【二章完】ちょっと早めのエールちゃんの冒険   作:砂嵐36

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ー任務表ー
【ペンタゴンを止めろ】

オールドゼスの治安本部はペンタゴンに占拠されて滅茶苦茶だ
ウルザさんは説得して止めろ言うけどどうすればいいやら…
まぁやるだけやってみようか


21.エールちゃんは演説を聞く

割り込んできたアイパッチのごついおっさんは、ペンタゴン幹部のフットだと名乗った。

物騒な錨を持ってるし、やる気かと思ったのだが…

「おお、ウルザんとこの連中か…ウルザの調子はどうだい。ダニエルのやつがお守りしてるだろ」

呑気にパイプをふかしながらウルザさんの容体について尋ねてくる。

毒気を抜かれたあたし達はちょっとフットと話したのだが…なんでもウルザさんとお兄さんのビルフェルムさん、そしてダニエルさんはペンタゴン八騎士と呼ばれる幹部であったらしい。

それで、過激化したペンタゴンについて行けなくなったウルザさん達3人は組織を抜けてアイスフレームを立ち上げた。

それで、作戦の失敗でウルザさんは負傷し、お兄さんが死んだショックもあって、立ち上がれなくなってしまった…ということのようだ。

……もしかしてあれかな…あたしが健太郎くん達と別れた後に巻き込まれた騒ぎ……

今は関係ないか。忘れとこう。

 

「喋りすぎちまったな、まぁ俺たちの邪魔をしないなら好きにしな」

フットはのしのしと去っていき、あたし達はネルソンを探して広間をうろつくことにした。

ロドネーとかいう顔色悪メガネとキングジョージというトゲブロックゴツ男がこちらにガンを付けてきたり、

味方になってくれそうな封印囚人を解放しようとしてる女の子を見つけたお兄ちゃんがイタズラして、血まみれ天使とかいう(ぴ~~~~~~)が(ぴ~~~~~)なとんでもないのを解放してしまったり、

エリザベスというらしい水色の髪の女性が、職員とおぼしき二級市民たちに演説をしているのをながめたり…

治安本部に勤めてるくらいだからそれなりに真面目なはずなのに、すっかり職員たちの目の色は変わっていて、正直怖かった。

 

 

「ごきげんよう、アイスフレームの諸君。正規軍が取り巻いている中、よくここまで来られたものだ」

そして、前にエリザベスと一緒にアジトに来ていたヒゲ親父…ペンタゴン提督、ネルソン・サーバーが目の前にいる。

「気が変わり、我々の思想に賛同するというなら…歓迎しよう」

声が良く通るし、台詞の前後にいちいち身振りが入る。なんというか、舞台役者っぽい?

「無意味な人殺しをするくらいなら自分でチンコいじってたほうがましだ」

「ふむ、残念だ…では、なんの用かね?」

「我々はあなた方の暴挙を止めに来ました…」

ランスお兄ちゃんの下ネタも気にしない様子のネルソンに対してカオルさんが一歩前に出た。

「暴挙?」

「ええ、こんな方法では…」

「我々は死など恐れん…」

「犠牲が大きすぎる…」

「大事の前の小事だ、我々の理想を、正義を…」

「ですからその考えは…」

二人はわちゃわちゃと議論を始めたが。

カオルさんの言うことはもっともなんだけど、それを理解できるなら最初からテロなんてしないんだよなあ…

というか、だんだん声が荒くなっていくカオルさんに比べて、ネルソンの態度は堂々としていて、言葉の選び方も上手い。

国の問題点を指摘し、それに同意させた上で解決しようとする意思の強さをひたすらに誇示する。

犠牲の大きさについては尊い犠牲と軽く触れるだけで流し、解決の具体的方法については言及しない…うーん。

端からみてるとネルソンの方を支持する人も出るだろなあ。

案の定、その辺のペンタゴン隊員も感動したような顔をしているし…

ろくでもないテロをしてる最中でなければ、あたしもいいこと言ってるとか思ってしまうかもしれない。

「ふむ、これ以上の話し合いは無駄なようだ。」

ネルソンが残念そうに肩をすくめて首を振る。

「どこへ行くのですか!」

「我々も暇ではないのでね。気が変わって協力する気になったなら、いつでも来たまえ。歓迎しよう」

ネルソンはさっとマントを翻して行ってしまった。

「わかっちゃいたけど聞きやしないね…どーする?」

「ウルザちゃんの指令があるしなあ…どうにかする方法を考えよう」

 

ペンタゴン兵士たちの間をすりぬけ、適当な小部屋を覗いてみると、そこにはボッコボコにされて縛り上げられた治安隊員たちがいた。

「ぐっ…なんだ…お前ら…テロリストか…?」

「ま、まだそんなに時間はたってないはずだぞ!」

口々に震える声で叫ぶ職員たち。

「ああ、この人たち例の一時間ごと処刑の候補なのかな?」

「ふむ、どれどれ…」

お兄ちゃんが治安隊員たちに近づく。

「助けてあげるんですか?」

「いや、かわいこちゃんが居ないか確認を…おっ!」

「へっ?」

お兄ちゃんが目を付けたのは、治安隊の隊長らしき女性だ。どっかで見たことあるような…

「た、助けてくれるの!?」

「うむうむ、俺様は美人の味方だ。無論助けるが…その前に!いただきじゃー!」

「きゃーーーー!あんまり助かってない~!」

そのままおっぱじめるお兄ちゃん。別にいいけどタグが面倒になることは隅っこでやって欲しいなあ。それにしても…

「あの治安隊長、なんか見覚えがあるようなないような」

「イタリアで何度か追いかけられたことがありますね」

「あー!イタリアの!」

例のバカ貴族事件の時に会ってたな。名前はキューティとか名乗ってたっけ…?

「ズルキとかの手先をやってたし…まあ自業自得かなあ…」

そうこうしている間にお兄ちゃんは事を終え、ズボンを穿き直して戻ってきた。

「がははははは!あースッキリした!」

「なあ、あんた…美人の味方って言ったよな?」

そんなお兄ちゃんに、一人の捕虜が声をかける。

よく見たら治安隊と制服が違うな。ゼス軍の人かな?

「ん?ああ。世界の美少女は俺様のものだからな。当然守る」

「な、なら…俺たちの隊長を助けてくれ!頼む!」

その人は縛られたまま、頭を地面に擦り付けた。

「隊長?どうせおっさんだろ?」

「いや…美人だ…と思う。」

「ほう?聞かせろ」

「俺たちは地方守備隊で、ここには所用で来てて巻き込まれたんだ…他の職員を人質に取られて、降伏するしかなかったんだが…」

地方守備隊?なんかどっかで聞いたような…

「さっきやってきたネルソンにうちの隊長が…春川隊長が抗議して…『良い度胸だ、次の処刑対象は君にしよう』って連れていかれちまったんだ!」

「春川?春川さんってあの黒髪ツインテの?」

男が叫んだ名前に聞き覚えがあったあたしは割り込んだ。

「あ、ああ…そうだ…」

「知っとるのかエール」

「知ってるもなにも…あたしとブルー隊を制圧して捕まえた人だよ。悪い人じゃなさそうだったけど」

「ほう。お前を取っ捕まえるとはそこそこ強いんだな…美人か?」

「うん、どこに出しても恥ずかしくない美人だと思う」

少なくともあたしと同じくらいには美少女であった。

「むむむむ!それはいかん!急いで救出に向かうぞ!」

お兄ちゃんのやる気ゲージがマックスになり、あたしたちは急いで処刑パフォーマンスが行われている場所に向かった。

 

「聞こえているか!愚かな政府の犬共!要求を出してから三時間が経ったが、いまだに四天王山田千鶴子は来ない!」

ネルソンが拡声器で叫んでいる。

「どうやら我らの闘志がいか程のものか、いまだに理解していただけていないようだ!」

ネルソンが合図を出すと、部下たちが五人の捕虜を引きずってきた。

「これからは一時間に一人ではなく…五人とさせてもらう!」

「や…やめろー!やめてくれー!」

「むー!むー!」

一人だけ猿ぐつわをされてジタバタと暴れているのは、確かに先日マジノラインの牢屋であたしたちに頭を下げた隊長さんだった。

「五人も!?どうします、ランス様…」

「おお、あれか…確かになかなか…どっかで見たような…」

物陰から様子を伺うあたしたちの前で、ネルソンは言葉を続ける。

「気の毒だが…我が身可愛さに君たちを見捨てる政府を恨みたまえ…」

ネルソンが手を振ると、ペンタゴンの兵士が隊長さんに手を掛け、持ち上げる。

「むーっ!むむーっ!」じたばた

そのまま下に落とそうとしたところで…

「させるかー!ランスキーック!」

「ぎゃー!!!!!」

ランスキックを食らった兵士はまっ逆さまに落ちていき、隊長さんはその場に転がった。

「がはははははは!正義は勝つ!」

「なぜ、我らの邪魔をする?」

勝ち誇り、隊長さんを担ぐお兄ちゃんにネルソンが尋ねる。

「可愛い女の子が殺されるところを俺様が見過ごすわけあるまい!女を殺すやつに正義を語る資格はないわー!」

「貴様ー!提督の作戦の邪魔を!かかれー!」

エリザベスがキレて号令を出すと、わらわらと兵士が剣を抜いてこちらに向かってくる!!

「おっしゃあ!」「ひー!」「はいっ!」「とりゃー!」

みんなはそれぞれ武器を抜いて応戦する。

「後ろからまた来るわ!」「第三波!かかれー!」

あたしも何人か切り捨てたが、全然数が減らない!

「うーむ、ここは場所が悪いな…」

お兄ちゃんは隊長さんを抱えたままあたりを見回し…

「おっ!あそこなら行けそうだ!とおーっ!」

バルコニーから横方向に身を踊らせた!

「えーっ!」「ランス様!?」

「がはははははー!ものども、ついてこーい!」

あたしたちの見ている前で、お兄ちゃんは屋根やらひさしやら配管やらの出っ張りを飛び移りながら下へと降りていく!

人を抱えているとは思えない身軽さだ!

「え…ちょ、ちょっと…私たちはどうすんのよー!」

「何て無茶を…」

マリアさんと志津香さんが文句を言うが、他に脱出できそうなルートはないしなぁ…うん。

「かなみさん!魔法使いのみんなをお願い!あたしたちもすぐ行くから…パットンさん!ロッキーさん!」

「良い判断だぜ、エールの嬢ちゃん。任せときな」ごきごき

「ひ…ひー…怖いだす…」

あたしは剣を構えて前に出た。拳を鳴らすパットンさんと少し震えるロッキーさんも一緒だ。

「エールちゃん…うん、行くわよみんな!」

「は、はい!」「悪いけど、よろしくね…」

他のみんながかなみさんの補助を受けながらそろそろと降りていく。

「おのれ!逃がすなー!」

「あいつらを排除しろ!」

ペンタゴンの兵士たちが殺到してきた!

「どりゃー!AL魔法剣!ヒーリング!」

「はっはぁ!いくぜ!」

「ひーっ!斧ぶーめらん!ぶーめらん!」

「「「うぎゃーっ!」」」

パットンさんが突っ込んで暴れまくり、あたしも剣を振り回しながらながら回復し、ロッキーさんがボコボコにされつつも援護する…

そんな感じでどうにか時間を稼いでから、あたしたちもお兄ちゃんのルートをたどって逃げ延びることができたのだった。




ペンタゴンの皆さんはみんな設定や技能がしっかりしているので妄想を挟む隙間がないんですよね…

ちなみに春川ちゃんは『貫通済み』です。
学生時代に貴族の妬みで事件に巻き込まれて犯されており、
痛いばっかでいい思い出ではありませんでした。

以下、妄想です。

Lv38 詠流 所属・ゼス
AP4400
HP4200

ライト 1AP
魔法1.3倍 対魔法生物 効果大

側面の排除 1AP
敵支援を1個排除

光軍の副将を務める黒髪の才女
真面目な性格で、短剣の扱いにも長ける
マジックに振られたアレックスに興味を持っていたが
またエロピチャにかっさらわれてしまった


Lv74 詠流 所属・ゼス
AP5400
HP5000

超・光の矢 0AP
魔法1.3倍 対魔法生物 効果大

白色破壊光線 7AP
魔法8倍 対魔法生物 効果大

※条件・アレックス永久地下牢で戦死

アレックスが戦死したので光軍の将軍代理に就任した
もうこの際超年上でも…とガンジー王に近づこうとしたが
またまたエロピチャにかっさらわれてしまった
様々な感情を込めた白色破壊光線が魔軍を貫く
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