幸せな未来へ    作:多音

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アニメ本編スタートです!!


廃校を阻止するためには

 

「う、うそー……!?」

 

「廃校って……」

 

「つまり、学校がなくなる、というわけですね……」

 

 今俺たちは廊下の張り紙にある廃校のお知らせという一枚の紙だった。いや全校集会で発表してからここまで早いな。まぁ本決まりで無くとも廃校の可能性が高い事を受け入れざるを得ない状況だ。そしてそんな現実を受け入れきれなかったのか穂乃果が後ろに倒れてきた。

 

 道「おっとっと……ショック受けすぎだろ」

 

「穂乃果っ!?」

 

「穂乃果ちゃん!?」

 

 倒れてきた穂乃果は後ろに居た俺が支える。海末とことりも穂乃果の急変に驚き大声を出す。まぁいきなり倒れそうになればびっくりもするわな。

 

「わ……私の……私の輝かしい高校生活がぁぁぁ~」

 

 と言って何も反応しなくなった。流石に女子高生をいつまでも支えてる訳にもいかないから立って欲しかったのだがこれじゃ当分起き上がれないだろう。

 

 翔「そんな事実際に起きるんだな……」

 

「ショックで気絶してしまったみたいですね……。すみませんが道夫。穂乃果を保健室に運んでくれませんか?」

 

 道「はぁ!?何で俺?」

 

「道君が穂乃果ちゃんを支えているからだよ!」

 

 うん思ってた通りの答えが返ってきた。そんな事を考えてたらことりが耳打ちしてくる。

 

「それに道君に運んでもらう方が、穂乃果ちゃん喜ぶと思うんだ」

 

「なんだそれ……」

 

 よく分からない耳打ちだったが俺が拒否しても状況が変わらない事だけはなんとなく分かってきた。そうとなれば無駄な時間なので早く穂乃果を保健室に運んで終わらせた方が良い。

 

 道「分かった、分かった行けば良いんだろうめんどくせぇ……」

 

 翔「おぉ〜道を諦めさせるなんて流石だよことりちゃん!」

 

 道「ちょっと黙ろうか」

 

「それでは頼みましたよ道夫」

 

「お願いね」

 

 全員に見送られながら俺は穂乃果を運んだ。お姫様抱っこという方法で……。

 

 ーーーーーー

 

 保健室に穂乃果を送り終えて教室に戻ると生徒達もやはり廃校の話などで動揺してるように見えるが、いつも通りの賑やかな教室だった。この学校は元気な生徒が多いため基本的に明るいクラスになるのである。自分に一番早く気づいたのは銀色の髪の美少年である西海拓郎だった。

 

 西「穂乃果ちゃんが倒れたみたいだけど何かあったの?」

 

 道「西海か、廃校の知らせにショックを受けて気絶しちまった」

 

 西「なんかアニメみたいな事が起きたんだね……」

 

 男子3人とも似たような事を思っていたようだ。幼馴染の2人はめちゃくちゃびっくりしてたけど、2人もすぐ冷静になってたから受け入れるのも早かったけども。

 

 道「じゃあ西海も絵描いてるみたいだし翔也が来て騒がれる前に行くな」

 

 西「じゃあ」

 

 これ以上ここに居ると翔也が来て西海の邪魔になりかねないので自分はここで去る事にした。

 

 ーーーーーー

 

 そして授業も昼前の授業が全て終わった後穂乃果が帰ってきたのである。ただいつもの元気さは無く、絶望的な表情をしている。離れた所で絵を描いていた西海が二度見する位には異常な光景である。

 

「あ……ほ、穂乃果ちゃん。大丈夫?」

 

 ことりが声を掛けても気付いてないのか、聞こえてないのか知らないがスルーをして席に座る。いつもの穂乃果なら絶対にありえない行動だ。自分の席に着くと顔を手で覆い「学校が無くなる」と呟いてる。

 

「穂乃果ちゃん、落ち込んでる。そんなに学校好きだったなんて……」

 

 道「いや、学校は好きかも知れないが落ち込んでんのは違う理由だな」

 

「道夫の言う通りです」

 

「ふぇ?」

 

 どうやら海末も俺と一緒で同じ考えのようだ。まぁ長く一緒に居るから分かるって事なんだろうな。

 

 道「多分だが廃校が夢だと思って教室に戻ろうとしたら、大量の廃校のお知らせプリントを見て現実を突きつけられた。それで自分達も編入試験を受けて編入しなくてはならない、自分に編入試験に合格出来る学力があるか不安だという感じだろ」

 

「ふぇぇ〜、道君凄いね!」

 

「凄いです道夫!私と全く同じの考えです!」

 

 翔「おぉー海末ちゃんとも通じあって……」

 

「ふん」

 

「グボァ!?」

 

 海末とことりは穂乃果の考えを読みが完璧である事を褒めてきた。穂乃果ほど分かりやすいやつなんざ居ないと思う位に分かりやすいからな穂乃果の思考回路は。後、翔也が余計な事を言って海末から手痛い一撃を喰らっていた。

 

「どうしよぉぉぉぉう!?全然勉強してないよぉぉぉおお!!うう~……!!」

 

「えっ?」

 

「だって、学校無くなったら別の学校入らなくちゃいけないんでしょ!?受験勉強とか、編入試験とか!?」

 

 想像通り過ぎる回答に笑ってしまうくらいだが穂乃果は本気で心配してるようでわんわん泣き喚く。俺が当たったなという視線を向けるとことりは苦笑い、海末は「やっぱり」と呆れている。

 

「穂乃果ちゃん落ち着いて」

 

「ことりちゃんと海未ちゃんと道君と翔也君は良いよ!みんなそこそこ成績良いし……。でも私はぁぁぁぁぁ!!」

 

 穂乃果は根っからの勉強嫌いの為か5人の中でぶっちぎりで成績が悪いのである。ことりと海末に関しては勤勉である為困るような成績をしていないし、俺も補習で夏休み登校とかだるいので成績は困らない程度に取ってる。翔也に関してはよく分からないが成績に関しては大丈夫だ。

 

「だから落ち着きなさい、私達が卒業するまで学校はなくなりません」

 

「へっ?」

 

 話を聞いてなかった穂乃果の暴走もここで止まった。穂乃果らしいと言えば穂乃果らしいが社会に出たらどうなるのかちょっと心配になってくるレベルだな。

 

 ーーーーーー

 

 穂乃果も帰ってきたのが昼休みだったので中庭のデカい木の下でいつもの5人で昼食を取っていた。うん、いつ見てもデカいなこの木。

 

「学校が無くなるにしても、今いる生徒が卒業してからだから、早くても三年後だよ」

 

「良かった〜。いやー、今日もパンが美味い!」

 

 ことりの言葉を聞いて安堵した穂乃果はパンにかぶりつく。大好物なのは分かるのだがこの光景を学校で見ない日が無い位な勢いでやっている行動である。

 

 道「でも正式に決まってしまえば、次からは1年が入って来ずに上級生だけになるんだな」

 

 翔「今の1年生は後輩の居ない学校生活かぁ……」

 

「そっか……」

 

 全員が暗くなってしまう。やはりこの学校に通ってきた身としては無くなるなんて話は気持ちの良い話ではない。そして恐らく自分より学校が好きな3人や翔也もやはりショックが大きいだろう。廃校阻止するには生徒をどう増やせばいいのかという風な考え始めた時。

 

「ねぇ」

 

「はっはい!」

 

 俺達に声を掛けてきた人が居た。

 

 そこに居たのは金髪のポニーテールの女子が居た。リボンの色は緑だから先輩だろうな。その先輩の後ろには男子2人と紫っぽい髪をおさげのツインテールにしてる女子が居る。

 

「誰?」

 

「生徒会長ですよ」

 

「ちょっといいかしら?南さん」

 

「は、はいっ」

 

 自分が生徒会長から用事があると言われた事で緊張したのか少し声を上擦りながら答えた。

 

「あなた確か、理事長の娘よね?」

 

「はい……」

 

「理事長、何か言ってなかった?」

 

「いえ、私も、今日知ったので……」

 

 会長の言葉にはどこか冷たさが感じられた。

 

「そう、ありがとう……」

 

 理事長に話しに行くつもりなのはこの会話を聞く限り確実だろう。そして廃校阻止、生徒を増やすなどの活動を始めようとするのだろう。

 

「あの!本当に学校、無くなっちゃうんですか?」

 

「……あなた達が気にする事じゃないわ」

 

 1番苦手かも知れないなこういうタイプは……。廃校という問題は全校生徒に発表されたのだから、あなた達は関係ない学校生活を送っていれば良いみたいに言われたら不安な生徒達は不安のままだし生徒会長にも不満が募ることになるだろう。

 

「ほなー」

 

 赤「それでは〜」

 

 柴「へぇ〜……僕も失礼しますね」

 

 会長が去って行ったので残りの人達も去って行く。メガネの先輩が意味深な表情と去る前の挨拶の小声で言っていた言葉が気になったがそんな事を考えても仕方ないので昼の続きを取ることにした。

 

 

 ーーーーーー

 

 放課後、俺達は廃校阻止するために生徒を増やす方法を図書室で考えていた。

 

「良い所って、例えばどこです?」

 

「んー、歴史がある!」

 

「おお、他には?」

 

「他に!?えーと……伝統がある!」

 

 翔「穂乃果ちゃん、それは同じだぜ……」

 

「うぇ~、ことりちゃ~ん。他に何かないの~?」

 

 考えが尽きた穂乃果がことりにすがるような声音で聞く。

 

「うーん、強いて言えば……古くからあるってとこかなあ」

 

 翔「ことりちゃん、それじゃ穂乃果ちゃんの最初の意見と変わらないぜ……」

 

 まさか穂乃果が言った事を少し言葉変えただけとは恐れ入ったな。この学校の良い所は伝統・歴史・古くからあるってお前ら本当に学校好きなのか?ってレベルで酷い。まぁ自分も思いついてないから人の事を言えないのだけどな。

 

「あ、でもさっき調べて、部活動では少し良いとこ見つけたよ!」

 

 確かに良い着眼点だ。生徒の学校選ぶポイントは校舎の綺麗さや充実さ、それか部活の好成績などの魅力だ。

 

「ホント!?」

 

「と言っても、あんまり目立つようなものはなかったんだあ」

 

「ウチの高校の部活で最近一番目立った活動はと言うと……」

 

 そう言って資料を俺たちにも見えるように紙を机に置く。

 

「珠算関東大会6位」

 

「失礼かもしれないけど……」

 

 道「微妙だな……」

 

 珠算の部活がある事に少し驚いたが、アピールするには3位以上であって欲しい。

 

「合唱部地区予選奨励賞~」

 

「もう一声欲しいですねえ……」

 

 いや、その部をアピールポイントにするなら合唱コンも銀賞位であって欲しいな。

 

「最後は、ロボット部書類審査で失格……」

 

 翔「大会にすら出れてないじゃん!」

 

 ロボット部に関してはなんで選んだんだことりは?何も成果を残してない部活が出てきて、びっくりしている。ことりの天然ボケがここで発揮するとは思わなかった。

 

「だぁめだ~……」

 

「考えてみれば、目立つ所があるなら生徒ももう少し集まっているはずですよね……」

 

 中学生の子達も部活が有名なら近いし通おうみたいな感覚で来たがる子がもう少し居そうなもんだ。穂乃果も何も出来ないこの状況に不甲斐なさからかしゃがみ込んでしまっている。

 

「家に戻ったら、お母さんに聞いてもう少し調べてみるよ」

 

 ことりが心配そうに穂乃果に言うが、あまり好感触ではないようだ。

 

「私、この学校好きなんだけどな……」

 

「私も好きだよ」

 

「私も……」

 

 学校が無くなるかもしれない不安からまた暗くなる3人。はぁ仕方ねぇなぁ〜……。

 

「元気出せよ。俺に出来る事があるなら手伝ってやるからそう落ち込むな」

 

 面倒くさい事は嫌いだが、幼馴染の穂乃果の笑顔が守られるなら少しくらい我慢するとしよう。

 

「道君……。ありがとーう!!」

 

 道「ちょっといきなり抱きつくんじゃねぇよ……」

 

「ごめ〜ん!」

 

 余程嬉しかったのか抱きついてくる穂乃果。結構スキンシップとかが激しいよな穂乃果は。

 

「相変わらずですね、この二人の仲は」

 

「そうだね~」

 

 翔「眼福、眼福」

 

 微笑ましそうに見てんじゃねぇよ!!後、翔也黙れ!!

 

 翔「良し!良いもの見れたし帰ろうぜ!」

 

「そうだね」

 

「時間も時間ですし帰りましょうか翔也」

 

 道「良し俺らも帰るぞ穂乃果」

 

「うん!分かった」

 

 そして廃校阻止の話し合いを終えた俺たちは帰路に着いたのだった。そしてこの長い1日に疲れたので寝ようと思ったその時だった。

 

『道君!明日UTX行ってみようよ!』

 

 と言う電話が来たのだった。うん、これ行くの確定だろうな……。

 

 




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