少なくとも、後半は今年中に投稿できたらいいなーレベルで進めていきたいと思います
Area 書店 八神堂
「シドー、どうして本屋などにいくのだ?私達は雪男とやらを探すのではないのか?」
そうはいったものの、十香はキョロキョロと興味深く本棚の周りに目を向けている……いいや、間違いはない。
ここに情報屋……ウォッチャマン、サンタちゃん、クイーン、エリザベス……俺は通称天宮イレギュラーズと呼んでいるのだが……そのイレギュラーには最後の一人がここにいるのだ。
彼女……いんや、「彼女達」はある意味、他のイレギュラーよりも広い範囲でかつ、深い情報を確実にとってくれるのだが、その分、リーダーがいろいろズル賢い点があるので俺は、彼女のあだ名を「ラクーン」……つまり、狸と名付けた
「ラクーン!仕事を持ってきてやったぞ!」
「ああ、ちょいまちぃな……アインス!お客さんや!」
「分かりました、我が主……って、士道じゃない!……あれ、後ろの方は?」
すると、店の奥から銀髪ストレートの大人で、十香にも負けないほどのスタイルを持った女性が現れた
「ああ、こいつは十香、いわば助手だ。十香、挨拶」
「うむ!夜刃神十香だ!以後宜しく頼む!」
「宜しくお願いしますね、十香さん……えっと、士道?我が主が本棚の整理が済むまでお茶でもいかが?」
「ああ……でも、1時間後に別件がありますので……」
「その程度なら問題ないね……ささ、奥に」
俺と、十香はアインスに連れていかれて奥の客室へと向かっていった
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「……で、私になにか用かいな?」
「ああ、まずはこいつに目を通してくれないか?」
士道は、目の前の少女に、自分やフィリップが纏めた資料を渡す
ただ、目の前にいるのは、小学生にしか見えない、茶髪ショートの関西弁の少女だった。流石に、十香も疑問をもってしまった
「シドー、本当にこの娘は情報を持っているのか?」
十香は出されたショートケーキをペロリと食べてしまうと、士道に質問した
「ああ。だが、そんじょそこらのガキとは違う。少なくともお前よりは、頭はいい」
少し馬鹿にされた気がして十香本人は少しムッとしてしまう
「シドー!流石に私は小学生よりは頭はい……「十香、俺のショートケーキ食っていいぞ」わぁいなのだ♪」
十香に対して士道は、自分のショートケーキを差し出すと、十香は喜んでケーキを頬張る姿を見ると、少女……はやては、そのまま資料をテーブルの上に置いた
「成る程……雪男による誘拐事件やな……確か、ニュースでも有名になっとるやな……でも、どうして士道が事件を追ってるん?」
「……小学生時代の担任にな、生徒を助けてくれっていう依頼があったんだ……」
「なのはって子、うちにも来とるんやけどな、なんでやな……誘拐された子の名簿にも外見的特徴が見当たらんし……」
士道は、少し悩みつつもはやてに対して依頼を頼む
「……でだ、はやての情報網を使って雪男と誘拐場所を特定してもらいたいんだ……」
はやては、その言葉を聞くと腕をどこぞの司令官のようについて、士道を見つめる
「……高くつくで?」
「いくらでもやるから、早く正確にやってくれ」
「ほな分かった」
士道は、少し頭をかかえると、席を立ち、帽子とコートを着る
「む、シドー、また調査にいくのか?」
「ああ……だが、次の一件は一人で問題ないから、ここにいてくれないか?2時間ぐらいで帰ってくる」
十香は、調査の邪魔になると感じてしまったのだろうか、少し顔をしかめたが、はやてとアイコンタクトをとらせ、はやてが先にうってでた
「十香……といったか、うちの地下に面白いゲームがあるんやけど……やってかんか?」
「面白いゲイムだと!?むむむ……し、仕方ないな……シドー……に、2時間だけだぞ?」
面白いように引っ掛かったはやての誘惑に士道は、ほっとした。そう、次に訪れる場所は、十香をつれていくと本当に面倒になる場所なのだ
十香は、はやての案内についていくのを見送ると、とある場所に連絡をかけた
「折紙?ちょっと聞きたいことがあるから何処か出会わないか?」
[……構わない。むしろ面倒だから私の家に来てほしい]
「お前の家?確かにバイクで5分の場所だが……」
士道は不思議に感じた。折紙は、士道の頼みなら例え火の中であろうと駆けつけるのに今回は様子がおかしい
というか、なぜ自分の居場所がバレているのかすら疑問で仕方ないが、折紙だからと自分の中で言い聞かせた……
「わーったよ。来てやるから……変な真似すんなよ?」
[……善処する]
スマートフォンを切ると、士道は、折紙の家に向かうべく、外に駐車してあったハードボイルダーを発進させた
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Area 折紙の住むアパート
……士道は正直彼女の家にいきたくはなかった。
以前、おやっさんの頼みで二年前に彼女の家に来ていたのだが、かなり際どい服を着て、媚薬を飲ませようとしていたからだ
しかし、ASTである彼女は少なからずとも、雪男か、狩人がよしのんをさらったのを知っているはずだ
雪男が、あのデパートからどちらの方角に向かっていったのか……その情報だけでも有力なものなのだ
ゆえに、士道は、勇気を振り絞ってドアのインターホンを鳴らした
すると、待っていたのだろうか、折紙はすぐさまドアを開ける……しかし、その姿に思わず士道は吹いてしまった
「てめっ!なんなんだよその格好!」
……恐らく、士道と殿町の会話を盗んでいたのか、白衣が目立つ、ナース服を着ていたのである。
しかも、その服はどこから仕入れたのか、ちゃんとした公共病院のナース服であった。ただ、改造をしているのだろうか、スカートがかなり短めで、太ももをちらつかせていたりしていた。
「なに?」
「ああ……お前はそういうやつだった……諦める」
士道は、そのまま靴を脱ぎ、部屋の奥へと入っていった
案の定、部屋には媚薬効果のある特徴的なお香が部屋の中を充満させていた
二年前とはあまり変わっていないらしく、士道はテーブルの前に座る……
すると、折紙は
「待っていて」
というと、そのままキッチンへと向かった
すると、折紙はコーヒーカップと砂糖とミルクをのせてもってきたのだ
士道は、自分のコーヒーの臭いを嗅ぐとなんともいえない栄養ドリンクの臭いがした。
コーヒーの黒さで薬をごまかそうとしていたようだが、どこかしらのハイポ並みの臭いがする
「いや……すぐに出るからいい」
「どうぞ」
「……いい」
「どうぞ」
「あのなぁ……二年前にも同じことやっただろうが」
「なんのことか分からない」
「いやいや、コーヒーの臭いぐらい普通に分かるに決まってんだろ!それに……毒とか薬物の臭いは殆ど知っている」
折紙は諦めたのだろうか、これ以上コーヒーは勧めてこなかった
「本題だ……お前、前の空間震で精霊を捕まえようとしたドーパントを見たか?」
コクリと折紙は首肯すると、士道はそのまま資料の写真を折紙に見せる。以前にバットで撮った雪男と狩人の写真だ
「……右のドーパントが精霊に対して何か赤い結晶をかざすと、霊力が急激に減少していた」
「……狩人か……何?霊力値の減少……?」
恐らく、捕獲用装置でよしのんと四糸乃を無理やり分離したのだろうか……恐らくフラクシナスでも同じような反応が起きていただろうと察する
「……こっちも霊力の減少を促したドーパントを利用できないかと衛星でスキャンしていた。しかし、見つからなかった」
……士道は不味いと考えた。もし、AST側が捕獲装置をドーパントから奪われてしまえば、封印が相当困難になると判断したからである
「……衛星に反応がない?待てよ……それは、国レベルの衛星じゃないのかよ?」
折紙は、コクリと頷いた
士道は少し頭をかかえてしまった……もし、それが本当なら調査するのに大変骨が折れる作業になるからである……
「ジャミングの類いか……面倒だな……衛星の詳細データをなんとか貰えないか?」
折紙はほんの少しだが眉をひそめた。流石に好きな人の頼みでも無理なところがあるのだろう
「……」
「なら、交換条件だ……もし、詳細データを貰ってきたら……」
士道は、とあるファイルを取り出した……そのファイルは、古くなっているか、角がボロボロになっている報告書ファイルだった
「……!それは、おじさんの事件ファイル!」
士道は、そのページをペラペラとめくり、あるページを見せる……そこには、五年前の日付と、フランス語で、
「天宮大火災」
と走り書きで書いてあるページのタイトルを見る
「っ……!」
そう。士道は、おやっさんの五年前の事件ファイルを書斎の目立たない箇所に隠してあったのをついに見つけていたのである
「フランス語だが……読めるんだろ?」
折紙は、事件ファイルを受けとると、士道はそのままテーブルから立ち上がる
「……なぜ?なぜ、士道はそこまでおじさんの殺害者の同類を助けようとするの?」
……士道は、折紙が被っているナース帽をがっと持ってテーブルの上におく
「何度も言わせんな……お前は、人が大切な人を殺したから人類そのものを恨むのか?」
「っ……」
「……それに……お前が見たのは本当に「イフリート」なのか?……外見を見たことあんのかよ?
勝手に証拠もなく決めつけやがって……紛いなりにお前は探偵の娘なんだ
少しは冷静に考えてくれ」
確かに士道は、当時の記憶が何故か抜け落ちている。ゆえにイフリートがどのような姿をしているのかどうかは知らないが、
少なくとも、フェアリーメモリを見た限り、巨大な角と赤い服を着ているのは安易に考えられる
「……」
折紙本人も、記憶が散漫していて正確な姿を思い浮かべることができなかったため、反論はしなかった
「……俺もその資料を読んだが……おやっさんは、イフリートらしき、赤い浮遊生物に遭遇したとは「書いていなかった」どういうことか分かるか?」
「……」
士道は、折紙の頭をぐしゃぐしゃに撫でると玄関へと足を運んだ
「……詳細データは後でパソコンに送る。
確かに貴方の言う通り……もう少し、物事を冷静に見ることが必要かもしれない。
……でも、それは士道にも言えること」
士道は、ふっと鼻で笑い、帽子を被り、去り際にこのようなことを折紙に言った
「バカ言うな。おやっさんの言葉にな、男の仕事の8割は決断……あとはおまけなようなもんだ。っていうんがあるんだよ。頭の構造をお前と一緒にすんな
………自衛隊に入ろうがお前は、可愛い女性であることを忘れんなよ」
そういった士道は、折紙の家を出ていった
折紙は、珍しい士道の「可愛い」という言葉に少し動揺しつつ、少し微笑したが、心から笑っていないと気付き、すぐに止めてしまった
そのあと、服を着替え次第、すぐに和訳に取りかかったのはいうまでもない
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Area フラクシナス
ここは、ブリッジ。フラクシナスクルーには口外禁止(ラタトスク本部に対しても)という誓約で、フィリップの「地球の本棚」のことを琴里から説明させて貰っていた
「……検索を始めよう。
調べる対象は、犯人、もしくはよしのんの居場所。
最初のキーワードは……サドキエル」
フィリップが本を片手に持ちながらいつもの検索にはいる。隣には、艦長席に座っている琴里と隣で見守る美九がいた
一方、地球の本棚では、かなりの本棚が絞られてきたが、それでも10の本棚が並べられていた
フィリップがうなるところ、琴里が追加のキーワードを述べる
「フィリップ、次のキーワードは、通信妨害……士道のメール曰く、ASTの通信衛星に察知されなかったらしいわ……」
フィリップが、キーワードを追加していくと本棚は特定していたが、それでも本棚に沢山の本が詰め込まれていた
「次は……雪男」
雪男のキーワードを埋め込むと、なんと、本が全てなくなってしまった。つまり、検索件数がゼロ……雪男は関係ないということになる
「……雪男はキーワードに関係ないようだ……」
「なんですって……?」
フィリップは、もう一人の弓矢使いを調べたり、拐われた子供たちの出身校のキーワードを打とうとするが、それでも絞り込めなかった
「どうやら、何かが足りないようだ……」
「あのぉ……提案なんですけど」
美九が隣で手を上げながら発言する
「本棚の本をある程度検索した後に、しらみ潰しに片っ端から読んでいくことはできないんですか?」
「確かにね……フィリップ、可能なの?」
琴里もそれに対して疑問を感じたらしく、フィリップに質問をするが、首をふる
「……いや、出来なくはないけど、殆どの本は誤った情報だ。一つの本でさえ膨大な情報量だから、片っ端からというのはかなり時間かかると思うよ?
それに、検索キーワードをどこかで間違えて、全部フェイクになるかも知れない」
そのことを聞いた琴里と美九は、そのまま唸ってしまう……今回は時間がないのは明白である。しらみ潰しよりは士道のほうを待ったほうがいいだろう
「……通信衛星に引っ掛からない場所とか特定できないかしら……?神無月!今すぐ、通信衛星に引っ掛からない場所を検索しなさい!」
「了解しました」
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Area 鳴海探偵事務所
夜、俺はフィリップと溜まっていた事務仕事をしていた。
今回は、家に帰宅しなくていいと言われた。
というのも、肝心の十香がブレイブデュエルというゲームにはまってしまったらしく、
1日八神家に泊まらないか?とはやてに言われ、十香はフラクシナスの許可を得て、泊まらせてもらうことになったらしい。今夜はブレイブデュエル三昧になるだろうと思われる
……まあ、明日は学校は土曜休みだろうし、ラクーンの家族は精霊並みの変わり者ばかりだから、十香にもいい経験になるだろうし、
俺が毎回十香の側には居てやれないから、フラクシナス以外の預かり先が増えるため助かると思った
プルルルルル……
仕事用のスタッグフォンが鳴る
俺は直ぐ様に電話にでる
「もしもし、こちら鳴海探偵事務所です」
[もしもし、士道くん。調査の許可が降りましたよ!]
声の主は、川口先生である。彼には小学校の調査の申請を任せていたのである
やはり、犯人を特定する意味でもあるが、なぜ他の学校ではなくて天宮第一小学校だけなのか……それが気になったのである
「本当ですか!?では、いきなりですが……翌日の朝にうかがってもいいですか?」
ちなみに、明日はこちらは休みなのだが、天宮第一小学校には、月に一回土曜日授業が存在する。それの日がたまたまこちらの月に一回の土曜日休みと被ったのである
[校長先生は、いつでも来ていいと言ってましたから、いつでも構いません。ただ、事情聴取は放課後にしてほしいとのことです]
「分かりました……では、10時にそちらに伺いますね」
[よろしくお願いします]
そのあと、俺は電話を切った。フィリップは、少し浮かない顔をしていた
「どうした?フィリップ」
「……いや……僕が思うには、誘拐犯は、ただ四糸乃ちゃんを狙っているわけではない気がするんだ……」
「やはりな……怪しい気はするよな……」
「……こちらも犯人特定には全力を尽くすが……少なくとも、第一小学校の関係者が犯人と絡んでいるはずだ……気を付けたほうがいい」
「ああ……分かった」
俺は、フィリップの忠告を軽く受け止めて、事務所のソファーの上に適当に毛布をかけて眠りについた