【ペンタゴンを止めろ】
守備隊の女隊長を助けるためとはいえ
本格的にペンタゴンにケンカを売ってしまった
どうしたもんかなぁ
「ぷはっ…助けてくれてありがとうございます…」
「うむ、お礼に一発やらせろー!」がばーっ
「えっ…えーっ!?お礼をするのはやぶさかではないですけどーっ!」
「がはははは、嫌と言っても関係ないわー!」
「い、いえ!別に嫌なわけでは…ただ私の身体がお礼として適当ではないのではないかと…後日相応の品とお礼のお手紙を差し上げますので…」
「いーや、そんなもんより君が欲しい」
「えっ…そ、それって…」
「というわけでめくるめく官能の世界にゴー!」
「ひゃ~~~~~~~~~~~~!」
という流れでランスお兄ちゃんと女隊長さんがおっぱじめてる間にあたし達はみんなに合流できた。
「お疲れ様、エールちゃん。無事でよかったです…」
「うん、パットンさんとロッキーさんもいたしね。」
「おう、あれくらいはな…おい、大丈夫か?」
「だ、大丈夫だす…お手数をおかけしましただ…あだだ…」
パットンさんに担がれてるロッキーさんが肩を押さえてうめく。
「あ、今ヒーリングするね。いたいのいたいのとんでけー…」
「ありがとうございますだ、エール様」
あたしはロッキーさんの治療をしながらあたりを見回した。えーと…あれ?
「カオルさんがいなくない?」
「そういえば…どこに行ったのかしら」
「下りてるところは見なかったわよ」
「上にも残っていなかったよな?」
「あの人のことだから無事だとは思うけど…」
「……」
「あ、お兄ちゃん」
話しているうちにお兄ちゃんが戻ってきた。
「ランス様…もう、よろしいのですか?」「あー、まぁな」
気のない表情でシィルさんに生返事をする。
女隊長さんは部屋の隅でタグが面倒になる姿でひっくりかえっている。
結構な美人だったし何回かやると思ってたんだけど…何かあったのかな?
「…うーむ」
お兄ちゃんがあたしの顔をちろりと見た。
「なに?あたしのかわいい顔に何かついてる?」
「なーにがかわいい顔じゃ~!」
「あだだだだだだ!」またほっぺを引っ張られた!
「……名前がな…よりにもよって…うー…」
お兄ちゃんはうーうー唸りながら離れていき、シィルさんの乳を揉んでいる。
「ランス様?」
「いや、なんでもない…なんでもないのだが…ぐぬぬ…可愛いのに…なんか…」
「??」
なんだろう、変なものでも食べたのかな…?
「皆さん。ご無事でしたのね」
困惑するあたしの前に、すっ、とカオルさんが姿を見せた。
「おお、どこに行っとったんだ」
「お恥ずかしい話ですが…少々迷ってしまいまして…」
「がはははは、カオルもどんくさいところもあるのだな」
「それより、正規軍の突入が始まっているようです…急ぐべきかと」
「む、そうか。よし、行くぞ」
お兄ちゃんの号令であたし達は動き始める。
なわけねーだろ…と思いつつ、あたしも後に続いたのだった。
==============好感度上昇==============
エール FR==16+1/20
エール FR==17/20
=====================================
先ほどのバルコニーまで戻る途中、白衣の女性が倒れていた。
「おっ、美人…大丈夫か?服に血がついてるが…」
「ありがとうございます…それは……人ヲ!殺シタカラ!ダヨ!」
「うおおおっ!?」
いきなり振り回されたメスをお兄ちゃんはとっさに避けた。
「この人まさか…さっきランスが解放しちゃった…」
「血まみれ天使!?」
「クキャーーーー!ケーケケケケケケケケケ!」
白衣の女性…血まみれ天使は人間離れした動きで走り去って行った。
ひえー…世の中は広いなぁ…
「えらいもん解放したわねあんた…」
「えーい!うるさいうるさい!」
志津香さんに逆切れするお兄ちゃん。
絶対ろくなことにならないよねアレ…
今更仕方ないので進んでいくと、通路の途中にペンタゴンの一団が待ち構えている。
「あっ、トゲブロックゴツ男と顔色悪メガネ」
「なんだその呼び方は…全くこれだから馬鹿は…」
あたしが漏らした声を聞きとがめた顔色悪メガネがにらみつけてきた。
「ペンタゴンの幹部、ロドネーとキングジョージですわね」
「ほーん。で、お前ら何の用だ」
「お前ら…提督を馬鹿にしたな…」
「提督…?ああ、あのくるんちょ髭のネルソンのことか」
実にどうでもよさそうなお兄ちゃんの態度に、ペンタゴンの連中の目線が鋭くなる。あーこれは…
「提督は、お前らの気が変わるかもしれないって言ってるけど、気に入らないんだよね、お前ら」
ロドネーは毒々しい色の試験管を手に取り、キングジョージは物騒なトゲブロックを構えた。
「おっ、やるか?」お兄ちゃんが剣に手をかけ…
「時間はないけど…少しだけ遊んでやるよ!」ロドネーが試験管を投げつけてきた!
試験管が割れると同時に、中の薬品が一気に気化!、あたしたちは紫色の煙に包まれた!
「なにこ…けほっ!げほげほ!」
少し吸い込んだだけで気分が悪くなり、咳が止まらなくなる。
「これは…毒!?みんな、息を止めて!」
「無茶いうな…げほっ!げーほげほげほ!」
かなみさんが警告するが、もうみんなけっこう吸い込んでしまったようだ。
「ぐおおおおおおおおおお!」
動けなくなったあたし達に、キングジョージとペンタゴン兵士が突っ込んできた!
「死ねー!」あたしに向けて兵士の剣が突き出される!
そりゃ苦しいけど…この程度で!このエールちゃんが死ぬかっ!
「けほっ…えーいAL…魔法剣!」「がはぁ!?」「うっ…げほげほ!げーっほげほげほ!」
無理やり繰り出した必殺技で兵士を切り捨てた…のはいいが、息苦しくなってへたり込んでしまう。
「ペンタゴンの敵…排除!」「ぐっ…」
そんなあたしをトゲブロックで叩き潰そうとするキングジョージ!避けなきゃと思うが足に力が入らない…
視界がブロックで覆われ‥「ふんぬっ…!」途中で止まった。
「…カカカッ…なかなか力があるじゃねぇか…」パットンさんがブロックのトゲを掴み、押しとどめている。
「ぐ…うう…提督の敵…破壊!潰す!潰ーす!!」
「ぬぐぐぐ…ぐおおおおおおおおおおおおおおお!」
そのまま二人は両腕に力を籠め、がっぷり4つに組み合う!
「うわー…すごいロックアップだ…お?」
毒煙がいつの間にか薄れている。そりゃそうか。手持ちできる程度の量じゃそう長くは効果でないよね。みんなと渡り合う他のペンタゴン兵士もガスマスクはしてないし…
「ふんっ…次だ!」「げっ…」
見ればロドネーは次の試験管を手に取っている!
「えーい!面倒なもんまき散らすんじゃねー!」「おっと!」
お兄ちゃんが距離を詰めて剣を振り回すが、ロドネーは飛びのいて避けた!
「時間ないんだ…さっさと死ねよ!」次の試験管が投げ放たれるが…
「とおっ!」しゅっしゅと投げつけられた手裏剣が空中で試験管を打ち落とす!
「…まぁまぁ楽しませてくれるじゃないか…」
「ぬっ…がああああああああ!」「うおっ!」
ロドネーがガスマスクを手にして飛びのき、キングジョージもパットンさんを振り払って下がった。
「ちっ…こいつら…なかなかやる…」
「お二人とも!提督が!提督がお呼びです!」
「せっかく面白くなってきたところなのに…仕方ない。行こう」
「…ああ」
ロドネーとキングジョージは踵を返してその場を立ち去った。
「こら、俺様に変なモン投げつけといて無事で帰れると思ってるのか!」
「やめときなさい」「ぐえっ」
お兄ちゃんが追いかけようとするが、かなみさんに止められた。
「あいつの毒物、散布したあと味方が突っ込む分、毒性は加減されてたはずよ。追いかけてくる相手を撒くためなら…もっとろくでもない毒を使うでしょうね」
「おおー…さすが忍者」
「こんなことで誉められたくないけどね…」
「ちっ、次に会ったら叩き潰してくれる…行くぞ」
お兄ちゃんは剣を納め、あたしたちは先に進んだ。
正規軍が下から上がってくる音がしたのでその通路は避けて進むと、頑丈な扉で道が塞がれていた。
「なんだこりゃ…さっきは空いてたが」
「ペンタゴンが閉めたんじゃない?うーん、向こうに何か置いて塞いでるっぽい」
「だりゃー!ランスアターック!」がきーん。不発だ。
「いててて…ダメだなこりゃ」
そりゃ振り下ろし技だし、扉みたいなまっすぐ立ってるものに打ち込んでもうまく行かないだろう。
「どうする?迂回する?」
「んなこと言っても他にルートなかったろ…志津香、魔法でドーンとやれんか?」
「…無理よ…」
「え?白色破壊光線とかならいけるんじゃ…」
帽子を深く被って視線をそらす志津香さん。ああ…レベル不足か…
扉を調べていたマリアさんが口を開いた。
「うーん、ダメね。この扉を破るのは時間がかかりそう」
「でもそんなことしてたら正規軍に…」
「僕達が、どうかしましたか?」
あたしたちの背後から声がかけられた。恐る恐る振り向くと…
「…正規軍!」
白い指揮官服に身を包んだ、聡明そうなイケメンが兵士たちを率いて立っていた。
その布陣には一部の隙もない。本物の精鋭だ。
「くっ…これまでか…」
お兄ちゃんも観念したように言葉を漏らす。
まー普通はどうしようもないよね…でも…
「…」
あたしの見つめる前で、カオルさんがスッと前に出た。
カオルさんと指揮官らしいイケメン…恐らく将軍のアレックスとやらだろうか。二人は一瞬視線を交わし…にこりと微笑んだ。
「民間人の方ですね?こんなところでどうしました?」
「すみません、ここで働いているお友達に会いに来たらこんなことに巻き込まれて…逃げ回っていたらこんなところに来てしまいましたの」
「なるほど、それでその扉に道を塞がれていると…それはお困りでしょう。」
アレックスは一歩前に出て、精神を集中し…あ、これって…
「白色破壊光線!」ぼがーん!
ぶっぱなされた光線が、扉をあっさりぶち破ってしまった。
「うん、これで進めますね。では、僕たちはこれで…」
アレックスさんはさわやかな笑みを浮かべ、配下たちを率いて颯爽と去って行った。
「うーむ、とんでもない奴だ」
「ひゃー…すごいねぇ…カッコいい…」
「流石ゼスの将軍ってことね」
「ああ…光の魔法団の隊長さんでしたのね…代替わりされたのかしら」
「それに真面目で誠実そうだし…」
「こら、何が言いたいんだ…お?」
下の方から、何やら音が響き始めた。
…人の叫び声や悲鳴、爆発音。これは…
「戦いの音じゃない?」
「衝突が始まったみたいね…」
あたしたちは近くの窓に寄って地上の様子を見た。
「うわぁ…」「これは…」「流石に無茶だぜ…」「ふん、自殺だな」
お兄ちゃんの言う通り、ペンタゴンとおぼしき雑多な歩兵軍がゼス正規軍の包囲陣の真正面から突撃していて…
あんな無茶な突撃を成功させられそうな人間を、あたしは二人しか知らない。
当然あっという間に包囲され、ボッコボコにされていた。
ペンタゴンの兵士たちはバタバタ倒れていくが、全然降伏する様子はなく…
ほどなく、ペンタゴンは全滅して戦いの音は収まった。
「あーあ…全滅…いや、玉砕かなあれは…」
「あ!ということはエリザベスちゃんやポンパドールちゃんも死んでしまったか!?もったいないことを…」
「お兄ちゃんそればっかだね…」
「とはいえ、ペンタゴンが全滅してしまった以上、あたし達にできることはもうないんじゃない。長居は無用よ」
「はぁ…そうだな。おい、シィル」「はい、お帰り盆栽ですね。どうぞ」
お兄ちゃんはシィルさんが取りだしたお帰り盆栽の枝を手に取り、あたし達はその周りに固まった。
「えーこほん…『帰りたい、安全なあの場所へ。うなれ、うねれ!お帰り盆栽!』」
キーワードとともに盆栽の魔力が発動し、あたし達は治安本部から脱出した。
…そして、アジトに戻った後。あの全滅した部隊は演説でペンタゴンに寝返った治安本部職員の二級市民達で、ペンタゴン本隊は、その隙に反対側から包囲を突破。脱出に成功したことを知らされた。
それを聞いて、お兄ちゃんはエリザベス達が無事でよかったと笑っていたが…
あたしは、あんまり笑う気にはならなかったのだった。
ソシャゲとかでもキャラ名が家族と被ったりすると色々複雑になる現象ってありますよね。
評価、お気に入り、感想、ここすきなどいつもありがとうございます。
筆が鈍ったりしたときに読み返して元気をもらっています。
お帰り盆栽ってR4で開始時にいつの間にか持ってた感じなんですけど
調べても詳細出てこないんでよくわかんないんですよね…
実質無限に帰り木が使える便利アイテムなので、冒険者にとっては垂涎ものと思うんですが
特に触れられることもない…と思いきや、たまにシナリオ上で使われたりもする…
けど6以降は使った記憶がない…
うーん。リアのプレゼントにしてはGODに裸に剝かれてもなくしてないので、
カサドの街でなんか拾ったとかそんな感じでしょうか?
-追記-
読者の方からランス4冒頭でシィルがカサドの街で購入している描写があると教えて頂き、確認したら確かにありました…
プレイはしたんですがすっかり忘れてましたね‥
入手経路からして聖魔教団製のアイテムでしょう。いやーすっきりした。ありがとうございました。