ミリさんに案内されて、カスタムの町中を色々見て回ったのだが……
「ここがうちの薬屋……なんだけど、今は在庫も全部持ち出してすっからかんなもんで、店を閉めてるんだ」
「うーん……」
たしかに店の中の棚はすっからかんでもの悲しい。
『良薬アサクヒロク入荷!』『世色癌30%オフ!』等とかわいらしい文字で書かれた手書きポップが残っていて余計に寂しさを感じさせるなぁ。
「ここが神殿……なんだが、司祭の老夫婦がだいぶ前に死んで、後を継いだ娘がとっとと逃げちまったせいでもぬけの殻だな……ロゼってやつなんだが」
「あー……あの……」
誰もいない神殿は、以前はちゃんと手入れされていたようだが、今では埃が積もっていた。
こりゃしばらく前から目立つところしか掃除してないなぁ。管理人の人柄が伺える。
「ここがマリアの工場だ。普段は色々な機械を作ってて見ごたえがあるんだが……」
「すごく忙しそうですね……」
眼鏡に黒髪ショートポニテの女の人の指図で、作業服を着た女の人たちがバタバタと走り回っている。
「弾薬の在庫はこれだけ!?」
「ヒララ鉱石が足りないんです! ラジールが封鎖されて烈火鉱山からの便が来ないから……」
「多少威力が落ちてもいいから純度が低い鉱石も加工に回して! すぐ使うから封印も簡素でいい!」
奥の方には筒が生えた銀色の大きなうし車みたいなものが見えるが、今は使えないようだ。
その後もあちこち見て回ったのだが、人が居なかったり忙しくてそれどころではなかったり、建物が燃えてなくなっていたりであっという間に一通り見終わってしまった。
「うーん……いやすまねぇな。普段は色々見所もあるんだが……」
「いやー。こんなこと言うとアレかもだけど、面白かったですよ」
最後に、店主さんが怪我したということでミルちゃんが店番している武器屋に戻ってきて、奥でお茶を飲んでいる。
「へぇー、孤児院を出て、冒険者に……それでカイズからレッドに戻る途中にランスと再会したわけか」
「半年前の事件って思ったより大分すごい事件だったんだ……お兄ちゃんよく生きてたなあ……」
あたしの身の上や、半年前のカスタム陥没事件のあらましなどをお互いに一通り話した。
「で、エールはその剣をずっと使ってるのか」
「うん、昔の院長のお古なんです」
「ちょっと借りるぜ? (しゃきん)ふーん……なるほどね……」
ミリさんは神官ソードを抜いて、うんうんと頷いている。
「これを両手で振ってるんだろ? バランスが悪くないか?」
「バランス? そんなことはないと思いますけど……」……首をかしげる
「あー……使い慣れてると逆にわからないかもな。ちょっと表に出ようぜ」
促されて外に出たあたしに、ミリさんは腰の剣を抜いてみせた。
「これ、俺の得物でエリィとサトゥってんだけど、ちょっと振ってみな。両手で」
どっちがエリィでどっちがサトゥかわかんないけど長い方を受け取って、促されるままに振ってみる。
「んー。ちょっと手応えが軽いような……」
「だろ? これは片手で使うための剣だから、手首で自在に動かせるように重心が手元に寄せてあるんだ。片手で振ってみた方が振りやすいはずだぜ」
「あ、ほんとだ」
たしかにこっちの方が扱いやすいな。敵の防御の隙間に差し込んで斬る感じかな?
「基本的には、剣は両手用のと片手用のがあるわけだ。ランスのは両手剣だな」
「お兄ちゃんは片手で振り回してるけど……」
「ありゃあいつがバカ力なんだよ。けど本気で振るときは両手だろ?」
お兄ちゃんの戦いの様子を思い浮かべれば、確かにそうだ。ミリさん、専業戦士だけあって詳しいんだなあ……
「で、エールのその剣だが、片手剣だな。それも受けが主目的の」
「あー。なるほど……」
神官ソードは、テンプルナイトが盾と併用するための剣だ。防御が主体の片手剣なのも当然だよね。
「エールは盾とかを使うタイプには見えないし、その剣を使い続けるんなら、もう一本剣を持ってみるのもいいんじゃないか?」
「あ、それいいですね!」
「よし、じゃあ適当に良さそうなのを探してみるか」
「はーい!」
二人で武器屋の在庫を漁る。
「うーん、鍋、硬球、ハンガー、突っ張り棚……ろくな武器がないな……みんな持っていかれちまったか?」
「あっ、木製のハンマーがある。なになに、タルワリー……樽が良く割れます……?」
「樽が割れたところでなあ……おっ、下に何かあるぞ」
「あ、剣だ。ちょうどいい感じかも?」
説明書きを見るとマルガリータという剣らしい。
何やら幻惑の魔法がかかっているとかいないとか言われているが、効果が薄くてよくわからないそうだ。
「んじゃまあ、それでいいだろ。すこし慣らしをしてみるか?」
「はい! やってみたいです!」
「そっか。まあ、手取り足取り教えてやるよ」
微妙に手をわきわきさせるミリさんに言われたとおりに二刀流を構えて振ってみる。
剣の修行なんてナベロスさんに基礎を教わって以来だけど、今度は主に技術の指導だ。
「いいか? 基本的には受け側の剣はこうして体に沿わせてだな、視線を誘導するように構えるんだ」
「は、はい……」
密 着して姿勢を調整されたり、
「ほら、また腰が流れてるぜ」「きゃっ……は、はいっ!」
うまく行かないと尻を撫でられたり、
「二刀は慣れないうちは正面ががら空きになりがちだ、気を付けないとっ……」「えっ、わぁっ!」
「こうなるぜ!」「ひゃぁあ!」
正面から間合いを詰められて、胸をつつかれたりした。
「ちょっとセクハラ気味じゃないです?」
あたしが流石に抗議するが、
「ははは、あいにく俺の二刀は我流でね。バジバハル流の指導みたいにはいかないからな……嫌ならやめるぜ?」
ミリさんは笑って流してしまった。
「……わかった、やる……やります……」
もし男の人だったら我慢できなかったけど、相手は女のミリさんだしね。
「……そろそろ暗くなるし、こんなもんかな?」
「あ、ありがとうございました……」
すっかり日が傾いたころ、ようやく指導は終わった。
動いたのもそうだけど、あちこち触られて撫でられたりした分で鼓動が早い。すっかり汗もかいてしまった。
「おつかれさん。近くに宿があるからさ、そこで飯食って休もうぜ。シャワーもあるしよ」
「はーい」
その後、ミリさんと一緒にご飯を食べて、せっかくだから、と梅酒とか甘酒をすこし戴いたらすっかりいい気分になってしまった。
ミリさんに抱えられて部屋に連れていってもらい、シャワーを浴びていると浴室の外でドタバタと音がして、出てみると誰もおらず、眠かったのでそのまま寝ることにした。
翌朝、みんなと合流すると、ランスお兄ちゃんはなんだか疲れたような顔をしていた。
「ふぁーあ、おはよう。……どしたの?」
「実は昨日の夜、ランス様が……」
「……えーい! なんでもない! とっとと行くぞ!」
その後、あたしはミリさんは性癖的な意味でも両刀使いである、ということをシィルさんから聞いて複雑な顔をすることになったのだった。
エールちゃんのスキルが成長しました。
☆☆
エール斬り改
↓
☆☆☆
エール斬りW
覚えたての二刀流から適当に繰り出す斬撃
☆
ヒーリング1
↓
☆☆
ヒーリング+
基本的な回復魔法
すこし効率が良くなった
エールちゃんがなんにもなかった裏で
ランス君、がはがは笑いながらフェリスやかなみ、シィルを抱く
一息ついてさあ、もう一回戦といったところでミルがあはーんうふーんと混ざろうとする
つまみ出す前にミリはどうしたと聞く
「エールお姉ちゃんと一緒だったよ。楽しんでくるって」
ランス君、すこし黙った後服を着直して武器屋側の宿に直行、ムードメイクばっちりのミリを取っ捕まえる
結局ミリに挑発されて抱くが二回戦なのもあり押されっぱなしで終了
という感じの事がありました