、緑谷と口田の攻防は続く。
緑谷が振るってくる腕を、口田は防ぎつつカウンターで投げ飛ばす。
おそらく勢いで場外まで持っていこうとしているのだろうが、緑谷は驚くべきことに耐え続け、気づけば試合は3分を経過。
『おいおい、この第1試合から地味だなオイ!もっとドカンと行ってくれよ!』
行けるよマイク!悲惨なことになるけど!
「デクくん大丈夫かな…」
「…どうだろうな…正直、口田とどっちを応援したらいいかわかんないけど…」
「それはウチも同感。」
同じクラスがほとんどだからなぁ…って、おっ!?
『緑谷が唐突な指パッチンだァー!だがそれは猛烈な爆風にィーッ!』
仕掛けたか緑谷!
「あれって!」
「体力テストのときと同じやつか…!指先だけに個性を発現させて腕の損傷を防いだ!」
起きた爆風によって口田の体は吹き飛ばされ、そして片足が…場外へ。
『口田君場外!緑谷君勝利!』
主審のミッドナイトの声によって、この試合は終りを迎えた。
◆◆◆◆
そして、指を負傷した緑谷が保健室に送られてからの二試合目。
『さあ続いて第二試合!優秀!優秀なのに拭いきれないその地味さはなんだ!?ヒーロー科、瀬呂範太!』
「ひっでぇ…」
あーすごい、ここでも瀬呂の嘆きが聞こえる。
『VS! 予選三位一位と強すぎるよ君!推薦入学者の実力は伊達じゃないってか!同じくヒーロー科!轟焦凍!』
轟…大丈夫なのか…?
『それでは第二試合!Ready?…Start!』
「…正直勝てる気はしねえんだけど…って!負ける気もねぇ!」
瀬呂はそう叫ぶと、開始早々テープを飛ばして轟へ。
『場外狙いの不意打ちィ!この選択はこれ、最適じゃないかぁ!?正直やっちまえ瀬呂ォ!』
いけー!投げろー!飛ばs……
『………』
「「「「「「「「……」」」」」」」」」
…俺たちが、一斉に沈黙したのには理由がある。
…俺たちに見える景色一面が、氷塊に覆われたからだ。物理的な距離で言えば、俺から20センチぐらい前の位置まで。というかこれ…下手したらフィールドの限界値超えてね?そして瀬呂大丈夫?凍ってない?
『瀬呂くん。…動ける?』
「う…動けるわけ無いでしょ…」
その通り。全く持ってその通り。てかミッドナイトまで巻き込まれてるし。
『瀬呂くん行動不能!轟くん二回戦進出!』
呂律回ってないし。だめじゃん。やりすぎじゃん。
…その後響き渡ったドンマイコールに、瀬呂の心がどうなったかは語るまでもないだろう。
その後、なにか呟きながら己の氷を左で溶かしてく轟の姿があった。
…その影は、いつになく弱々しく……どこか、苦しみを抱いているように見えた。
Count the medals!
今望司が使えるメダルは!
タカ
ライオン
トラ
チーター
クワガタ
カマキリ
バッタ
サイ
ゴリラ
ゾウ
シャチ
ウナギ
タコ