Area 探偵事務所
一度、事務所に帰ってきた一同は、琴里に状況を説明するためにガレージへと
移動する白いリボンの琴里は普段はやんちゃで無邪気な小学生感が抜けていない
少女だったはずなのだが、今回はかなり怒っているようだ
ガレージの方はかなり広く、リボルギャリーの上の方には
ソファや
「お兄ちゃん、あの車の中で全部見てたわよ!!なんなのよ!あの化け物は!」
窓と言ってもハッチには二つのドーム型の窓がリボルギャリーの目のように
配置されているだけなのだが、顔をドアップで近付ける琴里に士道は冷や汗をかく
琴里の留学中に、「あの事件」が起きたため、ドーパントのことを説明すると色々突っかかってくるのではないかと 心配しフィリップ共々隠していたのだ
「分かったよ......チッ......フィリップ、PCになんでもいいから
ガイアメモリデータを繋いでくれ」
「これでいいかい?」
フィリップは懐からメモリーカードを取りだし、ノートパソコンに差し込む
すると、「I」とかかれたUSBメモリが出てくると、琴里はそれをじっと見つめる
見た目は、二人が持っていたものとは酷似してはいるが、周りには縞々の
模様のようなものがあり、ベルトには装填できなさそうな物だった
「こいつがガイアメモリっていうやつだ......で簡単に言うとこいつを
体に差し込むと、ドーパントっていう怪物が出来上がる
身体能力はもちろん、お前が見た通りメモリの内容によって誰でも
お手軽に特殊能力者になれるチートアイテムさ」
「何よ、そのアイテム......反則じゃない!」
案の定、琴里は驚愕の顔をするのを横で、次にドーパントの写真を見せる
「で、肉体が改造されることをいいことに、指紋だのそういうのを
一切気にせずに殺人をやり放題、しかも、あまりに強すぎて警察では
ドーパント絡みの事件に太刀打ちできないのが現状だ」
次に、士道は自分のベルトにあるドライバーとメモリを琴里に見せる
「で、そんな化け物を退治する道具がこれだ」
琴里は興味深々な顔をしてマジマジとドライバーとメモリを見つめていると
フィリップが説明をする
「これは、ダブルドライバーと言って、士道のと僕のを使って
ドーパントに対抗できる超人「仮面ライダーW」に変身できる」
「え、じゃあ、お兄ちゃんの体からフィリップ君の声が聞こえたり、
フィリップ君がいきなり気絶するのは......」
「そう、僕達がWに変身するとき、片方が気絶して、魂をWに転送し、
変身中は体を共有して戦うのさ」
「へぇ〜......」
パソコンの中のメモリーカードを引っこ抜いた後、フィリップに渡し、士道が続ける
「でだ、Wを使ってドーパントの中にあるメモリを壊すことで
無力化させるんだ」
「全く、どうしてこんな危険なこと、私にもお父さんやお母さんにも
話さなかったの!?」
琴里は、士道の胸ぐらを掴んで揺さぶろうとしたところ、フィリップが
羽交い締めで止める。ぐわんぐわんと頭を揺らした士道はくらくらと
して
「落ち着きたまえ、琴里ちゃん!!」
「ガイアメモリは、ドライバーを使わないでいると、ガイアメモリの「力」に毒される......俺は、育ち故郷の天宮市をあんなやつらに
俺達しかできないんなら俺達がやる 琴里にはそういうリスクを負わせたくなかったからさ」
「お兄ちゃん......(ふふっ、流石…私のお兄ちゃんね)」
しんみりした顔をした士道はらしくないと考え、表情を元に戻す
「説明は、終いだ、フィリップ、ドーパントの位置を特定したい......
地球の本棚に入ってくれないか?」
「了解」
「地球の本棚?」
琴里は、何を言っているのか分からないらしいため、士道が少し悩んでから説明する
「あー......フィリップはちょっと変わったやつでな、
「もう、ドーパントだけでお腹いっぱいなのに......まだあるの?」
「現場の証拠がほとんどない犯罪を平気でやり遂げるから、
相棒の協力は必要不可欠だな」
琴里は、もはや理解を越えてしまっているようで手で頭を抱えていた
それに対して、士道は苦笑いしつつドーパントの資料を琴里に渡しながら説明をする
フィリップは、地球の本棚にアクセスすると彼の目の前に大量の本棚が現れる
「さあ、検索を始めよう......キーワードは、天宮スケール」
すると、本棚の一部の列が消えていくがまだまだたくさんの本棚が存在する
地球の本棚の本は一冊一冊がデータとして入っているらしく、ネット環境
と同じく、本は一冊まで絞らないと正確な情報が引き出せない。
そのため、検索エンジンと同じようなキーワードというものを必要とする
要は、超高性能のグーグル先生というわけだ
「男性取締役」
キーワードを加えていくごとに本棚はどんどん消えていく
「恐らく、メモリはマグマと…Tレックス......」
本棚が残り一つとなり、そこにあるのは数冊の本だった そして、
そこから士道がキーワードの追加をする
「明日は、社長の結婚記念日だそうだ」
「なるほど......最後のキーワードは結婚記念日」
本が特定されていき、フィリップの目の前にはただ一冊の本が置かれていた
フィリップはその本をさっと取りだし、その本を読むと本棚にしまう
「分かったよ、犯人が」
「本当に?」
琴里が未だに疑っているような顔をする。普通の人から見ると若干の
オーラのようなものを周りから出して、本を持ちながら目をつむっている
だけなのである。本来なら別にこのようなことはしなくていいらしいのだが
フィリップいわく落ち着かないとのことだ
「場所は、高級レストラン天宮の結婚記念日のディナーだそうだ......
で、犯人は、社長の奥さんだ」
「だけどなぜ、男性だけを狙ったんだ......?」
士道は椅子に座り込みながら考える
「全く、お兄ちゃんは考えすぎなのよ......少しは甘いものでも食べたら?」
琴里は、もう考えるのを放棄したのであろうか、好物のチュッパチャップス、
世界的に有名な棒付きキャンディを取りだし、口に入れる
「おい、あと少しで夕飯なんだから甘いもん食べるなよ!」
「これは、別腹だからいいんですー!」
チュッパチャップスを食べる琴里に、フィリップは興味深々でその食べ物を見つめ
琴里に駆け寄ると手を取ってチュッパチャップスを取る
「なんだい!?そのお菓子!?」
「ん?知らないの?結構有名だと思うんだけどなぁ......一つ食べる?」
琴里は、チュッパチャップスケースから、新しいチュッパチャップスをとりだし、
フィリップに差し出す フィリップは恐る恐る包装を取りだし、口の中に入れる
「こ、これは!!口の中に広がるフルーティな味に......よっぽど果肉や果実が入っているように見えないが、この砂糖菓子にそんな味わいが…実に興味深い!!」
フィリップは、近くにある巨大なホワイトボードにマーカーでチュッパチャップス
のことについて書き出し始めた。それを見た士道はあきれて額の上に手のひらを
乗せる
「あーあ......出たよ、フィリップの悪い癖」
「なんか、熱心すぎない?」
「あいつは、一度気になったものは、全部調べないと、夜も眠れない体質なんだ......地球の本棚にアクセスできても全部網羅したわけじゃない。だから、あいつの知識の成長は底がない......たった一夜で琴里より凄いチュッパチャップスマイスターが出来上がるぞ」
「フィリップ君って変わった子なんだね......高校は行ってるの?」
士道は少々困った顔をしながら腕組みをする
「ああ、アイツは戸籍を持ってはいるだろうが、記憶がなくなっていて
聞き出せないんだ......」
「地球の本棚じゃ駄目なの?」
「面倒なことに、フィリップが唯一閲覧できない情報は「フィリップ自身の記憶」と「家族」だ......俺は高校生だから戸籍を勝手に作るわけにはいかないからな」
「へぇ〜......」
暴走してすでにホワイトボードの半分をチュッパチャップスで埋め尽くした
フィリップを見て、今夜は無理だと悟った士道は諦め、ホワイトボード
の方からクルリと背を向けて琴里に話す
「はぁ......しゃあないな、一旦帰るか。今日は俺が飯作るわ」
「えっ!?じゃあハンバーグがいいなっ!目玉焼きもつけてね」
「わーったよ......つければいいんだろ」
目を輝かせる士道と琴里はチュッパチャップスで止まらないフィリップを
置いて地下ガレージの階段を登っていった
------------------------------
Area 天宮スケール社長室
士道は、昼に社長の元に訪ねると社長は喜んで招いてくれた。重役がかなりの数が
殺されている今、親族のフォローなどと言った対応や死亡保険などの
対応に追われ、少し疲れた顔が出ているようだ
「待っていたよ。士道君......犯人は特定できたかね?」
社長は、社長椅子に深く座り、肘を立たせて顎を支える
周りに盗聴器がないか確認した後に話を続ける
「はい、恐らく次の襲撃時間は夜、そして場所は今夜行われるパーティー会場かと」
「なんと!?で......その犯人は?」
「......結構、貴方とは近い人物です。ここで行動してしまうと
貴方のスキャンダルを晒される危険があります」
「ぐぬぬ......社内機密は流石にばらされたくないからの......仕方あるまい」
士道は、作戦通りの提案を社長に交渉してみる。もちろん、自分と見慣れない怪人であるWを円滑にパーティ会場内にいれるためだ。そうしないと地下に侵入した変質者だと思われてしまう
「社長、僕は良いボディガードを知っています。パーティーの入場券を手配してくれますか?犯人が動いた直後に動けるようにしたいので」
社長はあまり普通の高校生が会場に入ってしまっていいのかという葛藤をする
そして、元々気前のいい社長だったのか、深くうなずいた後
パーティーチケットを自分の引き出しから二枚ほど取りだし、士道に渡す
「分かった、君とそのボディガードとやらに一枚ずつ手配しよう......
頼んだよ探偵君」
----------------------------------------------
Area 鳴海探偵事務所
「チュッパチャップスとは、1958年にスペイン、カルターニャのバルセロナで誕生した、棒付きキャンディの商品名、またそのキャンディを販売する会社名である。日本では、1977年から●●製菓が輸入販売している。標準価格は税込みで42円」
フィリップは、自分が通販で買い占めた世界中のチュッパチャップスをズラリと並ばせていた それを見た琴里は目を輝かせておおはしゃぎしている
「う、嘘こっちには、今は発売されていない、チョコココナッツにマンゴーに
カプチーノバニラ!?」
「好きなのを食べたまえ......ストックは結構あるからね」
「わーっ!ありがとう!フィリップ君!」
士道がガレージに帰ってみたらとてもげげんな顔をしていた 周りには大量のチュッパチャップスやそれに関連するグッズが大量に並んでいたからだ。フィリップは一番オーソドックスなコーラ味を口にしておいしそうな顔をしていた
「フィリップ………琴里にそこまで餌付けるなよ……?」
「士道も一つどうだい?」
フィリップは、スイカ味のチュッパチャップスを舐めながら渡したのは、カメレオン味という正体不明のチュッパチャップスだった。それを見た士道は少しため息をはき、手を前に振ることで遠慮の態度をとる
「あーいい。遠慮しとく、この後にすぐ出るからな......それと琴里、夕飯は金渡しとくから適当に出前取ってくれ」
士道は、琴里に五千円渡すと再び帽子を被る。士道はこのままパーティ会場のほうで夕食を済ませる予定だ。琴里とフィリップがシェルターにいる以上大丈夫だろう
「ここで食べてていい!?」
琴里は、目を輝かせて士道のほうを見つめる。フィリップのことを気に入った......というよりもチュッパチャップス天国を楽しみたいだけだろう
「食べ過ぎるなよ......」
士道は、琴里に守る気がないだろうが、一応注意をした後スタッグフォンで
例の人物へと電話をかけたのであった
-----------------------------------------------
Area 天宮警察署
「刃さん、刃さーん?......げっ」
士道は、とある知り合いの刑事を探していたが、その先には会うと面倒な刑事
にあってしまった。彼の名前は真倉俊。人間性には少々問題はあるが
これでもれっきとした刑事である。人望はあまりない。よく士道と喧嘩
をする犬猿の仲である
「あっ!!なんで、お前がここにいるんだよ!高校生探偵!授業はどうしたんだよ!」
「黙れ!三下刑事!!今は春休みだっつーの!!」
「誰がさ・ん・し・ただ!ゴルア!!いたっ」
「士道は俺が呼んだの」
すると、刃さん、本名、刃野幹夫刑事が、三下......真倉刑事を愛用の肩たたき棒で
コツンと叩く。刃野刑事はしょっちゅう肩たたき棒を持っている。中学生の頃に知り合い、学生であるはずの士道に警察の持つ情報を渡してくれる。調子のよい性格で、よく人の嘘に騙されやすい
「でだ、士道、これだろ?殺人現場の証拠写真……」
「ありがとう、刃さん」
それは、昨日、Wの状態で調べられなかった殺人現場の資料がのせられていた
警察の足というのはかなり貴重な情報源である
「死亡したのは、社員、戸川陽介(26)......最近リストラされそうになった所、社長婦人に救われたそうな」
士道は、その社長夫人に引っ掛かりを感じ、真剣な顔になって刃野にその
社長婦人のことを聞き出す
「社長婦人というのは?」
すると、刃野は士道に別の資料をさっと差し出す。刃野のほうも気になっていたらしく手際がよい。それを真倉はあまり良いとは思ってないようだ
「伊野部真里奈(40)、彼とは従兄弟関係らしい。あと、男女の完全平等社会をモットーにしている......シンちゃん、その人が怪しいってことか?」
「ああ、刃さんに聞いてみて良かったよ......多分、犯人はあいつだと思う」
「理由は?」
士道は、先ほどの現場写真、そして今まで貰った写真を彼に見せる
「この全ての襲撃事件......調べてみると女性に対する被害がない」
「ほう......」
「しかも、社長に貰ったデータによると婦人さんが担当している系列の店に全く被害がない......偶然じゃない気がする。そして、次に忙しい彼女が纏めて男を抹殺する最適な機会とすれば......」
「なーるほどな、今日のパーティーっていうわけか......」
そのあと、士道は社長からもらったパーティー会場の見取り図を刃野に見せる
「頻発する空間震の被害を避けるために地下で行われるらしい」
「暴れるには持ってこいの場所っつうわけか......分かった、それなりの警備は増やしておく」
刃野は肩たたき棒を肩に叩きつつ、ケラケラと笑いながら署の奥へと姿を消していった
---------------------------
Area 高級レストラン
高級レストランでタダ飯を食べるというのはいささかお得である
正直、これらを保存パックに詰めて当分のおかずにでもしたいところだが......今日は仕事として来ているので自重しておく
「社長、真里奈様が到着しました」
おっと、仕事の時間だ 俺は、社長夫人にばれないようにレストランの壁に隠れ、証拠写真を撮るために、自立カメラを用意する。ガジェットメモリ。それらはフィリップや鳴海荘吉が残してくれた便利機械である。自立で写真を撮ってくれたり他のガジェットはワイヤーみたいに崖に捕まったりできる。クワガタ型の仕事用電話、スタッグフォンもその一つであり、自立で相手を攻撃したり相手に連絡できたりと様々である
Bat
疑似メモリを差すとカメラはコウモリの翼をはやして上に飛翔する
そして、社長は予定通りパーティーの進行をさせる......まだ彼女には動きがない
「......あった、コネクターだ」
首筋には黒い接続部分が見え隠れしている それは、ガイアメモリを使うために施された手術の証であり、そこからガイアメモリを差し込み、ドーパントになるのだ
「真里奈、どうだね?君のためのパーティーは」
「ええ、とっても楽しいわ」
社長婦人は未だに正体が暴かれない
俺は、そのまま壁に張り付き、物事を最後まで見ようと試みる
後ろから指先がコツコツと俺の背中をつつく感触が渡る
「貴方、ここでなにやってるんですか?」
「!?」
後ろを振り向くと、綺麗なドレスを着た、美しい青......いいや、どちらかというと少し薄い紫の髪を長くなびかせ、プロポーションが絶妙な女性、恐らく俺と同い年か、1、2年年上の人......確か、CMで見たことある顔だが
「宵待 月乃......?」
「正解です!」
一時的に観察をバットメモリに任せるとして俺に反応した月乃は笑みを浮かべながら興味深く俺のことを見つめる。黄色を中心とした豪華なドレスを着ているため相当なお嬢様なのだろう。自分の来ているようなカジュアルなものは珍しいのか
「どうして宵待さんがここに......?」
彼女は、アイドルなわけであってこういう場所には来ないはずだ。彼女は人差し指を顎にあててうーんと考える。恐らく食べ物が目当てでたまたまふらりとよっただけなのだろう
「お父さんが社長さんですからぁ......貴方は?」
「なるほどな......俺は、こういうものだ」
俺は、自分の仕事服の中にあった名刺をとりだし、月乃に差し出す
「へぇ~鳴海探偵事務所......まあ、貴方、探偵さんですのね?」
「ああ、そこにいる社長のボディガードをしている」
月乃は驚いた顔をしていたが、後ろからマネージャーらしき人が現れる
その男はスーツをこなした普通の仕事人のような恰好である。
流石、アイドルのマネージャーだ
「月乃ちゃーん!!次は、ラジオ収録だよ!早く行かないと!」
俺は、一瞬見間違えかと思っていた。
マネージャーらしき人の白い手袋の下に婦人と同じ、コネクターらしきものが
うっすらと見えていた気がしたのだ
「あら、ごめんなさい、私も探偵さんともっとお話したかったんですけどぉ......」
すると、月乃の服からブロマイドカードを取りだし、ペンを使ってサイン入りの
カードをさらさらと俺に渡した後に、サービスの満面の笑顔を俺にくれた
「これは、お仕事の邪魔をしたお詫びです.....また会いましょう?探偵さん」
このときの会合が、彼女、宵待 月乃の運命を決めるものだったとは当時の俺は、
思ってすらいなかった
--------------------------------------------------------------
2時間後......
「まだなのかよ......」
騒がしく話している夫妻......しかし、真里奈の動きがない......ただ、やけに真里奈は夫に酒を注いでいる
社長はすでに出来上がっているのかフラフラしている
「貴方、今日は貴方にとっておきのプレゼントがあるの......」
「なんだい?君のプレゼントならなんでも受けとるよ?」
「受け取って......「死」という名のプレゼントをね!!」
すると、婦人はガイアメモリを取りだし、コネクターに差し込む
T-REX
コネクターを差した夫人は姿をみるみると変えていき恐竜の顎のような怪物、
Tレックスドーパントに変身すると、頭の部分だけ、ティラノサウルスの顔になり、残りの体は何かしらの引力を使い、周りの食器やテーブルで構成していく
「た、助けてくれ!!」
化け物がパーティー会場に出てきたことにより、会場の人々は、大騒ぎで
外に出ようとするが......
ウーーーーーゥゥゥ……
「!?ここで空間震かよ!?」
士道は、面倒な顔をするがジョーカーのメモリをとりだす
空間震警報により、地下エリア内から外への通路が完全に閉ざされてしまっている
地下シェルターは仮にダイナマイト一本の爆破を耐えるほど硬く作られている
まさに客人にとってみれば袋のネズミ状態である。
「フィリップ!不味いことになった!すぐに変身するぞ!」
士道はダブルドライバーにつけられている相互通信機能をつかって
フィリップと会話することができるのだ。ドライバーを付けた士道は
ジョーカーメモリを鳴らした
Joker
------------------------------------------
空間震警報によりフィリップと琴里は地下シェルターの代わりとなっている
ガレージの中に避難していた
「ピザ、空間震の前に届いてよかったね~アチチ」
フィリップと琴里はチュッパチャップスを食べていたため、お腹が空いた時間
が少し遅くなっていた
(困ったわね......これだとフラクシナスに行けないわ)
琴里がピザを食べながら心の中で考え事をしているのをフィリップが気になった
「どうかしたのかい?」
「あっ......いやあ、なんでもないよ?」
(仕方ない。今回は神無月に任せるか......)
すると、フィリップの腰からダブルドライバーが現れる。そして先ほどの士道の声がフィリップの脳内のほうに響き渡るとフィリップは立ち上がった
「!?.......何考えているの!?空間震警報が出てるのよ!?」
ダブルドライバーが出てきたということは、士道が変身を必要としている事態
なのは琴里にも分かった
しかし、空間震警報があるのにパーティー以前の問題なのではと考える
「いや確か、パーティー会場は、地下だと聞いている…現在、地下と地上は警報によりシェルターで隔離されている......つまり、レストランに大型ドーパントが出たことは......大勢が危険になる」
「!?早く、変身してあげて!!」
地下という言葉を聞いて、状況が理解できた琴里を横にフィリップはサイクロンメモリを握りしめ、ガイアウィスパ―を鳴らす
Cyclone
「変身」
そう言ったフィリップは、いきなり糸が切れるように倒れこむのを琴里が支える
そして、フィリップをそのままソファに寝かせた後、琴里はリボンを白から黒に縛り直し、とある所へ連絡する
「遅くなってごめんなさい......えぇ......私は部外者の知り合いが近くいるから動けないの......指揮はそっちでお願い」
口調が変化しつつも、そう言った琴里は携帯をしまって独り言を呟いた
「士道をこのときにピックアップしたら、レストランの客が危ない......
くっ......今回は見送りね」
------------------------------------
「「変身!」」
Cyclone Joker
Wに変身した後に、Wはまさに食べられそうになる社長を抱え、その場から離れる
「大丈夫ですか!?」
社長は、少し咳をしているが、命に別状はないらしい。社長はその姿を見て
前に士道がいっていたボディーガードだと勘違いすると少しせき込みながら
話した。あまり酔いが覚めていないようだ
「君がボティガード君か......お願いだ......彼女.....
真里奈を助けてくれ......!」
「分かりました......危ないので逃げてください」
「社長!こちらです!!」
社長のボディガードらしき人がWの後を引き継ぎ、社長の肩を持ち、
この場から逃げ出す。しかし、ドーパントは、その光景に怒りが止まらない
「あと少しで......殺せたはずなのに!」
「伊野部真里奈!なんで男性責任者や社長を手にかける!?
今からでも遅くない、メモリを捨てろ!!」
「私は……あの人の「息子ひいき」に理不尽を感じたのよ!」
ドーパントの念話によるものか、直接Wに声が響き渡る
「あの人は私や私の「娘」には何もしてくれない癖に、息子には後継者だからって息子ばっかりベタベタして「私たち」には何もしてくれなかった!!」
ドーパントは、巨大な足でWを踏みつけようとしたが、Wは軽々とよける
大きな体であったせいなのか、それとも本人の戦闘経験がなかったのか案外
簡単によけることができた
「だから、私は男どもに復讐をするために悪魔のメモリを買った!!」
[士道、話すだけ無駄だ、一刻も早く彼女を止めよう]
Wは、説得は案の定、無理だと確信したため、サイクロンメモリを抜くと、
ヒートメモリを差し込む
Heat Joker
「「さあ……お前の罪を数えろ!!」」
ボディが緑、黒の半分から赤、黒に変身すると
先に攻撃したのは、Wだ ドーパントは尻尾をWに叩きつけようと振り上げるところを逆に尻尾をつかみ、ドーパントをハンマー投げの勢いで投げる
「グルアアアアア!!」
たたきつけられたTレックスは体の一部が衝突と共に瓦礫が削られていく
それでも、崩れた体を再構成させ突進してくるのをジョーカーの腕力とヒートの炎で少しずつダメージを与えていく
ドーパントは、そのカウンターとして、口から衝撃波を繰り出す
「うああああ!?」
Wは、雄叫びという名前の衝撃波を浴びせられ、壁に当たり、
そこからクレーターができる
[士道!トリガーだ!直接頭を狙うんだ!!]
Wは、ジョーカーのメモリを引き抜くと、トリガーメモリを差し込む
すると、黒側の体が青色の体に変貌し銃、トリガーマグナムを持ち出す
Heat Trigger
Wになってから狙撃技術が上手くなったのは他でもない、トリガーメモリのお陰だ
次々と、炎の弾丸を打ち込んでいる 結構効いているようだ
しかし、メモリの強力な力が不安定である組み合わせゆえ、ヒートトリガーの火力の反動がこたえる
「ぐああああ!」
さらにうち続け、ドーパントが辛そうな表情をしている 効果的のようだ
撃ち続けた挙句、Tレックスの体はボロボロになり再生に追い付かない
スピードになっていった
「メモリブレイクするぞ」
(ああ!)
Wはトリガーメモリを外し、トリガーマグナムという銃のスロットにトリガーメモリをさすと、チャージが瞬時に完了し、銃口のエネルギーが大きくなり発射カウントダウンのように音がどんどん高い音になっていく
Trigger MAXIMUM DRIVE
「「トリガー・エクスプロージョン!!」」
トリガーの力のエネルギーがトリガーマグナムに増幅して、赤い炎の光弾が複数射出され、ドーパントを高熱の炎で燃やし尽くした
「ば、ばかな......うあああああ!!」
熱に弱い爬虫類の恐竜には効果抜群らしく、体についた金属もろとも爆発させる
ドォォォン!
爆発の煙が晴れたとき、そこには変身を解除した真里奈と壊れたメモリが
となりにあった
「......ふぅ」
[お疲れ、士道]
変身を解除すると、フィリップの声が聞こえなくなる......
しかし、士道には気絶した彼女以外の気配を少し感じた
辺りを見回してみるが、誰もいなかった
「気のせいか......」
----------------------------------------------------
士道が会場から離れたとき、地面からオレンジのドレスを着たオッドアイの少女が
ガイアメモリの残骸を拾い上げると文字通り、食べた。といってもボリボリ噛むこと
はなく口に入れるとぽっかりと黒い穴が口の中で空き残骸は吸い込まれたのだ
「ん......やっぱり、サプリメントを飲んでいるようで気に入りませんわね」
「そう言うな......士道達が止めたメモリだ」
そこには、白い帽子を被った骸骨男がダブルドライバーににたドライバーをつけて立っていたただし、そのドライバーは片方しかスロットが存在しなかった
「やはり、何年も見ていてもお前の考えは分からない......」
「貴方こそ、わたくしがわざわざ12の弾で逃がしてあげたのに......
どうして、わたくしの邪魔を......」
ふっと、骸骨男は自分の帽子を被り直すとそのままこの場から去り際に呟く
「俺は、お前さんのお陰で、すでに社会では死んだ身だ......
俺が何をやろうとお前に文句言われる筋合いはない......」
「......お堅い叔父さんですわね......キヒヒヒ」
ガイアメモリの残骸を吸収した彼女の目の中にある時計が逆時計回りに進行していくと笑みを浮かべる
「今暫しは、傍観者とさせて頂きますわ。士道さん......
フィリップさん......「死なない」でくださいまし」
-----------------------------------------
その後、社長婦人は現行犯逮捕され、警察に、そして俺も事情聴取として2時ぐらいまで残され、しかもその後に社長との面会で俺、明日、学校なんすけど......
婦人の本音を社長に伝えたら、社長は、これからは息子だけでなく、娘や妻、平等に愛していくとはいっていた
一度は、捨てられた自分より輝かしい将来を息子や娘とやらに送ってもらいたいものだ
あの後、パーティー会場は空間震ついでに修復される予定だが、地下が必ずしも安全ではないということは今回の件で浮上し、テレビではその問題点が空間震の件と等しく翌朝のニュースで明らかになった
余談だが......
「士道......そろそろ金庫にお金が入らないよ?」
こんな夜中なのにフィリップは未だにチュッパチャップスを舐めている
だが、金庫を見ていると中にある金庫は今回の報酬金で、満杯で入る余地すらない
「推定残高3000万......高校生が持ってはいけない金額だね」
「はぁ......まあ、ガレージに置いているし、鍵も何重にロックされているから盗られたり空間震でなくなることもないが......クレジットカードが欲しいな」
今回の件の報告書を即効で書き終えた俺は、そのまま糸が切れたように
ガレージでバタリと倒れる。フィリップは気をきかせて毛布を被せてくれる
「もう、ここで寝るわ」
「明日は始業式なんでしょ?いいの?家に帰んなくて.......」
「琴里がおこしにくるから帰りたくないの!あいつは、まともなおこしかたしねーし」
俺は、仕事服のまま、頭に帽子を被せ、椅子に座り込み、寝る準備に入る
フィリップは、チュッパチャプスの研究で徹夜するらしい
......まあ、こういう好奇心が積み重なり徹夜が何日も重なった時もあるから、たかだか1日でへばりはしない......それに、Wになっても動くのは俺だし
「分かったよ......琴里ちゃんにはそう伝えとく、お休み、士道」
フィリップがそう呟いた瞬間に、俺は夢の中へと飛び込んだのだった......
しかし、その翌日は今日以上にいろいろと疲れる日だということは俺もフィリップ
も今は知らないのだった
いろいろ、フラグを突っ込みました、今回
いろいろ、感想にはありましたが、狂三さんは悪役ポジではありません
原作に似た中立ポジです
あと、美九さんはまだスキャンダル暴動は起きていない、つまり、精霊にはなってないです……時間軸が微妙なとこですが、許してください