【二章完】ちょっと早めのエールちゃんの冒険   作:砂嵐36

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【祖国の開放計画 フェイズ2】

ペンタゴンの【祖国の解放】計画というネーミングセンスのない作戦に参加することになった
四天王の塔の地下にあるマナバッテリーを破壊しよう
なんかもう書くことなくなってきた 今晩はうはぁん食べたいな


48.エールちゃんは一緒に寝る

なんやかんやいろいろあったけど、とにかく首尾よく跳躍の塔のマナバッテリーを破壊したあたし達グリーン隊はアジトに戻ってきていた。

会議室にはいつも通りウルザさんとダニエルさん、それにネルソンが控えている。

「…と、言うわけで跳躍の塔の地下のマナバッテリーはぶち壊してきたぞ」

「成功…そうですか………ご苦労様でした…」

報告を受けたウルザさんは複雑な表情で労った。

「これで破壊したマナバッテリーは2個目…さすがはランスさん。見事な働きですな」

「がはははは、当然だ。俺様にとってはあんなの楽勝だ」

ネルソンにヨイショされ、お兄ちゃんは胸を張ってがはがは笑う。

「……楽勝…ですか。そうだったようには見えませんが…」

ウルザさんはお兄ちゃんの後ろに控えるあたしとシィルさんの方に目を向けてきた。

 

「うう~…眠いよー…頭がガンガンするよー…もうヒーリング無理ぃ…」ふらふら

「…あっ、エールちゃんしっかり…ランス様に怒られちゃいますよぅ…」

「あ、シィルさん…ここ髪の毛焦げてるよ」

「えっ、あ、ほんとだ…うう…またぽわぽわに仕上げないと…」

さんざん魔法を食らった後、皆に片っ端からヒーリングをかけまくった結果、あたしとシィルさんはお兄ちゃんの後ろで立っているのもやっとといった状態でへばっている。

服や髪の毛はあちこち焦げたり凍ったりしたままだ。

 

「こら、お前らだらしないぞ。しっかりせんか」

「外で待ってる皆さんも満身創痍でしたし…何があったんですか?」

「ふん、道中でちと面倒な相手がいただけだ。」

「面倒な相手…ですか?」

「ああ、ウスピラとかいうひどい怪我した白髪の美人だ。妙なキザ男もいたが…」

「…ウスピラ…白髪…まさか、氷軍の将軍ウスピラ!?」

「あー。確かそんなこといっとったな」

「先日の魔軍の襲撃で負傷したという噂がありましたし…本物でしょうな。となると、一緒にいたキザ男というのは…まさか炎将サイアス・クラウン…?」

「男の名前なんぞ覚えとらんわ。まぁ俺様の敵ではない。次に会ったら軽ーくブチ倒してかわいこちゃんは犯してくれるわ、がはははは!」

お兄ちゃんは楽勝だったみたいなことを言っているが…当然そんなことはなかった。

跳躍の塔の地下への道を進んでいる最中、将軍二人に道を塞がれたのだ。

 

ほわんほわんほわん(回想の音)

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赤毛のイケメン、サイアスが両手から炎の魔法を放つ!

「そら、行くぜ…業・火爆破!」

「きゃー!」「どわー!」「どわーちゃちゃちゃちゃちゃ!」

怪我だらけの銀髪クールビューティー、ウスピラが氷の魔法を放つ!

「…氷雪吹雪!」

「うぎゃー!」「さっ…寒…」「ぶぇーくしょい!」

「な、謎の壁ー!」「魔法バリア!」「いたいのいたいのとんでけー!」

あたしたちは必死に魔法で防御し、回復するが…全然追いつかない!

「ま、魔法は避けられないからきつい…」がくっ

「かろ、寒いの苦手…」がくっ

「かなみさん!カロリアちゃん!」

「くそっ!お前らしゃんとせんか!」

『そうだ!皆、何をしているんだ!しっかりしろ!』

「うわっ!倒れたサーナキアさんの上で半透明のサーナキアさんがなんか言ってる!」

「ひーっ!ポマードポマードポマード!」

「交換したばっかりの魂が抜けてるんだわ!」

『あっ、なんだか気が遠く…』すうぅ…

「いかん!成仏しそうだぞ!」

「体に押し込め!押し込め!」『ぎゃあああああああ!』

「はぁ…はぁ…くっ…」

あたし達がギャーギャー騒いでいると、ウスピラが苦しそうに咳き込んでよろめいた。

それを一瞥し、サイアスが一歩前に出る。

「…案外粘ってくれるねぇ、ボーヤたち…なら少々本気を出そうか…行けるか?ウスピラ」

「…無論。行くわよ…」

ぶつぶつと呪文を唱え始める二人。志津香さんが顔色を変える。

「これ…火炎系最強、ゼットンの詠唱!?それに絶対零度も!?」

「そんなもん2発も食らってられるか!行けー!詠唱を止めろ!」

「お願いチューリップ…」がきがきっ「あれ?…あっ!機械部分が凍り付いてるー!?」

「えい!えい!…くっ…ウォールが邪魔で…」

「いけない、このままじゃあ…」

「…ちっ、仕方ねぇ…!一丁やるかぁ!うおおおおおおおおおお!武舞乱舞!」

覚悟を決めたパットンさんが敵陣に突っ込んで大暴れした!

どかどかばきばきぼこーっ!と防御を考えずに繰り出されるパンチキックの乱打が敵をまとめてボコボコにする!

「うわっ!なんだこいつ!」「ぎゃああ!」「ビガーっ!」

それを見た二将軍は呪文を中断、パットンさんに標的を変えた!

「おっと、やらせんよ!ファイヤーレーザー!」びーっ!

「がはあっ…まだまだあ!」どかばきぼこーっ

「くっ…スノーレーザー!」びびーっ!

「ぐああああああ…魔法は理不尽だから…好かん…」がくっ

半分こんがり、半分カチコチになったパットンさんが膝をついた!

「よし、大男が止まったぞ!!これで…」

「そこだー!」げしっ「ぐえっ!」

しかしその隙を見逃さず、お兄ちゃんがパットンさんを踏み台にして跳んだ!

「食らえ!ランスアターック!」どがっしゃあああ!

「っ…ウスピラっ!」

「くっ…きゃあああああああああっ!」

--------------------------------------------------------------------------------

ほわんほわんほわん(回想終わりの音)

 

と、いう感じで、パットンさんが作った一瞬の隙をつきお兄ちゃんがブッパしたランスアタックが護衛ごとウスピラを吹っ飛ばしたのだ。

ウスピラはそれでも立ち上がったのだが…それを見たサイアスはウスピラを連れてとっとと撤退してしまった。

もしかしたら、負傷していたウスピラを気遣って着いてきていたのかもしれないな。今思えば戦闘中もかばうような動きはしていたし…

もし撤退してくれていなかったら…正直どうなったかはわかんない。

勝てたとは思うけど、誰か死んでたかもしれないな。流石は魔法大国ゼスの将軍ってところだろうか。

ともかく、ボロボロのメンバーをあたしとシィルさんの魔力がからっけつになるまでヒーリングして、どうにか体勢を立て直して奥に進み、がらあきのマナバッテリーの破壊には成功したのだった。

 

「ううむ、将軍二人を問題にしないとは…このネルソン、敬服いたしましたぞ。残りの王者の塔と弾倉の塔のマナバッテリーもよろしくお願いいたします」

「しかし、今回の襲撃で我々の目的はマナバッテリーであると気づかれたようです。残りの塔の警備が増強されているとの情報が入っています…」

「なーに、今回のでコツはわかった。次も軽ーくぶち壊してくれるわ。俺様に任せておけ!がははははは!」

心配するウルザさんに、お兄ちゃんはいつもの根拠ない自信で応じたのだった。

それより今は早く寝かせて欲しい…

 

-----------以下、ちょっと三人称視点------------

「あ~~~~~~~疲れた~~~~~~もう寝る…」

エールはランスの部屋のベッドに倒れ込んだ。

「こら、そこは俺様の寝床だ。お前の部屋に帰らんか」

「え~?めんどくさいよ…いいじゃんこのベッド広いし…ふぁぁ…むにゃ…」

すぴーすぴーと寝息をたてはじめるエール。

「ちっ、もう寝てやがる…」

「エ、エールちゃん…ここで寝ちゃダメですよぅ…頑張ってお部屋に…」

「くか~…すぴ~~…もう食べられない…むにゃ…」

「はぁー…あー。もういい。今日は俺様も疲れた…もう寝るか…」

ランスはがちゃがちゃと鎧や小手を外してはぽいぽいとシィルに放った。

「えっ…?!わっ…きゃ…あ、はい……」

「おら、もうちょっと詰めろ…」(ぐいぐい)「むにゃ…」「これでよし…ふぁぁ…zzz…」

ランスはエールの隣に潜り込んで寝息を立て始めた。

「「くか~~~~すぴ~~~~…」」

シィルは仲良くギザ歯の大口を開けて眠る二人を眺める。

「ふふふ…やっぱり、寝てる時のお顔はよく似てますね…」

放り捨てられた二人の鎧や武器を片付けたシィルは、自分も寝ようともう一度ベッドを見て…あることに気が付いた。

(そういえば…ランス様が、私以外の女の子とベッドに入って何もせずに寝てるの、初めて見たかも…)

「……………っ!」

シィルはぶんぶんと顔を振り、浮かんだ感情を振り払った。ベッドに潜り込み、ランスに身を寄せて目を閉じる。

部屋からは、すぐに3人分の寝息が聞こえてきたのだった。

 

=============☆☆好感度上昇☆☆==============

エール FR==22+1/25

エール FR==23/25

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翌日の朝、あたしたちはいつものようにロッジに集合した。

「というわけで、次は…」

「いや、ここは副隊長のボクから説明しよう」

お兄ちゃんが号令をかけようとしたところで、なんでか隣に控えていたサーナキアさんが前に出てくる。

「副隊長?」

「うむ、そういう事になったのだ」

「そうだ、このボクが未熟な隊長を補佐してやる。ビシビシやるから覚悟するんだぞ」

サーナキアさんはそう言って胸を張った。別にいいけど…なんかやたらえらそうだなぁ…

「そっか、パパイアのことはもういいんだね」

「恨みを忘れたわけじゃないが…流石にボク一人で突っ込むのは無謀だ。グリーン隊で動いていればいずれチャンスはあるさ。

こほん、では、作戦を説明するぞ。前回と同様、弾倉の塔の地下の進入ポイントから…」

咳ばらいをして説明を始めるサーナキアさん。

それを見ているお兄ちゃんは、

(こいつ実際ひとりで突っ込もうとしていたくせに何を言っとるんだ…、まぁめんどくさそうだし言わんでいいか…)

みたいな顔で眺めていたが、

あたし達もみんな、めんどくさそうだったので何も言わなかったのだった。




読んでいただきありがとうございます。

以下、妄想です。

ウスピラ・真冬
Lv32/32
魔法Lv2 統率Lv1

ゼス氷軍将軍。
幼いころに家が破産して家族は一家心中したのに生き残ってしまい、
押し付けられた借金のカタに長官達に買い取られ、
成績優秀であったため学業は続けることはできたが、
裏では慰み者にされ続け、輪姦、獣姦、拷問……あらゆる苦痛を味わってきている。
登場時点で偵察に来た魔人サイゼルに遭遇して重傷を負っていて、
次に出てきたときは部下は全滅してナガールモールで輪姦されており、
救出されてもランスにイタズラされ、
無事な姿を見せるのはマジノライン再稼働時のみ…

という不幸設定のオンパレード。多分汚染率は結構高い。
流石に将軍になってからは任務を盾に妙な要求は突っぱねているが、
それでも契約魔法で長官達には逆らえない。
それ故に、「籠城中の都市から兵士を含めて二級市民をすべて追い出せ」という自殺まがいの命令にも従ってしまった。

サイアスは状況を察しており、いろいろと手を回している。
男運は最上級なのできっと幸せになれるはず。


サイアス・クラウン
Lv37/41
魔法Lv2 園芸Lv1 統率Lv0

ゼス軍炎軍将軍。
長身で甘いマスクの美男子で、性格もキザとくるとランスくんにはめちゃめちゃ嫌われそうだが、なんだかんだうまくすり抜けている。
こう見えてめちゃめちゃ一途なせいかもしれない。
趣味はナンパであったが、ウスピラに一目ぼれしてから基本的に控えている。

長官の家柄であるクラウン家の出身だが、家出して一兵卒として軍に入り、成りあがって今の地位まで出世した。
長官の椅子に座ったズルキ親子とは縁を切りたいが、ウスピラを守るために嫌々付き合っていた。
死んでくれてせいせいしたと思っているが、彼女を守る手段がなくなった事には悩んでいる。
今回もほぼ任務を放り出してウスピラに着いてきてしまった。

特に欠点のないいい男なのに最後までひどい目に遭うことはなかった珍しいキャラ。
死んだらウスピラが気の毒すぎるからだと思うが、ウスピラがメガネかけてたらたぶん死んでいた。
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