欲望とメダルとヒーローのアカデミア   作:ヒーロー好きの一般人

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それでは、本編どうぞ!


脳無と覚悟と初コンボ

欲望とメダルとヒーローのアカデミア、前回の三つの出来事!

一つ、雄英高校に、敵連合襲来!

二つ、敵連合、オールマイト、そして生徒の殺害に動く!

そして三つ!飛ばされた山岳エリアにて、望司、集ってきたヴィランたちを撃破した!

 

◆◆◆◆

 

集ってきたヴィランを倒したはいいものの、問題は俺が今見た…いや、見てしまった光景だ。

最初は広場に集合し、先生たちやクラスメイトたちと協力しながら脱出しよう…と思っていたのだが、あんな光景を見てしまってはあそこに行くのは自殺行為も甚だしい。

俺は地上に降りてみんなのもとに戻ると、手短に状況を説明した。

 

「みんな、広場に行こうっていったけどそれは一旦却下。今はマジでまずいことになってる…」

「まずいって…どうなってんだよ今…」

「…簡単に言ったら、あの黒い上半身裸のでかいヴィラン、あいつが相澤先生を叩きのめしてる…」

「そんな…!」

 

耳郎が驚愕の声を上げる中、俺は必死に頭を回した。

正直言って、この人数が動けばアイツラに見つかる可能性が高い。かといって、あの状況を見て何もせずにいられるほどお利口でもないし、どこに行けばいいのかという問題もある。

 

「…一度、全員で中央から少し離れたとこまで行こう。そこで様子見しながら、増援が来るか、チャンスが来るかの二択を待つ。それしか方法がない。」

「でも…」

「それに、下手したら時間がない。相澤先生、俺たちが飛ばされてからそんな経ってないのにかなりの重症だった。このまま事が進めば、取り返しのつかない事態になるかもしれない…」

「で…でもよ、俺たちみたいなただの生徒が行ったって…」

「そうですわ、逆に足手まといに…」

「だから、行くだけにするんだよ。俺たちは手を出さない。…まあ、もしかしたらとっさに出るかもしんないけど、基本的には隙を見て脱出を狙う。どちらにせよ、あの出口に行くには広場を通るしかないし、コイツラがいつ起きるかもわからない。まずはここを出て、次の行動を考える。それしかないかもしれない。」

「…そう…ですわね。…今は行きましょう。」

「ちょっ…八百万何言って…」

「この場を脱するにはそれしかありませんわ。逃げに徹せば、まだ可能性はあります。今はひとまず先生を信じて動くしか……」

「…そうだね。ウチも火欲に賛成。」

「はぁ!?お前まで…あーわーったわーった!こうなったら俺がどう言おうと行くんだろおめえらは!乗ってるやるよしょうがねえな!」

 

…よし!勢いでなんとか行けたぜこの野郎!

 

「…急ごう。」

 

俺の声に皆が頷き、そのまま中央へと駆け出した。

 

◆◆◆◆

side出久

 

水難エリアに飛ばされ、そこにいたヴィランをなんとか一掃した僕と蛙す…梅雨ちゃんと峰田くんは、先生たちがいるだろうと予測して中央の広場へと向かった。

…けれどそこで見たのは、先生たちプロヒーローが戦っている、理不尽な暴力と悪意、そしてそれが何をもたらしたもの、それだけだった。

 

「相澤先生‥…」

 

僕たちの目の先では、相澤先生があの黒い異形のヴィランに頭を掴まれ、そこからあり得ない量の血液を滴らせていた。

…僕たちは、何も見えていなかった。本当のヴィラン、本当の悪意というのがどういうものなのか。自分の力が、この世界においてどれだけ無力なのかを。

 

「個性を消せる…素敵だけどなんてことないね……圧倒的な力の前では、つまりただの無個性だもの…」

 

あの体中に手を付けたヴィランがそう言ったとき、彼が脳無と称したあの黒いヴィランが、先生の腕を小枝かのようにへし折った。

…そして先生の頭をつかみ上げ、地面へと叩きつけた。

 

「み…緑谷だめだ…」

「ケロォ…」

 

僕たちが現実に打ちひしがれていると、手のヴィランの横に、あの黒い霧が現れた。

 

「死柄木弔…」

「黒霧、13号は殺ったのか?」

 

死柄木弔と呼ばれた手のヴィランが、黒霧という名前らしいきりヴィランに問えば、その黒霧は答えた。

 

「行動不能にはできたのですが、散らし損ねた生徒がいまして…一名、逃げられました。」

「…は?…はぁ?」

 

黒霧の報告に、死柄木弔は苛立ったかのように首を掻きむしると、ぼそりぼそりと続けた。

 

「黒霧…お前…お前がワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ…!………いくら校舎側にも向かわせておいたとはいえ、じきに何十人ものプロが来るんじゃ敵わない。ゲームオーバーだ。…あーあ、今回はゲームオーバーだ。帰ろっか。」

 

…帰る。その言葉の意味を頭の中から引っ張り出すのに、少し時間がかかった。

 

「帰る…?今帰るっていったのか…!?」

「ええ、そう聞こえたわね…」

「や…やったよ、助かるんだ俺たち!」

「ええ、でも…気味が悪いわ、緑谷ちゃん…」

「うん…これだけのことをしといて、あっさり引き下がるなんて…」

 

この機に乗じて梅雨ちゃんの上半身に思い切り触れた峰田くんが彼女の手で水に沈められる中、僕は得も知れない恐怖と疑念に包まれていた。

…今帰ったら、ただ雄英の警戒度を上げるだけだ!オールマイトを倒すんじゃなかったのか!?アイツら、そう簡単に諦める気なのか!?

僕らが頭の中で必死に考える中、あのヴィランが不意に声を出した。

 

「…あ、そうだ‥帰る前に、平和の象徴としての矜持を、少しでも────へし折って帰ろう…!」

 

…!?バレてた!?でもあいつの手が梅雨ちゃんに!あいつの手に触れられたら……!

僕の頭の中には、奴の手に触れられた先生の腕の皮膚が崩れる様、そして、これから起きる最悪の事態が流れていた。

そして、死柄木弔の手が梅雨ちゃんに触れ──────

───彼女の体が、崩れることはなかった。

 

「…ほんとかっこいいよ、イレイザーヘッド。」

 

彼が後ろを振り向いた先には、目を赤く光らせ、髪を逆立てた相澤先生の姿があった。

でも、その影はすぐに脳無によって血に叩きつけられる。

それを見る前に、僕の体は水から飛び出ていた。

…やばいやばいやばいやばい!蛙吹さん助けて、ここから逃げないと!

 

「手ぇ…離せぇ!SMASH!」

 

僕がとっさに放った全力パンチは、猛烈な風圧で周囲の水を巻き上げ、とてつもない量の土煙を巻き起こした。

─腕が折れてない!?こんな土壇場でできた!うまくスマッシュが決まった!

…僕が喜んだのも束の間、目の前にいたのはさっきのヴィランとは別…脳無だった。

─効いて…ない!?まさか、オールマイトを殺す手段って…

そんなことを考える合間はないと言わんばかりに、脳無は僕の手を掴み上げた。

そして、死柄木は両手を梅雨ちゃんと峰田くんに、濃霧はもう片方の手を開いて僕の頭を握りつぶそうと──────

───そんなとき、僕の耳に聞き覚えのある音が聞こえた。

 

タカ!

ゴリラ!

バッタ!

 

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

声の方向から放たれた銀色の拳が、脳無と死柄木を広場の遠くまで運んでいった。

 

「…火欲…くん…」

「…すまん、ちょっとギリだった。」

 

◆◆◆◆

side火欲

 

…あぶねえあぶねえあぶねえ!?

あのヴィランたちが緑谷の方へと動いた瞬間、俺は飛び出して空中でメダルを入れ替え、ゴリバゴーンを発射してその勢いで奴らを遠くまで送るという行為を過去最短で行ってから、俺は緑谷たちの元に着地した。

 

「火欲ちゃん…そっちのヴィランは…」

「さっき倒してきた!三人はとりあえず下がってて!」

「下がっててって…お前何いってんだよ!アイツラ相手にやり合おうってのか!?」

 

峰田が少々泣きわめくものの、俺は答えた。

 

「…正直、怖くないって言えば嘘になる。…でも、このままじゃ相澤先生が死ぬかもだし、事実お前らも死にかけた。」

「そ…それはそうだけどよ…」

 

俺と三人が会話するうちに、後ろから山岳エリアにいた三人も追いついてきた。

 

「火欲!…良かった、間に合ったんだ…」

「耳郎さん、八百万さん、上鳴くん!」

「大丈夫ですか!?」

「ちょうどよかった、八百万、簡易的でいいから防壁でも作れるか!?」

「…行くのですね。」

 

どこに、とは問わない彼女の問いに、俺は頷いた。

 

「…うん。向こうも、俺に思いっきりヘイト向いてるみたいだし。」

「…わかりました。…無理は…」

「しないさ。自分の命あってこそのヒーローだ。」

「…帰ってきてよ、火欲。」

「ああ。…行ってくる。」

 

最後に耳郎と言葉を交わすと、俺は川から上がって奴らと対峙した。

 

「何だお前…おい黒霧、プロにこんなやついたか…?」

「いえ…私の記憶する限りでは。」

「じゃあ生徒か…おい脳無……やれ。」

 

あの手がびっしりついたヴィランの声で、脳無と呼ばれた黒いマッスルヴィランはこちらに向けて動き出した。

 

「ハァァァァッ!」

 

俺はゴリバゴーンを再充填すると、向かってくる脳無へと拳を振るった。

右で一発、左で一発。

ゴリラの力で放つ全力パンチは奴の胴を捉えるものの───

 

「…効いて…ないのか…?」

「ふふ…ハハハハハ!そうさ!そいつの個性はショック吸収!どんだけ殴っても意味がないんだよ!」

 

…あー…マジで?

 

「ショック吸収って…ってうおぉぉぉ!?」

 

俺が不意に呟いた隙を狙ったのか、俺に対して何も遠慮することなく放ってきた脳無の右パンチを俺はゴリバゴーンを盾代わりにして防ぐものの、完璧には衝撃を殺しきれずに数メートル後ずさる。

 

「なーるほど、殴っても意味がない…だったら!」

 

俺は再度メダルを取り出して交換し、オースキャナーでスキャンした。

 

タカ!

カマキリ!

バッタ!

 

「斬ればいい話だ!ハァッ!」

 

俺は腕のカマキリソードを握ると、向こうで立っている脳無めがけて斬り掛かった。

 

「ハァッ!ハアッ!ダァッ!」

 

俺の振るうカマキリソードは的確に奴の腕や胴体を捉え、部位を切り落としていく…ものの。

 

「…っ!回復した!?」

 

驚くべきことに、奴は傷口からもりもりと肉を盛りだすと、消えた部位を瞬く間に再生させた。

 

「そうさ!奴は超再生の個性も持ってるんだよ!オールマイトを殺すならこれぐらいは必要だからなぁ!」

「…個性…二個…!?」

 

まじかよ…俺の個性も一応一個判定だぞ…それを二個発現させてるとか…

 

「しかも意識もないみたいだし…どっから持ってきたんだよこんな人材…」

「持ってきたんじゃねえよ!こいつは改人‥俺たちの所有物だ!」

「…怪人!?」

 

は!?怪人!?怪しい人と書いて怪人!?

…どうすんねんこの状況…

 

◆◆◆◆

 

784:スレ主

ってわけでこの状況どうしましょうかねぇ!

 

785:名無し

まじか…やっぱ脳無いたのか…

 

786:名無し

ホントならオールマイトが来てもおかしくない頃合いだけど…

死柄木の言い方的に、校舎側にもヴィランがいるっぽいんだよな…

 

787:スレ主

まじですか……あのこれって僕がどうにかするしかない的状況だったりします?

 

788:名無し

あー…うん。そういう状況。

 

789:スレ主

…えぇ…原作って、なにか策があって倒した感じですよね、この感じ…

 

790:名無し

…いや、ただみんながPlus Ultraした結果。

 

791:スレ主

…なぁるほど…俺も限界超えればいいと。

 

792:名無し

…使うのか、アレ。

 

793:スレ主

…はい。行きます。

 

◆◆◆◆

 

スレ民と会話しながら脳無の攻撃を捌くこと数分、俺は今まで使用しなかった手を使うことを決めた。

少々倒したあとが不安だが…やるしかない。

 

「ぐっ…ラァッ!」

 

俺は鎌で奴の腕を防いでいる間にバックジャンプでやつから離れ、三枚のメダルを取り出した。

そのメダルは、三枚全てが同じ色で、描かれている動物も同じように重量級の奴らだった。

 

「実践は初だけど…うまく行ってくれ!」

 

三枚のメダルが装填されるとそれは一瞬銀色に輝き、俺はすぐさまメダルをスキャンした。

 

サイ!

ゴリラ!

ゾウ!

サッゴーゾ…サゴーゾ!

 

「───うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

この地に、重量系コンボ、サゴーゾコンボが誕生した瞬間だった。

 

◆◆◆◆

 

「行くぞ…脳無ッ!」

 

俺はその巨体に見合わぬスピードで駆け出すと、脳無相手に先程の数倍のパワーで殴りかかった。

 

「無意味だ!ショック吸収と超再生がある脳無には勝てるわけねえんだよ!」

「それはどうかな!吸収系能力の最期ってのは、吸収しきれないで負けるってのが定番なんだよ!再生能力も同じようにな!」

 

俺がなんど吸収系の怪人を見てきたと思ってる!大抵そういう奴らは「ありえん!この程度の攻撃で…!」っていって散っていくのがお決まりなんだよ!だったらこっちも全力で叩き込めば大丈夫なわけだ!

 

「ふざけんな!脳無、そのガキを殺せ!」

 

その声に反応した脳無が動き出す前に、俺はこのサゴーゾコンボのコンボ特性を発揮した。

 

「うおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

俺は巨大な腕を胸に当てて、咆哮とともに激しく叩いた。いわゆるドラミングというやつだ。

その瞬間、脳無の動きが目に見えて遅くなる。まるで、なにかに押し付けられているかのように。

 

「おい脳無!動け!動けよ!」

 

手のヴィランが癇癪を起こしたかのように叫ぶものの、脳無はその声に答えることなく硬直し続ける。

そう。これがサゴーゾコンボのコンボ特性、重力操作。文字通り、対象の敵や味方、さらに一定範囲の重力を変化させることができる力だ。正直言って、これだけで一つの個性級だ。

 

「ハァァーーーッ!」

 

俺はすぐさま硬直中の脳無にゴリバゴーンを打ち込み、更にダメージを与える。

そして奴へと接近し、重力操作の力で身を軽く、そして腕の勢いを増したパンチを連続で打ち込んだ。

 

「うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 

奴の体はだんだんボロボロになっていき、再生をしてもそこにさらなるダメージを与える。

そして、重力と重量級動物という2つの強力な力に打たれ続けた脳無は徐々に体を崩壊させていった。

 

「オォォッ…ラァッ!」

 

最後に俺は特大の右フックを奴へと飛ばし、奴はとうとう遠くへと吹き飛ぶ。

 

「これで最後だ!」

 

俺はこの機を逃すまいと、オースキャナーを取り出してメダルを再度スキャンした。

 

スキャニングチャージ

 

「ハァーーーッ…ハァッ!」

 

俺は自身の重力を軽くして宙に浮き上がると、そのまま地面へと両足でストンプを繰り出す。

すると、俺の足を中心として銀色のリングが3つ地面に浮かび上がり、それは直径を増して行って、最終的に脳無の場所へと届く。

そのリングに触れた脳無は、体を地面へと埋め込まれ、その肉体は徐々に俺側へと引き寄せられていく。

そして、脳無の体が俺の間合いに来た瞬間、俺は拳と頭の角を奴へと打ち込んだ。

 

「オォーーッ…セイヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」

 

超弩級の必殺技サゴーゾインパクトは、奴の体に猛烈な衝撃を叩き込み、それを受けた脳無はそのショックを吸収しきれず───爆発。残ったのは、ボロボロになった奴の体だけだった。

 

◆◆◆◆

 

「倒…された…?脳無が…ただのガキに…?」

 

手のヴィランが呆然とつぶやく中、この場で最も早く動いたのは霧のヴィランだった。

 

「死柄木弔、撤退だ!脳無が破れた以上、この場に留まっていても意味はない!」

「…クソっ!おいガキ!オールマイトに伝えとけ!今度はその弱った体を拝みに行ってやるってなぁ!」

 

その言葉を最後に、奴らは霧にまぎれて消えていった。

 

「オールマイトが…?まあ、なんとかなっ…った…」

 

俺は、それを最後に意識を失った。

 

「火欲!」

 

最後に聞くことができたのは、足音と耳郎の声だけだった。




Count the medals!
今望司が使えるメダルは!

タカ
ライオン
トラ
チーター
クワガタ
カマキリ
バッタ
サイ
ゴリラ
ゾウ
シャチ
ウナギ
タコ
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