【二章完】ちょっと早めのエールちゃんの冒険   作:砂嵐36

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ー任務表ー
【ペンタゴンと交渉】

いよいよ重い腰を上げたウルザさんがペンタゴンと直接交渉に行くという
ウルザさんはやる気みたいだけど今更交渉で止まってくれるかどうかは…
とりあえずダメそうだったらやっつければいいよね


31.エールちゃんは秘密基地に行く

ゼスの南部を流れる赤川のほとりにマンタリ森という大きな森林地帯がある。

この辺はモンスターが結構強いので人里もあんまりないのだが、ペンタゴンの秘密基地はここにあるらしい。

森に入ってしばらく進んだところで、背負子でウルザさんを背負ったダニエルさんが足を止めた。

「おそらく、基地の入り口はこのあたりだったはずだが」

「…ええ、そうね。この近くにあると思う」

ダニエルさんの言葉にウルザさんが頷く。

人一人背負っているというのにダニエルさんの背筋はしゃんとしていて、おじいさんとは思えないほどだ。

やっぱなんかやってんだろうなあ…ポケットの膨らみがなんだか物騒だ。

「この近く?ウルザさん達ペンタゴンの幹部だったんでしょ、正確な場所はわからないの?」

「ペンタゴンはカモフラージュのためアジト周りの木を定期的に伐採したり、あるいは植樹したりして森の形を変えている…足で探すしかない」

気合いの入った隠蔽だなあ。とりあえず森の中に建てたという感じのアイスフレームよりはちゃんとしている。

「ったく、面倒な…かなみ、偵察してこい」

「ええー…?仕方ないなぁ…」

「い、いけません…危険です…!」

かなみさんはウルザさんに止められ、あたし達は一団になって森の探索を始めた。

 

情報通り、森をうろつくモンスターは結構強いみたいだ。

角の生えたでかいサカナ型モンスターの角くじらが電撃を放ってきたり…

「くぽーっ」「くぽくぽー」ばりばりばりばり!

「あぎゃーーー!」「ぐえええええーっ!」「パットンさん!ロッキーさん!」

ロッキーさんとパットンさんはちょっと焦げた。

あたし達は距離を取って電撃を避けるが…

「あっ!リズナさん!下がって!」

「ええと…ちょっとぴりぴりしますね」

「平気そうだな…」「すごー…」

リズナさんは雷撃の嵐の中でも平気そうに突っ立っている。

「…貴方達、危ないから帰りなさい。ね?」

「くぽー(故郷に帰る)」「くぽぽーっ(さよーならー)」

リズナさんが優しく話しかけると、角くじらは尾を返してそのままどっかに去って行った。

 

ばかでかいイモムシ型モンスター、いもむしDXがなんか液を吐いて来たり…

「ぎゃぼばー」ばしゃあっ「ぐえーっ!」「ロッキーさん!?」

ロッキーさんは糸とくさい液体まみれになって倒れた。

「あんまり近寄りたくない…」

「うむ、くさいしな…おっ、そうだカロリア!こいつもムシだろう、なんかムシ使いパワーでいう事聞かせられんか?」

「…これ、ムシじゃないよ…」

「え?そうなのか?」

「うん…ムシならかろ、わかるもん。これは、男の子モンスターだよ。」

「そーなの?」

「ちなみにあっちはムシだよ。たぶん」

カロリアちゃんは明後日の方を指さした。あたしとお兄ちゃんはつられてそちらを見る。

「手裏剣でござるぞー」ぺぺぺっ「きゃっ…くっ…何これ?!」

キノコみたいな傘をかぶった忍者型モンスター、しいたけ君が投げてくるしいたけ手裏剣をかなみさんが必死で避けていた。

人型でなんか喋ってるように見えるけど…アレもムシなんだ…へー…

「ほー。そうは見えんがな」

「モンスターの分類って奥が深いんだねぇ…」

「感心してないで助けてー!」「く、くさいだす…苦しいだす…」

お兄ちゃんと二人で感心していると、かなみさんとロッキーさんの悲鳴が聞こえてくる。

「ま、種類なんぞどーでもいいか。仕方ない。とっととぶち殺して進むぞ」

「はーい」

あたし達は剣を抜き、ムシもそうでないのも叩き潰して先に進んだ。

 

他にはねこまたまたがまるまり体当たりをしてきたり、

「にゃーっ!」ばきーっ「ぎゃーっ!」「ロッキーくん、ふっとばされた!」

 

腕付き一つ目モンスターのマグボールがひっかいてきたり、

「…」ずばーっ「ふん!」ばきっ「あっ、爪が折れた」「涙目になってる…」「涙の雫がでかい」

 

アカメが火爆破で吹っ飛ばして来たり、

「…ギロリ(燃えろ)」ぼおーっ!「「うぎゃああああ!!!!!!」」

「うわーっ火弱点のロッキーさんと魔法はなんでも弱点のパットンさんが!」

「はっ、迫撃水ー!出ないか…」

 

ともかくあたし達はそういう魔物連中をかき分けながら森をさまよい、どうにか入り口らしき地下に続く階段を見つけたのだった。

「やっと見つけた…ここで合ってるか?ウルザちゃん」

「…ええ。間違いありません」

ウルザさん、ここまで何度か戦闘もあったんだけどそのたびに目を背けて、今も軽く震えてるけど…受け答えはしっかりしている。やっぱりある程度は覚悟してきているってことかな。

「よし、んじゃあ入るか…ん?」「あっ」

ずかずかと階段を下りたお兄ちゃんと、たむろっていた3人のペンタゴン兵士の目が合った。

「誰だ貴様ら!」

「私たちはアイスフレームの者です。ネルソンと交渉に…」

「合言葉を言え。『ゼスの未来の為』」

ウルザさんの声をさえぎって質問してくるペンタゴン兵。あー…この目はだめだな…

「ですから私たちは…」「仲間ではないな!殺せ…(ずばしゅっ!)ぎゃあっ!」「ひっ…」

剣を抜いたペンタゴン兵は、お兄ちゃんにあっさり切り捨てられた。

「おのれー!」「貴様ら許さ…」「はい、ごめんよっと」

取り巻き二人の頭をパットンさんがひっつかみ、ごちーんと打ち合わせると二人は仲良く気絶した。

「予想はしてたけど問答無用だねえ」

「この分だと、進むには戦闘は避けられそうにないわね…」

「そうだな…ウルザちゃん、どうする?」

「…い、行きます…」

「襲われたら撃退するぞ。かまわんな?」

「はい…出来るだけ殺さないようにはしてください…」

「うむ、では進むか」かちっ「ん?」

ウルザさんの意思を確認し、一歩前に踏み出したお兄ちゃんの足元で何かの音がした…次の瞬間。

ぱっかん、と一帯の床が開いた。

「えっ?」「落とし穴っ…!?」「わっ…きゃーっ!」「うおーっ!」

まっ逆さまに落ちた先には水が貯まっており、あたしたちはバシャバシャと音を立てて着地した。

「うえーっぺっぺっ…」

「よかった…そんなに汚くはないわね…」

「ウルザ、大丈夫か?」

「ええ…ダニエルは?」「儂は問題ない」

とりあえずはみんな無事みたいだ。

「しかし落し穴の底が水でよかったわね。針山とかだったら全員串刺しよ」

「うへぇー…」

かなみさんの物騒な意見に顔をしかめていると、ウルザさんがぶつぶつ言い始めた。

「こんな落とし穴は昔はなかった…おそらく大軍を迎撃するための備え…?」

「ウルザちゃん?」

お兄ちゃんの声をよそにウルザさんは続ける。

「でもトラップではなくマンタリ森の地下水を引き込んで堀に…殺傷ではなくまずは足止め…あっ!皆さん!警戒して!」

「へ?」「わっ…!?」

 

「デカント もう一本」

 

いつの間にか巨人モンスター……デカントが間近まで迫ってきていた!近くにいるのは…

「うう…服がびちょびちょ…チューリップの弾薬…湿気ってないかなぁ…」

荷物をごそごそ確かめるマリアさん!

「マリア!危ない!」

「うん…大丈夫そう…へ?きゃーっ!?」

志津香さんの警告も間に合わず、頭を抱えたマリアさんにデカントのこん棒が振り上げられ…

「おんどりゃー!!!」ごーん!

それが叩きつけられるより早く、コパンドンさんの御神籤箱の角がデカントの足のでかい小指に叩き込まれた!!

 

「……あ"…っっっっっっっっっっ!!!!!!!!!」

 

めっちゃ痛そうな声にならない悲鳴が上がる。

ぴょーんどしーんぴょーんどしーんとこん棒を放り出して涙目で足を抱えて跳ねるデカント!

「わっ、危ない…」「下がれ嬢ちゃん!どらああああ!!」

デカントの軸足にパットンさんがタックルをしかけた!

 

「ごあああああ!」

 

たまらずデカントは転倒する!

「よし!今だぶち殺せ!」「「「おーっ!」」」

という感じで袋叩きにされてデカントは経験値になった。

「…やはり、水で動きを鈍らせたところに大型モンスターをけしかけるのが狙い…」

「…大軍はこうなると動きにくいからな…本番はガスも併用するのかもしれん」

「出入り口を閉鎖して…?ゼス軍との正面衝突まで織り込み済みということ…?」

あたしたちをよそに、ウルザさんとダニエルさんは深刻そうな顔で話し込んでいたのだった。

 

かなみさんが見つけてきた階段で上に登ると、間抜けそうなペンタゴン兵がいたので早速穏便に…文明人にふさわしい紳士的な態度で安全な道を尋ねてみた。

なんでも落とし穴の場所を切り替える仕掛けがあるそうで、ここを通れば大丈夫、とかそーゆーのはないらしい。

でもそれだとペンタゴンの連中も落ちまくるので、普段は落とし穴が動作している場所は、天井の照明を消して目印にしてあるそうだ。

「でも俺は上を見ながら歩くのが苦手で…ついつい足元を見ちゃうんで何度も落ちるんだ…」

ため息を吐いて下を向くペンタゴン兵。前向きに生きて欲しい。

 

縛り上げた下向き兵士をトイレに放り込み、照明を確かめながら慎重に進み、なにかの倉庫か工場らしい部屋にたどり着いた。

「なんだこの瓶は…」

「さわっちゃだめ!」ぺちん

お兄ちゃんの伸ばした手をカロリアがはたいた。

「あたた、何をする」

カロリアは答えず、瓶の中身を一滴手のひらに落として確かめ、頷く。

「…これ、毒薬だよ。すごい強力なやつ…かろでもぴりぴりする」

「げっ!」

「カロリアちゃん!早く洗い流して!」

「かろは平気。でもみんなは触らないで…あっちは狂っちゃうガス、こっちはすぐには死なないけど治らないから苦しんで死んじゃうやつ…」

「ろくでもないな…捨てるか?」

「こんなところで瓶を壊したら危ないよ…混ざってへんな反応するかもしんないし、ちゃんと処理しないと」

「ちっ、それもそうか…あとでにしよう。こっちはなんだ?」

お兄ちゃんは作業スペースのような場所に目を向けた。

「ぷちハニー爆弾工場みたいね」

「ほんとだ、梱包道具がある…うわ、こっちの分離装置は結構いいやつだわ…」

マリアさんは目を輝かせて装置を見て回った。

「こっちのも、これも…あ、これ欲しかったやつ…これだけの設備で物騒な殺人兵器だけ作ってるなんてもったいないなあ…」

肩を落とすマリアさん。

チューリップシリーズも大概ではあると思うのだが、とりあえず言わんでおこう。

「うーむ、ぶち壊したいが…爆発するかもしれんな、これもあとでだ」

別の作業スペースを見てみると、こっちは布だの綿だのがたくさん置かれている。

「こっちは…ぬいぐるみがたくさんあるね」

「なんだ?連中プレゼント配りでもやるつもりか」

「…ちょっと貸して…」

「なんだ、かなみ。欲しいのか?」

「そうじゃなくて…うん…やっぱり。背中が開いて中に何か入れられるようになってる…」

「何かって…」「…爆弾とか?」

「子供に手渡して、喜んで家に持ち帰ったところで…ってこと?」

沈黙が下りた。

「…もはや国や軍相手のテロですらない…無差別テロを…?」

ウルザさんが漏らした声からは、驚愕だけでなく怒りも伝わってくる。

「大丈夫か、ウルザ」

「ええ…ちょっと怒りでおかしくなりそうなだけ…」

「…そうか…いい傾向だ…」

ダニエルさんは軽く頷く。

「…ここ、やっぱ壊しとこうか」

「そうだな。おい、どうにかできんか」

「毒薬はかろが片付けるね」

「ぷちハニー回りの処理は私がやるわ…みんな、手伝って」

あたしたちは、カロリアとマリアさんの指示に従い、その工場をぶち壊して先に進んだのだった。




先日このデカントみたいな目に遭い、タンスの角に張るラバーを買ってきました。

更新遅れてすみません…
ペーパーマリオRPGで…執筆時間が…
子供の頃にめちゃめちゃやってて…懐かしさが押し寄せてくる…
あと単純に面白いです。
君もHP5マリオで敵をボッコボコにしよう!

あとアイギスで久しぶりにランスコラボがありますね。
なんかこの手のコラボでウルザが優遇されてるのはやっぱ戦国で強かったからでしょうか?
久々に復帰してプレイしてみようかと思います。引けるといいなあ…
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