幸せな未来へ    作:多音

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未熟な者達

翌日の早朝。

 

今日から朝練も本格的にスタートを迎える事になる。3人とも体操着を着ていて朝練に向けて気合い十分である。

 

道「穂乃果も遅刻しなかったみたいだな。てっきりギリギリにくるもんだと思ってたが」

 

「確かに眠かったけど、私だってその気になれば起きれるんだよ!」

 

いやぁ〜時間前に玄関で待ってる穂乃果なんて久しい光景だったな。俺を起こしに来た時は年に数回の行事で気分が高まって早起きしただけだし、ちゃんと自分の早起きするって意思で起きたのはこれが初な気がする。

 

「ならいつも頑張ってくださいよ」

 

道「俺からも頼む」

 

「あはは……頑張ります」

 

穂乃果は俺と同じく早起きが苦手で布団をこよなく愛する奴だ。二度寝三度寝は当たり前のタイプの人間である。俺は起きようと思えば無理にでも起きれるが穂乃果は誘惑に負けてしまっていた。明日以降はどうなるか楽しみな所だな。

 

「さぁ練習を始めましょうか」

 

「「はい!」」

 

練習が始まるようだ。

 

 

 

「は、はぁ、はぁ……っはぁ……っ!」

 

「ひ、はぁ、はぁ……っはぁ……っ!」

 

 

目の前には何往復もしてキツそうな2人の姿。こんな階段はかなりキツイし初日ならこうなってもおかしくはない。でもこれくらいしないと体力はつかないし頑張って貰おう。

 

「はぁっ、はぁっ……!もう、キツイよお……!」

 

「もう足が動かないっ……!」

 

翔「初日だしキツイのは当たり前だと思うぜ?」

 

激しく息切れをしており相当疲れてる事がよくわかる。なんかいけない物を見てしまってる気分にもなるが必死にやってる人間をそんな目で見るとバチが当たりそうなのでその邪念は捨てる。

 

「これから毎日、朝と晩、ここでダンスと歌とは別に、基礎体力をつける練習をしてもらいます」

 

「一日2回も〜!?」

 

道「中々のハードトレーニングだな」

 

この階段往復を一日2回は俺でも弱音を吐きたくなるハードトレーニングだ。だから愚痴をこぼしたくなる穂乃果の気持ちも分からないでもない。

 

「そうです、やるからにはちゃんとしたライブをやります。そうじゃなければ生徒もあつまりませんから」

 

「……はぁ〜い」

 

愚痴は言うがちゃんと返事をしているので穂乃果が真剣なのは凄く伝わる。やはりライブをするには自分達の力が足りない事はよく分かっているようだ。

 

西「穂乃果ちゃん、ことりちゃん、スポーツドリンクだよ。休憩中なら今のうちに飲んだ方が良いと思うよ」

 

「「ありがとう拓郎君!」」

 

2人とも嬉しそうに西海からスポドリを受け取っている。クーラーボックスで冷やしてあるので美味しい筈だ。クーラーボックスってのも便利なものである。

 

「休憩もした事ですしそろそろ練習再開しますよ?」

 

「分かった!」

 

練習の再開に穂乃果は元気よく返事をして、ことりも立ち上がれるくらいには回復しているようだ。

 

「君たち」

 

 さぁ練習だと思っていたら巫女服の方に声を掛けられた。どっかで見覚えがあんなぁ。

 

「副会長さん?」

 

道「どっかで見た事あると思った講堂の許可貰えるきっかけをくれた人か」

 

「君たちの活動には興味があったから、応援させてもらってるだけやよ」

 

同じ生徒会でこうも違うんだな。生徒会にも副会長のような応援してくれる人が居るのは穂乃果達にとっても心強いだろう。

 

 

「その恰好……?」

 

穂乃果は何で巫女服を副会長が着ているのか分からない様子だ。

 

 

「ここでお手伝いしてるんや。神社は色んな気が集まる、スピリチュアルな場所やからね」

 

その言葉に穂乃果達も納得してる様子だ。しかもこの神社には守り神が居るみたいな一説もあるしな。それだけこの神社が地元から愛されてるって事か。

 

「6人ともここを使わせて貰ってるんやから、お参りくらいしていき、そっちの方がここの神様も喜ぶやろうし」

 

道「それもそうだな、これからの願掛けも兼ねて挨拶していくか」

 

そして参拝に向かう。ここはしっかりライブの事を願掛けしておくべきだろう。

 

「初ライブが上手くいきますように!」

 

「「上手くいきますように」」

 

穂乃果たちも声に出してしっかりと声を出して、マネージャー組は心の中で願いを言う。

 

「よしライブ成功に向けて頑張ろう!」

 

「「はい!」」

 

神様の前で気合いを入れ直す3人。どうか前向きに頑張る3人に良い結果が出るように祈りながら俺たちもその場を後にしない。

 

道夫side out

 

 

 

涼太side

 

?「とても真っ直ぐな娘達ですね」

 

涼「確かにそうなのです。スクールアイドルを始めた3人だった気がしますのです」

 

?「スクールアイドルって今人気の奴なのですか?」

 

涼「確かそうだったかもしれませんのです。僕は興味ありませんですから分かりませんけど」

 

今僕は7人から少し離れた所で様子を見ていた所なのです。皆さんお気付きの通り僕には守り神が見えますのです。というか僕はこの守り神と一緒に過ごす事が多かったからこういう口癖な訳なのです。見えるようになったきっかけは両親を事故で亡くした時に守り神が見えるようになったのでおそらくそれなのです。

 

?「彼女達の初ライブがどうなるか僕も興味が湧いてきたから涼太も同行するのです!」

 

涼「いつも僕が学校に居る時みたいに1人で動き回ってれば良いと思うのですが、何故僕もなのですか?」

 

?「一緒に見て欲しいからなのです!感想だって涼太にしか話せませんですし!」

 

涼「はいはい分かりましたですよ守り神様」

 

どうやらこの守り神はあの6人を気に入ったようなのです。初ライブと言ってもすぐには行わないはずなのですけどね。でも威厳なんて微塵もないがこれでも神様なのですから付き合ってあげる事にするのです。どうせ毎日退屈してましたですしね。

 

涼「僕の退屈な人生を変えてくれてるか楽しみなのです……」

 

?「涼太何か言いましたですか?」

 

涼「何にも言ってないのですよ?今日の夕飯はどんな激辛料理にしてやろうか考えてただけなのです」

 

?「あう!?味覚を共有してる僕の苦手な辛い料理を何で食べようとしているのですか〜!!」

 

やっぱりこの神様は幼さがあり弄りやすいなと思いながらその場を後にする僕なのであった。

 

涼太side out

 

 

 

 

 

道夫side

 

休み時間。

 

俺たちは一年生の教室に出向いていた。あのピアノの上手い真姫という娘に作曲を依頼する為である。

 

「失礼します!」

 

堂々と入って行く穂乃果達だが、1年生はみんなキョトンとしている。それはそうだ上級生がというかクラスメイトじゃない人間があんな堂々と入って行ったら驚くに決まっている。

 

「あれ、あんま浸透してない?」

 

「当たり前です」

 

西「してたら怖いよ……」

 

いくら掲示板に貼った所でまだライブもしてないんだから浸透するはずがないだろうよ。

 

「穂乃果ちゃんが言っていた歌の上手い娘は?」

 

「居ないみたい。ねぇ、ちょっと聞きたい事があるんだけど良い?」

 

光「ひゃ、ひゃい!な、何でしょうか……?」

 

道「何か凄い声が出たぞ」

 

穂乃果が声を掛けたのは前の席に居た水色の髪をした男子生徒だったのだがめちゃ緊張してるのが俺でも分かる。もう表情筋がカチンコチンに硬くなっているのである。

 

「私達、赤髪の女の子探してるんだけど知らない?」

 

光「わ、わわわわわわ分かりません!」

 

もう会話するだけでも大変そうである。ちょっと穂乃果に聞かれて可哀想に思えてくる。誰か変わってやれよ1年の生徒達。

 

涼「寄ってたかって後輩イジメでもしているのです?」

 

「違います!私達はただとある生徒を探していて……」

 

翔「そうそう俺たちはただ……可愛い……でも男子の制服着てるから男なのか?」

 

涼「僕は男子生徒なのですよ。何なら今ここで証明しても……」

 

「女子生徒が見てる前で何をやろうとしてるのですか!!」

 

涼「学生証を見せようかと思ったのですが……」

 

「そ、それは失礼しました//」

 

困っていたら噂の可愛い系男子が俺たちの間に話しかけてきた。というかそれだけなら助かったのだが翔也の女好きと海末の勘違いでおかしな空気になってしまった。だがこの状況に軽く笑っているので黒い人間なのかもしれない。後、学生証は写真だけだから意味が無い気がする。

 

涼「まぁ全部見てたからイジメじゃないのは分かってますですけど。先輩らのお探しの人なら丁度今戻ってきているのです」

 

「えっ?」

 

その男子が指した方向には俺らが探していた真姫とあの時に隣に居た奴が居た。

 

「ちょっと来て!」

 

「えっ?」

 

高「いきなり連行とは恐れ入った」

 

穂乃果は真姫の腕を掴み1年生の教室を出る。本当に強引な奴である。

 

 

 

 

 

 

そして屋上に俺たちは集まった。

 

「お断りします!」

 

頼んだ結果は即答で断られてしまった。やはりそういうものには興味が無いようで何を言っても断りそうな態度を見せている。

 

「お願い!あなたに作曲をしてもらいたいの!」

 

「お断りします!!」

 

西「あはは……」

 

もうこの押し問答が続いているのである。もう始めた日から次から次へと壁にぶつかっているのである。穂乃果も必死に食らいつくがそれを断り続ける真姫。これは出来なかったりするのか?

 

「もしかして、歌うだけで、作曲とかは出来ないの?」

 

穂乃果が俺も疑問に思い始めた事をストレートに聞いてきた。これはちょっと失礼に聞こえてしまいそうだ。てか出来なかったら詰みじゃねぇかよ。

 

「っ、出来ないわけないでしょう!」

 

翔「詰みにはならなかったようで良かったぜ……」

 

あ、出来るみたいで良かった。でもやってもらえなかったら詰みみたいなもんじゃねぇか。

 

「ただ、やりたくないんです。そんなもの」

 

そんなものか…‥。何かアイドルに対する偏見があんのかもしれねぇな。

 

「学校に生徒を集めるためだよ!?その歌で生徒が集まれば…」

 

「興味ないです!」

 

「すいませんねぇ先輩方。僕もこれで」

 

穂乃果の言葉を遮り真姫は屋上を出ていき、男子生徒も謝罪だけ済ませて去って行った。今のやり取りでは理由が分からなかったがやりたくない理由があり、今の学校の状態に不満は無いという事だけだ。

 

「お断りしますって海末ちゃんみたい」

 

「あれが普通の反応です」

 

「はあ~、せっかく海未ちゃんが良い歌詞作ったのに……」

 

翔「俺はもう完成してる事に驚きを隠せないぜ」

 

昨日の今日で完成させてくる海末に驚きを隠せない。やはりこういう才能が海末にはあるのだろうな。

 

「な!?ダメです!!」

 

「え!?なぁんで〜!曲が出来たらみんなで歌うんだよぉ〜!?」

 

「それはそうですが〜!」

 

道「いつものやり取りみたいなんだが……」

 

「あはは……」

 

穂乃果と海末はいつものやり取りを始めた。海末が恥ずかしがって止めようとして穂乃果と軽く騒ぎ始めるのを2人が出会った頃からやってきてるのである。変わらな過ぎでは無かろうか。

 

「生徒会長?」

 

「ちょっと良いかしら?」

 

幼馴染のやり取りをしていたら予想外の来客が来たようだ。

 

本当に俺たちの活動は前途多難が過ぎてしまい頭が痛くなっちまいそうだ……。

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