【二章完】ちょっと早めのエールちゃんの冒険   作:砂嵐36

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ー任務表ー
【女の子山賊隊を倒せ】
秋の森の砦跡を新しい山賊団が占拠して、近隣の村から野菜を盗んだりしているらしい
正直こんなことしてる場合ではないと思うのだが、若い女の子だけの山賊団らしく
お兄ちゃんが張り切っている まぁ作戦の準備はまだできてないし、ぱっぱと終わらせよう




41.エールちゃんはこらえきれない

とうとうマナバッテリーの場所を突き止めた四天王の塔の地下にあるということを突き止めた!

…のはいいのだが。四天王の塔は防衛力11とかありそうな軍事要塞だ。そう簡単に近づける場所ではない。

「こんにちはー」

「むっ、なんだお前たちは」

「社会科見学でーす。地下に入れてくださーい」

「おお、そうか。感心だなぁ。どうぞどうぞ。これがマナバッテリーだよ」

「わーすごーい。とりゃーっ」どかーん

「あーっ!マナバッテリーが!」「やったぜ。」

というわけにはいかないだろう。

それに、マナバッテリーは一個停止しただけではマジノラインは機能停止しない。おそらく3個、最低でも2個は破壊する必要がある…というのが情報を精査した結果らしい。

つまり、ただでさえ警備が厳しいであろう四天王の塔をさらに戦力を分けて攻略する必要があるわけで…入念な準備と事前調査、作戦が必要になる。

アベルトさん達ブルー隊や、ウルザさん達がその準備に追われている間、実働部隊のグリーン隊は少し暇になってしまった。

 

とりあえずみんなのケガが癒え、野暮用も済ませたあと、あたしは通販で服を買ってリズナさんやカロリアちゃんと着てみたり、お兄ちゃんが広場でシィルさんとおっぱじめたのを遠目で眺めたり、ロッキーさんと孤児院で子供たちと遊んだり、コパンドンさんに占いをしてもらったり(あたしは吉だった。吉と中吉ってどっちが上なのかな?)、カロリアちゃんが平団員の子に意地悪されたのをお兄ちゃんと一緒にとっちめたりしていたのだが。

「目標は、女の子山賊隊!いてこます!」

そのお兄ちゃんの一言で、急遽出撃することになったのだった。

 

女の子山賊隊というのはその名の通り、女の子だけで構成された山賊…で、秋の森周辺に出没しているらしい。

なんじゃそら、とは思うのだが実際畑から作物を盗まれたとかいう…しょぼいが一応は被害も発生している。

そして前にアイスフレームを追い出されたアホが似たようなことをしていたので、今度はアイスフレームを追い出された女の子の隊員が山賊になっているんじゃないか、などと噂も立っており…体裁が悪いので、この際退治してしまおうという事になった。

なんでもそれなりに若くて外見のいい子たちが集まっていて、特に幹部格は結構な美人…という情報を聞いたお兄ちゃんは一も二もなく引き受けた、というわけだ。

今回は大捕り物になることが予想されるので、アイスフレームの平団員さんたちもついてきている。とっ捕まえた女山賊は彼女らに引き渡して護送してもらうというわけだ。

 

秋の森に来るのはリズナさんと出会った時以来だ。ハニー造幣局は警備が厳しいし、地下教会は狭い。

根城にできる建物は砦跡くらいだろう、というわけで砦跡を目指して相変わらずの秋の景色の中を紅葉を踏みしめサクサクと歩いていると、急にお兄ちゃんがかがみこんだ。

「むっ、これは…女物のハンカチ!くんくん…若い女の匂いだ。間違いない、このあたりにいるぞ」

「「「「……………」」」」

ぐへぐへ笑ううちの兄。どう見ても変質者です。本当にありがとうございました。

 

相変わらずの雑魚ばかりのモンスターをしばきつつ進んで砦跡に着いた。

「なんか前来た時と様子が違うな」

「ちょっと手が入ってるみたいね」

かなみさんの言う通り、前にはあった壁のひび割れが木材でふさがれたり、床の穴が埋められたりしている。

「女の子山賊隊がやったのかしら…」

「だろうな。マメな連中だ…むっ、鉄格子?」

そして入り口には頑丈そうな鉄格子が下りていた。お兄ちゃんが手をかけてガタガタゆするがどうにもならない。

「なんだこりゃ、前はこんなのなかっただろう…」

「直したんでしょうね。そりゃ軍事施設なら侵入を防ぐ仕掛けくらいあるわ」

「開けられんのか?」

「…こういう古いタイプの鍵はちょっと…」

確かに鍵穴らしきものは、なんか板状のものを差し込むような独特の形をしている。

むむむ、と唸りつつお兄ちゃんはあたし達一同を見回した。

「うーん、よし、パットン。筋肉でどうにかしろ」

「いやぁ、いくら何でもきついぜ隊長。ハンマーでもないと…」

「ハンマーならセスナのがあるだろ」「…うぃ?」

「いや、そのハンマーじゃダメだろ…もっとごついやつじゃないと…」

「ちっ…モヤシめ。では志津香、例の白色破壊光線でドーンだ」

「無理。扉ならともかく、こう隙間が多いと破壊は難しいわ」

「ええい、じゃあマリア!科学の力でどうにかしろ!」

「え…えーっと…二週間くらい貰えれば専用の工具を用意できるけど…」

「待ってられるか!この間作らせたアレみたいにぱっぱと…」「わーっ!やめてよもう…」

口を塞ごうとするマリアさんを振り払ったお兄ちゃんがこちらを向く。

「こうなったらエール!すごい神魔法でバーンと…」

「ヒーリングでどうしろっての?」

「カロリア!ムシで…」

「かろ、アシッドムシはいれてなくて…ごめんね」

「コパンドン!」

「いやいや鉄格子はん、そんなカタいこと言わずに…これでどうにかちょっとだけ開けてーな…って 出来るわけあるかーい!」

「がー!使えん連中だ…くそう、この鉄格子さえなければ…むっ!向こうに女の子が!」

見れば鉄格子の奥の方の通路に数人の女の子たちの姿があった。

「こらーーーーーーーー!開けろーーーーーーー!やらせろーーーーーーーーーーー!むがーーーーーー!」

鉄格子をガタガタゆすりながら叫ぶうちの兄。女の子たちは悲鳴を上げて逃げてしまった。

どう見ても変質者です。本当にありがとうございました。主人公スキル一時没収していい?

 

とりあえずここじゃどうにもならないので周りを調べてみよう、ということであたりを調べていると、かなみさんが山賊隊のメンバーらしき女の子を見つけてきた。

「運がなかったな!がははははは!」「きゃー!」

いきなり襲い掛かったお兄ちゃんはあっさり女の子山賊の武器を弾き飛ばして足を引っかけて転ばせて取り押さえた。

「やめてー!」

「ええい、おとなしくしろ…っと。あったあった、これだな。よーし、これであの扉が開くだろう。行くぞ」

そのままスーパー非道タイム…かと思いきや。体をまさぐって鍵らしき板を取り上げただけで放り出してしまう。

平団員に連れていかれる山賊と、なにもせずに砦の方に戻っていく背中を見て、あたし達はヒソヒソと囁き合った。

「ねぇ、あの山賊の女の子…逃がしたのが不思議なんだけど…何かあったのかしら?」

「うーん?外見的…にはお兄ちゃんのストライクゾーン内だと思うんだけど」

「やたら広いしねー」

「ひょ、ひょっとしたら流石にこれまでの行状を反省して紳士的に対応することにしたとか?」

「「「「「それはない」」」」」」

「こらー!何しとる!とっとと行くぞ!」

あたし達はみんなの後を追ったのだった。

 

「きゃー!侵入者よ!」「ボスに知らせないと!」「戦闘部隊を!ニヨニーリーさんを呼んで来い」

鍵で鉄格子を開けて、あちこち改造されている砦内をずんずん進むと、女の子たちがキャーキャー騒ぎだした。

「うむうむ、むさくるしい砦内も女の子ばかりだといいにおいがするというものだ」

ニヤニヤしながら先頭を行くお兄ちゃん。

「そうかなぁ…?」

ちょっと生臭いような気もするのだが。まぁ喜んでるならいいか。

そんなことを考えていると、女の子の一団が立ちふさがった。

「侵入者が来るとは…ならば、戦闘部隊隊長の私、ニヨニーリーが直々に撃退してやる」

中心のショートカットの割と美人な女の子が堂々と宣言した。周りの女の子も含め、ほかのメンバーよりちょっとは戦い慣れしてそうだな。

「男なんて皆殺しだ!死ねー!」

「ほい、よっと」べちっ「あっ…」

ニヨニーリーが振り回した短剣をお兄ちゃんはあっさりと見切り、峰打ちで叩き伏せた。

「ニヨニーリーさま?!」「くそっ、おのれ…」「粘着地面」「「きゃーーーー!?」」

他のメンバーも志津香さんの魔法であっさり沈黙する。

まーこの子たち…短剣で回避主体の戦闘スタイルとはいえ、ペンタゴン兵士くらいの実力はあるとは思う。

ニヨニーリーもレベルでいえば20弱くらいはありそうだが、悲しいことに、あたし達の敵になるレベルでは全くない。

「く、くそっ…」

叩き伏せられ、にらみ返してくるニヨニーリーをお兄ちゃんはまじまじと見つめ…

「ふむ、もうちょいか。かなみ、縛っておけ。行くぞ」

やっぱり何もせずに歩き出した。

「え?何もしないの?」

「ああ、その女か… 75点といったところだからな。悪くはないが…なにせここは女の子山賊隊の基地。のちにもっといい女が出てきたときのために我慢だ。計画的にやらねばな」

「そんなことだろうと思った…」

「あたしも初対面で82点とか言われたっけ…」

「言われたわね…そういえば…」

「女の子を点数付けするとか最低…」

「ま、まぁまぁ…」

女の子一同でお兄ちゃんの新しいダメな面を発見しつつ、お兄ちゃんの後を追ったのだった。

 

その後、副隊長のキムとやらも倒した。年のころは30前後と言ったところか。きりっとした印象の美人だ。

「ほう、なかなかいい女だな。点数は80…いや、ちょっと年食ってるな。もうちょい若い方が…」

お兄ちゃんはうんうんうなっている。

「微妙だ、副隊長は戦闘部隊隊長より点数が上だった。隊長にはもっと期待できるかもしれん…いや、これはこれで一発やる価値が…うむむむむ…」

しばらくうなった後、お兄ちゃんは顔をあげた。

「よし、ここはやはり初志貫徹だ。男に二言はあってはならないのだ。最後のボスで抜く」

捕えた連中を平団員に引き渡し砦を進んでいくと、奥の部屋で待ち受けていたのは…

「貴様らが侵入者か…」

ナターシャさんみたいなケバいメイクに、がっしりとした体格をした…むさくるしい顔のおばさんだった。

「お、お前がボス…か…?」

「そうよっ!せっかく作り上げた組織をよくも…」

「な、なんか声が野太くないか…まさか…お前…男か…?」

手を震わせてボスに尋ねるお兄ちゃん。

「もう男は捨てたの!今は女よっ!」

ぷりぷりと上体を振ってこたえるおばさん…訂正。オカマ。

「…ぷっ…」「くくっ…」「っ…ぷ…や、やめなよ…」「ぷぷっ…でも…」

あたし達は必死に笑いをこらえる。

「俺は…徐々にランクが上がっていく女にも手を付けずに我慢して最後に抜きどころを残していたのに…まさか、こんなブス…いやそれ以前にオカマなんて…ちくしょーーーーーーーーー!許さん!ぶっ殺す!」

「許さんのはこっちよ!死ねーーー!」

「やかましい!ランスアターック!」

どかーん!「おべぎゃーーーーーーーーーー!?」

オカマは粉々になって死んだ。

「うわー!ボスがやられたー!」「もうダメだ!逃げろー!」

「あっ、待て!」

他の女の子山賊も蜘蛛の子を散らしたように逃げてしまった。

「くそっ…はぁ…むかつく…」

うん、もう無理だ。

「先に謝っとくね。ごめんお兄ちゃん」

「あん?」

「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはwwwwwwwwww m9(^Д^)」

「笑ってんじゃねー!」ばきっ

「あいたーっ!」

 




書いては書き直し、書いては書き直していたらだいぶ時間が過ぎてしまいました。
ちしばらく忙しいので、次の更新はちょっと先になるかもしれません。

以下、妄想です。

キム・バルブルホー
LV16/28
統率1
女の子山賊隊の副隊長。ロングヘアで凛々しい口調の結構な美人。
もともとは軍にいたのだが、上官からのセクハラがひどくてやめた過去がある。
容姿的には80点。サブヒロインクラスの点数である。
山賊隊の壊滅後、収監されていたがカミーラダークの騒ぎで釈放されて義勇軍に参加。
戦後は恩赦を受けて軍に復帰した。

ニヨニーリー
LV18/35
短剣1 魔法1
女の子山賊隊の戦闘部隊隊長。ショートカットが勇ましい男嫌いの女の子。
一級市民で魔法学校の生徒だったが男嫌いをこじらせて家出したところを山賊隊に拾われる。
捜索願が出されていたので家に連れ戻され、叱られているうちにカミーラダークに巻き込まれるが、両親とともにどうにか生き延びて元の生活に戻った。
男アレルギーも収まり、「あの時私を紳士的に扱って家元に返してくれた戦士さん」に感謝しつつほのかな憧れを抱くようになったが、幸運にもその誤解が解ける機会はなかった。
容姿的には75点。ハーレムシーンとかにいる女の子くらいの点数である。

マスコ
LV41/41
拳戦闘1

女の子山賊隊のリーダー。苦労して女の子たちを集めて山賊隊を作った。心はちゃんと女。
女の子を集めたのは別に性欲目的とかでなく、虐げられる二級市民の女の子を救うために立ち上がった元兵士。
とはいっても憎悪の対象が男であるだけでペンタゴンと大差ない組織である。
実は結構強かったのだが怒りのランス(ロック支援)に1ターン2回の無敵結界破壊効果付きランスアタックを食らって粉砕されてしまった。
容姿的には2点。土壌汚染くらいの点数である。
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