あまりにも何も決まってないこの状況をどうにかするため海末の弓道部での活動が終わったら穂乃果の部屋で話し合いが行なわれる事になった。
「おや?道夫ではありませんか。道夫も穂乃果の家に今着いたのですね」
道「あぁ、約束だからな」
翔「集まってんだろうからもっと早く行きゃいいのに」
どうせ早く集まったって話し合いなんてせずダラダラ話してるだけだろうから早く行く必要がない。俺は海末からの今から向かうという連絡から計算して着きそうな時間に家を出た。
「じゃあ入りましょうか」
海末がそう言って穂乃果の家に入ったので俺達も続くとそこには、三色団子を頬張っている、というか完全なつまみ食いをしている穂乃果の母親の姿があった。営業中のはずなのだが何をやっているんだろうか。
「あら‥‥んく、いらっしゃい」
道「俺たちだからまだ良かったっすけど客に見られたら大問題っすよ?」
俺らで本当に良かったな。もし初めての客とかだったら評判下がりまくりだぞこれ。でも、このつまみ食いしてるのも絵になる位の若々しさはとても2人の子供を持つ親にはみえないな。
「こんばんは、穂乃果は?」
翔「そこで何も言わない海末ちゃんも凄いよな……」
道「見慣れてるんじゃねえのか?」
たまに部活帰りに寄ったりしてるみたいだしこの時間帯の常習犯なんだろう多分。
「上にいるわよ。……そうだ、お団子食べる?」
確かに和菓子屋に来たんだから食べたくもなっていたのでここは頂こうと思っていたら翔也が先に口を開いた。
翔「いいんですか?じゃあ是非いただきま……」
「いえ、結構です。私達はダイエットしなければいけないので」
翔「おい待ってくれよ!?俺と道夫は関係な……」
「失礼します」
「ちょっと待っ……団子はもう諦めるから靴だけちゃんと脱がせて!あと引き摺らないでくれ〜!?」
なんと海末は翔也が貰うのを拒否し、引き摺って上へと向かって行った。自分達だけ我慢するのも嫌だから俺らを巻き込みやがったな海末の奴。
「あの2人って付き合ってるの?」
道「いや全くそんな事は無いはずっすけど……」
その光景を見た穂乃果の母親が面白い光景を見たという感じの笑みで俺に聞いてくるがそんな事実は無いと認識している。まぁ俺らに内緒で付き合ってる可能性もあるにはあるが恋愛に初心な海末の様子が変わったりしない事はありえないので無いだろう。
「「お疲れ様~」」
西「遅かったね」
道「海末この光景はお前がさっき言ってた事と矛盾してる気がするのだが」
翔「俺引き摺られ損じゃん……」
俺たちが穂乃果の部屋に入ると、まさかまさかの団子食べながらのお出迎えとは恐れ入った。海末なんか翔也を引き摺りながら食べたい欲を我慢したってのに。これは翔也も海末も可哀想だ。
「お団子食べる~?」
「今お茶淹れるね~」
西「ここの団子、本当美味いんだよ!」
なんか穂乃果とことり、西海には海末の呆れた表情は見えないようだ。まぁ西海に関しては昼間の宣言を本気で言ってないと思ってたんだろうな。こんな堂々と食べてるもんだから止めることもしなかったのだろう。
「あなた達、ダイエットは……?」
「「……ああ!?」」
西「昼間の宣言は本気だったの!?」
俺の予想通り2人は忘れていて、西海に関してはただのやるけどやる宣言する会話かと思われていたようだ。
「はあ……努力しようという気はないようですね……」
「なっ……あるよ~!」
翔「ある人間は食わないと思うぜ。はむ」
道「まぁ忘れてたみたいだしその程度の意思なんじゃね?はむ」
「2人だって食べてるじゃん!」
道「俺達は歌わないし踊らないからな」
翔「太った所でこの活動に困る事はないぜ」
やっぱり穂乃果の家の和菓子は美味い。どうせこれ穂乃果とことりは食べれなくなったんだし3人で山分けして食べようかと考えながら食べる。
「そういう訳にはいきません。太ると健康に悪いので貴方達もダイエットをしてもらいます」
そう言って俺達の団子も取り上げる海末。
西「絶対僕達が食べてるの見たくないだけだよね……」
道「横暴だ……」
翔「食ってるのに取るなよ海末ちゃん!もしかして俺の食べかけの団子が欲しいとか?」
「な、ななななな何を言ってるのですか! そんなわけないでしょう!」
翔也の発言で海末が顔を真っ赤にして抗議する。普段が真面目な為そういうギャップも男子受け良さそうだな。翔也なんて今のこうなるの分かっててわざと言ってそうだし。だが話し合いが始まらないので海末には悪いが話し合いを始めさせて貰おう。
道「話し合い始めようぜ穂乃果」
「そうだね、曲についてはこの娘にお願いしたいなぁって子が居るんだ!」
道「まさか……」
「道君も知ってるでしょ?一年生で凄く歌の上手い娘!ピアノも上手だしきっと作曲も出来るんじゃないかなぁって、明日に聞いてみようと思うんだ」
「まぁ頼むくらいならいんじゃねぇの?」
確かに真姫のピアノも歌もかなり上手かった。それに作曲も彼女なら出来るかもしれない。だが真姫が素直にやってくれるとは俺は思えねぇが穂乃果が頼みたいというなら俺は反対しない。
「そしてもし作曲してもらえるなら作詞はなんとかなるよねってさっき話したの!」
「何とか、ですか?」
翔「そんな知り合いいたっけか?」
道「俺は知らない」
「うん!ね?」
「うん!」
話し合いはしてたのね2人とも。そして怖い笑顔を見せて海末を見ている。そんな事より作詞が出来る奴なんて俺は知ら……まさかコイツら!
「「んふふふ~」」
「な、何ですか!?」
「海未ちゃんさ……中学の時ポエムとか書いた事あったよねえ~」
「えぇ……!?」
道「やっぱりかぁ〜……」
翔「ブハ……マジかよ!ギャハハハハ」
西「笑っちゃダメだよ……クスクス」
何も知らない2人は笑っている。てかこの2人は人の黒歴史を掘り起こしてんだか……
「読ませて貰った事もあったよね~……」
確かに読んだけども……ダメだ俺も笑ってしまう。
「ああ……くっ!」
「あ、逃げた!」
翔「海末ちゃんは逃げSで穂乃果ちゃんは差しSありそうだ」
西「なんの話なの?」
翔也が変な事を言っているが海末の逃げは凄い早かった。穂乃果も海末に負けないスピードなので凄い争いだった。
「やめてください!! 帰ります!!」
「いいから~!」
「よくありません!!」
廊下で大騒ぎで大咆哮レベルの騒動が巻き起こっていた。
「どうかしたの?」
道「ん?雪穂か」
「こんばんは道兄、海末ちゃんとお姉ちゃんは何やってるの?」
道「簡単に言えば人の黒歴史は掘り起こすもんではないって事だ」
「?」
俺の言った事が理解出来てないような顔をする雪穂。お前は知らなくて良い、咆哮並みの騒動を引き起こすこの事態を知らなくても良いんだお前は。
それでまぁ穂乃果の部屋に戻ってきた2人。海末が最初に発した言葉は
「お断りします!」
断固拒否をそのままの意思で表す海未。まぁそうなるよな。いきなり黒歴史を思い出させられて作詞にも協力しろなんて誰でも断るレベルだ。
「えぇー!なんでなんで!?」
「絶対嫌です!中学の時のだって思い出したくないくらい恥ずかしいんですよ!」
「アイドルの恥は掻き捨てって言うじゃない」
「言いません!」
うん、それは俺も初めて聞いた。流石穂乃果の発想である。
「でも、私衣装作るので精一杯だし……」
西「ことりちゃんだけに負担を増やすのは良くないよ」
そう、ことりにはもう衣装作りという大仕事を任せている。それに作詞までとなったらことりは練習時間を確保するのも難しくなるだろう。
「穂乃果がいるじゃないですか!」
「いやぁ、私は〜……」
道「本気で言ってんのか海末?」
穂乃果の小学生の時の国語の作文を忘れてるようだな海末は。先生に指名されて穂乃果が読んだのは『おまんじゅう、うぐいすだんご、もうあきた』だったのだ。これを聞いた俺は笑い転げ、海末とことりは唖然とした表情をしていた。
「無理だと思わない?」
「そ、それは……」
翔「ことりちゃんがなんのフォローもしないなんて相当酷い作文だったんだな……」
「中々に個性的な作文だったな」
アレは親の前で見せてはならない作文だった。先生もびっくりしただろうな和菓子屋の娘が和菓子に飽きたとか大勢の前で言ったんだから。
「じゃあ道夫達だっているではありませんか」
道「いや俺も作詞能力なんて無いからな」
西「僕も難しいかなぁ……」
翔「くだらねぇ替え歌しか思いつかねぇな……」
「うっ……」
俺らに作詞させようとするがそれはいろいろダメみたいだな。作曲に関しては仕方ないとして作詞は黒歴史掘り起こされてしまったものの海末に頼るしかなさそうだ。
「おねがぁい、海未ちゃんしかいないの~!」
「私達も手伝うから!」
翔「俺も足手まといになってしまうかもしれないが全力でサポートするつもりだぜ」
道「相談くらいなら乗るぞ」
俺たちだってマネージャーなんだから作詞の勉強をして助けになる努力はするつもりである。ことりの衣装は西海がサポートするだろうから作詞は俺と翔也でサポートしていくべきだしな。
「何か、元になるようなものだけでも!」
穂乃果が必死に頼んでる横でことりが胸元を手で少し握って、潤った目をしている。あぁ〜……これ海末がやることになりそうだな。
道「翔也と西海、耳を塞いで目は瞑っておけ」
西「えっ?」
翔「あれか……」
「海未ちゃん……、おねがぁい……!!」
今のはことりが海末によくやってるおねだりポーズというか動作だ。強力なのだが関係のない人間まで巻き込んでしまうため危険なのである。
翔「西海間に合ったか?」
西「よく分からないけどなんとか間に合ったみたいだよ」
道「後で説明してやる」
「道君達、すごい必死だったね……」
道「当たり前だろうが……」
一回巻き添えを喰らって散々な目にあってしまったんだから対策位はする。多分ターゲットが俺らだったらその対策を簡単に攻略しそうだけどな。
「もう……ズルいですよ……ことり……」
自分にも他人にも厳しい海末だがことりには甘い所があるのだ。ま、ことりに厳しくする必要がない優等生だもんな、甘くもなるか。
「良かったあ」
「やったー! そう言ってくれると思ってたんだあ!」
「ただし」
だが海末も今回は無条件で引き受けるつもりは無さそうだな。
「ライブまでの練習メニューは私が作ります」
「「練習メニュー?」」
翔「うわぁ……」
これは穂乃果とことりには相当厳しい練習になりそうだ。てか運動部の人間しかも真面目な海末が作る練習メニューが楽な訳がない。
海末は穂乃果のパソコンを起動してA-RISEの動画を再生した。実際の映像で説明するつもりらしい。
「楽しく歌っているようですが、ずっと動きっぱなしです。それでも息を切らさず笑顔でいる。かなりの体力が必要です」
確かに激しい動きをしていて笑顔でずっと歌っている。なのに息切れはしてないという事は歌やダンスの技術ももちろんだが体力もかなり重要になりそうだな。このグループも相当ハードな練習をしているのが映像だけで分かってしまう。
「穂乃果、ちょっと腕立て伏せしてもらえますか?」
「え?」
腕立て伏せになんの意味があるか分からないが何か説明に必要なのかもしれない。だが今の所は普通の腕立て伏せで意図がよく分からない。
「こーう?」
「それで笑顔を作って」
「こーう?」
翔「何故に笑顔で?」
道「穂乃果が笑顔で腕立て伏せするってちょっと怖ぇな」
筋トレ笑顔でやる奴なんて筋トレ大好きな一部な人だけなので穂乃果があんな自分を追い込むストイック人間に一瞬でもなったら普段との違いで病院連れて行きたくなるくらいの光景である。
「そのまま腕立て、出来ますか?」
言われた通りに笑顔のまま腕立てをやろうとする穂乃果だが、
「う……え……あ……っ、うぉわぁぁ!!」
見事に失敗した。というか顔面から床に落ちていた。
「いったーい!!痛い痛い痛い痛い!道君痛いよー!」
あまりの激痛に俺に痛みを訴えながら痛がっていた。仕方がないので痛そうな鼻を撫でてやると満足そうにしていた。
「弓道部で鍛えてる私はともかく、穂乃果とことりは楽しく歌えるだけの体力をつけなくてはなりません」
道「まぁ良いものが用意出来ていても体力切れでお粗末な踊りや歌になれば失敗と同じだしな」
「そっか。アイドルって大変なんだね」
道「楽なだけじゃ面白くねぇだろ?確かに楽したい気持ちは分かるがそれじゃ目標が達成出来ない状況だ。それを分かっているな穂乃果、ことり」
「「うん!」」
ことりと穂乃果は改めてこの道の大変さを再確認してやり切る覚悟が見える。
道「練習メニューは海末に任せるが常識の範囲内の厳しさで頼むぞ。体力の限界で体調不良や怪我で学校欠席とか練習見学とかは笑えないからな」
「私もそこまで厳しくはしませんよ……ちゃんと2人がやり切れる練習メニューを考えます。そしてさっそく明日は朝練をやります」
道「えっ?」
「えぇ〜。朝練やるの〜?」
悲報。また早起きしなくてはならなくなるかもしれない。
道「あの〜海末、これって俺達も……?」
「当たり前です。マネージャーの3人も私たちの朝練のサポートをしてもらいます」
俺は今年1年は早起きしなければならなくなりそうだ……。朝は眠くて布団から出たくないから出来る事ならギリギリまで寝ていたい。だが穂乃果とことりが体力をつけるにはそれが1番なので何も言えない。
「朝練と言ってもそんなに厳しい練習にはしませんから安心して大丈夫ですよ」
道「穂乃果寝てたい気持ちは俺も一緒だ。でもお前には達成したい事があるんだろ?」
「うん」
道「なら海末の考えたメニューをやるのが1番だと思うぜ?今は衣装と作詞が決まっただけで圧倒的に時間が足りないんだから朝も使わなきゃならねぇんだ。俺も頑張って起きるから穂乃果も頑張ろうぜ」
もう俺も穂乃果達の為に朝の睡眠を諦めなければならない所まで時間が足りないのだ。もう朝練嫌だとか言ってる場合じゃなくなってしまったのだ。本気でやるには。
「そうだね!ちょっと不満言ってしまってごめん。私も明日から早起き頑張るよ!」
穂乃果も朝練をやる気になってくれたようだ。
翔「明日から大変になりそうだな」
道「まぁ今日も大変だったけどな」
西「だね。でも3人とも楽しそうだよ」
道「フッ……そうだな」
こんなにもやる気に満ちた3人を見て俺も笑みがこぼれた。俺も彼女達のサポートを気合い入れてやっていこうと気合いを入れ直した。
オリキャラが喋る時に名前がいるかどうか教えてください
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いる
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いらない