幸せな未来へ    作:多音

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アンケートの結果今後もオリキャラのセリフの前に名前を付けます。


チラシ配りで注目されると顔見知りにも声を掛けられる

 

 俺たちが連れてきたのは見渡す限り、人だらけの建物だらけの所だった。

 

「じゃーん!ここでライブのチラシを配ろう!」

 

 道「まぁ人も多いしチラシ配りに適してるな」

 

 穂乃果が選んだ場所は秋葉原である。もう人がたくさんいる場所といえばここだろうという場所だった。荒療治に持ってこいの素晴らしい環境だな。

 

「ひ、人がたくさん……」

 

「当たり前でしょ!そういう所を選んだんだから!ここで配ればライブの宣伝にもなるし、大きな声出してればその内慣れてくると思うよ」

 

 翔「なんか漫画買いに行きたくなっちまうな。この場所は」

 

 西「堂々と責任放棄しちゃダメだよ……」

 

 いつもならこういう時は海未が注意するのだが今はポンコツ中なので西海が注意していた。まぁ実際彼女達のチラシ配り見てるのも暇だし、かと言って俺たちがチラシ配りするのも恥ずかしいのでその場から姿を消したい気持ちが痛い程分かる。

 

「よぉし、じゃあ頑張るぞー!」

 

 道「海未もここまで来たんだからチラシ配りを……?」

 

「お客さんは野菜お客さんは野菜お客さんは野菜……」

 

 海未にやるように言おうとしたのだがまるで暗示のようにお客さんは野菜を連呼していた。いや、ちょっと今日同じ言葉を連呼しすぎではないか?穂乃果の助言があらぬ方向へと進化していってしまった事に頭を抱えるしかない。

 

「ダメかな?」

 

「ううん、私は平気だよ。でも海未ちゃんが……」

 

 翔「現実逃避してて大変そうだぜ?」

 

 穂乃果も海未の異常に気づいたようだ。まぁ当の本人はガチャで遊び始めてるから仕方ないのかもしれない。

 

「あ、レアなの出たみたいです……」 

 

「海未ちゃーん!」

 

 翔「マジで!?このガチャレアなの出る確率3パーなのに!」

 

 道「レアの確率おかし過ぎるだろ。スマホゲームの10連ガチャかよ」

 

 しかもなんかめっちゃ良い引きをしてやがるし……。ポンコツもここまで来ると笑えてきちまうな。

 

「どうしよう……」

 

 翔「いきなり秋葉原はハードル高かったんじゃねえか?」

 

 道「じゃあどこでやんだよ?」

 

 翔「もっと馴染みのある場所から練習した方がいいと思うぜ。校門とかさ」

 

 このままじゃ進まないのが分かったのか場所を校門に変える事を提案する翔也。まぁ確かに、人に慣れさせるために人が多いここでチラシ配りをやろうと考えたが人見知りには相当キツイ環境だったのかもしれねぇな。まぁ俺も前日に言われてイラついたから人が多そうな所に行くよう穂乃果に頼んだが少し海未の配慮をしてやるべきだったようだな。

 

 翔「ほら、海未ちゃんも場所変えてチラシ配りするぞ」

 

 翔也はまだ呻き声をあげている海未を立たせて移動を開始させる。俺たちも後に続くのだがその後ろ姿はいつもの海未の面影が全く残っていなかった。

 

 

 翔「ここなら平気だろ」

 

「まぁ、ここなら……」

 

 チラシ配りをするために学校へ戻ってきた。確かに海未もここなら普段から会ってる人や見かけたことがある人たちだからまだ安心も出来るだろう。ここから慣らしていく方が良さそうだな。

 

「じゃあ、始めるよ!μ'sファーストライブやりまーす!」

 

 穂乃果はそう言ってチラシ配りをし始めた。ことりも穂乃果に続いて行動に出ている。やはりこの2人は性格的にも得意なのだろう。

 

 翔「ほら、海未ちゃんも頑張ってこい」

 

 道「立ってるだけじゃチラシ配れないしな」

 

 翔「そういうこった」

 

 翔也はそう言って海未の背中を押す。ただ海未はまだ不安なのか俺らの方に向き直して不安そうな表情をしている。

 

「翔也、道夫……」

 

 道「俺らは見守ってるからちゃんとやれよ」

 

 翔「そうそう見守ってるからなるべく早く終わらせてくれよ?お前のせいで増えちまった課題をやらなきゃならねぇんだから」

 

 道「そういえばそんなのがあったな」

 

 

 海末が諦めてチラシ配り始めようとしたので俺と翔也も離れた場所というか木の所に隠れる。穂乃果とことりは順調なのだが海末は……。

 

「あ、あ……」

 

 戸惑ってオロオロしてるのである。声を掛けようとするも行動に移せてないでいる。この姿を見ていると応援したくなるよな。

 

「お、お願いします……!」

 

「いらない」

 

 戸「いらないな」

 

 海末がついに勇気を出して声を掛けたのだが相手は不機嫌そうに海末の方を観て受け取らずに通り過ぎてる。ん?隣の紫の髪の男は……あの時の先輩か。あの先輩もわざわざ怖がられるような対応しなきゃいいのに。

 

「ダメだよそんなんじゃー!」

 

「穂乃果はお店の手伝いで慣れてるかもしれませんが、私は……」

 

 海未の失敗を見た穂乃果が駆け寄ってくる。ま、穂乃果は昔から実家の手伝いで接客してたから慣れてんだよな。人前に出る経験が海未と穂乃果では差があるのである。

 

「ことりちゃんだってちゃんとやってるよ?」

 

 同じく接客経験の少ないであろう、ことりと大きな違いは重度の恥ずかしがり屋であるかどうかである。

 

「お願いしまーす!μ'sファーストライブでーす!」

 

 元気ハツラツとした笑顔でチラシを配ることりがいる。いや、これは才能もあんのかもしんねぇな。

 ことりの余裕な対応には驚きである。海未よりも出来るのは性格で分かるのだが実家の接客経験豊富な穂乃果と同じくらいの接客とは恐れ入ったもんである。

 

「ほら、海未ちゃんも。それ配り終えるまで止めちゃダメだからねー!」

 

 翔「わぁお!鬼のノルマではねぇか」

 

 穂乃果も鬼のノルマを平然と言ってくるなぁ。海未がこんな量捌けるわけねぇじゃねぇか。誰か助っ人が来れば話は別だがコイツ個人の力じゃ難しいだろうな。

 

 

「えぇ!?無理です!!」

 

「海未ちゃん、私が階段5往復出来ないって言った時、何て言ったっけ?」

 

 道「まぁ、あんなハードトレーニングを頑張ってきたんだしなぁ」

 

 穂乃果の言う通り階段トレーニングを穂乃果達に求めていたんだからこれくらいは頑張って貰わないと不公平って奴だな。穂乃果もささやかな仕返しが出来てニヤニヤしてるしこれで満足だろうな。

 

「うぅ………………分かりました!やりましょう!」

 

 穂乃果の言葉が逆にやる気にさせたようだ。海未は負けず嫌いな所あるから出来ないと思われるのは嫌なのかもしれねぇな。

 

「よろしくお願いしまーす!μ'sファーストライブやりまーす!」

 

 おぉー、見事に声に覇気が出てきているな。穂乃果の言葉は見事にいい結果になったようだ。これはもう海未も大丈夫そうだなぁと思っていたら

 

「あ、あの……」

 

 穂乃果に声を掛けた人物が居たんだが、その存在は猫娘と一緒に居た眼鏡っ子と水色の髪の緊張でかたまっていた奴がいた。いやこの2人にいつ接点が出来てんだよ。

 

「あなたはこの前の!」

 

「は、はい……」

 

 光「この前はすみませんでした……」

 

「あれは私がいきなり話しかけたのもあるんだし気にしないで」

 

 道「どういう接点があってこの2人が仲良くなったんだよ……」

 

 光「飼育委員で一緒に……」

 

 いや2人とも話すの苦手そうなのにどうやって仲良くなんだよ。これどうやって取り持ってやりやがったんだ?

 

 翔「海未ちゃんみたいに恥ずかしがりやなタイプだと思ってたんだけだなぁ〜」

 

 道「後輩2人が可哀想だろう」

 

 西「海未ちゃんにも失礼な気がする」

 

 光「あはは……実は……」

 

 涼「僕が間を取り持ったのです!にぱー♪」

 

 俺たちの疑問に答えたと同時に現れた。確かに、この黒っぽい髪に紫の目をしているなのです悪魔の男の娘だったら場の雰囲気ぶっ壊してでも仲良くさせようとしてきそうだな。なんなのだろうかこのミステリー感溢れる奴は……というかどこから出てきやがった。

 

「おぉー!足音も立てずに道君の後ろに立つなんて凄いよ!」

 

 涼「これは僕の趣味なのです」

 

 道「そんな人をビビらせる趣味辞めてしまえ」

 

 涼「おぉー、ナイスツッコミなのです」

 

「だよねだよね!」

 

 道「意気投合してんじゃねぇ!!」

 

 なんと穂乃果となのです男が誠に遺憾な事に俺のツッコミで意気投合し始めた。仲良くなるのが早すぎて頭が痛くなってきそうである。1年生の2人も困ってるみたいだ。

 

「あの、霧丘君……。そろそろ辞めた方がいいんじゃないかなぁ……」

 

 涼「まぁそれもそうなのです。先輩達もいきなり背後から現れてごめんなさいなのです」

 

 眼鏡っ子の言葉に、なのです口調の霧丘という男は謝罪をしてくる。まぁ謝罪をしっかりしてくる所は好感が持てるな。ちょっと先輩にちょっかいかけたり弄ったりするのはいただけないが多目に見るとしようではないか。

 

 涼「そういえば伝えたいことがあったのではないですか?」

 

「あ、そうでした……。ら、ライブ、見に、行きます……!」

 

 それは彼女らしい弱弱しい声だったが、それは不思議と元気づけてくれるような声だった。これは穂乃果達も嬉しいだろうな。

 

「ほんとぉ!?」

 

「来てくれるのぉ!」

 

 光「あ、この前はフリーズしてしまいすみませんでした」

 

 翔「それ全員に言うつもりかよ」

 

 涼「結構気にしてるみたいでしたし謝罪として受け取ってあげて欲しいのです」

 

 ことりと海未がいつのまにか隣に居た。こいつらも聞きつけてくるまでが早いよな。そしてまた謝罪をする男子。突然の事でフリーズしただけなんだから気にしなくてもいいのに。

 

 涼「にしても、凄いチラシの束なのです。僕も何枚か手伝いましょうですか?」

 

「では数枚と言わず、これを全部……」

 

「海未ちゃーん……」

 

 おい、さっきの気迫はどうしたんだよ。宿題やるために机に行ったはいいがスマホで遊び出すあるあるみたいな事やってんじゃねぇよ。てかこの男は顔が広いだろうからとんでもねぇ速さで終わりそうだな。海未の成長という場は完全に無くなっちまうが。

 

「わ、分かってます……」

 

 珍しく穂乃果に睨まれて萎縮して、せっかくのチャンスがみたいな表情をしながらもか細い声で答える。

 

「海未ちゃんの練習でもあるから手伝わないであげてね」

 

 涼「分かったのですよ」

 

 手伝いを提案してした霧丘の方はことりから言われている。まぁことりの言う通り練習だからな。

 

 道「2人は観に来てくれるのか?」

 

 涼「みぃ?まぁ興味はありますですね。明日にならないと分かりませんのですが」

 

 翔「まぁ用事とかもあるだろうし無理には言わないぜ」

 

 光「僕は知らない人ばっかりだと緊張するので分からないです……」

 

 西「まぁ、自分のペースで来てね」

 

 2人はその時間までどうなるかわからないみたいだ。まぁ観にくる人が多ければそれだけ女子の比率も上がるし緊張するのも無理はないだろうし、用事があんのに無理やり来いというのも良くないしな。

 

「でも、明日は1人は観に来てくれる人が居るのが分かって嬉しいよ!」

 

「い、いえ……あの、ライブ、頑張ってください……!」

 

「うん!頑張る!」

 

「やる気出てきたよ!」

 

「やっぱり色んな人に見られるのですね」

 

 道「当たり前だろうが」

 

 観客の居ない無観客ライブとか悲しすぎんだろうが。そこは頑張りますとかでいいと思うんだがなぁ。

 

「あの、で、では……」

 

 道「ああ、またな。ライブ、楽しみにしててくれ」

 

「っ……。は、はい……!」

 

 遠慮しながらもう笑顔で去って行く眼鏡っ子。それに続くようにあの男子2人も去っていくので俺たちはそれを見送る。

 

 翔「海未ちゃん」

 

「は、はい……」

 

 翔「少なくとも応援してくれたぞ彼女は。直接言いにくる位にライブを楽しみにしてるって事だぜ。そりゃ答えなきゃならねぇよな?」

 

 翔也の言葉に少し俯いた後、先程よりも大きな決心をしたような表情になる。

 

「はい!」

 

 道「海未もやる気になったんだ。穂乃果とことりも配りきるつもりで頑張れよ」

 

「「うん!」」

 

 そこからというもの、彼女達はみるみるうちにチラシを減らしていった。海未も照れながらではあるがちゃんと笑顔で応対しており最初の硬さからしたら物凄い成長をしている。

 

 西「チラシ配りお疲れ様」

 

 翔「海未ちゃんもすげぇ頑張ってたな。偉いぞ」

 

「褒めてくれて嬉しいですが、なんか親みたいな言い方ですね」

 

 翔「海未ちゃんは俺の担当だし娘みたいなもんだろ」

 

「娘……?」

 

 道「絶対違うと思うぞ……」

 

 また翔也がふざけた事を言う。まぁ海未も嫌そうにはしてないし本人がいいならそれでもいいか。

 

 道「で、これからどうするよ?」

 

「うーん、私の家でランキングチェックとか他のスクールアイドルの動画見る?」

 

「あ、それならもう出来上がりかけの衣装チェックもいいかな?」

 

 西「衣装も出来たんだね」

 

「うん♪」

 

 確かにランキングのチェックと他のグループの良いところを学ぶのも俺たちには必要な事だな。そういう事で穂乃果達の技術アップになるし立派な練習と言えるだろう。

 

 道「じゃあことりは衣装を持って穂乃果の家に来てくれるみたいだし穂乃果の家に先行ってるか」

 

 西「1人じゃ大変だろうから僕も荷物持ちとして同行するよ」

 

「本当?ありがとう!助かっちゃう♪」

 

 翔「俺らも行くか」

 

「うん!」

 

「はい」

 

 明日はライブだが万全にするにはまだやらなきゃならない事が残ってるみたいだな。

 

 

 






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