デート・ア・ライブ ダブル・ボイルダー   作:天音/IA

50 / 59
ここで、仮面ライダーディケイドって何?という人に軽く説明します
「いい心がけだ、感動的だな、だが無意味だ(^U^)」の人は
本編に行ってください。(wikiから編集したものです)

西暦2009年。光夏海は無数の仮面ライダーが「1人の標的=ディケイド」に総攻撃を仕掛けて全滅するという夢を繰り返し見てはうなされていた。現実に戻れば家業の「光写真館」に居候している青年・門矢士がきちんと写真を撮らないと客から苦情を受け、謝罪と士への説教をする毎日。

ある日、突如世界のあちこちで謎のオーロラと共に無数の怪人が現れ、人々を襲い始める。夏海と離れ離れになった士は謎の青年・紅渡と接触し、自分がディケイドと呼ばれる仮面ライダーであることを知らされる。自分が全てのライダーを破壊する存在・ディケイドであること、そして世界の消滅を防ぐために旅をしなければならないことを告げられる。旅する世界のどこかで自分の世界が見つかるかもしれないと考え、「世界の全てを写真に収める」という目的のもと行動する。
夏海と合流した士は、彼女が見つけたバックルで仮面ライダーディケイドに変身して怪人たちを倒すが、世界の崩壊は止まらない。

士は再び現れた渡により、それぞれの仮面ライダーが戦う9つの並行世界が1つに融合し、最終的に崩壊しようとしているということ、そして士は九つの世界を旅してそれを防ぐ使命を課せられた存在だということを告げられる。こうして士は自分の写せる世界を探すために、夏海は夢で見たディケイドへの不安から、異世界への旅に出ることを決意する

世界を渡る謎の人物、鳴滝や訪れた世界のライダーからは「破壊者」「悪魔」などと忌み嫌われ、時折自身を皮肉ってそう呼ぶこともある。また全ての世界を救おうという意思はあるのだが、意図しなくとも訪れた世界が自分の存在で崩壊することを知り、苦悩する事もあった。しかし旅を続ける内、そうした自分を受け入れてくれる夏海のことを大切に思う様になる。

終盤に訪れた「ライダー大戦の世界」で、渡や別世界の仮面ライダー、剣崎一真達によって自分の本来の使命である「“破壊”による世界の“再生”」を宣告され、遂に「世界の破壊者」という使命を受け入れる。そして目の前に現れた渡や剣崎の“仲間”である平成ライダー達に戦いを挑み、「ライダー大戦」を勃発させた。まさにこの光景は、夏海が見ていた夢が正夢になってしまったことを暗示していたのだった

ディケイドは“世界の破壊者”としての運命を受け入れ、激情態に変身してライダーを次々に倒していったが、最後はキバーラに変身した夏海にわざと倒される。彼の真の目的は、「ライダーの世界を一度破壊することで、消える運命にあった仮面ライダーの物語を永遠の物にする」ためだった。その後感光していた自身の写真に仲間達とこれまで出会ったライダー達の思いを受けて復活し、スーパーショッカーに立ち向かい、他の平行世界のライダーと共に撃破する

以後、旅そのものを自分の“物語”であるという結論をつけてから仲と共にいくつもの世界を旅をして、その世界でやるべきことを見出している






W×ディケイド in the Utopia World
序章


Area ???

 

薄暗い大部屋の中、中央の大きなホールとその奥には玉座のような椅子があり

そこには銀色の姿の緑目の怪人が肩肘をつかせて座っていた

 

前方には蛇の髪型をした女性のような怪人が一人その男の前にかしづいていた

その女性はある世界のショッカーの改造人間の一人だった。そして背後には

数々の世界から取り寄せてきた怪獣や黒い骸骨服の戦闘員などが缶詰状態で

並んでいた

 

「偉大なるネオシャドームーン様に敬礼!!」

 

「「「「「イーッ!!!」」」」」

 

後ろにいて腕を組んでいるのはトランプでカード遊びをしながら占いのような

ものをやっている。そして隣には赤黒い鎧を着た大きな盾を持った騎士のような

怪人がフフフと笑っている。シャドームーンと呼ばれる人物は軽く辺りを見渡した

後に、目の前の怪人に問いかける

 

「スネーク。他の二人はどうした?」

 

「はっ、白いほうは、ただいま「楽園」の鍵を始末しに。赤いほうはライダーの足止めを

させに向かっている最中でございます」

 

「ならば構わん」

 

シャドームーンは腰をゆっくりとあげ、演説台の中央へと向かって歩き出し

大きく鼓舞するように声を張り上げた

 

「諸君!この戦争は、我々の優位を占うための大事な一戦である!!楽園は今、

我々のすぐ近くまで来ているのだ!!このまま、楽園を緩やかな延滞にとどま

っているだけでいいのか!?いな!そのような愚かな行為をさせてはならない!

楽園とは我々のためにあるもの!この世界を拠点とし、全ライダーと次元世界

を屈服させるのだ!!」

 

「「「「イーッ!!!!」」」」

 

シャドームーンの鼓舞により、会場にいる怪物たちは一斉に大きく騒ぎ出す

そして、シャドームーンは自身の持つサーベルを上に掲げると高らかに

宣言をする

 

「これより、世界箱舟化計画を始動する!」

 

-----------------------------------------------------------

Area 天宮高校屋上(三日前)

 

士道は屋上のドアをバッと開けると士道の肌に今まで以上にない霊圧が

肌にひしひしと伝わってくる。

 

「シ......ドー.......!」

 

声の方向を見るとその中央には十香が苦しそうに霊装になりながらもサンダルフォン

を地面に突きさし、苦しそうに胸を押さえているのである

そして、苦しい声を振り絞って士道のほうに必死に訴えようとする

 

「し、シドー.......逃げろ!」

 

[霊力の暴走......?まずい、このままでは大規模な空間震が起きる!]

 

「それでも見捨てるわけにはいかねえだろうが!!」

 

霊力の波で吹き飛ばされないように足で踏ん張りつつも

士道はジョーカーメモリを握り、ガイアウィスパーを鳴らせようとする

 

「っ.......!こんなときにかよ......!」

 

しかし、士道の意識は突然めまいが襲い掛かる。最近の精霊とのデート

に加え、ここ最近は事件の解決に走り回っていたのか、疲れがここに

きて溜まってしまったのである

 

ポロ......

 

「!?メモリが!?」

 

その時、重要な変身アイテムであるジョーカーメモリを落としてしまい、メモリは

宙を舞い、遠くへと飛ばされていってしまった。しかし、それで歩みを止めることは

士道にはできなかったのである

 

「来てはダメだ......!一緒にいてはシドーまで......!」

 

もう十香はたっていられないのか膝をつかせ、サンダルフォンを杖代わりにおいて

やっと姿勢が保てられる程度だ。フェアリーメモリも大きく点滅し、そのパイプが

全ての精霊に戻りかけようとしているのだ

その証拠に紫色の霊力がサンダルフォンメモリを通って十香のほうに戻っている

 

[戻るんだ!士道!フェアリーのない僕らには止められない!]

 

「クソ.......!十香......!とおおかあああ!!!」

 

サンダルフォンが輝きだし、膨張し始める。これは前に、ドーパントに無理やり霊力

を注入させたときに起きた様な爆発寸前の現象である。このままでは精霊全員に同じような

現象が起きていると仮定してみると街全体が簡単に吹き飛んでしまう

士道は苦し紛れに十香に近づいて手を伸ばすと十香もその腕を掴むために手を伸ばした

 

「シドーぉおおおおおおお!!!」

 

爆発が起きたとき、士道の意識はそこでプツリと切れてしまったのだった

そして、意識が途切れる直前、十香の背後には一瞬だけ白い怪人のような姿

が蜃気楼のように見え、何かをつぶやいたように見えたのだった

 

「君は僕のことを笑顔にできるのかな?」

 

-----------------------------------------------------------------

Area ???

 

その空間の中心にいるのは占い師のようなローブを被ったピンクの三つ編みの

女性らしき姿が見つめていたような気がした

 

「始まる。閉じられた日々が再び......全てをもう一度繰り返す」

 

水晶体のようなものを手にかざすとそこにはマゼンタ色の戦士とそれを

包囲する大量の怪人の軍団が映し出されていたのである。その女性は

顔の眉をひそめると再び手をかざして水晶を消す

 

「私はエデンでの幸福な日々を守り続けなければならない......

決してエデンの管理に問題があってはならない。夢を終わらせてはならない。

それだけは......許されない」

 

その姿に士道がなぜか見覚えがあった。どこであったのか、そもそもあったことが

あるのかすら覚えていない。まるで既知感があるようなその感覚。

それは暖かくて、優しさに満ちていた声だった

 

「世界は再び再生をする......例え、破壊者と侵略者でも抗えない。世界の理を」

 

-----------------------------------------------------------

Area ???

 

ここは、とある写真館の内部。背景のロールがあったり、ひと昔のカメラや古風の

洋風のテーブルやいすがあったりなど割と風情がある写真館だ。そこで二人の

青年男性と一人の女性、そして老人の男性の4人が経営している写真館である

そのうちのマゼンタ色のトイカメラを持った青年、門矢士は背景のロールを

回した

 

「......次の世界に着いたようだね」

 

もう一人の青年、小野寺ユウスケがロールの背景を眺めた

この写真館は他の写真館とは特別なのである。この写真館は異世界間を移動する

時空を超えた写真館であり、4人は別の世界からやってきた異世界人なのである

そして、この4人の目的は、「仮面ライダーの世界を渡り、世界を紡ぐこと」

そう、この4人のうちの3人が別の世界の仮面ライダーなのである

白色の蝙蝠、キバーラが宙を羽ばたかせ、ユウスケの周りを飛びながら絵を見る

 

「わーお、おっきいタワーね」

 

「何なんですか......?ここの世界は?」

 

一人の女性、光夏海が背景ロールを見て驚く。その背景ロールには世界の特色の

ようなものが書かれており、その中央には大きくそびえたつタワー、周りには

多数のフェアリーメモリの絵柄が書かれ、影のシルエットに女性の姿が写し

だされていたのだった。士はそのメモリを見て世界が何の仮面ライダーの世界

なのかを予想する

 

「平行世界のWの世界か......」

 

「確か......ガイアメモリじゃなかったっけ?」

 

光栄次郎、夏海のお爺ちゃんはメモリの写真に見覚えがあったらしい。なぜならば

以前に別世界のガイアメモリを差されて無理やり怪人にされてしまったという苦い

思い出があったからである。しかし、士はきっぱりと否定する

 

「いや、ガイアメモリはギリシャ数字でつづられているわけないだろ」

 

「もしかしたら、ガイアメモリじゃない別の何かだったりするかもね」

 

「まっ、外に出て歩いてみたら何なのか、分かるだろう」

 

士、夏海、ユウスケの三人は早速写真館の外のほうに出てみたのである

写真館の場所は世界によって違う。そこが林の中の隠れ家のような店

だったり、都会の中の古い写真屋という場合もあるが、今回は住宅街

のようだ

外に出ると、士にはこの世界の役割というのが自動的に与えられる

オーロラのようなものが士の体に通ると士の姿は軍服のような

服を着せられたのである

 

「Wだから、てっきり探偵か警察だと思っていたんだが......」

 

「それ言ったら、電王の世界で探偵やってなかったじゃん」

 

「ふっ......軍服とは初めてだが、何を着ても俺は似合うな!」

 

夏海は黙ってじろじろと軍服を観察してみたところ、ある刺繍が

つづられていることに気が付いたのである

 

「何ですか?この刺繍......ラタ.....トスク?」

 

「ラタトスク?世界樹ユグドラシルに住んでいるといわれる栗鼠のことだが......」

 

「絶対違うって!なんかの組織の名前じゃない?」

 

ピリリリリ!

 

すると、士の持っていた通信端末が大きな音で鳴り響く。士はその端末を取り出すと

金髪の男性の顔が出てきたのだった

 

[やっと繋がりましたね!よかった......貴方が本部から派遣された新たな

クルーですね。今、やっとこちらで座標が取れたので人気のない場所に来て

もらえませんか?]

 

「大体わかった」

 

士はその通信を上司だろうと思われる人だというのにもかかわらず、

そっけない態度で通信を切る

 

「ということだ。ナツミカン。この世界の情報でも探っててくれ」

 

そういった士は人目のつかないところにいくためにどこかに走って行ってしまった

 

「ちょっと士君!?......あーあ。行っちゃいました」

 

「いつものことじゃないか......僕たちもいろいろ情報集めてみよう?」

 

「そうですね......」

 

「あーん、二人ともまってぇ!」

 

ユウスケが無視されて落胆した夏海を励ますと肩を持って士とは反対の方向に行った

キバーラはその二人の後をついていくように飛んでいったのであった

その姿を影の中に潜んでいる精霊、狂三は上半身だけ覗いてキョロキョロすると再び

影の中へと溶け込んでいったのである

 

 

世界の破壊者、ディケイド いくつもの世界を周り、その瞳は何を見る?

 

 

仮面ライダー×仮面ライダーW×ディケイド ヒーロー大戦 in THE Utopia World

 

 

---------------------------------------------------------------

Area フラクシナス ブリッジ(一日前)

 

「ようこそ、フラクシナスへ!私の名前は神無月恭平。ここの副艦長をしています。

私達は貴方を歓迎します」

 

神無月がすました笑顔で士に握手を求めると士はそれに応じる。神無月は士の手を

触ったときに何かを感じたように一瞬表情を崩した後、再び笑顔に戻す

 

「門矢士だ。よろしく頼む......副艦長?お前が艦長じゃないのか?」

 

「ふふ、貴方の言い分は最もです。ここに訪れる新人さんはいつも私のことを

艦長だと勘違いされますが......現在司令は帰宅していますので、私が

このフラクシナスについてをラタトスクの目的の復習もかねて説明しましょう」

 

士は心の中でホッとする。士は名目上、ある秘密組織の新人隊員として配属

されたらしい。しかし、この世界のことについてはあまり分からなかったので

説明を受けることは大きなアドバンテージになる

 

「士さん、貴方は空間震という災害はご存知でしょう」

 

「あぁ」

 

士はこの時点で空間震というのは何なのか考えることができなかった。しかし、

空間震という言葉と災害から地震のようなものだと思い、ハッタリをかます

 

「では、実際に空間震を見たことはありますか?」

 

「いや、ない」

 

神無月は士に動画をブリッジの巨大モニターを映し出す。すると、その動画を

見るとまるで空間そのものがえぐり取っているような黒い塊が現れ、次第に

消えていった。その情景を見る士は内面はかなり驚き少し冷や汗をかく

 

「これが空間震です。普段の地震と違う点は飲み込まれると跡形もなくなってしまう

というある意味即死級の災害であり、一説によると亜空間などの四次元に飛ばされて

しまうのではないかという理論もたてられています。そして、空間震がなくなった

後をご覧いただけますか?」

 

神無月が動画を拡大させるためにコンピューターをいじると、当時の十香の写真が

クレーターの中央にてサンダルフォンを握っていた

 

「女の子......?」

 

「そう、この一見可愛い女の子のように見えるのが精霊と呼ばれる特殊災害生命体

です。この精霊は凄まじい力を持っていることが多く、現れる際に空間震を発生

する元凶とも言えます」

 

「なるほどな......」

 

「対処法は二つほどあります。一つは武力を持って殲滅する。しかし、国の通常兵器

のほとんどが無力化されているため、合法の手段でははっきり言って無謀でしょう。

最近は人を怪人化させる違法強化装置、ガイアメモリを使えば話は別でしょうけど、

私達はそのような非人道的な方法はしません」

 

ガイアメモリという言葉に士は反応する。ガイアメモリ、つまりドーパントが街にいる

ことはWの世界に入ってからすでに察していた。しかし、精霊という存在もドーパント

のような存在なのかと少し首を傾げる

 

「しかし、ラタトスクはあくまでも平和的にかつ精霊を普通の人間として生活ができる

ように保護をするというのが目的なんですよ」

 

「だが、空間震や精霊の力というのは日常生活で大いに邪魔になるんじゃないのか?

もはや、ガイアメモリを使う連中とタメがはれるんなら怪物当然だ。コントロールが

できなければ周りに被害がでるぞ?」

 

士の質問に神無月が待ってましたという顔をしてコンピューターをカタカタと撃つと

現在、学校に通っている十香が下校している姿を映し出すことができた。

 

「実は、もう一つの対処法でこれが可能なんです。実は精霊の力を封印しメモリに力

を保存する能力を持つ人が二人いるんです!これが、メモリの画像データです」

 

「!!」

 

士はこの画像を見て驚いた。そのメモリの画像は最初に訪れたときに見たカメラロール

に書かれていた「Ⅹ」のギリシャ数字のメモリだったのである。そして二人という

言葉を聞いて全ての辻褄が合う

 

「これが、フェアリーメモリ。形状はガイアメモリと酷似していますが

ある青年二人がある方法によりメモリに保存、及び力の封印ができるわけです」

 

士は興味深い顔で画面越しの十香やフラクシナスの内部をトイカメラに収める

 

「なるほどな......大体わかった。要は、この組織はその青年とやらを

実質全面バックアップするために作られた組織というわけか」

 

「流石、呑み込みがはやいですね。あ、その写真、あまり公にしないでくださいよ?

あとで司令がうるさいですから......今は全員外出していないですけど、司令含め

クルーをあとで紹介しますね」

 

「分かった、だが、俺としては司令とその青年二人とやらの顔が見たいのだが......」

 

神無月が浮かない顔を少し顔を反らしてした後に士のほうに顔を向けて話す

 

「大丈夫です。近いうちに顔はあわせられますよ」

 

-------------------------------------------------------------------

Area 五河家 (現在)

 

「っ!!!」

 

「あた!?」

 

士道はバッと飛び上がると、十香の額に勢いよくぶつかると互いに額を抑えあう

 

「十香......ここは俺のベッドか」

 

「シドー!!!」

 

「!?おいおい、寝起きの状態で思いっきり抱き付くなよ......いろいろ当たっている」

 

十香はきつく士道のことを抱き付くのだが密着しようとするが、その形が整ったやわらかい

山のようなものが士道に当たっているため、除けようと頭をどかした

すると、その声に気づいたのか、相棒であるフィリップと黒リボンの琴里が

階段を上ってやってきた

 

「士道!よかった......」

 

「全く、いつも一人で無茶するんだから」

 

士道は自分の気絶する前の記憶を思い出そうとする。最後に残った記憶はいきなり十香が

教室で苦しそうな顔をしはじめて、とっさに屋上に行ったことだ

それを追った士道は十香がなぜか封印されているはずの霊装を着ているときだった

 

「確か、俺は十香の異変を止めるためにジョーカーメモリを鳴らし......!

おい、俺のジョーカーメモリを見なかったか!?」

 

あのときジョーカーメモリを落としてしまったことに気が付くと琴里は軍服のポケット

からジョーカーメモリを取り出し、バンと士道の机の上におく

 

「全く......自分のメモリくらいちゃんと管理しなさいよね......まぁ、安心したわ。

ハーフボイルドのいつもの士道だわ」

 

「一言余計だ!」

 

すると、玄関前にリムジンのような車が止まると勢いよく階段を昇っていく

そしてバン!と壊れるくらいに勢いよくドアを開け、棚に上げていた資料が

いくつか落ちるのを気にせずにその少女、美九は愛しの士道に抱き付く

 

「だぁぁぁぁぁりぃぃぃぃぃんんん!!!めちゃくちゃ心配したんですよぉおおおお!」

 

美九は興奮しているのか思いっきりその十香よりも一回り大きいメロンの山を士道

の顔に埋めさせ、スリスリと抱き付いた

 

「く、くるしい!!誰か、何とかしてくれ!」

 

「美九!士道が今度は出血でまた気絶しちゃうから離れて!」

 

フィリップが必死に腕を掴んで引っ張りはなそうとしたところハッ!となり抱き付く士道

を放してあげると、ぜぇ......ぜぇと空気を摂取する

 

「だーりん、ごめんなさい。つい......てへっ」

 

「あーもう、分かったよ。そしていい加減、俺の足をスリスリするのをやめろ」

 

その後、また玄関から入ってきたのかそこには、ひいきにしている事情を把握している情報屋

であるはやてと、精霊である四糸乃とよしのんが部屋の中に入ってくる

 

「こりゃあまたハーレム状態やな、シンちゃん。一人くらい私に分けてもええんちゃう?」

 

「お見舞いに来ました......」

 

[はやてちゃん、それは自重しとこーよ]

 

「あら?はやてちゃんも私の守備範囲内ですよぉ?むしろバッチこいです!」

 

「美九さんはちょっと遠慮しとく......」

 

美九が大きく手を広げ受け入れる体制を作っているのを確認すると、士道は

美九の頭を軽くチョップする。すると涙目になって頭に手を支える

 

「十香さぁぁぁん。だーりんがいじめるぅぅぅぅ」

 

「!?ええい、はなさんか!」

 

美九はそのまま十香に抱き付こうとして先ほどとは逆の立場に立ってしまった十香。

このままではいつまでたっても話が進まないので士道は二人を無視してフィリップ

のほうに話した。すると、近くでしばらく黙っていた令音は資料を取り出すと

士道のほうに渡した

 

「それは、私のほうから話そう。解析の結果、奇跡的に暴走によるダメージは

見受けられなかった。しかし、問題が起きてね」

 

「あぁ、士道。今まで封印されたフェアリーメモリを見てくれ」

 

「何?」

 

フィリップは今まで封印した精霊のメモリ、サンダルフォン、ザドキエル、カマエル、

ガブリエルのメモリを見るとその光は弱弱しく点滅しており、はっきりと見えていた

それぞれのイニシャルの文字が未封印状態の印である、ギリシャ数字のほうに

かわるがわるとなっている

 

「これは、仮説にすぎないがシン、君の今まで封印した全ての精霊の霊力がメモリを

通して大きく逆流しているのだよ」

 

「封印が解除しかけているのか......?」

 

「そういうわけじゃない。だけど、私やフィリップも含め貴方が気絶してからこの

三日間、原因を調査したのだけれど完全にお手上げ状態だわ......士道、

貴方何か心当たりはない?」

 

「.......最後に見たとき、俺はおっかなそうな白い怪物みたいなのが十香のいた

屋上に一瞬だけ見たんだが......あれは幻なのか?」

 

琴里はフラクシナスの残された映像データをタブレットで確認しようとし

動画再生を何回か見直す

 

「白い怪物......ねぇ。十香はその姿を確認できたの?」

 

十香は自分の記憶を思い起こしながら琴里にうなりながら記憶を探る

 

「確かに私の霊力の他に、何か......オーラ的にヤバそうなものを感じたが......

それ以外は」

 

「蜃気楼......か。きな臭いわね、十香のときのように精神干渉型の使いの可能性もあるわ

......どちらにせよ、精霊の安定化が最優先ね。二人の証言はどうも曖昧すぎるわ。

霊力が見せかけた幻の可能性もありうるわね」

 

「そうだな......」

 

フィリップはメモリを全てケースの中にしまうと士道に釘をさすように忠告する

 

「だけど、フェアリーメモリを頼った戦いは危険すぎる。今までのような無茶で通らない

かもしれないことは考えてくれ」

 

「分かってるよ。留意しておく」

 

琴里は少し何か考え事をしていた後にタブレットをしまう

 

「精霊が暴走しかけている以上、一旦四糸乃と美九を精霊マンションに泊まらせましょう」

 

「せやなぁ、なのはの学校は校舎が氷漬けで一時休校やしなぁ。うちの本が全部凍ったら

しゃれにならへんからな」

 

はやてが困ったような顔をしつつもケラケラと笑い、美九は目を輝かせて琴里の

手首を両手でつかんで飛び上がる

 

「まぁ!だーりんの家の近くに泊まれるんですねぇ!嬉しいですぅ!」

 

「今日はもう遅い。士道の世話は僕がしておこう。美九や四糸乃は荷物の準備もあるだろう」

 

「分かったわ、あとは頼んだわよ。フィリップ」

 

そのようにフィリップがいうと、琴里達はそのまま部屋の外へと出ていったのであった

人払いを確認したフィリップは体を拭かせるタオルをぬるま湯に浸して絞った後

それを士道に渡す

 

「あぁ、ありがとうな」

 

「気にすることはないさ。あのままだったら美九が暴走するからね......

それと報告があって人払いさせてもらったよ」

 

「報告?」

 

士道は上半身裸になり、温かい濡れタオルを使って体を拭いているとフィリップは

十香の座っていた椅子に座り話し始めた

 

「地球の本棚の本がいくつか書き換えられているんだ。それも大きく」

 

「なに?」

 

地球の本棚というのはいわば地球の中に存在するデータベース。そのデータベースは

世界中のデータであるため一日につき膨大な量を更新されていっているのは

いう必要がない。しかし、フィリップがそのようなことならば、そのことに

気づいていないはずがないのだ

 

「君は、新天宮タワー新設計画を覚えているかい?」

 

士道は以前、新たな天宮タワーを立てる計画を実行しようとしていた政治家のボディーガード

をしていたときがあったのである。しかし、建設予定地にはガイアメモリの工場があったため

組織が政治家を暗殺しようと狙っていた事件である

結局、その事件は解決したが、建設計画は取りやめになったはずだ

 

「あぁ......確か、建設は中止になったはずだ」

 

「でも、新聞のこの記事を見てほしい」

 

すると、その新聞記事を見ると士道は目を点にしてしまった。なぜなら、そこの記事の見出しに

は「新天宮タワー、8月に開業決定」と書いてあったのである。この新聞は毎日士道が購読している

新聞で先日の朝刊だ

 

「は?」

 

「そう、取りやめになったはずの新天宮タワーが建設され、その項目はすでに地球の本棚に

更新が完了されているんだ」

 

士道は傍に充電してあったスマートフォンを起動させて検索をかけると案の定新しい

天宮タワーの写真や画像がたくさんのせられていたのである

 

「つまり、地球の本棚の記憶と俺達の記憶にずれ?んなばかな」

 

「こんなことは絶対に起こらないはずだ。僕の記憶にも新天宮タワーの建設は

中止となっていた。でも、琴里ちゃんや十香ちゃんはまるで最初からあったか

のように話していたんだ」

 

士道は新天宮タワーの公式ホームページを見ると新しい観光スポットとして

様々な店がオープンする予定であるというところを見る。昔の一晩で城を

建てるというわけでもない。金や資材をかき集める時間すらないのだ

2Chやツイートを見ても誰もが気味悪がって怪しんでいる様子がないのである

 

「俺が寝込んだ三日間でこんな高いタワーなんて建てられないしなぁ......

琴里と十香だけじゃない。この街全体と俺達の記憶にずれができている」

 

「士道。君がこのことを他人に話しても信じてはもらえないだろう。

もし、自分の今までの記憶と他人の記憶に何らかの違いがあったら

まずは僕に教えてくれないかい?」

 

「分かった」

 

体をふき終え、パジャマを羽織った士道は背伸びをしながら体温計を

測った後にフィリップに渡す。フィリップは令音から頼まれていたであろう

バイタルチェックに項目をつけると洗面器とタオルを持って部屋に出たのであった

 

(何か、忘れている......十香や琴里、四糸乃や美九、美紀恵に折紙......

最後の二人は仕方ないにしてもあと一人......忘れていけないやつがいたはず。

まぁ、いいや。考えるのが面倒だ。今日は寝ることにしよう)

 

 

 

 

 

 

 




お気に入り数、300件突破、ありがとうございます!
それを記念して、現在進行中の長編においてオリジナルデート
を企画したいと思います。詳しくは活動報告のほうにチェック
お願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。