【ペンタゴンを止めろ】
刑務所にいたらしいテロ組織ペンタゴンがまたろくでもないことをしているらしく
ウルザさんは止めて欲しいらしいが、正直無理があると思う
まあとにかく出撃だ
なんか武装した連中がアジトを訪ねてきたと聞いて来てみたら、会議室の前にはランスお兄ちゃんとシィルさんが立っていた。
「おはよーお兄ちゃん、シィルさん」
「ん、エールか」「おはようございます、エールちゃん」
二人はこちらをチラリと見て、すぐに視線を戻す。
その先には、青い制服を着てびしっとならんで待機する男たち。胸には五角形のバッジがついている。
「もしかしてこの人たち…」
「あ、エールちゃんはあのときいませんでしたよね。この人たちはペンタゴンだそうです」
「やっぱそうかー」
こいつらがろくでもないことにかけては右に出るものが居ないゼス名物のテロリストか…
あたしは立ってる男たちをざーっと見た。
んー。そんなに強くはないけど、それなりには鍛えられてる。
でも、兵士として訓練されてるかどうかと言われると…微妙かなあ。
『軍隊ごっこ』をしている感じというか…
お兄ちゃんがどっかで見たような女の子の隊員にちょっかいをかけているうちに、ドアが開いてヒゲのおっさんと水色の髪の女性が出てきた。
「話になりませんでしたね…」
「うむ…まぁ予想通りではある…仕方あるまい」
「あ、提督ー。エリザベスさーん。」
「交渉は終わりだ。帰るぞ」
「「はっ!」」
ペンタゴンの人たちはざざざっと微妙にそろっていない足音を立てて帰っていった。
「なんだったんだ?」
「さぁ…?」
「……」
あたし達はその後姿を訳も分からず見送ったのだった。
そして数日後。
「うわー…」「うむ、大騒ぎになっとるな」
オールドゼスまでやってきたあたし達は炎上する建物と、その前で右往左往する人々を眺めた。
「早く火を消せ!」「間に合いません!あっちこっち火の海で…」
「軍の突入はまだか!?」「現在将軍が準備を…」
「フランチェスカに伝えてくれ…愛していたと…ぐふっ」「し、しっかりしろー!」
炎上しているのは治安隊の拠点、治安本部だ。近くを治安隊やゼス軍とおぼしき人たちがワーワーと走り回っている。怪我人も大勢出てるみたい。
頭が痛くなってくるな…
「まずは任務を確認するぞ」
お兄ちゃんがバサッと任務表を広げた。
「はい…ペンタゴンの皆さんが、マナバッテリーというゼスの重要な設備を破壊するテロを企んでいて」
「でも場所がわからんもんだから、あちこちの要人を拉致したり施設を襲ったりしていると」
「それで、今度は治安本部を襲撃する計画を立てて」
「ついでに治安本部に収監されている囚人を解放しようとしてるのかも」
「先日は私たちアイスフレームにも協力を要請しに来てたんですね」
「でも、ウルザさんは断って、ペンタゴンを説得して止めろと指令を出したと…」
あたしたちは燃え上がる治安本部をもう一度見上げた。
「正直説得とか無理じゃない?」「そりゃそうだろうな」
こんなことをやらかす相手が説得に応じるとは思えないわな…
「まあいいだろ。かわいい女の子以外は別に死んでも構わん…おっと」
「戻ったわ。」
あたし達がぼやいていると、かなみさんがしゅたっと戻ってきた。
「もう中はペンタゴンが占領してる。で、アレックスって将軍が率いるゼスの正規軍が包囲してるみたい」
「えーっと、アレックス将軍ってことは…」
「光軍ですわね。」
情報を得てくると言ってどっかに行っていたカオルさんもすっと戻ってきた。
「おう、どうだった」
「ペンタゴンは、治安本部の職員を人質にして立てこもっているようです」
「だから軍も迂闊に突入できないんだね」
「連中は何か要求でも出しているのか?」
「人質を解放する代わりに、四天王山田千鶴子が来ることを要求しているそうです」
「山田千鶴子…千鶴子…おお、この姉ちゃんか」
お兄ちゃんがポケットから雑誌の付録と思われる小冊子を取り出して開いた。
「なにこれ?」
「がははは、ゼス美女名鑑だ。えーっと…この子だな」
「どれどれ…うわぁ」
お兄ちゃんが開いたページには、全裸に赤いリボンを巻いて局部を隠しただけの格好をした黒髪の女性が、なまめかしい表情とポーズで写真に写っていた。
「確かに美人だけど…すごい格好だねぇ」
『麗しき黒髪の才媛』とか恥ずかしいキャッチコピーもついている…
四天王と言ったら国家の重鎮なんだろうに、よくもまぁこんな格好を…もしかしたら趣味なのかもしれないな。
「公務とはいえ、お気の毒に…」
カオルさんがぼそっと何か漏らした。
「ん?なんか言ったか?」
「いえ、なんでも」
目をそらすカオルさん。うーん…やっぱ似てるな…
あたしはアリオスさんと一緒にアホ貴族を成敗したときに遠目で見たでかいオッサンと、そばに立っていた和服っぽい影を思い出した。
今の情報収集の手管といい、その筋の人…だよねえ。ウィチタさんの同僚かな?
まあ、今はいいか。悪い人じゃないと思うし。
「しかし、これだけの美人を呼び出すとは… エッチなことをする気に違いない!」
「ランスじゃあるまいし…もっとまじめな目的でしょ」
「俺様は大まじめだ」「はぁ…」
お兄ちゃんの答えに額を押さえる志津香さん。
「ゼス側はそのような要求には応じない構えの様です」
そりゃそうだ。テロリストには譲歩しない、これは国際的な常識である。
「ペンタゴンは要求がのまれない場合、一時間ごとに人質を一人処刑すると宣言し…現在二時間経過しています」
「…実行しているというわけか」
「はい…」「うへぇ…」
「じゃあもう二人死んでるのか。なんて奴らだ」
「ええ、急ぎ侵入しましょう。こちらに侵入ルートを確保してあります」
「どうやってそんなもんを確保したんだ?」
「お金で、なんとかなる場合もありますでしょう?」
「む、そういうものなのか…」
カオルさんの笑顔にごまかされるお兄ちゃん。
なるわけね~だろ…とは思ったが…今はいいや。
あたし達は路地裏にある入り口から侵入したのだった。
治安本部の中はモンスターや魔法兵器がうろついていて、ペンタゴンの隊員も話を聞かないのでまとめてしばき倒して進んでいく。
そこまでは予想通りだし、まあいいんだけども…
がちゃりと扉を開けた先には何人かの治安隊の職員たち。
「むっ、扉が空いたぞ」「助けが来たのか?」
「いや…服装が違う。二級市民だ!」
「テロリストめ、成敗だ!」
治安隊員たちはこちらに襲いかかってきて…
「うるせー!」ぼかぼかぼかーっ
「「「ぐえーっ!!!」」」
一瞬でぼこぼこにされて床にのびた。
「またこれかぁ…」
「話を聞かないという点ではペンタゴンと変わらんな」
とりあえず放置して先に進むと、ハニーがひしめいてあいやあいややかましい通路があった。
近くのハニワ処理部屋から逃げ出したっぽいので、とにかくオリに押し込んで鍵を閉める。
「はぁ…やかましかった。あれ?リズナさんどうしたの?」
「ええ…このハニーさんたち、処理されてしまうのでしょうか…」
「うーん、ゼスで魔法の効かないハニーは危険生物扱いだからねえ」
「そんな…かわいそうです。逃がしてあげられませんか?」
「あたしたちで逃がすのはちょっと無理だよ…」
「そうですね…」
「ハニーはどうやって処分されるんだ?」
悲しそうに目を伏せたリズナさんに、お兄ちゃんが声をかけた。
「あそこのパネルで、毒ガスが吹き出るようになっていますわ」
ハニーって毒ガス効くんだ…呼吸してんのかな…
「そうか。ふん」ばきーっ
言うが早いか、パネルをぶっ壊すお兄ちゃん。
「これで多少は長生きできるだろ。」
「あ…ありがとうランスさん…ごめんね…あとはどうにか自分達で逃げてね…」
オリに向けて声をかけるリズナさん。逃げてったってどうするんだろうか…とは思ったが、ハニワたちは楽しそうにあいやあいや騒いでお礼を言ってたのでそれでいいのかもしれないな。
また兵士やモンスターを蹴散らしながら進み、階段をいくつか登ると、そこは少し広い部屋になっていた。
「むっ、貴様らは…ふん、アイスフレームの連中か。」
「何をしに来た!」
見張りをしていたペンタゴンの兵士たちが誰何してきて、カオルさんが一歩前に出る。
「ウルザ様の使いです。ネルソンさんに用が…」
「我らペンタゴンは忙しい!貴様らのような軟弱な連中に付き合っている暇はない!」
「とっとと尻尾を巻いて帰れ!さもなくば…」
「おっ、やるか?」
兵士が腰の剣に手をやり、お兄ちゃんが反応した。
あーあ…面倒なことになりそうだなあ…と思った瞬間。
「まあ…落ち着けよお前ら」
ずいっ、と眼帯をした大柄な男が割って入ってきた。
描くこと多い割に面白くかけるシーンが少なくて何度か書き直しました。
次は戦闘とかいれるぞ~!