皆さんは、台風は大丈夫でしょうか?最大規模とか聞きましたけど……
Area ホビーショップ
「あっ、なのは!よかったぁ……心配したんだよ?そちらの人は……?」
俺が中に入ると大層種類豊富な玩具の数々が出迎えてくれた。
そこに、なのはに話しかけてきたのは金髪の少女だった
「こちらは、士道さん。私をここまで送ってくれたの!で、士道さん、こちらがフェイトちゃん」
「フェイト・テスタロッサです。よろしくお願いします」
なるほど、親しく話すということは幼馴染みなのだろうか……金髪の少女は恥ずかしがって少し顔を下に向けていた
「こちらこそ、よろしくな?」
俺は、フェイトに軽く挨拶をした後、辺りを見回すと、見覚えのあるサンタクロースの格好をした男性……サンタちゃんがいた
「あっ!シンちゃん!奇遇だね〜」
サンタちゃんは子供達に囲まれているところに俺に向かって手を振ってきた
「サンタさんと友達なんですか?」
先ほどなのはを心配してくれた金髪の少女がサンタちゃんとの関係を聞いてくる……まあ、サンタちゃんはあまり知ってる人がいないからな………
「まあ、仕事仲間さ……どうしてここに?」
「シンちゃん、ここの店長がべっぴんさんでねー……しかも待遇が凄くいいから最近お世話になってるのよ」
なるほど……すると、店の奥から店長らしき緑色の髪の女性が奥からやってくる
……確かに美しいとは思うが、何回も絶世の美女とアイドルを飽きるほど見ていると何故か普通に思えてしまった……不味い、感覚が麻痺している
「なのはちゃん!良かったぁ……家に電話するところだったわ」
「リンディさん……すみません……」
「ささ、なのはちゃん、上で皆が待っているからフェイトちゃんと行ってきなさい」
「はーい!士道さん!送ってくれてありがとうございました!」
そういったなのはは、上のエレベーターに乗るために金髪の少女と共に走っていったのだった
そして、二人を見送った店長のほうは、俺を見た……まあ、不審者が小学生を送ってきたのは疑われるだろう。俺は再び帽子を被り直すと店長に名刺を渡した
「っと、俺はこういうものです……」
名刺を見た店長が驚いた顔をしていた……現在有名な売れている有名な探偵だからなのだろうか
「もしかして、なのはちゃんの身に何かあったんですか?」
「はい、詳しくは奥で話をしませんか?」
「分かりました……じゃあ、サンタちゃん、店番よろしくね?」
「はいはーい」
するとサンタちゃんは再び子供達に囲まれていったのを目にした後、奥のほうへと向かっていった
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俺はある程度、今までのこと……つまり、失踪事件やなのはが襲撃されたことを店長……リンディ・ハラオウンに話した
「なるほど……そういうことが……」
「ですから、俺は後日、なのはちゃんの自宅へと向かう予定ですが、なるべくなのはちゃんや関係する友達には集団で帰るように呼び掛けてもらえませんか?
犯人は見つけたものの、その誘拐の法則性はまだ掴めていませんから」
「分かりました……なのはちゃんの自宅のほうにはこちらから連絡させてもらいますね?」
「そうしてくれると助かります」
俺は、バイトの女性……(確か、リニスとよんでいた気がするが……)の淹れたコーヒーを飲み干す
ほどよい苦味と香りが口のなかに漂う……美味しいとは感じていた
しかし、目の前のリンディさんはコーヒーの中に角砂糖を飽和しきるぐらいに入れていたのを見るが、見なかったことにしよう
「では、コーヒーご馳走さまでした」
「今度は仕事じゃなくて、遊びに来てくださいね?」
「ははは……考えておきますね」
俺は、少し苦笑しながら店長さんに挨拶をするとそのままホビーショップのほうを去った……そういえば、ここの商品のアーケードバーチャルシミュレータ……確か上の階層に設置されていたと聞く
ゲームはあまりやらないほうだが、十香達が興味を示すかもしれない
事件解決後に、予習がてら訪れてみるのも悪くないかもしれない
まあ、ブレイブデュエル自体は少しだけやったことがあるからな………あまり見るもんはないのだが
「……くしゅん!」
……本格的に寒気を感じ始めた……早く家に帰らなければ……
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Area 五河家
「ただいまー……ん?珍しいな、琴里が帰ってきている」
琴里は、十香の検査、ならびに美九の検査でずっとフラクシナスに籠っていたことは知ってはいるが、やっと一段落ついたのだろう
……先ほどの戦いで汗や雨水でびしょ濡れで湯冷め状態の俺は早く風呂に入りたかったのだ
風邪をひいてしまえば、ドーパントが街に現れたときに対処できないからだ
とりあえず、ジャケットをハンガーにかけてワイシャツとズボンで脱衣場に向かう……
リビングにはテレビの音が聞こえる……恐らく、琴里は脱衣場に入っていないはずだ
俺は、そのまま脱衣場のドアをバコンと開けたが、本日二度目の失敗だった(ちなみに一度目はフラクシナスの時だ)
「!?」
そこには、かの伝説的アイドル美九と殆ど劣らず、しかも美九がかつて……いや、今でも時々「嫁」呼ばわりするほどの絶世の美少女……十香の……オブラートに包むと、生まれたままの姿でいたからだ
……十香はてっきりフラクシナスに帰ったものだと考えてはいたのだが……なるほど、だから琴里が家にいるわけだ
そのような現実逃避を脳内で繰り広げられ、フリーズしたところに、十香が俺のことを気付き、ビクッとしてこちらに向いてくる
「な……し、シドー!?」
「!と、と十香!?あ、あ、これはその……」
「い、いいから出ていけっ!」
「ぐはぁ!」
右ストレートをまともに食らった俺は、廊下のほうにバタリと転がってしまった
幸い、鳩尾に当たらないように急所を避けたつもりだが、それを差し引いても痛かった
……本日二回目、しかも違う二人の絶世の美少女の裸を見てしまったのだ……そのようなあり得ない光景を他の男子……殿町とかが見たら発狂して撲殺しに来るだろう
……二人はスタイルが良すぎなのである……綺麗な顔立ち、スラッとした腹回りにバランスのよい腰つきに極めつけはあの二つの巨大なメロンだ
……先ほどの光景と、美九の胸の感触や光景といったものが逆流してきそうなのを何とか理性で繋ぎ止める
すると、脱衣場の扉が開いて顔を赤くした十香が顔を覗かせてきた
「美九だけでなく、私のも見ようとするとは……意外とシドーも……」
「ちげぇ!あれは美九が勝手に入って……ってなんでお前が知ってるんだよ!?」
「……ガレージで美九が自慢気に話してきた」
「美九の野郎……!覚えてろよ……!」
多分、自宅で先ほどのことを妄想しているであろい美九に仕返しをしようと考えていた
俺はもう一度、十香のほうに集中すると十香が人差し指をツンツンと合わせながら下から目線で口を不機嫌な感じにして見つめてくる
襟から鎖骨が微妙に見えていてしかも、ブラジャーまでもチラチラと見える
「シドー、美九ばっかりズルいのだ……
確かに、フィリップの言う通り……私のような感じになりかけていた美九を救うためだったのはとても良く分かるのだが……
美九が私に自慢気に話してくると………なんと言うか……嫌な気持ちになるのだ」
なるほど……焼きもちを焼いてしまっていたのか……確かに、美九にばかりこの頃振り回されてしまった自分がいた……浮気同然の行為なのは承知だった俺は、そのまま少しだけ髪が濡れていた十香の頭をそっと撫でると伝えた
「安心しな、例え美九のようなやつが増えたとしても、決してお前を見捨てたり、嫌いになるわけじゃねぇ。
……お前のような不幸なやつを救うためだ。
それに……お前が俺を求めるなら例え世界の果てからでも助けに来てやる」
俺の真面目でいて優しい感情が十香にも伝わったのか、そのまま黙りこんでしまう……やはり、恋人を増やし続けることはハードボイルドの柄ではないな……だが
「本当なのだな?本当に私が求めたら来てくれるのだな?」
「ああ……例え相棒がお前を否定しても俺だけは離れないでいるからな?」
この少女達の涙を拭えるのなら、プライドは溝に捨てても構わないだろう
そのようなことを聞いた十香は、パアッと明るい顔へと変化した……焼きもちはある程度晴れただろうか
「本当だな!約束だぞ!」
いつもの笑顔に戻った十香は晴れた気持ちでリビングへと向かっていった
……彼女は、いつ生まれたか分からないが、今まで誰も信じずに生きてきた
そこから、初めて俺という信頼できる人間に出会った
……つまり、社会的にはまだ幼い子供のようなやつだ。
俺は彼女のある意味「親鳥」みたいなものなのだろう……子供の鳥は最初に見た動いたものを信じ、親だと考えるらしい。十香も俺を信じることで「親子」……いや、「恋人」のような、それ相応の信頼関係があることを身にもって感じた
「へっくし……早く風呂に入ろう……」
そのまま、俺は脱衣場へと向かっていったのだった------------------------------
Area 時崎家
霧彦は、迷っていた
いくら家族の進化の反映と言えど、か弱い少女の精霊を実験台にさせたくはなかったのだ
そもそも霧彦は、昔、捨てられていたのを養子として拾われた人物なのである。
冴子から聞いたのだが、自分の義父は「あれ以来」何処か壊れてしまったような感じになったらしく、その影響が自分の姉や妹に伝わり、最終的には、人殺しの悪魔の精霊すら作り上げたほどの「狂気」があったらしい
霧彦は数十分前の出来事をシャワーを浴びながら思い出していた
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「……雪の精霊の捕獲……ですか?」
夜、琉兵衛と霧彦は大広間のテーブルで食後のティータイムを楽しんでいた
鞠奈と冴子は仕事があるらしく、夕食後にすぐに部屋へと向かってしまったため、今は二人しかいない
ちなみに、ミックはそのまま気持ち良さそうに寝ている
「そう……アイク君の頼みでね、アイク君と現在、秘密裏に共同制作している無人CRユニットバンタースナッチにガイアメモリのギミックを付けた最新兵器を作ろうとしているんだが……」
琉兵衛はティーカップを置くと、パソコンを鞄から取りだし、3Dのリアライザの再生装置を取り出す
すると、そこには巨大CRユニット、ヴァンパイアとW、そして最近現れた精霊……「ディーバ」の戦闘場面だった
「あのCRユニットは、実をいうとそのガイアメモリと繋がったCRユニット……さしずめ、CRドーパントの試作型なのだよ」
「……」
「だが、近い将来、我々の目的に近づくためにもドーパントと匹敵する精霊を排除しなければならない」
琉兵衛は、そのまま戦闘データを閉じると今度は世界地図を広げた
そこには、細かい点の数々が映し出され、琉兵衛は、日本のところを拡大した
「実のところ、空間震……つまり、精霊の出現頻度は天宮に集中しつつある……
その影響で、ほとんどの施設が被害にあった場合はすぐに自衛隊が修復に来る
が……生憎、ガイアメモリの工場はばらすことはできないのでね、復興するのに費用がかかる。かといいつつ、工場が空間震で駄目になった箇所も少なくはないのだよ」
やはり、ミュージアムも精霊の被害が結構あるようで、目的への一歩だった「ガイアタワー」も空間震で駄目になったと記憶している
「……そこでだ……最近、顕現されている雪の精霊……都市伝説として語られている「幼き雪女」、「みぞれ女」と呼ばれている少女……確か、アイク君は「ハーミット」と言っていたかな?精霊の中でも最も戦闘能力が低いとされている。
霊力を測定するのには一番適した存在だと言える。
現在、冴子が部下を引き連れて捕獲しようとしているらしいが……難航しているらしくてね……霧彦も協力してもらいたい」
「……分かりました」
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あの後、このことを冴子に聞いたところ、苦虫を噛み砕くような顔をしていた
恐らく、まだ捕まっていないだろう。
画像データも機密にしているらしい。ミュージアムの素晴らしい工作員なら可能なのだろうが、それだとDEMに敵対してしまうだろう
ただ、霧彦が今までデータとして見てきた3人の精霊……狂三姉さんを除いた二人は明らかに高校生……
まだ未来に対して可能性がある未成年を捕獲して、ガイアメモリ関連の実験台にするというのは、霧彦でも許しがたいものがあった
捕まえてもハズレだったとしてもそのまま帰すわけにはいかないだろう……恐らく、最終的にはガイアメモリの実験台か、暗殺かのどちらかだろう
「僕は、間違っているんだろうか……雪絵…………七罪……」
霧彦は5年前の高校生三年生の時、火災で散り散りになって行方不明になってしまった妹、雪絵といつも家に遊びに来ていた子供(実際彼女は何処に住んでいたのか分からなかったのだが)のことを思い出す
現在の時崎家に拾われたのはその時だったのだ
シャワーから上がってバスローブを着た霧彦は頭をふきながら、額縁にはられた一枚の写真をみる……そこには霧彦と二人の少女が映された端が少し焦げている写真だった
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Area 五河家
「おい、琴里!なんで家に十香がいるんだよ!」
「おー、お兄ちゃん。おかえりー」
風呂に入り直し、ある程度良くなった俺は琴里に対して抗議をする
琴里は珍しく、白いリボンを付けているため無邪気な性格だ
「そもそも、十香は令音さんと一緒に居たよな!?」
「んー、それなら……」
琴里が指を指すとまた固まってしまった
「……ああ、邪魔しているよ」
なんていいながら、母親のパジャマを着た眠そうに令音がコーヒーに大量の角砂糖を入れていた
……コーヒーに飽和するほど角砂糖を入れるのが最近ブームなのだろうか……
それを一旦放置するとして、俺は再び琴里のほうに睨みつける
「今日からしばらくの間、十香がうちに住むことになったのだ!」
えっへんと胸を反らすように無邪気な笑顔を作る
「だから、どうしてそうなったんだよ……」
すると、令音がコーヒー……否、コーヒーと見せかけた砂糖水を飲みながら説明する
「……理由は大きく分けて二つある……一つは、十香のアフターケアさ」
確か、十香と俺、そしてフェアリーメモリの間に経路があるらしく、十香の精神が不安定になると逆流するとのことだ
「現在、十香は今、フラクシナス隔離エリアで生活しているのだが……どうも、フラクシナスにいるとストレスの蓄積が多いようだ」
……確かに、俺も一時期ざっと施設を回ったことがあるのだが、隔離エリアはテレビ以外のものは必要最低限のものしかなかった記憶がある
確かにあれではつまらないだろう
「……検査の結果も安定してきたし、そろそろフラクシナス外部に十香の住居を移そうとなってね、精霊用の特設住宅ができるまで、十香をこの家に住まわせることになったんだ」
「だから、どうしてそうなるんですか!他の家はないんですか!」
流石に俺も理由を何回も聞いているのに答えない彼女に対して苛立ちを覚える
「……簡単に言うと、だ。君といるときが一番十香の状態が安定するんだよ……まあ、逆にいうと例え私や琴里、フィリップですら信頼を得ているとは言い難い……だから、少しでも安全性が高い場所で十香がきちんと生活できるか試したいのさ」
そう易々と……しかも親に知られたら殺されそうなシチュエーションで許可を出すわけにはいかない
「……そうですか……で、二つ目の理由は?」
「これは、単純明快だ。シン、君の訓練のためさ」
俺は、美九のシチュエーションのことを思い出した
「まさか、風呂に入ってた時のあれって……」
「そうさ……まあ、美九には元々自宅があるから、訓練に参加させるのは十香の頻度ほどではないが」
「……しょうがねーな……なら事務所のほうに……」
事務所に遊びに来る程度なら分かるが、流石に年頃の男女が同じ家に住むのはどうかと考える
すると、琴里はいつの間にか黒いリボンを結んでいた
「無駄よ、士道、あんたがいなければ意味がないのよ?フィリップにはすでにこのことを知らせていて許可を得ているわ
士道、事務所の営業時間が終わり次第真っ直ぐ帰ること。
緊急事態以外に夜に事務所にいくことを禁ずるわ」
「あ!?冗談じゃねぇ!あんな生殺しのようなシチュエーションをされまくって理性を削らせてたまるか!」
「まあ、士道に間違いを起こす甲斐性があれば、私達も苦労しなかったでしょうに」
これ以上何を言っても何がなんでも自分のやりたいことを通すのは琴里の昔からの癖だ……諦めざる終えない
「……ちっ、わかったよ」
「分かればよろしい」
……とりあえず、十香を家から追い出す訳にはいかない……諦めた俺は、そのまま夕食を作るためにキッチンに向かう途中、大きなため息を吐いてしまったのだった
はい、いかがでしたでしょうか?
まあ、今回は繋ぎということで、よしのん編の第一の課題を予め解決しました
今回の事件はミュージアムが直接裏で絡んできます
設定が変更になった霧彦の補足ですが、孤児院出身で、バイトに明け暮れていたところに、大火災が起き、家が全焼
そして、妹と別れてしまった霧彦は途方にくれたところに拾われたという設定です
結婚はしていないのであしからず