Area 湖
夜、湖のほとりにて士道達は殿町の言っていた天狗牛のお供えを持って集まっていた。結局集まったのは、フィリップ、十香、折紙、美紀恵、凛祢、琴里に四糸乃、後は言い出しっぺの殿町以外は全員揃った
「お兄ちゃん……もう帰るのだ……」
「お、折紙さん、本当に何も出ないんですよね?そうなんですよね?」
「情けない。貴女、それでも陸自のつもり?」
「ガーン、身もふたもないことを言わないでください!」
美紀恵は涙目になっているが、折紙はそういいつつも士道のほうに怖がるフリをして抱き付く隙を狙っている。琴里(白いリボン)は謎の薄気味悪さなのかフィリップの上着の袖から手を放そうとしない
「琴里ー?怖かったら別に帰っても構わないんだぜ?」
「怖くないもん!うぅ……」
「琴里ちゃんを虐めないの。大丈夫よ、二人とも。私達も一緒にいるからね?」
琴里と美紀恵、四糸乃は幽霊に弱いらしく、少し体を震わせていた
四糸乃ならまだしも普段はあんなに凛々しい仮面ライダーであるはずの二人が非科学的な幽霊のことを怖がるなんてとてもシュールな光景である。
「よしのん……怖い……です」
[だいじょーぶ、だいじょーぶ、幽霊出たら、よしのんがおっきくなって
カチカチにしてあげるから!]
「その台詞、どこかの幼児向けの歌で聞いたことがある気が……そもそも幽霊は気体から固体に変えられるのだろうか……今度検索してみよう」
フィリップは、琴里を慰めるつもりはなく琴里に袖を掴まれているのにもかかわらず、自分の持っているメモ帳に自分のメモをスラスラと書いていた
本来は白い琴里を置いていくつもりではあったが、フラクシナスクルーは令音含め忙しい様子ではあったため置いていくことはできなかったのである
「いっそのこと、ガジェット大量起動させて騒がしくするか?」
「それもそれである意味、恐怖だね」
ガジェットをつかってこの場の空気を和ませるという妙な案が思い浮かんだが、逆にその光景が琴里を驚かせてしまうのではないかということで却下。隙を見たのか、折紙は士道のほうに近づいて腕にギュッとしがみついてくる
「おい、こら、どさくさ紛れて何やってやがるんだ!」
「士道、怖い。怖くて動けない。だから、こうしているの」
「さっきの台詞は一体何だったのだろうか……」
それを見た十香はムスッとした顔になる。相変わらずの行動にフィリップもやれやれと肩をすくめる。それを羨ましいと思ったのか、折紙とは違う腕をしっかりと握る
「シドー、私のほうがたくさん怖いのだ!」
「もっと近寄って?士道」
「鳶一折紙……!」
折紙と十香の間にいつものことではあるが目線の火花がチリチリとなっている。しかし、今は初夏。そこまで寒くないため、近づきすぎて士道は暑苦しくなる。しかも、二人の柔らかい双丘が腕に当たっているため余計に士道の体温を上げてしまう
「お前ら、胸当たってる!当たってる上に暑いから離れてくれ!」
バッと力の強い二人を引き離した士道は息を整える
「むぅ、すまん、シドーつい熱くなってしまった」
「殿町の野郎、おせーなぁ」
士道は腕時計を確認すると待ち合わせの時間をとっくに過ぎ去っている。怖がっている連中もいるので早めに解散してあげたいのが本心だ。ここの湖は周りが林で囲んでいる上に中央の休憩場所とそこへ続く橋以外は何もないため不気味さは時間が経つごとに増しているのである。凛祢は苛立つ士道に提案をする
「ねぇ、士道?殿町君を待っている間、皆でどんなお供え物を用意してきたか、
見せ合うのはどうかな?」
「うむ、それは名案だな、凛祢」
「そうかな?ふふっ、ありがとう」
十香がほめたところ、凛祢は軽く照れる。士道も後ろ頭を少し掻いてから首肯した
「まぁ、ここでボーっと待つよりはマシだろ。そうだな、まずは十香から何買ってきたか
教えてもらおうか?」
「うむ、私が選んだのはこれだ!さっきのデェトで買ったケバブサンドだ!冷えてもお肉がジューシーでたまらんぞ?」
怪人に襲われた後、凛祢と十香を連れて別の通りの商店街のほうにデートをし直した時に買ってきたものだと思われる。美紀恵は恐る恐る十香に気になったことを聞いた
「あのぉ……十香さん?そのケバブサンド、何の肉を使ってるんです?」
「ん?味からして多分牛肉だと思うが……」
「「「……」」」
「わ、わぁ、おいしそう……今度私も食べてみようかな?」
他の全員が共食いをしていることに気づき、その場で黙ってしまうが、凛祢は苦笑いしながらも十香のお供え物にたいしてコメントをした。凛祢の言葉に十香は元気よく頷く
「うむ!凛祢も必ず気に入ると思うぞ!店の場所なら覚えているからな!」
そういった感じで全員のお供え物を順に紹介していった。凛祢はスイカ、四糸乃は牛のパペット、美紀恵は線香、折紙は白百合、フィリップはフルーツの入ったバスケット、琴里は期間限定のチュッパチャップス、士道はお茶の葉っぱを入れた袋を持ってきていたのだった
全員のお供え物を紹介した後、30分以上は経っているはずだが殿町は来なかったのである
「駄目だな。電話にも応答なしか」
「道に迷っていることは……ないよね、ここに待ち合わせにしたの殿町君だし」
「神隠しかもしれない。天狗牛の祟り」
ヒューという風が吹くと共に折紙の言葉に反応した三人が震える。今の琴里だといつ失神するか、もしくはいつ四糸乃がここ付近をスケートリンクにするか不安で仕方ないのだ。
「馬鹿野郎!他の連中が怖がってんじゃねーか!」
「だけど、来るはずの人がこない。これは神隠しではないの?」
Stag
Bat
Butterfly
折紙に軽く叱るが、折紙の言うことも最もある。エデンショッカーがうろついている以上、暗くて狭い恰好な場所に一人にいさせるのはあまりにも危険である
士道は「応答なし」の殿町の携帯画面を閉じ、ポケットの中にしまうとギジメモリを起動させてガジェットをアクティブにさせて殿町の捜索をさせる
「ちょっくら、俺が見てくる。お前らはここにいてくれ。最悪、ダブルドライバーでフィリップに連絡するわ」
「分かった、気をつけてね」
他の連中やフィリップもいる。怖がっている三人を任せてガジェットと共に士道は林の中へと入っていったのであった
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士道は夜の林の中を進んでいった。つけているソフト帽が林の枝に引っかからないように片手で帽子を押さえながらもう片方の腕でかき分けていった
「どうせ、肝試しは脅かすほうが美味しいんだよな、とか言って隠れてんだろ、全く。おーい、馬鹿町、さっさと出てこねえと置いてっちまうぞー」
道に迷っているだけならば、ガジェットがすぐさま士道の端末越しで知らせてくれるだろう。しかし、ガジェットでも捜索に時間がかかるということは意図的に隠れているのだろうと結論付けた
「エデンショッカーがいるっつうのに呑気なやつだよ、全く」
しばらく歩いていると、林を抜けた先には切株が何か所か植えてある、木々がない休憩場所みたいなところにでる。この場所を見ると奥のほうに別の道がある。普通はそこから入ってくる、休憩スペースなのだろうか
「あーあ、森を抜けちまったか。一旦戻るしかねえな」
士道は辺りを見渡す。この場所は昼になると涼しい風が吹いて良い森林浴ができるスポットなのだが、今は初夏の夜。その人気のなさに不気味な感じを漂わせるのだ。しかし、誰もいないはずの場所に切り株に一人座っている女の子がいた
その子は黒い短髪の少女で黒紫の目をした来禅の制服を着ていた。顔はかなりの美形で大和撫子のような顔立ちだった
「来禅の制服……?あんなやつ、学校にいたか?まぁ、どうでもいいか。おーい!」
士道はその少女に声をかけた。殿町のことを聞きだすためだ。少女は士道の声に気が付くと士道のほうに向いた。それを確認すると士道は話しかける
「ここに髪がバリバリの男子高校生を見かけなかったか?」
「いや、私は見てないよ」
その少女は片手に本を持っていた。小さなペンライトが切り株の上に置いてあったからみると、こんな薄気味悪い場所で本を読んでいたのだろうか
「そんなところで何やってるんだ?見た目からしてうちの高校の連中だが……そのリボンは高校二年生の色だよな?」
来禅は入学時の年度に応じて学年の色というのが決まっている。今年は緑が一年、青が二年、赤が三年の学年色でネクタイやリボンの縞模様の色で判断できるのである。少女のつけていたリボンは二年、つまり士道と同じ年なのである
「あぁ、君が五河士道か。噂は私のクラスでも広がってるよ。人気の探偵さんで、最近は非常に倍率が高い男子になってるって」
倍率……恐らく、女子が恋人にできる倍率のことをさしているのだろう。噂は嫌となるほど耳に入ってしまう士道。なぜなら、近くにクイーンとエリザベス、もしくは一人称ズが逐一報告をされたり、5人の話を耳にしていたりするからである。
「そりゃ、どーも。えっと……」
少女の名前を頭の中から探そうと必死になったが少女はふっと鼻で笑った後に
自分の名前を告げる
「私は、シオン。趣味は読書かな」
「なんで、そんな暗い場所で本を読んでいるんだ?家に明かりとかあるだろ?」
「そうだね、なんか人気のないところで星空をしたに本を読むのは悪くないと思うけど。それに、私の読んでいる本の感情移入がしやすいからね」
士道はその本が気になって、シオンの本のタイトルをチラッと見る。そこには誰もが一度は聞いたことあるような有名な本、「人間失格」という本だった
「人間失格か。俺も中学の頃に読んだことあるな」
「へぇ、君は意外と教養が深いんだね……この主人公って愚かだよねぇ。世の理から逃げれないのに必死に逃げる道を選んで結局は……自らが朽ちていく様。人間は犯罪といい、ストレスの満ちた格差社会と言い……無駄なら初めから戦ったり逃げたりしなきゃいいのにね」
その言葉に士道は顎に軽く指を当てて殿町を探していることを忘れて、シオンの考えていることを否定する
「俺は、そうとは考えないな。誰だって、世界の何かが気に入らねぇことはあるはずだ。それでこそ、駄々をこねないガキは見たことがないからな」
興味深そうに笑い、目を細めたシオンは、一旦本をしおりに挟んで閉じると士道の意見に反応したのである
「へぇ、確かに駄々をこねない子供はいないね。それで?」
「人間は古くから、自然災害や野生動物、果てには同じ人間と戦い、そしてどちらかがその事実を受け入れ、それが当たり前のようになっていく。それの連なりで世界の理が作られたんだろ?」
「もし、理に抗えるほどの力がない連中だったらどうするの?」
「戦いは、競技、討論、戦争、犯罪などと言ったもの全てが世の中の何かを変えるために人が起こしている理への反逆なんだと俺は思う。その一つ一つの理と戦っていくことそのものが人間を強くしてるんじゃねぇのか?「人間失格」の主人公が持つ罪は、その理と戦わなかった。いや、それ以前に素直に気持ちを表現しなかったからじゃねぇのか?」
「なるほど、君は戦うことを肯定するのかい?」
「まぁな、少なくとも人間の自由と自分の大切なもの、そしてこの街を守るためには戦っているつもりさ」
「ふふ、君はかなりの自信家と見た。良い意見が聞けた。私はこのまま帰るよ」
再び、シオンは軽く笑うと自分の持っている本を持って、本来通ってきたとされる夜道の中を歩き出した。その際にシオンは後ろ向きで本を片手に士道に手を振った
「機会があればまた会おう、五河士道」
シオンが道に入った後、道が暗かったのか彼女の姿はすでに見えなくなってしまったのであった。士道は自分の考えの共感してくれた人に感慨深いような印象に浸っているが、ハッとなる。殿町を探している途中だったのだ
「いけね、殿町探さねぇと」
ざざっ
「ん?」
すると、草むらをかいわける音と共に士道が通ってきた道の奥から人影がうっすらと見える。士道は殿町か、殿町に危害を出した第三者かと考えて身構えたが、その考えはどちらとも違っていた
「あれ、士道!」
そこには声と共に凛祢が草をかいわけて士道のところに来たのであった
「なんだ、凛祢か。脅かすなよ……他の連中は?」
「フィリップ君や鳶一さんに任せてきたよ。帰りが遅かったし」
士道は他のメンバーのことを心配しつつも時間がかなり立っていることに気が付く
「そうだな。殿町探しながらUターンしていなかったらとっととお供えして帰るか」
「うん、分かった」
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「ねぇ、士道」
「なんだ?」
士道が前に草をかき分けてその後ろを凛祢がついて歩いていく。その時に凛祢は士道のほうに声をかけると士道は殿町を探すため辺りを見渡しながら、凛祢の言葉に反応する
「昼のデート、楽しかったね」
「まぁな、とんだ邪魔がはいっちまったけどな」
「私、最初はお邪魔かな......って思ってたけど、十香ちゃんと士道の三人で遊びにいったことなんて初めてだったから......本当はうれしくて」
「今度は折紙と昔の思い出語りながら遊びに出かけたいよなぁ」
「もう、おじいちゃんじゃないんだから......」
士道の台詞がまるで昔を思い出しているような大人たちのような言葉で凛祢は苦笑いする。士道のほうは照れ隠しをしているのだろうか後ろを向くことはしていなかった
「そんなんじゃねーよ、ともかく、またお前と遊びにいけたらいいよな」
「えっ?」
「馬鹿、幼馴染なんだ。十香や四糸乃や美九がいても、除け者だなって遠慮することはねぇ。俺がそんなプレイボーイで最低野郎だって思ってるなら別だけどな」
「そんなこと思ってないよ!全然!」
「なら安心したぜ」
軽く振り向いて、へへっと軽く笑った士道に凛祢も笑顔で返した。しかし、そんな良い雰囲気が出せるのはこのときまでだった
「うわあああああああ!!!!」
大きな悲鳴声が森の中でこだまする。すると、士道の端末のほうにスタッグフォンからの警告音声が鳴り響いた。今の声は間違いなく殿町のものだろう。それを聞き出すとスタッグフォンの発信する信号をスマートフォンで確認する
「士道!さっきの悲鳴って......!」
「ちっ、十香達と近い場所だな。走るぞ、凛祢!」
「うん!」
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Area 湖
「殿町、大丈夫か!」
士道と凛祢が走った先には殿町が尻餅をついて、後ずさりしている光景だった
「て、天狗牛だ......」
「は?」
殿町が指を指した場所から現れたのは、牛の顔をした、片手に鉄球を持っているような化け物であり、その近くには兵隊のようなライダーが銃を持って歩いてきたのだった
「我が名はオックスオルフェノク!エデンショッカーに栄光あれ!!」
「シドー!」
「無事かい!?」
十香、折紙、美紀恵とフィリップが湿地の奥から走ってきた
「悪い、殿町」
「Gyaaaaaao!!」
士道は時計の中に仕込まれた麻酔針を殿町に打ち込むと、殿町はその場でぐったりと眠ってしまう。そして、フィリップの元に恐竜型メモリ、ファングメモリがやってくる
「琴里ちゃんと四糸乃ちゃんは先にフラクシナスに転送してもらった。あの様子じゃ、あれを見たら気絶するからね......君は疲れているだろう。僕が行こう」
「折紙!凛祢と俺と殿町を頼む」
「分かった」
フィリップはその場でファングメモリをライブモードからメモリモードに変形させていった後にファングメモリを鳴らした
Fang
Joker
「「変身!」」
Fang Joker
士道はジョーカーメモリをドライバーに装填した後に帽子を支えながらも綺麗にその場に倒れる。すると、光と同じような速さで折紙が倒れた士道の体をバッと支えた。美紀恵もメモリを鳴らしてロストドライバーに装填させてスターライトに変身する
Starlight
「変身!」
メモリの音声とともにスーツを展開させて美紀恵はスターライトへと変身すると早速シューティングスターを起動させて近くのロボット兵を切り捨てる。対して、十香は自身の天使が顕現できないからか、素手でロボットの体の中心を貫いた
「鳶一折紙!シドーの体に何かしてみろ!貴様から真っ二つにしてくれる!」
「えぇ!?十香さん素手で戦っちゃうんですか!?」
[十香、あまり無理すんじゃねーぞ!]
Arm Fang
あまりにもワイルドな戦いにスターライトが驚愕するが、それを言っている暇はない。ファングジョーカーとなったWはホーンを押した後に腕から生やしたアームセイバーを使ってオックスオルフェノクに攻撃をする
「はっ!」
少し離れて、Wがオックスに蹴りを喰らわせる。対して、オックスは鉄球をWに叩きつけようとしたところ、アームセイバーではじき返す
「ふんっ!とおりゃああ!!」
「体育でサッカーやったことを思い出しますね!」
十香はロボット兵を持ち上げて、頭を地面にたたきつける。そしてその衝撃でロボット兵が何体かその場から吹きとぶ。スターライトはその驚異的な人体能力はすでに体育の時間で折紙を相手に何回か見ているので動揺はしなかったようだ
Wはその超人的な力量に負けず劣らず、オックスを押し倒した後にアームセイバーが付いた腕でチョップを何回か繰り返す
[おい、お前らの目的はなんなんだ!]
「我々の目的は、我らだけの楽園の世界を作り上げることだ!我々の世界に
貴様らライダーはいらんのだ!」
[あんたらの楽園だぁ?ここはみんなの街だ。そんな身勝手に決めつけんじゃねえ!]
オックスの鉄球を掴んだ後、オックスの頭に投げ返したW。オックスは前の攻撃が大きく響いてきているらしく、グラリとよろめいた
「十香ちゃんに負担をかけるわけにはいかない。ここは短期決戦で行こう」
[あぁ、マキシマム行くぜ!]
タクティカルホーンを三回連続で素早くおすと、牙のような刃がWの右足に大きく生え、力が注ぎ込まれると共にファングメモリの大きな雄叫びが聞こえてくる
Fang MAXIMUM DRIVE
「[ファング・ストライザー!]」
Wはぐるぐると空中で回転し、恐竜のシルエットが最後にオックスを噛みつくと最後に爪傷で「F」のイニシャルが浮かび上がった
「ぐもおおおおおおお!!!」
オックスはそう断末魔を叫ぶと、全員が燃え、体全体が灰のように零れ落ちてなくなっていったのであった。オックスが消えるのを確認するとロボット兵は戦っている二人から離れ、森奥深くの闇の中へと逃げていったのであった
「また新種の怪物か……一体何体持っているんだ。エデンショッカーは」
[あーっ!!!]
振り向きながらもWの状態でフィリップが考えていると、もう片方の黒い腕、つまり士道が指を指すと、なんと折紙が気絶している士道をいいことに胸元に顔を埋めていたのであった。それを止めようと凛祢が頑張って折紙から剥がそうとしているがびくともしない
「……」
折紙はあまりにも夢中になっているため、周囲の最小限の身の確保だけしておいて顔を何故かほかほかしながらも戦いながら体を堪能していたのだったのだ
「鳶一折紙!!貴様、シドーの体で何やっているのだ!」
[だからファングを折紙の前で変身したくなかったんだよ!]
十香とW(士道)が折紙の元に走りだした後、いろいろと満喫して無言で暴走している折紙を無理やり引きはがした後に、Wは変身を解除する。それと同時に起きた士道は自分の体を確認した。キリッとしている折紙に士道や凛祢はため息をはく
「なんか、数か所舐められた跡があるんだが……はぁ。帰ったらまず風呂だなぁ」
「貴様!シドーをペロペロするとは何事だ!?」
「貴女には一生分からない。これが私のアイデンティティ」
「それ、どう考えても逆セクハラだと思うのは私だけですかね?」
「うーん……でも、鳶一さん、普通に士道の下着泥棒とかしているし……」
戦闘が終わった後、士道はふと気が付いたことがあった。ボディガードをしているはずの士がいないのである。仕事を放置しておいて琴里に何か言われないのだろうか。士道は少し首を傾げつつもフィリップに聞いた
「そういえば、士さんはどうしたんだろうな」
すると、フィリップが折紙や美紀恵がいたからなのか、ダブルドライバー経由で
士道に返答した
[彼には僕が調査を依頼しておいた。僕がいってもよかったのだが、何せリスクが高すぎる。力は未知数だが、一人で変身できてかつこちらの事情をしっているのが彼しかいなくてね。
もちろん、このことは琴里ちゃんには肝試しをするときにすでに伝えた]
「まぁ、あそこまで戦えたんならちょっとやそっとじゃ死にやしないと思うがなぁ」
そういいつつも、ハンカチを取り出し舐められたであろう箇所を近くの給水場の水を使って折紙の唾液を拭っていったのだった
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Area 神社
「確か、フィリップが言っていた調査してほしい場所というのはここか……」
士はマゼンタのトイカメラを片手にパシャリと神社の風景を写真のカメラに収めていた
その後ろに夏海とユウスケが士の調査についてきたのであった
「見た感じ、普通の神社だね」
「でも、初夏の誰もいない神社というのも何か怖いですね……」
「なんだよ、ナツミカン。怖いのか?」
「怖くなんかありません!私もライダーの端くれですから」
「キャー、夏海ちゃん可愛いっ!」
夏海はここに訪れた時には少しおどおどしていたが、士に馬鹿にされると強がってプイっとそっぽを向いた。そこにキバーラがクスッと笑いながら夏海の後ろをついていく
ザッ
すると周りの夜の風景が一変し、きれいな星が輝いている空が一変し、赤黒い空に変貌する。すると、大量の怪物をつれてやってきたのは「目が紅い」シャドームーンだったのだ
「よそ者の分際で……これ以上我々の邪魔はしてもらわないでいただきたい!」
ユウスケと夏海が身構えると士が前に出て変身用のカードを白い箱の銃…..ライドブッカーから取り出しつつもシャドームーンに聞きだす
「よそ者なのはお前らもだろ?何が目的だ、エデンショッカー」
「目的……?決まっている、全次元世界の支配だ」
「なら、どうしてこの世界を執拗に狙う?」
「それは、我々の拠点となる世界をここで作り上げるためだ。貴様は歴史改変マシンというのを覚えているか?」
歴史改変マシンというのは以前、エデンショッカーになる前の組織、ショッカーが別の世界で作り上げた歴史そのものを書き換えてその世界を自分のものにしようとする計画があったのである(詳しくはスーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号参照)。しかし、その計画はディケイド含む、仮面ライダーに潰されたはずなのである
「それがどうした?」
「今度は歴史改変マシンなどというポンコツとは比べ物にならない。歴史を改変して世界を思い通りにする力そのものを欲しているのだ!その鍵が、この楽園のどこかに存在するのだよ」
「なるほどな……じゃあ、その鍵とやらが見つかる前にお前を倒せばいいんだな?
……変身」
士はライダーカードをドライバーに入れた後にスライドを元に戻す
Kamen Ride Decade
「はっ!」
「僕たちも行こう、夏海ちゃん!」
「はい!」
「キバっていくわよぉ!」
夏海は腰にドライバーのようなものが現れるとキバーラは夏海の人差し指にキスをする
対してユウスケは何もないところからベルトが現れて左腰のスイッチを同時に押した
「「変身!」」
夏海は仮面ライダーキバーラ(紛らわしいので描写は夏海にします)と呼ばれる白と中央に青のスーツ、そして肩や腰部分に銀色の騎士装甲を身に纏わせ、顔に赤いアイレンズの戦士に変身する。対してユウスケはシンプルな赤いアーマーに黒いスーツ、顔面にクワガタのような角が二つ立った仮面ライダークウガへと変身したのであった
「やれ!」
「「「イーッ!!」」」
補足ですが、私は人間失格という本は概要しか分からないので、深く聞かれてしまうと答えられないので暖かい目で見てあげてください。
あと、ライダーの知識がどうしてもこの章では多くなってしまうので、もし分からない場合はウィキペディアに大体乗ってるのでググっていただけるとありがたいです
私も全部端から端までライダーを網羅しているわけではないので、前のようにクロックアップの位置が違うとか武神の漢字が違うとかの指摘もお願いします