欲望とメダルとヒーローのアカデミア   作:ヒーロー好きの一般人

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どもです。今回から二回戦です。
緑谷VS轟の一戦、どうぞ。


左と原点(オリジン)となりたい自分

欲望とメダルとヒーローのアカデミア、前回の3つの出来事!

一つ!飯田、サポート科の少女発目明にめちゃくちゃ騙される!

二つ!爆豪VS麗日、開始!

そして三つ!麗日の秘策を打ち破り、爆豪、二回戦進出を決めた!

 

◆◆◆◆

 

ガチバトルトーナメント一回戦が終了して、数十分後。フィールドの四隅に炎が灯り、それを見た観客たちが沸き立つ。

 

『お待たせしたなEvery bady! 二回戦第1試合はビッグマッチだァ!』

 

プレゼント・マイクの声が響き渡るなか、ステージに二人の雄英生が歩みよる。

 

『一回戦の圧勝で、観客を文字通り凍りつかせた男!ヒーロー科、轟焦凍!』

『方や、こっちは起死回生の一回戦突破!今度はどんな戦いを見せてくれるんだぁ!?ヒーロー科、緑谷出久!』

 

最初の戦いを乗り越えた二人のヒーローの登場に、会場がさらなる熱気を見せる中、その二人はなにか話しているようだった。

………緑谷……頼むぜ…

 

『今回の体育祭、両者トップクラスの成績!正しく!両雄並びたち! 今!緑谷 VS 轟!』

 

両者がそれぞれの構えを取り、その場に流れる空気が一変して───

 

『───START!』

 

マイク先生の声がしたまさにその瞬間、轟の足元から猛烈な冷気が放たれた。

それは固まって氷という形を作り、緑谷へと地面を這って伸びてゆく。

 

「SMASH!」

 

緑谷はそれに対して先程も見せた指パッチンを放ち、猛烈な風圧でその氷塊を砕く。

 

「寒っ!?」

「風だけでこんなに寒いのかよ!?」

 

観客席にまで届いた冷風に、思わず誰かが声を上げる中、緑谷の体には変化が起きていた。

 

『おォーッ!緑谷、轟の攻撃を破ったァーーーッ!…が、どうした緑谷、指がめちゃんこ腫れてるぞ!?』

 

…緑谷さっきは怪我してなかったってのに…そうか、轟が同攻撃してきても対処するために初めから全力で…

初撃を破られた轟が再度氷を緑谷へと放ち、緑谷は別の指で、再度指パッチン。

 

「SMASH!」

 

『まーた破ったァ!』

 

今度はその指が腫れるものの、緑谷はそのまま轟への警戒を緩めない。轟は背後に氷の壁を作って、風圧での場外をなんとか免れたようだ。

 

「…緑谷、あのペースでやってたらいつか限界きちゃうよね…?」

「ああ…そうでもしないと無理だって踏んでるんだろうが…」

正直、賭けに等しいなこの戦法…頼むぜ緑谷、先にダウンとかすんなよ…!

再び轟が足元から氷を放ち、迫りくる凍てついた波を緑谷は三度目の指パッチンで砕く。

 

「やべえな、緑谷もあのままじゃジリ貧だ…轟といいお前といい、あんな範囲攻撃をポンポン出されたんじゃたまったもんじゃねえぜ…」

「しかもタイムラグなしでなぁ…」

「ポンポンじゃねぇよ。舐めんな…!」

 

俺の背後で、切島と瀬呂の声に爆豪が半ギレぐらいで答えた。

 

「筋肉酷使すりゃ、筋繊維が切れるし、走り続けりゃ息切れる。個性だって身体機能。奴らにも──」

「なんかしら限界があるんだろ?」

「俺のセリフパクってんじゃねぇ動物野郎!」

 

おぉ、怖い怖い。ごめんね爆豪、今度なんか奢ってやるから。

 

「考えりゃそうか…じゃあ緑谷、瞬殺マンの轟に耐久戦を…」

 

切島がそういった瞬間、耐久戦なんざすぐに終わらせると言わんばかりの冷気が再び訪れた。

 

「SMASH!」

 

緑谷はまたしても指パッチンで相殺するものの、その反動は着実に彼の体を蝕んでゆく。

 

『轟!緑谷の超パワーに怯むことなく近接ゥ!』

 

轟は緑谷の反動で生まれた一瞬の隙に氷の道を上空に向けて作り出すと、それを辿って緑谷に肉薄した。

 

「っ!」

 

緑谷は上空から降り注いだ氷結パンチをスレスレで回避したものの、それを起点として発生した氷塊によって足首から下を補足される。

緑谷は指パッチンの構えを取っていた手を強く握りしめ、左腕全体に力を集めた。

 

「───っ!」

 

沸き起こった猛烈な爆風に観客はどよめき、緑谷を捉えようとしていた氷は全て砕け散ったものの────

 

「ああああああっ!?」

 

フルパワーで放ったであろうそのパンチの代償に、緑屋の腕は紫に腫れた。

 

「──さっきより、随分高威力だな…」

 

轟は、境界線スレスレで氷の壁を作り出し、今の攻撃を耐えきった。

 

「近づくな…ってか…」

 

緑谷の顔が一気に変化し、唖然、動揺、そして悲観のものへとなった。

 

「もう、そこらのプロより上だよ、これ…」

「流石はNo.2の息子…」

 

観客席から呆然とした声が聞こえる中、轟は少々語気を強めて言った。

 

「なんだよ、守って逃げるだけでボロボロじゃねぇか。」

 

轟は勝利を確信したが故か、はたまた武者震いなのか、右腕をプルプルと震わせ…

…いや。よくよく見てみれば、あいつの右腕には白い模様のようなものがある。言うなら…霜のような。

 

「悪かったな。ありがとう緑谷。お陰で…奴の顔が曇った。」

 

どこか無感情にも感じられる声で発せられた言葉に、緑谷は表情を隠した。

…糞親父の個性を使わずに一番になることで完全否定する。思わず、俺の脳裏にその言葉がよぎった。

 

「その腕じゃもう戦いにならないだろ。…終わりにしよう。」

 

『ダァーッ!圧倒的に攻め続けた轟ーッ!最後の氷結をォォォッ!』

 

轟は立ち尽くす緑谷に、ノーモーションで止めとなるであろう氷を放った。

そして、それは緑谷のところまで届き…

 

「──どこ見てるんだ…!」

 

…その形を崩壊させた。

瞬間、猛烈な風圧が轟を襲い、彼の体を吹き飛ばす。

誰もが予想しなかった展開に、観客も生徒も教師陣も思わず声を上げた。

轟は先程よりもギリギリで氷結ブレーキをかけると、正面を見据えた。

 

「てめぇ…壊れた指で…!なんでそこまで…」

 

緑谷は、使い物にならなくなったはずの指で氷結を砕いていた。その驚きが冷めきる前に、緑谷が口を開いた。

 

「震えてるよ。轟君…!」

「…っ!」

「個性だって身体機能の一つだ…君自身、冷気に耐えられる限度があるんだろ…?……でも、それって…左側の熱を使えば解決できるもんなんじゃないのか…?」

 

緑谷は、さらなるダメージを負った右手を持ち上げながら、尚も続ける。

 

「みんな、本気でやってる…!勝って、目標に近づくために…一番になるために…!半分の力で勝つ?まだ僕は…君に傷ひとつ付けられちゃいないぞ!」

「…!」

「───全力で掛かってこい─!」

 

緑谷…お前まさか自分を犠牲に荒療治を…

 

「緑谷…なんのつもりだ…全力?糞親父に金でも握らされたか……苛つくなぁ…!」

 

轟はそれに激昂したかのように駆け出すものの、その動きは先程より数段と鈍いもので。

…あいつ、霜が降りてからああなってるってことは…そうか、緑谷の言うように、使いすぎれば使いすぎるだけ限界が近づく…上限というよりMP切れとかに近しいものか…つまり、瀬呂相手のあれが最大限か…?

俺がそう考える間に、轟はかなりの距離を詰めていた。鈍いとは言え、鍛えているだけのことはある。

接近戦に持ち込めば、腕が使い物にならない緑谷相手に立ち回れる…と踏んだのだが。

 

『モロだァーーーーッ!生々しいの入ったァーーーーッ!』

 

轟が攻撃のために跳んだその一瞬、緑谷はがら空きの腹に右手での一撃を叩き込んだ。せめてもの反撃か、轟は吹き飛ばされる直前に緑谷の左腕を凍らせたものの、それは二の腕の一面を覆う程度のものだった。

轟は再度遠距離からの氷結攻撃を仕掛けるものの、その勢いは先程の何倍も弱いものだった。

それを回避した緑谷は、接近してきた轟相手に己をも巻き込んだ指パッチン。先程のように、すでに一度使って指で行ったことにより、彼の体にはさらなるダメージが加わる。

そこからは肉弾戦が続いたものの、隙を見て轟が放った氷結を、緑谷は避けられないと踏んだのか、口をも使った親指パッチンで相殺した。

 

「なんで…そこまで…!」

 

理解できない、と言わんばかりに、轟が声をひねり出した。

「期待に…応えたいんだ…!笑って…応えられるような…かっこいい、ヒーローに……なりたいんだァァァァァッ!」

 

その声に、轟の動きが止まったその一瞬。緑谷の強烈なヘッドバッドが叩き込まれ、轟は後方へ吹き飛ばされる。

 

「だから!全力で、やってんだ…みんな!…君の境遇も、君の決心も、僕なんかには計り知れるもんじゃない。でも…全力も出さないで一番になって完全否定なんて…ふざけるなって今は思ってる!」

 

轟の体…右半身が徐々に凍りついていく中、彼の動きが一瞬止まった。

再び生まれたその隙に、緑谷は今まで以上の気迫とともに拳を振りかぶった。

 

「だから…僕が勝つ!君を超えて!」

 

その拳を受けた轟は更に吹き飛ばされ、轟はギリギリで着地。

 

「俺は…こいつを…親父の力を…」

「君の!力じゃないか!」

 

緑谷が轟の声を払うかのように放った言葉に、轟の表情が変わった。

次の瞬間、轟から赤い光が灯った。

その光は急激に勢いを増し、天まで登るような灼熱の塊…炎へと姿を変える。

 

『こっ…これはァ!』

 

実況が驚きに満ちた声を上げ、観客席も今までにない熱気に包まれる。

…緑谷…届いたんだ…お前の声が…!

 

「勝ちてえくせに…ちくしょう…敵に塩を送るなんて…どっちがふざけてるって話だ…!」

「…!」

 

立ち上がった轟の姿は、右半身を凍てつかせ、左半身を燃えがらせていた。正しく、半冷半燃。

 

「俺だって…ヒーローに…!」

 

その表情には、今まで見せたことのない笑みを浮かべていた。

…そしてそれは、観客席の彼も同様だった。

 

「────焦凍ォォォォォォォォォォォォォ!」

 

『あう?』

 

「やっと己を受け入れたか…そうだァ、いいぞ…ここからがお前の始まり…俺の血を持って俺を超えていけ…俺の野望をお前が果たせェェェェェ!」

 

『エンデヴァーさん急に激励…か?親バカなのねぇ…』

 

あのエンデヴァー、見たこともないし聞いたこともないんだけど…嫌でもセリフは聞いたとおりの内容だな…

 

「すごい…」

「…何笑ってんだよ…」

 

轟の姿に気圧され、そしてまたある種の喜びに満ちたであろう緑谷の表情を、轟が指摘した。

 

「その怪我で…この状況でお前…イカれてるよ。……どうなっても知らねえぞ…!」

轟は足元に氷の道を作り出すと、背後に向けて炎を噴出する。

対して緑谷は、力を足に集中させ、走り出す覚悟を整える。

 

「ミッドナイト!」

「これ以上は彼の身が…!」

 

いくらなんでもぼろぼろすぎる緑谷の体に、セメントスとミッドナイトも動きだした。

 

「緑谷…ありがとな。」

 

その声を最後に、炎と超パワーが五枚のセメント壁越しにぶつかった。

その衝撃はその壁をもぶち破り、そして──

───猛烈な爆発(・・)を引き起こした。

 

『何今の…お前のクラス何なの…』

『散々冷やされた空気が瞬間的に熱され、膨張したんだ。』

『それでこの爆風って…おいなーんも見えねえ!これ勝負はどうなってんだ!?』

 

アナウンスの声で、この爆風の一番の被害者たるミッドナイトが立ち上がると同時に爆風が晴れ、そこにあった光景をあらわにした。

…そこには、場外の壁に叩きつけられた緑谷の姿と、高熱に耐えきれず、左半分が燃え尽きた体操服を着込んだ轟の姿があった。

…場内にいたのは…轟だった。

 

『緑谷くん、場外…轟君三回戦進出!』

 

アナウンスに対する反応は、今まででひときわ大きいものだった。




Count the medals!
今望司が使えるメダルは!

タカ
ライオン
トラ
チーター
クワガタ
カマキリ
バッタ
サイ
ゴリラ
ゾウ
シャチ
ウナギ
タコ
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