【二章完】ちょっと早めのエールちゃんの冒険   作:砂嵐36

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ー任務表ー
【魔剣カオス奪回】

セルさんから手紙が帰ってきた
魔人を切れる魔剣カオスは渡せない、危険だから廃棄迷宮に捨てるそうだ
なんてこった、急いで止めに行かないと


66.エールちゃんは廃棄迷宮に行く

 あたしはお兄ちゃんの魔法ハウスまでやってきた。玄関先でシィルさんがホウキをかけている。

「やっほー。シィルさん。お兄ちゃんいる?」

「あれ?エールちゃん。どうしたんですか?」

「前にセルさんに送った手紙が戻ってきたんだよ。カオスとあたしの剣を送ってくれーって頼んだんだけど…」

「小包とかはついてなかったんですか?」

「うん」

「とりあえずランス様にお伝えしましょうか」

 あたし達は魔法ハウスに上がり込み、お兄ちゃんの部屋に向かった。

 リズナさんの草履があったのでまたタグが面倒になることをしているのかと思ったが、中からはカーマやカロリアの声も聞こえてくる。

「がーーー!またババだー!」

「ランス、ひきよわよわねー」

「ええい、うるさいうるさい。よしリズナ。取れ」

「あ、はい…えーと…これ…」

「えーっ!?」

「(びくっ)あっ…じゃあ…こっちを…」

「えええ~~~~っ!???」

「あう…これじゃとれません…」

「ランスさんの意地悪ー」

 どうやらババ抜きをしてるみたいだ。

「お兄ちゃーん。セルさんからの手紙。等々力さんが届けてくれたよ」

「おお、そうか…ん?手紙だけか?カオスは?」

「これだけなの」

「なんだよ、届けてくれないのかよまったく…どれどれ」びりびり

 お兄ちゃんは乱暴に封筒を破いて中の手紙を取り出した。広げたそれをみんなでのぞき込む。

 

===========================================

:カオスをお渡しすることはできません。

:この剣は危険なので、廃棄迷宮に捨てます。

:諦めてください。

            セル

 

:追伸 エールちゃんへ

:剣はまだ戻ってきていません。ごめんなさい。

===========================================

 

「な…」「な…」「な…」

Ω ΩΩ<「「「な、なんだってーーーーー!!!」」」

 あたし達はどっかの編集部員のように3人横に並んで叫んだ。

「大変だよ!セルさん、カオスを捨てちゃうって!」

 カオスは人類の切り札なのに!あの刃傷事件で思いつめちゃったんだろうか?

「おい!廃棄迷宮ってなんだ!?」

「ゼスでは有名なゴミ捨て場よ。地獄の底に続いているっていう穴があって、そこに捨てたものは二度と地上に戻ってこないんだって。みんないろいろなものを捨ててるの」

「えーっと、たしかニーポッポ峡谷にあるんですよね。観光地にもなってます」

 カーマちゃんとシィルさんが説明してくれた。

「ニーポッポ峡谷…?えーとどのへんだ」

「はい地図」

「おう…えーっと…なんだ。この近くじゃないか。」

「じゃあ魔軍も結構近くまで来てるんだよね」

「わざわざそんなところまで捨てに来るのかよ…」

「どんな無茶をしてもカオスを捨てたいみたいですね…決意は固いんでしょうか」

「うーむ…そうだ、消印はどこだ?」

「レッドの郵便局で…日付は…1週間前だね」

「うむ、レッドの街でこの手紙を出し、すぐに出発したならまだ着いていないだろう。先回りしてセルさんを捕まえるぞ!」

 そういうことになった。

 

 廃棄迷宮があるニーポッポ峡谷は前に来たノクタン鉱山のすぐ近くだ。観光地化しているだけあって道も整備されており、うし車ですぐに到着した。

「ここが廃棄迷宮か…」

「迷宮って割りには綺麗だね」

「迷宮とはいっても、一般開放されているエリアには危険は排除されています。民間の他にも、研究者などはよくここを利用しますね。捨てたものは絶対帰ってこないと言われていますから…」

「ふーん…お、記帳台があるな。」

「来訪者の名前と捨てるものが書いてあるね…必須じゃないみたいだけど」

「セルさんは真面目だから書くだろ…えーっと最近のは…おばあさん…青春の思い出…」

「童貞…?捨てるの…?ここで…?」

「モテない奴の考えることはわからんな。ほかには…ダブって買っちゃった漫画本、冷凍庫にあった3年前の煮物、10円セールとかやってたんで買っちゃったけど全然使えないエッチCG集、ガチャ爆死の記憶、将軍様のバッジ…魔剣カオス!」

「名前もレッドのセルって!」

「日付は…今日だな!急ぐぞ!」

「地獄の穴はこちらです!」

 あたしたちはカオルさんの案内でだーっと迷宮内を走り出した!

 観光地化されているだけあって、商店街やら教会、果ては遊園地まである通りを駆け抜けて、たどり着いた広間の真ん中にはぽっかりと低い柵に囲まれた大穴があり、その傍では…

「乳の~谷間で~ほっこほこ~~♪」

「……………っ…」

 何やら下品な歌が漏れてくる包みを抱いた神官服の女性が立っている!どう見てもカオスとセルさんだ!

「セルさーん!」

「えっ…エールちゃん…それにランスさん!?」

「おう、セルさん。それを寄こせ。俺様のだぞ」

「う…でも…これは…」

 セルさんは顔を歪ませ、カオスの包みをかき抱いた。

 

 そこからまぁ、セルさんをどうにか説得しようとしたのだが…けっこう大変だった。

 いくらゼスの状況を説明しても、この剣は危険だから、の一点張りで渡そうとはしないのだ。

 しかし、決意が固まってるのかというと…なんかどうもこの穴の傍で半日近く延々と迷っていたらしい。

 要はカオスが必要なのは分かってるけど、そのせいであんな事件が起きたら耐えられない、ってことなんだろうな。

「だからセルさん、お兄ちゃんなら大丈夫だって。前も平気だったじゃん…」

「で、でも…」

「えーい、捨てるなら捨てるでさっさとしろ!そうしたら俺様は俺様で好きにやるからな!」

「そ、それは…」

「それが嫌なら渡せ。俺様もこんなうっとうしい剣と一緒にいたくない。用が済んだらすぐに返す」

「ほ、本当ですか…?」

「ああ、俺様は嘘はつかん」

 お兄ちゃんの絶対嘘だけど無駄に自信にあふれた言葉に、ようやくセルさんは肩の力を抜いてくれた。

「分かりました…お渡しします。ですが、ランスさんとこの剣が悪に走らないよう、私が傍で監視します」

「うむ、それでいいぞ。ぐふふふ…」

 ほっ。どうにか収まったみたいだ。セルさんは抱いていたカオスをお兄ちゃんに手渡そうとし…

「退いてー!わたしの悪魔人形を捨てるのよー!」どんっ

 急に走り込んできたどっかで見たような女の子がセルさんにぶつかった。

ひゅーっ。「あ」「あっ」「ああーっ!?」

 その拍子にカオスの包みがセルさんの手からこぼれ…穴に落ちていく!

「わー。すみませーん。ごめんなさーい。それでは」ぴょーん

「待てこらー!」

 女の子は異様な跳躍力でぴょんぴょん跳ねてどっかに行ってしまった。

「なんかあの子、ペンタゴンの幹部に似てなかった?」

「そうですか?たまに見かける郵便屋さんに似てたような…」

「そんなことはどうでもいい!かなみ!飛び降りて拾ってこい!」

「無茶いわないでよ!死んじゃうわ!」

「ぐぐぐ…なんてことだ…」

「カオルさん!この穴に落ちたものって拾えないの!?」

「…絶対に戻ってこない、とだけ…ですが、この迷宮を管理している役人ならば何か知っているかもしれません」

「よし!その役人を探すぞ!」

「………」

「セルさん…セルさーん? …だめだ、フリーズしてる」

「今はほっとけ。行くぞ」

 

 あたし達は来た道を引き返し、商店街のあたりまで戻ってきた。

「普段はここで観光案内をしている者がいるはずなんですが…いませんね」

「お客がいないからサボってるのかな」

「その辺を探してみるか」

「こんなところに教会があるのか」

「中は…うわっ、ずいぶん散らかってるな」

「冒険功績まで湧いてるだすよ」

「ここの神官さんはいないのかな?」

「いないみたいだけど…張り紙があるわね。『魔軍が怖いのでカイズに疎開します お祈りはご自由に…』だって」

「まぁ仕方ないっちゃ仕方ないけど神官としてどうなのかな…」

「少なくとも役人はいないな、商店街を探すぞ」

「商店街にあるのは…引き取り屋、お祓い屋、恋愛相談所…」

「なんか辛気臭い怪しいところばっかり」

「あ、あの引き取り屋は…」(わなわな

「かなみさん、どしたの?」

「…なんでもないわ。ちょっとトイレにいってくるわね」(しゅばっ

「行っちゃった…」

「ほっとけ。しかし恋愛相談所か…きれーなねーちゃんが相談に乗ってくれるのかもしれん。調べてみよう」どやどや

 お兄ちゃんはシィルさんとロッキーさんをつれて恋愛相談所に入っていった。

「ん~。じゃああたし達もお祓い屋を見てみようか…いなさそうだけど」

 部屋に入ってみると、お札まみれの服を着たガリガリのおばちゃんがぶるぶる震えながら座っている。

「人生を捨てたくなるような呪いをかけらているのかい?命を捨てる前に、私に相談するといいよ…あー怖い…ぶるぶる」

「なんや不気味なおばちゃんやなぁ」

「うーん…じろじろ…お嬢ちゃん」

「へっ?かろ?」

「あんた、体中にいっぱい憑いているね…ひいふう…四匹も…」

「ついてるって…ムシのこと?」にゅっ

「ひぃー!怖い怖い…恐ろしい、私が祓ってあげよう」じゃららっ

 カロリアの額から飛び出したあげはを見て腰を抜かしたおばちゃんは、数珠を握りしめて立ち上がった。

「あげはは友達だから。このままでいいよ」

「そ、そうか…なら仕方ない。無理強いはしないよ…ああ、怖い怖い…で、他にお祓いが必要な人…は…ん?」

 おばちゃんの視線がぐるーっとあたし達を巡り、あたしのところで止まった。

「ん…?ん~?なんだろうね、これは…」

 うんうんうなりながら、おばちゃんはあたしの頭の上あたりをにらむ。

「あたしの頭になにか?」

「ん~~~~~~。なんかすっごく細い…糸みたいなものが…」

「へ?糸?」

 頭の上で手をぶんぶんさせるが、そんなものの感触はない。

「糸と言っても霊的なものだよ。普通は触れられるもんじゃない…しかしこんなものは見たことないね」

 おばちゃんはあたしの頭の上に手を伸ばし…

「えい」 引っ張った。

 

 すぽっ

 

「あ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

===============================================

 

「エール、エール。大丈夫?」

「んあ?」

 ()()()は、カロリアに呼びかけられて我に返った。なんかちょっとボーっとしていたような…

「あ、ごめんごめん。ちょっと急に気が遠くなっちゃって」

「うーん…ごめんよ。なんか変なことしちゃったみたいだねぇ」

 お祓い屋のおばちゃんは申し訳なさそうにしている。

「まぁどうってことなかったからいいですけど…それで、その糸みたいなのってまだあります?」

「いや、もうないよ。どっかに消えてしまったみたいだね」

「そうですか…」

 もう用はないので外に出ると、ちょうどお兄ちゃんも恋愛相談屋から出てくるところだった。

「むがー!おかまだったではないか!色っぽいねーちゃんとか言ったのは誰だ!」

「ランス様です…」

「あ、あの人…おらみたいな人タイプだって…お気持ちは嬉しいだすが…おらは出来れば女性がいいだす…」

 3人固まってブツブツ言っている。あっちもさんざんだったみたいだ。

「お兄ちゃん、こっちはダメだったよ。そっちは?」

「ああ、おかまから聞きだせた。役人なら暇なときはあっちの遊園地でサボっているそうだ。行ってみよう」

 あたしたちは商店街をあとにして遊園地に向かった。

 

 廃棄迷宮にある遊園地…ぐるんぐるん遊園地は…まぁ、はっきり言ってショボかった。

 まぁ、Mランドなんて世界最大の遊園地の傍で育った(行けたのは最近だけど)シチーガールであるところのあたしからすれば?ショボくない遊園地など存在しないのかもしれないけど、それを差っ引いてもしょぼい…というか何もない。

 あるのはカラフルな矢印パネル…上に載るとその方向に移動してしまうダンジョンの仕掛けだ…が設置されていて、それで広くもない敷地内をぐるんぐるんしよう!というようなアトラクションとも呼べない代物だけだ。

 そんなものでもカロリアちゃんには物珍しかったのか、歓声を上げながらぐるんぐるんしていたが…それはさておき、目当ての役人はショボい売店のひなびたベンチに腰掛けてボーっとしていた。

 宙を眺めながら愚痴をはいていた役人も、カオルさんが何やらキューブのようなものを見せるとしゃんとして、穴の底につながる通路があること、非常に複雑で危険なので封鎖されていることを教えて、ついでに通路の鍵もくれた。

 通路の向こうは非常に危険で複雑なので未調査、と言われたが、それで怯んでいては冒険者はやってられない。あたし達は早速向かうことにしたのだった。

 

 長い事開けられていなかったのだろう、ギィィィィーッ…と重たい音を立てて扉は開いた。あたし達は奥へ奥へと進み始める。

「うわ、扉の裏側…」

「傷だらけね…何かの爪かしら」

「こっちの壁にもなんかいろいろ書いてあるね」

「これは…魔物避けの結界ね。かなり効果の強い物よ」

「壁にびっしり書かれてる…」

「それは人間にはなんか影響あるのか?」

「それは大丈夫よ」

「ならどうでもいい」

 進むうちに、通路の壁や床は石から土に変わり、そして石とも土ともつかない、よくわからない感触のものに変わった。

 よく見るとうねうねとうごめいているような気すらする。正直だいぶおぞましい。

「ここが地獄か」

「正確には、その入り口ですわね…」

「ここのどこかにカオスがあるんだな。カオス、どこだー。おーーーい!」

 おーい、おーいおーい…とお兄ちゃんの叫び声が響いたが、あいにく返事はなかった。

「ちっ、返事はないか。入るしかないか。世話が焼ける剣だ…行くぞ」

 あたし達は、お兄ちゃんの号令で地獄に足を踏み入れたのだった。

 

 地獄というのは、AL教においては悪しき行いをした魂が死後に送られる場所だとされている。そこで罪を浄化されて、魂は神の御許に戻る…んだそうだ。

 ここがその地獄なのかはわからないが、少なくとも地獄みたいな場所ではあった。

 空気は悪いし、だだっぴろいわりにどこもかしこも不景気な色合いの殺風景で気が滅入る。イキがいいのは襲ってくるモンスターくらいだ。

「「「「にょ~~にょにょにょにょ~~~~~~」」」

「「ぎゃー!!!!」」

 白い触手みたいなにょーの集団がにょ~にょ~と合唱すると、大量のにょ~が押し寄せてきて避け損ねたパットンさんとサーナキアさんがなぎ倒された。

「くたばれ!」ぶおん!

「俺は鉄壁!」ガキィン!

「ぬおっ、堅っ…」「ふふふ…鳥をくらえ!」「どわー!なんじゃこりゃ!」

 お兄ちゃんが振り下ろした剣は、鍋のようなものを被ったモンスター、俺は鉄壁の鍋に弾き返され、代わりに飛び出した鳥につつかれている。

「HEAL・M・Mルーン フォッケウルフ」どかーん!

「二人で歌うね」ぼおーっ

「あうあうあー」ぼかーっ

「ほぎゃーっ!」

「ロッキーさん!?このっ!」ぶんっ

「我は忍者でござる!」がきん!

 他にもゲッペルスが聖魔法をぶっ放してきて、腐った死体は殴ってくるし、二人一組の女の子モンスター、ハミングが炎の歌でこちらを燃やすわ回復するわ。そいつらの前にはタタミ返しが陣取って反撃を封じてきている。

 どれもけっこう高位のモンスターだ。さすがに地獄と呼ばれるだけのことはある…

 けど、あたし達だってその辺の一山いくらの冒険者ではない!

 

「やれやれ…魔法は理不尽だから好かんなぁ!」がしっ「「「にょっ?」」」

「しかし魔法なのかこれは…?まぁいいか!まっ たく 簡単だ!」ぐいぐいぐいー!

「「「「にょ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」」」」

 にょ~の山から太い腕が伸びてにょー達をまとめて掴み、血を流しながらも立ち上がったパットンさんはにょー達をまるで筋トレでもするかのようにまとめて伸ばしていく!

 

「どくどくぴゅーっ!」びびびびっ「ぐあっ…痺れる…」

「隙ありだ!死ねーーー!」どがーっ!「母さん…鉄壁不足でした…」

 俺は鉄壁が鳥を取り出したわずかなスキにカロリアちゃんが毒針を打ち込み、痺れたモンスターをお兄ちゃんが叩き斬った!

 

「はいっ!タタミ二段返し!」すぱぁん!「なんとぉー!?」

 カオルさんのよくわからない柔術がタタミ返しをタタミごとひっくり返す!

「今よ!ファイヤーレーザー!」

「いっけーチューリップ!」

「おりゃおりゃそりゃー!ALスラーッシュ!」

「参ります!」

「に、にげようにげよう…」がくり

 びーっずばすばぼかーん!と総攻撃を食らったモンスターたちは沈黙した。

 

「ひー…流石に強いねぇ」

「地獄なんて言われるだけのことはあるってことだ。腕が鳴るぜ…」

「サーナキアさん、大丈夫ですか?今ヒーリングしますね…」

 戦闘が終わり。あたし達はそれぞれ武器を収めていく。

「ふん、これくらいなんでも…げっ」

 鼻を鳴らして剣を収めようとしたお兄ちゃんが顔をしかめた。

「どうしたの?」

「ちっ…あの鳥野郎の鍋で剣が刃こぼれしやがった。戻ったら買い替えだな」

 見れば、剣の先端の刃が確かに少し欠けている。相当堅い物を馬鹿力でぶん殴ったんだなぁ…

「カオスを使えばいいじゃん。切れ味はすごいよ?」

「やかましいし下品だから要らん」

「お兄ちゃんとはお似合いだと思うけどなぁ」

「なんだとー!?」ぶんっ「わっ」

 お兄ちゃんが落としてきた拳骨を躱して距離を取る。

「こら!避けるんじゃない!」

「そりゃ避けるよ!痛いもん!」

「ええいおとなしく…ん?」

 あたしを追いかけようとしたお兄ちゃんの表情が変わる。

「おい!危な…」「えっ?」

 お兄ちゃんの視線の先を見ると…物陰からこちらを狙うバズーカを抱えた女の子モンスター…出目金使い!

「出目装填 ターゲット確認…発射!」「…っ!」

 バズーカから出目金が発射された!あたしはとっさにかわすが、出目金は床に着弾し、爆発する!

 爆風にあおられ、あたしは体勢を崩した。立て直すために足を踏み出し…その足が空を切った。

 あたしの足元には、奈落まで続くような深い穴が口を開けていて…

「えっ?あ…きゃああああああああああああああああ!?」

「おっ、おい!」「エール!?」「エールちゃん!?」

 あたしは、遠ざかる皆の悲鳴を聞きながら、真っ逆さまに落ちて行ったのだった。




読んでいただきありがとうございます。
よろしければ感想ここすきお気に入り評価感想等いただけると嬉しいです。

現在、基本的に毎週月曜更新としてきましたが、ちょっとこれから年末年始にかけて忙しくなりそうなので、これから続きは少しお待たせすることになるかもしれません。

引き続きよろしくお願いいたします。

※すいません、昨晩操作ミスで誤字チェック前のものを保存するつもりが投稿してしまいました。
一瞬なので誰も見てないかと思いますが、見てしまった人は見なかったことにしてください。
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