現状特に出番の予定はなく、思いついた設定を書きなぐっただけなので、予告なしに変更する場合もあります。
「……………………健太郎くん?」
ゴゴゴゴゴゴゴと音がしそうな感じで美樹ちゃんが健太郎くんとショートカットの女の子を見ている。
うわぁ、なんか目が赤いしちょっと牙も出て…てかマントみたいなのが見えるような…してたっけ…?いや、気のせいか…
「あわわわわわわ…美樹ちゃん、この子は…ほら!ひつじ飼いのリンダちゃんだよ!」
「美樹ちゃん久しぶりー。」
リンダちゃんとやらは笑ったままのんきに手を振っている。
「…それは知ってるけど…ずいぶんと仲がよさそうじゃない?ねぇ…健太…ひゃあ!?」
まるで見下すような表情で健太郎くんを問い詰めていた美樹ちゃんが急に悲鳴を上げた。
「ぐえーぐえー」
見れば青黒いひつじが後ろから美樹ちゃんのスカートに顔を突っ込んでいる!
「ひゃあああ!パンツ引っ張らないでー!」
「ぐえーっ」「何この変な生き物!」
「わーっ!美樹ちゃん!落ち着いて!」
「こらーっ!しげしげ!やめなさい!」
……とにかくひつじは引きはがされ、美樹ちゃんも落ち着いた。
「…ちうちう」
毎度おなじみのヒラミレモンをそっぽ向きながら吸っている。
「美樹ちゃんを取り戻せたんだねー。健太郎くんすごーい。で、こっちの茶髪ギザ歯の子は…」
「エールです。二人がヒラミレモンを買うのについてきたの」
「そーなんだー。わたしはリンダ。ひつじ飼いをしてるの…って見ればわかるか。」
うんうんとリンダは頷いたあと、健太郎くんに向き直った。
「でも、健太郎くんが正気…いや、しっかりしててビックリしたよ!前はなんて言うかこう…だいぶ変だったし…」
「え、えーっと…そうかなぁ…あはは…」
「うーん?今でもちょっと変わってるところない?」
「前の健太郎くんは用もないのにあちこち穴を掘ったり、トンカチとアイマスクでところ構わず眠りこけたり、雑草をむしゃむしゃ食べたり、川や石と人生について語り合ったりしてたけど」
「それはちょっとじゃなくてだいぶおかしいね…」
「ううう…それは…その…」
頭を抱える健太郎くん。
「美樹ちゃん、今みたいな奇行ってあなた達の世界では普通だったりする?」
「え?ううん。そんなことないけど」
よかった。そんな世界は嫌だ。
「そ、そのー…美樹ちゃんがさらわれて気が動転してたんだよー」
「まあ、そういうことにしておこっか…」
「あの頃の健太郎くんがあんまりにも危なっかしいから心配になってさー。
ここに居て、って言ったらプロポーズと勘違いするからビックリしちゃったよ。
僕は美樹ちゃんを助けるんだー、って突っ走っていったけど」
「はぇー…」
「健太郎くん、しっかりして。ちょっとじゃなく変でも私は大丈夫よ」
「うう…美樹ちゃん…」
なんか二人もいつもの調子に戻ったようだった。ひつじ様々だな。
「じゃーねー健太郎くん、美樹ちゃん、エールちゃーん。また来てねー」
お土産にひつじの卵をいくつかもらって手を振るリンダと別れ、サーレン山を下り始めた。ひつじの卵は結構美味しいらしい。
「あたしが料理するわけにもいかないし、健太郎くん、料理できる?」
「うん、なんとかね。明日にでも作るよ」
「健太郎くん、私目玉焼きが食べたいな」
「えーでも目玉モンスターを探さないと…」
「そういうのじゃなくて!」
「まあ、なにはともあれヒラミレモンが手に入ってよかったね。」
「うん、これでゼスに向かって…」
「次元の門をつかって日本に帰れるね!」
「まーここからゼスに行くのもまた一苦労だけどね…」
あたしたちは喋りながらサーレン山の登山道を降りていき…
「あれ?」「はれ?」「えー?」
下りた先に、ウォークランドの街はなかったのだった。
「あれ?ここに街があったよね?」
「どういうこと?」
「町に足が生えて、歩いてどっかに行っちゃったのかな?」
「きょうびそんなことがあるわけないでしょ!」
「ふふふふふふ、街が歩いてどこかに行った、ですか…」
あたし達がワーワー騒いでいると突然声がかけられた。
振り向くと、向こうから長身の男の人が歩いてくる。
「あなた方、サーレン山から下りられたのですよね?途中で道を間違えられたのですよ。ここは西側の登山口。街があるのは南側です」
笑いながら話す紫髪に眼鏡の男性。鎧は着てないけど軍服だな。軍人さんか…
「えっ、そうなの?」「気がつかなかったなあ…」
「ところで貴方は?」
「ああ、申し遅れましたね。私はアリストレスと言います。少し向こうの番裏の砦で働いていまして。たまに気晴らしにこのあたりに来るのですよ」
番裏の砦…ってことは二軍か。この人も弓を使うのかな?
「山が好きなんです?」
「山もいいですが、どちらかといえば植物ですねー。サーレン山は植生が豊かで色々な草花が見れるのです。ウォークランドには花屋もありますし」
あんまりへルマン軍人らしくない、ちょっとぽやぽやした人だ。さすがに体は鍛えられてるけど。
「せっかくです。街まで案内しましょう。こちらですよ」
「わー、ありがとうございます!」「助かったね、健太郎くん」
アリストレスさんの先導で荒野を歩き始める。
「ところで、さっきなんで笑ってたんですか?」
「ああ、昔の話ですが、あなた方と同じようにサーレン山で道に迷って、街が歩いてどこかに行ったのだ、と主張した貴族がいたのです。ウォークランドという街の名はその貴族の言い訳にちなんだそうですよ」
「昔の人も変わんないんだなあ…」
「以前はこのあたりに高い塔のある教会があって目印になっていたのですが…しばらく前に魔物に襲われて焼け落ちてしまいまして。神官様は最後まで戦い運命を共にされたとか…」
健太郎くんと美樹ちゃんは黙って聞いている。もしかして心当たりでもあるんだろうか?
話しているうちにウォークランドの街が見えてきた。
「ありがとうございましたー」「ましたー」
「いえいえ、当然のことですよ。」
パタパタ手を振って微笑むアリストレスさん。
うーん…この人たぶん相当強いんだけど…
ちょっと線が細くて…失礼だけどなんとなくあっさり死にそう。…そうだ。
「あ、よかったらこれもらってください。」
あたしは荷物からヒゲのおっさんにもらった世烏賊癌を取り出した。
「なんでしょうかこれは…丸薬?何か描いてありますね」
「すごくよく効く回復薬だそうです。瀕死でも助かるけどすごい副作用があるとか…」
「ふむ…副作用?どのような?」
「さあ…でも、くれた人は死ぬよりはましと言ってました…」
「…うーん、その、申し訳ないんですが、ちょっと怪しいですね…」
「そうですよね…オアマとか言う人が作ったらしいんですが」
「オアマ…?まさかオアマ・モトヒーデ博士…?」
「知ってるんですか?」
「ええ、生物学の権威で有名な方です。しかし噂では…いえ、止めておきましょう。」
アリストレスさんは少し考えてから丸薬を懐にしまった。
「お心遣いを無駄にするのもなんですので、もらっておきます。使用を検討するような事態には遭いたくありませんがね…それでは、皆さんお気をつけて。」
「さよーならー」「ありがとうございましたー。」
長身の影が去っていくのを見送って、あたしたちはウォークランドの街に入った。
まだ時間があったので街をうろつくことにした。
パン屋さんに入ってみると、甘ったるい声の女の子が店番をしていた。
名前はシュガーと言うらしく、名前まで甘ったるいというと睨まれた。
売っているパンはヘルマンでは珍しく、やわらかくておいしいパンだったが、時間がたつとカチコチになって普通のヘルマンパンになるらしい。どういう理屈だろう?
腹ごしらえをした後は、要らんものを質屋のババアに売りつけたり、花屋や薬屋を引っ掛けたりした。
武器屋もあったが、なんとなく腰の剣から圧力を感じたのでやめた。
なんでも、この街の酒場にはすごくよくあたる天才占い師の女の子がいたらしいが、今はいなかった。
おかしを求めてどっかに行ってしまったそうだ。
そんなに当たるならあたしの将来とかについて占ってほしかったんだけどな。
もう一軒残っている占い屋があったが、アレはインチキでぼったくりなんだよ、と二人は憤慨していた。
まぁ色々あったんだろう。
翌朝、うし車に荷物を積み込み、ヒラミレモンも持てるだけ持った。
「体調ヨシ!荷物ヨシ!問題ないね!じゃ、ゼスに向けて出発するよ!」
「おー!」「わー!」「…はい、いきましょう」
二人と一振りの返事を受けて、あたしはうし車を走らせたのだった。
イカ、妄想です。
謎のイカマン
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弓2 剣1 統率2 園芸1
第二次魔人戦争で魔軍相手に苦戦するヘルマンに突然現れた、仮面で顔を隠した謎のイカマン。
8本あるイカの腕で4つのクロスボウを構え、高精度の狙撃を高速で連射する。
その姿はまさに一面八臂。
さらに指揮や統率にも長けているらしい。
どう見ても怪しいにもほどがあるが、それどころではなかったヘルマン軍には歓迎され、魔軍との戦いの一翼を担うこととなる。
その正体は謎に包まれている。
「彼女が笑えているのなら他は全部どうでもいいのです。」
「そのために戦えるのなら、それでいいじゃないかと」
「そうとでも思わないとやってられなくて。あっはっはっはっは…」
R10カード
イカマン イカーム
ヘルマン所属
AP2500 HP3800
スキル1 遠距離・零
スキル2 遠距離・零