【二章完】ちょっと早めのエールちゃんの冒険   作:砂嵐36

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ー任務表ー
【マジノライン再稼働計画】

ついにゼスを魔軍の手から取り戻す最終作戦発動の時が来た
あたしもお兄ちゃんの手下ということで呼ばれている
いよいよ大一番だ、頑張らないと


73.エールちゃんは枠から洩れる

 それなりの広さの会議室には多くの人が集まっていた。

 ゼスの各将軍や四天王といった幹部がずらっと並び、空席のパパイア&ナギの席の隣では民間人のまとめ役であるらしいちっちゃいおじいさんがちっちゃい手で角砂糖を持ってちっちゃい口でかりかりと齧っている。

 その向かい側にはリア王女にマリスさん、リックさんにバレスさんといったリーザス勢が陣取っていて、部屋の隅には巨大な体を丸めて正座している宇垣長官が側近さんにニンジンを食べさせてもらっているし、その傍にはビュートン…じゃないイーディスさんがすました顔で控えている。

 隅っこの席に座っている鎧のおっさんは、カイズから今更ながら援軍に来た300人くらいのテンプルナイトの指揮官の人だ。確かガーウィンとか言ったっけ。

 要するに今このあたりに集まっている人類側勢力の主だったメンバーがみんな集まっているというわけだ。

「…そろそろ時間だけど、お兄ちゃんは?」

 で、そんな空間に呼ばれたあたし達はとある問題について小声でこそこそ話していた。

「その…会議に出る前にトイレに行くと言われて…」

「さっきトイレ見てきたけどいなかったわよ」

「まさか…アイツサボる気じゃ…」

「あ、ありうる…」

「そ、それは…あっ、来ましたよ」

「ほら、ここがランスさんの席です。どうぞ」

「くそー…仕方ない」

 入り口からウルザさんに引っ張られたお兄ちゃんが入ってきて、用意された席に押し込まれるように着席した。

「…ガンジー様、召集に承諾いただけた方はすべてお揃いになられました」

「うむ」

 リストに目を通していた千鶴子さんがお兄ちゃんの着席を確認して告げ、ガンジー王が重々しく頷いて立ち上がった。

 そんなガンジー王をお兄ちゃんはつまらなそうな顔で見ながら用意されていた茶をズズズと音を立ててすすっている。ありゃたぶんサボろうとしてたな…いつもながら大物なのかアホなのか判断に迷うところだよね。なにせ…

「忙しい中、良く集まってくれた。これより今後の作戦計画を発表する」

 これから、ゼスの…そして人類の命運をかけた作戦について話をするっていうのに…

 

 まず現状についてだが、魔軍はMボム作戦で食らった打撃から立ち直りつつあり、せっかく取り戻した安全圏も少しづつ押し込まれているそうな。

 最初10万くらいいた魔軍もなんやかんやで5万近くにまで減っているが、ボロボロなのはこっちも同じ…いやそれ以上だ。

 義勇兵とリーザス軍、その他の兵を足してもまともに動けるのは3万弱と言ったところだし、そもそも魔物兵と人間の兵士では魔物の方が圧倒的に強いのだ。あたし達がさんざんぶっ殺した緑ザコも、普通の兵士3人でようやく互角と言われているらしい。

 さらなる援軍を出せそうなのはリーザスくらいだが、援軍追加となればせっかくイーディスさんがまとめてくれたゼス有利な条件がご破算になってしまう。そうなれば領土を取り戻してもゼスはリーザスの属国同然になるだろう。

 というわけで現状の兵力で何とかするしかない…というわけでいろいろ検討した結果が…

 

「マジノラインの再稼働…ですか」

「うむ、エネルギー不足で停止しているマジノラインの再稼働により、魔軍の退路を断つ。パニックになったところに全兵力で反撃に出れば、必ずや魔軍を敗走させることが出来るであろう」

「コンピューターによる計算では作戦成功率は80%以上と出ています」

「ちょっと待って欲しい」

 ガンジー王が答え、千鶴子さんが補足した情報に対してサーナキアさんが立ち上がって発言した。

「退路を完全に立つのか?それでは敵が死兵となり激しく抵抗する可能性が…」

「はい。それを防ぐため、マジノラインの一角は停止させておきます。兵士が抵抗ではなく逃亡を選ぶように」

「む…囲師必闕の計(作者注・敵を完全に包囲せず、逃げ道を作って包囲する作戦)というわけか…なるほど…」

 納得した様子で席に戻るサーナキアさんを見ながらあたし達は言葉を交わした。

「な、なんか頭よさそうな会話してるね…」

「言っちゃ悪いけどびっくりだわ」

「し、失礼ですよう…」

「あれじゃない?軍略書の効果。昨日徹夜で読んでたし…」

「なるほどね…」「納得だわ」「あれなんか呪い掛かってんじゃないの?」

 見解の一致を見たあたし達をしり目に、今度はウルザさんが立ち上がった。

「素晴らしい作戦です。実行できれば理想でしょう。実行できれば、の話ですが。マジノラインの再稼働…本当に可能なのですか?」

「ふむ?」

「私の立場から言うのもなんですが…マジノラインの稼働魔力は、もともと王都地下の4つのマナバッテリーにより賄われていましたが、そのうち3つが破壊された時点で国家指令4号…優先魔力供給指令が発令されました。つまり、マジノライン稼働にはマナバッテリー2個が最低必要ということになります。今無事なマナバッテリーは…日曜の塔の地下のものだけでは?」

 ウルザさんの言葉に、出席者がざわざわと騒ぎ始める。

「ど、どうにか魔力をかき集められないか?あのときは魔力供給でしばらくしのいだじゃないか」

「無茶を言うんじゃない、今の状況では2割…いや1割も怪しいぞ」

「マナバッテリーを修理したり、新しく作ることは出来ないか?」

「ありゃ聖魔教団の遺産だ。どういう仕組みか我々にはさっぱりわからん。知識を持っているとすればヘルマンだが…」

「連中がそう簡単に協力してくれるとは…」

 そう言えばヘルマンは聖魔教団の遺産を多く受け継いでるんだっけ。あのフリークさんとかならマナバッテリーを修理できるかも…いや、でも流石に今からじゃ難しいかな。

「そんな…土台無理なはなしじゃないか…」

「いや、まだ希望はある」

 あきらめムードになった会議室にガンジー王の声が響く。

「クーデターの発生直前に、新たなマナバッテリーが発見された。場所はマジノラインの地下だ。」

 おお!と声が上がって会議室のムードが一変する。そういやそんなもん見つけたって言ってたね。

「マジノラインの動力として使うための調整は終わっていたが、初期起動魔力の重点が間に合わず、停止を防ぐことは出来なかった。しかし、魔力を充填すれば…」

「マジノラインは再稼働する…と?」

「その通り。魔力の充填は私とアニスが担当する」

「えっ!?私ですか!?全力で頑張ります!」

「…しょ、初期起動魔力は魔法使い2000人分とありますが…二人で何とかなるのですか?」

「うむ、なんとかなるだろう」

 すごい自信だ…とはいえあたしや志津香さんでも魔力量は100人分くらいはあるらしいし、いろいろ規格外のあの二人ならどうにかなるんだろう。

「というわけで、私とアニスがマジノライン地下まで移動する必要がある。そのための護衛を頼みたい。希望する者は名乗り出て…ああ、その前に言っておくことがあった」

 ガンジー王はいったん言葉を切り、なんでもないように続けた。

「この護衛任務で最も活躍したものには…私に代わってゼス王になってもらう」

「「「「「「「「「「「は?」」」」」」」」」」」

 会議室は一転、驚愕の声に包まれたのだった。

 

「この国は変わる。魔法使いが治める国から、魔法使いとそうでないものが手を取り合う国に」

「そのためには、この国の王が私である必要はない。次の作戦で生まれるであろう英雄に、この国を導いていってほしいのだ」

 ガンジー王が急に言い出した無茶に対して、マジック王女はキレたし千鶴子さんや他の皆さんも止めようとしたが、基本的に王様がやれと言ったら長官会議の結果でしかNoと言えないのがこの国のシステムであるらしい。

 そしてその場で唯一文句を言える立場の宇垣長官は涙を流しながら闘将の腕で拍手をしていたので、マジで護衛作戦で活躍した人がゼス王になる事が正式に決まってしまった。

 当然のことながら立候補者が続出し、流石に多すぎるのでガンジー王がメンバーを絞ることになった。

 こうして決まった、ゼスの命運をかけた最終作戦に臨むメンバーは…

 

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「よーし、乗った。俺様も参加するぜ」

「魔人が3人か、腕が鳴るのう」

「お前は腕ないだろうが」 

 

 元アイスフレームグリーン隊隊長 ランス。戦士 Lv53。

 

 まずは当然、弱きも強きもまとめてくじく、我らがリーダー、ランスお兄ちゃんwithカオス。

 魔人の妨害が予想される以上、カオスを持つお兄ちゃんが居なくては話にならない。

 

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「自分も出ます。僕の部隊はほぼ壊滅していますし…せめて1兵士として参加したく」

「アレックス!?」

「僕は本気だ。これで王に認めてもらい、君と…」「っ…!」

 

 ゼス四将、光の将軍アレックス・ヴァルス。魔法使い Lv52。

 

 規格外の二人を除けばゼス最強の魔法使い。ゼスの問題なんだから当然出るよね。

 今回は何か軍人としての使命以外にも思うところがあるみたいで、マジック王女に強い視線を向け…でも目をそらされてるな。何かあったのかな?

 

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「俺も混ぜてもらっていいか?」

「君の素性については報告を受けている。その上で答えるが…いいだろう」

「…ありがとよ。その期待、必ずこの拳で応えて見せるぜ」

 

 国を追われた廃皇子にして流浪のスパルタ、パットン・ミスナルジ。 格闘家LV50。

 

 キメ顔で礼を言っているが…ヘルマンを取り戻すためにゼス王になるつもりなんだろうか?なんかいろいろ面倒なことになりそうな…

 

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「はーい、はいはい。リアも。リアも。一人くらいならリーザスから出していいでしょ?」

「無論。ご協力痛み入ります。」

「それじゃあリック、お願いね。それで王になったら、ゼスをリアにちょうだい」

「はっ、ご命令とあらば」

「リア様、私はどうしたら…」

「ああ、かなみももちろん参加しなさい。ダーリンを守って」

「はい…」

 

 リーザスの赤い死神、赤将リック・アディスン。 騎士Lv51。

 いつもちょっと不幸なリーザス忍、見当かなみ。 忍者LV41。

 

 王様になったら国をちょうだいって…それでいいんかい。

 2人とも戦力としては文句ないし、人格的にも普通にいい人なんだけど…どこまで行っても軍人で、リアお姉様に忠実ってのが…まぁ、お兄ちゃんと一緒だし平気だよね。多分…

 

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「我が身を顧みず国のために戦う王の姿に感激しました。王位につくつもりはありませんが…ぜひ、末席に加えてください」

「うむ、許可しよう」

 

 亡国ダラスの(ぽんこつ)騎士、サーナキア・ドレルシュカフ。騎士LV40。

 

 そりゃこういうシチュエーションなら手を上げるよねぇ…ちょっと心もとないところはあるけど、まぁお兄ちゃんにさんざんちょっかいかけられたせいでレベルはそれなりだし、なんか一夜漬けで戦術を身に着けてるし、なんだかんだ頑丈だしね。なんとかなるだろう。

 

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「魔軍相手だもん、出し惜しみはなしだよね。取り寄せたマレスケにヒララ鉱石もたっぷり使ってぇ…火力と命中精度を…もう最高!うふふふふ…」

「…マリア?」

「あっ、ご、ごめんね志津香。ナギさんは見つかったし、もう用はないよね…」

「いや、流石にこんな状況で帰れないわよ…最後まで付き合うわ…」

 

 元カスタム四魔女、天才兵器開発者マリア、マリア・カスタード。技師LV44。

 同じく元カスタム四魔女、クラシカルな装いの天才魔法使い、魔装志津香。魔法使いLV48。

 

 カスタムの二人も付き合ってくれるみたい。二人の火力はあると無いとでは大違いだしね。ほかにも魔法使いは加わるとはいえ、きっとこの作戦でも頼りになるだろう。

 

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「ガンジー王、私も希望します。…王位につくつもりはありませんが」

「一応聞くが、贖罪の念からだとするなら受け入れられんぞ」

「ありがとうございます。しかし、死ぬつもりはありませんよ。生まれ変わったゼスをこの目で見るまでは」

「うむ、分かった。よろしく頼む」

 

 元アイスフレームリーダー、氷溶の者の指導者、ウルザ・プラナアイス。弓士LV49。

 

 Mボム作戦でも前線に立ってたしね、そりゃあ参加するよね。…容赦ない三連ボウガンの精密射撃も脅威だが、作戦指揮についても期待できる。ぶっちゃけ一夜漬けのサーナキアさんよりは頼りになるだろうし…

 

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「ランス様がついにこの国を救うための大作戦に…流石はおらのご主人様だす…どこまでもお供を…」

「お前は要らん」げしっ「ぐえっ!」

「あの、ランス様…私は…?」

「あん?奴隷は俺様のそばにおれ。決まっとるだろうが」

「は、はい…!はい!ランス様!」

「おらもついていくだすよーーーーーーー!!!!」

 

 お兄ちゃんの奴隷、シィル・プライン。魔法使いLV49。

 お兄ちゃんの召使、ロッキー・バンク。従僕LV46。

 

 シィルさんはそりゃあ当然ついてくるよね…リア様のほうからただならぬ気配を感じるけど…見ないでおこう。

 ロッキーさんはよく蹴飛ばされてるが凄い根性だ。急に成長したとき、背が伸びて蹴りにくくなったとお兄ちゃんがぼやいていたが、ちょっと特訓していつも通り蹴飛ばせるようになったそうな。めでたしめでたし。

 

======================================================

 

「あの、王子…私はどうしたら…」

「む…リズねぇは安全な場所に…」

「いや、リズナは俺様と一緒だ。いいな?」

「は、はい…」「む…」

「ねぇランスー。かろも行っていい?」

「おお、いいぞ。カロリアもこい」

「へへへ…ありがとう。ムシたちと一緒にみんなを守るね」

 

 玄武城の元囚人にして、薙刀使いの和服美人、リズナ・ランフビット。魔法使いLV43。

 最後のムシ使い、カロリア・クリケット。ムシ使いLV46。

 

 なんていうかこの二人、放っておくとふらふらとどっかに行きそうで怖いんだよね…

 リズナさんはアベルトに狙われていたらしいし、カロリアもなんか自然保護委員会とかいう変な連中に狙われているそうな。目を離さないほうがいいだろう。

 

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「魔に蹂躙されるゼスの民を見捨てるわけにはまいりません。無論、私も同行いたします。」

「おお、セルさんも来るか。大歓迎だ」

「カオスの監視も必要ですし…」

「そういう事ならじっくり監視してくれてええのよ?今夜一晩同じベッドでじっくりしっぽりあへあへと…」

「こらっ馬鹿剣が!そういうことは俺様がやる!すっこんどれ!」

「…この人たちは…」

 

 レッドの街の神官さん、セル・(中略)・カーチゴルフ。神官LV44。

 

 ゾンビ退治をこなしたことで位階が上がったらしく、もうすぐ念願のアリスブックが手に入るとうきうきしていたセルさんも志願した。当然すぎて特にいうことがない。

 お兄ちゃんとカオスの二人(一人と一振り)に狙われているけど、今のところ純潔は守っているそうな。まぁAL教では特に禁止もされてないんだけどね。さすがにロゼくらいになるとアレだけど。

 

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「……………わ、私も参加するわ」

「む、マジックか…わかった。いいだろう」

「おお、惚れた俺様と一緒にいたいというわけだな!」

「いいえ!少しでもあなたのそばにいて、あなたの問題の改善に努めるのよ!」

「…………?????????」

 

 ゼス四天王にしてガンジー王の息女、マジック・ザ・ガンジー。魔法使いLV48。

 

 なんだかここのところお兄ちゃんへの態度が変なような…アレックス将軍とも距離を置いてるみたいだし…料理に気を取られて見てなかったけど、あのパーティーで何かあったんだろうか?

 

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「私を入れて総勢16人か…ダンジョンの中を移動することになるので、あまり大人数では動きにくい。こんなものだろう…では、このメンバーでマジノラインを目指す」

 

 ゼス王にして征伐のミト、そして最強の魔法使い。ラグナロックアーク・スーパー・ガンジー。 魔法使いLV58。

 

 そして最後に当然ガンジー王。戦力的にも頼りになるが、作戦目的にもいないと話にならない。それにアニスを抑えられるのが千鶴子さん以外にはこの人しかいないしね。

 

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「あっ!お兄ちゃん!あたしも!あたしも行く!」

「あ、忘れてた。まぁお前も付いてこい」

「わーい、ありがとう」

 

 ランスの妹にして奇跡のスーパー美少女、エール・クリア。神官戦士LV49。

 

 いやぁ、そうそうたるメンバーだ。どこを向いてもレベル40以上しかいない。人類の中でも上澄み中の上澄み、最精鋭と言っていいよね!使命は重大だが、これからどんな冒険を繰り広げるんだろうか…

 

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 これからの展開に心を躍らせるあたしに、お兄ちゃんが近づいてきて口を開いた。

「戦闘メンバーが少し多いな、お前、少し外れていろ」

「えー?しょうがないなぁ…」

 

 あたしはメンバーから外されてしまった。

 

「はぁーーーーーーーーーーーーー!?

このスーパー超絶美少女天才神官and戦士with魔法使いなあたしのどこに文句があるってのよ!」

「お前も同意したじゃないか」

「確かになんかつい返事しちゃったけどさ!なんでよ!」

「なんでかわからんが…なんか16人を超えると反射的にメンバーを外してしまうのだ」

「外すんならロッキーさんとか外せばいいじゃん!」

「外したいのはやまやまなのだが奴は何故か外せんのだ」

「うう…ランス様…それでもお供するだす…」

 ロッキーさんが泣いているが今はそれどころではない!このままではこの大一番に一人称視点主不在という前代未聞の事態になってしまう!

「あーもう!お兄ちゃんのアホ!スケベ!スパーンとかアルビルダ枠!」

「兄にむかってなんてことを言うんじゃこのクソ妹が!」

「『蠑オ??16縺九i17?∝、ァ諤・縺弱?∽サ翫☆縺撰シ包』ーーーーーーーーーーー!!!」

「はぁ?今なんて…ん?」

 テンションの上がったあたしの口からわけのわからん言葉が吐き出された次の瞬間。ピカ――――っ!と謎の光が天から降り注いであたりを照らした!

「「うおっまぶしっ」」

 光がやんだ後、おそるおそる目を開けてみるが特に何も変わっていない。お兄ちゃんも無事みたいだ。

「なんだったんだ今のは?」

「さぁ…」

「…まぁいいか。それによく考えたら16人でも17人でも変わらんな。そもそもカオルとアニスもついてくるわけだし…お前もついてきていいぞ」

「やったー!」

 一時はどうなる事かと思ったけどよかったよかった。

 ということで、あたし達はマジノラインを目指して出発したのだった。




読んでいただきありがとうございます。

ランス6では、パーティー枠は16人までです。
仲間が増えて16人を超えると、カオル、タマネギ、プリマ、セスナ、メガデスの「控えに送れるメンバー」の誰かが自動的にパーティーから外れて控えに送られます。

ですが、最終決戦直前のこのタイミングでリック、ガンジー、マジック、アレックス、ウルザが一気に加わるので、コパンドンが唐突に離脱してもなお外せないメンバーだけで16人になってしまいます。

というわけでエールちゃんは追い出されてしまうところでしたが、急に不思議なことが起きて何とかなりました。
エールちゃんの口から洩れたわけわからん言葉ですが、イーディスさんかブラックロータスなら『枠』『拡張』『すぐ実行』とかの断片的な単語を聴きとれたかもしれませんね。

※スパーン 大番長のキャラクター。戦闘面は文句ないが同じ地域に配置されているキャラの忠誠度を下げてくるデメリットがある
※アルビルダ 大帝国のキャラクター。同じく戦闘面は文句ないが、配置されている地域の治安が全く回復しないデメリットがある

以下、妄想です。

ガーウィン・トローフ
LV32/36
剣戦闘LV1 ガードLV1 統率LV1

AL教総本山カイズの騎士団、テンプルナイツに所属する騎士。
指揮ができる騎士は教団内では貴重で、要人の護衛につくことも多い団長BSに代わってテンプルナイトを率いてAL教を支援する有力者のもとに援軍として出向いたりもする。
勤務態度も真面目で、教団内でもそれなりの地位にはあるが信心深いというわけではなく、先祖代々テンプルナイトの家柄であったために自然にテンプルナイトになっただけ。
もし仮に出向中に出向先の国がAL教に宣戦布告した場合とりあえず準備をしてこっそり出奔するが、さらに仮にカイズがすぐに陥落して帰る場所がなくなった場合はそのまま出向先の国にちゃっかり残るかもしれない。
リーザスにはよくいるタイプのそこそこ有能でそこそこ忠実なおっさんである。
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