【二章完】ちょっと早めのエールちゃんの冒険   作:砂嵐36

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ー任務表ー
【ペンタゴンを止めろ(毒ガス)(破壊活動)(情報局)】

いよいよペンタゴンの大規模作戦が始まった
ろくでもなさがさらに拍車をかけている
正直関わりたくないなあ


26.エールちゃんは落ち着く

「はぁー…」

ようやくついたアジトの広場で、あたしはため息をついて座り込んだ。

「疲れたぁ…」「ひぃ…」「…ぐぅ」

他のみんなも疲労困憊といった様子でへたばっている。

「ペンタゴンの連中め。めちゃめちゃしやがるなぁ」

「まったくだ。気が滅入るぜ…」

ランスお兄ちゃんやパットンさんはしゃんとしているが、顔はやっぱりげんなりしている。

「…ランス、戻ったのか。なら、状況について報告しろ。ウルザが待っている」

「分かっとるわ、今行く…」

ダニエルさんに呼ばれて、お兄ちゃんは会議室に入っていった。

 

何であたし達がこんなに疲れているのかというと、ペンタゴンの大規模テロをどうにかしようと東奔西走したからだ。

 

ナガールモールで大規模毒ガステロをやっていたロドネー、イタリア一級市民街で病院爆破からの破壊活動をやっていたキングジョージ。

彼らの今回の行動はなんかもう…自爆覚悟で殺戮と破壊を行うことが目的のような感じで…例えば小規模なテロを起こして野次馬や治安隊が集まったところを大規模テロで一網打尽とか…わざわざ怪我で済むようなテロを起こしておいて手当てに来た人を殺して回るとか…

いずれも二級一級問わず市民の被害がアホほど出ていた。

お兄ちゃんに額にアホアホ落書きの刑に処された上毒ガスの中に放置されたロドネーはともかく、キングジョージは完全に光軍に包囲されてるのに逃げ出す様子もなく、最終的にはアレックス将軍に倒されてしまった。

超高等術のストップを精神力でぶち破ってアレックスさんに襲い掛かったのはたまげた。イラーピュのディオみたいに魔法を否定する思いが強いタイプだったのかもしれない…でも、あれじゃあ命はないだろうな。

一方で、フットとエリザベスが率いる部隊はスマートにテープの第二情報局を襲撃し無血制圧。中の端末を調べていたようだが…目当ての情報は見つからなかったみたい。

もしかして破壊活動は陽動作戦で、情報局の襲撃が本筋だった?そこまでして探し求める情報っていったい…

つらつらと考えていると、お兄ちゃんが会議室から出てきた。

よっこらせと立ち上がって声をかける。

「どうだった?」

「今日はもう休んでいいそうだ。だいぶ凹んでる様子だったな…連中のことなんか気にせず俺たちは明るく楽しいレジスタンスをやればいいと言ったんだが」

「そうもいかないんだろうねぇ…」

 

その日からしばらくあたし達グリーン隊は休みで、代わりにアベルトさんのブルー隊やサーナキアさんのシルバー隊が忙しく働いていた。

南部のゼス軍の武器庫を一時制圧したペンタゴンが氷軍に包囲殲滅されたーだの

サバサバの街の蜂起はうまくいかず、メンバーは炎軍に捕縛されたーだの、いろいろ景気悪い情報を集めているようだ。

わかったのはペンタゴンの作戦名くらい。『祖国の解放』作戦だそうだ。

解放って何から解放するつもりやら…この世かな?

アベルトさんも疲れた表情をしてたので、日ごろのお礼にヒーリングをかけてあげたら結構喜んでたな。

あんなに嬉しそうにするなら、またかけてあげてもいいかもしれない。

 

休みの間あたし達は、訓練したりダラダラしたりと好き勝手していたのだが、なんか隊員みんなのところにレベル神のウィリスさんが現れて1レベルづつあげてくれるという大サービスがあった。

どーせお兄ちゃんが何かやったんだろう。

なんでかあたしのところはこの間のキラキラ着ぐるみ女神さまも来たけどね。

『もっとたくさんレベルを上げてあげましょうか…?遠慮しないでいいのですよ…』

等と言って迫ってきたのだが怖かったのでお帰り願った。

あとで対価とか要求されても困るし…

 

ちょっと軽く運動するか、ということで、あちこちに冒険に出たりもした。

秋の森には、アイスフレームをクビになったあと山賊になっていた連中がアジトに使っていた古い砦跡がある。

連中に騙されて用心棒をやっていたリズナさんに、砦の地下には鍵のかかった扉があった、向こうに何があるのかはわからない、と聞いたあたし達はプル-ペットからスカウトキーをいくつか買って秋の森に向かった。

砦跡の奥、鍵を潰して開けた扉の先は地下に続く階段があり、その向こうには地下深くまで広がる大迷宮が…

なんてことはなく、普通に倉庫とおぼしきスペースがあるだけだった。

まあ冒険功績とかアイテムとかあったからいいけどね。

 

「ランス様、雷入りボールがありましたよ」

「うむ、志津香にでも渡しとけ。しかしここは地下だからかひんやりしてるな」

「そだねー。あたし結構こういうところ好きかも」

こういう鍵で封印された地下の広々とした空間…なんとなく落ち着くなぁ…

「おお、じゃあここに住むといい。家賃もタダだぞ」

「嫌だよ、外の様子もわかんないし不便だし…」

「がはははは、冗談だ」

 

==============好感度上昇==============

エール FR==17+1/20

エール FR==18/20

=====================================

 

砦からの帰り道、森の中で無気力キノコが大量に群生している小路を見つけた。

「この先にいいものがあるかもしれん。ロッキー、突っ込んで見てこい」

「はえ!?無気力キノコがこんなにあったら無理だすよ…」

「いいから行け-!」どがっ

「わたた…とっ…あっ」ぎゅむっ ぱふー 無気力キノコが炸裂した。

「は…はへ…めんどくさい…息をするのもめんどくさい…」

ロッキーさんは無気力になって倒れてしまった。

うーん、キノコの中で物憂げな表情で横になる濃いイケメン。ちょっとした絵画みたいだ。タイトルは『森で眠る男』ってところか。

「厄介だなあ。どうする?」

「うむ…よし、こうするか。とうっ!」ぴょーん

お兄ちゃんは地面を蹴って飛び上がり…

「そしてランスジャーンプ!」どがっ「ぐえー」「あっ」

ロッキーさんを踏み台にして大ジャンプ。無気力キノコの群生地帯を跳び越えた。

「どれどれ…おっ、宝箱があるな。中身は…ランクAの防具饅だ!しかもでかい!でかいぞ!流石俺様!がーはははは!」

「ねえお兄ちゃん。どうやってそこから戻るの?」

「……あっ。」

結局、二人仲良くやる気を失ったお兄ちゃんとロッキーさんを担いでアジトに帰ることになった。

「…歩くのもめんどくさい…」

「…女の尻を追っかけるのもめんどくさい…」

「どうしましょうこれ、このままだったら…」おろおろ

「無気力キノコの効果は1日寝れば治るから平気よ」

 

そうそう、お兄ちゃんがアベルトさんから「淫乱シスターがハニワ平原に居るらしい」と噂を聞いてわざわざ行ってみたこともあったっけ。

「ここがハニワ平原かー」

「ハニーでいっぱいですね」

ハニワ平原はその名の通り埴輪モンスターのハニーがいっぱいいる平原だ。こうしている間もあいやあいやとやかましい。

脆いけど魔法が効かないハニーはゼスでは危険生物として扱われ、見つけたら駆除が基本。当然このハニワ平原のハニーも例外ではなかった。

しかしここのハニーはやけに強くて討伐はうまく行かず、そうしている間になんか建物は建つし、とうとう空には城が浮かぶ始末。なんでもハニーの王様の居城だそうだ。

最終的に立ち入り禁止区域とすることで収まったのだが、まあレジスタンスのあたしたちには関係ないよね。

というわけでハニワ平原にやってきたあたしたちは浮いてる城を見上げることになったのだった。

「あんぐりくびだるい」

「ホントに城が浮いてる…」

「闘神都市みたいねー。同じ仕組みかしら」

「ハニーが魔法を使うわけはないし、違うでしょ」

「うーむ、面白そうだ。どうにかして行けんか」

「行き方は住んでるハニーしか知らないんじゃないかな、招待してくれたら行けるかも?」

「…」「どうしたのリズナさん?」

「いえ、知人のことを思い出して…」

「ハニーの知り合いなんぞおらんし、今は諦めるしかないか…まあいい、今は淫乱シスターだ。教会を探すぞ」

「はいはい…」

 

襲ってくるハニーこないハニーハニ飯食ってるハニーエロ本読んでるハニー踊ってるハニーめがねかけさせようとするハニー…

とにかくもりもり湧いてくるハニーを掻き分けて教会らしき建物を見つけた。

「うひひ…ようやく見つけたぞ。奥さん米屋でーす…」

中から漏れる嬌声に喜び勇んで覗き込んだお兄ちゃんだが…

「……帰るぞ」

すぐに顔をひきつらせて戻ってきた。

「どうしたんですかランス様?」

「顔がダメだった?」

「ロゼだ」

「えっ…あの元カスタムの司祭でド腐れビッチが過ぎて逆にすごいあのロゼ!?」

「神官の癖に悪魔をバイブ代わりに使ってるあのロゼだ。今もなんかの触手悪魔とやってやがった」

「そんなことになってんのあの子…」

「うう…カスタムの汚点だわ…」

カスタム出身の志津香さんマリアさんは頭を抱えている。

「くそっ、淫乱シスターという時点で気がつくべきだった…」

ロゼはまあ美人と言っていいのだが…お兄ちゃんでもドン引きすることはあるんだよね。

あたしたちはおとなしくアジトに帰ることにしたのだった。




結構難産でした。
早く魔軍とかを相手にしたい…
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