つぼみためといて良かった!(50連爆死)
シルキィを温存したのは5対策かな…
一晩明けて、いよいよオクで決戦だ。
「よーし! お前ら! 準備はいいな!」
ずらっと並んだ解放軍の兵士たち。休息もばっちりで勝利で士気も上がっている。
あたしはショックでばっちり不調。剣を握る手にも力が入らない。
「敵将はトーマとか言うジジイらしいがやっぱり俺様の敵ではない! 突撃だ!」
「「「うおおおお──ー!」」」「おー……」あたし以外の皆は勢いよくオクに突入したのだった。
が。
「だれもいないねー……」「またかよ!」
オクにもヘルマン軍は居なかったのだった。
「まったくヘルマン軍め! 俺様に恐れをなして逃げやがったか! がーはははは! 俺様の勝ちだ!」お兄ちゃんは上機嫌だ。
「「お、おおー……」」それに答えて勝鬨がパラパラと上がったが景気はよくない。そらそうだ。
「ともかく……都市内を掃討した後に司令部を立ち上げるとしましょう」
バレスさんの言葉にしたがって、皆バラバラと動き始めた。
だいぶ古くてボロい兵舎のような建物が新しい司令部だ。
ジオよりもだいぶショボいな……一部が崩れて天井から空が見える……
状況を説明しようとしたバレスさんがお兄ちゃんに黙らされ、代わりにレイラさんが話し始めた。
住民の話によると、ヘルマン軍は二手に別れてそれぞれノース、サウスの町に撤退していったそうだ。
どちらの町も首都リーザスの衛星都市としてそれなりの防備があるんだそう。この市壁も古くてあちこち崩れてるオクとは大違いだな。
なんでか知らないけど、ノースに向かった部隊は少なく、ほとんどはサウスに向かったらしい。サウスにはもともと別のヘルマン軍大隊がいたので、結構な兵力があるみたいだ。
「定石ならば、ノースを守るヘルマン軍を排除した後にサウスに取りかかるのが筋ですが……」
「却下だ」お兄ちゃんはスパーンと却下した。
「で、では先にサウスを……?」
「ふん、それも却下だ」あ、お兄ちゃん適当に返事してる……
「で、では同時に!? そ、それは無茶では……い、いや、いずれかの町を突破した後に控えるは首都リーザス……ここに部隊が逃げ込めば更なる苦戦は必定……ならばここで無理をしても敵兵力を削るべきと……? な、なるほど……なんと深いお考え……」
なんか勝手に驚いて疑問を持ち解決して感服している。このじーさんそればっかだな……
「ふふん、ようやく判ったか」お兄ちゃんも適当なことを言うし……
「でもランス君、二正面作戦をするには兵が少し心もとないわ」
「なに? どれくらいだ」
「だいたい3000ってところかしら?」「割と減っとるな……」
「ジオで義勇兵が加わらなかったからね……オクも人口少ないし、期待はできないわ」
ふーむ。どっか近くに兵士を出してくれそうな都市はないかな? あたしたちは地図を覗き込んだ。
「人口ならハンナかポルトガルじゃないか?」「遠すぎますね……」
「Mランドには人いないしなあ」
「アイスからは結構義勇兵出てるし……その向こうになるとロックアースとかジフテリア……」
「もっと遠いじゃないか」
「パランチョは如何ですかな? あそこの王子殿は傑物と聞いております」
「金色の騎士殿か? 今は忙しいらしい。なんか弟が豆腐屋さんに出掛けたっきり迷子とかで」
「あれ?」
わいわいがやがやと話していると、黙っていたマリアさんが怪訝な声を出した。
「この地図、デンが描かれてないんじゃ?」
「デン?」聞いたことないな。
「パッキャマラード・デン。町とも言えないならず者の流れ着く掃き溜めだよ」ミリさんが教えてくれる。へー。
「そんな連中なら戦いに慣れてるだろう。よし、そことジオで兵を集めるぞ」
「えー……? そんな人たち戦ってくれるかなあ?」
「そういう厄介な兵士を扱ってこそ一流の指揮官というものだ、がははは」「おお……なんという……」
バレスさん……いやもう感服ジジイでいいや。感服ジジイはともかく、この人いつ一流の指揮官になったのかな……とあたしたちは思ったのだった。
というわけでデンへの途中でジオに寄って、都市長のオッサン(なんでか三角巾つけて掃除をしていた)に話を付けたが義勇兵はいないらしい。
仕方がないのでそのままデンに向かうことにした。
途中で気が付いたが、あたしたちのうし車にはなんでかバーニングさんが乗っている。
他にツアーガイドさん、そして杖について教えてくれたゼスの観光客さんもいたので、たぶん観光目的だな。
ツアーガイドさんとトランプをしていたらあっという間に到着した……のだが。
「げっへへへへ……」「ういーひっく……」「キェキョー!」「もう飲めねえって……」「キャハハハハ!」
町ひとつすっぽりはいるような大きな洞窟に、バラックが立ち並びまともな建物はちらほらあるだけ。
あちこちにどう見ても盗品とおぼしきガラクタや怪しい薬を売る露店や飲み屋、安宿が立ち並び、酔っぱらいややばそうなやつ、ケバい女、ヤクザみたいなの……あんまり近寄りたくない人種だけが通りを埋め尽くしている。
こ、これがデン……聞きしに勝る終わり具合だ。
「あーん? なんだあんたら? 仕事でもあんのか?」
ふらふらと寄ってきたのは古びたリーザス赤軍鎧の男だ。
この人は……まあ回りの連中よりましだな。比較的だけど。
「俺様はリーザス解放軍の頭、ランス様だ。ここには兵を募りに来た」
「あー? リーザス? 悪いがパスだ。この通り脱走兵でね。戻ったらリックのやつ……今は将軍だったか。あいつに斬られちまう」
酒をぐびっと飲んで手をプラプラと振った。
「金は出すぞ」
「つか、俺みたいなの一人一人に声かけても仕方ないだろ? 元締めに話を通さなきゃまとまった数は集まらねえよ」
「元締め?」こんな町にも長はいるらしい。
「ほう、そいつはどこにいる」
「さあ、自分で探すといい。それじゃーな」ふらふらと男は去っていった。
「うーむ、行ってしまった」
「珍しく比較的話の通じそうな人だったのに……」
リーザス忍のかなみさんは複雑そうな表情をしてるけど構ってる暇はない。
「手分けして探す?」「こんな町で俺様の女をうろつかせられるか。全員で行くぞ」
お兄ちゃんの言葉通り、男一人に他皆女という集団はこんな町では大変目立った。あたし含めて皆美人だしね。
じろじろ見てくるくらいならいいんだけど……お兄ちゃんが適度に威嚇してなかったら何かあったかもしれない。
まともな店らしき建物があったので入ってみると、血の滴るヘルマン兵の装備を身に付けてエヒエヒ笑うどう見てもやばそうな男がいた。売ってるものもピッキングドリルだのカベホチだのスカウトキーだのといった泥棒グッズ、アフリカ投げナイフや爆弾やらの危険なもの、そしてとっておきとか言って出してきたのがプルプル震える魔獣の卵。どこをどう見てもやばい。
思わず叩き落としてしまったが割れなくて良かった。
「まったくなんて町だ……お、酒場だな」
「ほんとだ、闇酒場みたいなのはたくさんあったけどこれはちゃんと酒場だね」
「元締めとやらの話も聞けるかもしれん。入るぞ」
中はがやがやとやかましく、外の酔っ払いよりは多少ましな酔っ払いが多少はましな酒を飲んでいる……
まぁ、よくあるっちゃよくある酒場だった。
「ひゃあ!?」シィルさんが悲鳴を上げた。見れば酔っ払いに尻を撫でられたようだ。あーあ……
「げっへへ、ねーちゃんいい尻じゃねーか、いくら……ぎゃああああああああ!?」酔っ払いの腕が宙を舞う。
「お、おれの腕がああ?」「ふん」お兄ちゃんは不機嫌そうに剣の平で肩をポンポンと叩いた。
「ラ、ランス様……」「バカ者が、気を付けておけ」
「あーあー……峰でよかったんじゃない?」「何を言っとる、命は勘弁してやっただろう」
いちおうヒーリングでもかけようかと思ったが、なんかいつのまにか回りを客が囲んでるな。
まだ武器は抜いてないけど物騒な雰囲気だ。とはいえ、今さらこの程度でビビるような子はいないけどね。
「てめぇ……尻一つで腕一本とは吹っ掛けてくれるじゃねえか」
ごろつき共が徐々に間合いを詰めてくる。
面倒だけどしゃーないかなあ……とあたしも両腰の剣に手を掛けたその時。
「やめときな、お前らじゃ相手にならねえよ」「ラ、ラークの旦那……」
なんというか、カッコつけた声がして、ごろつき共の腰が引けた。
振り向くと、グラスを片手にした赤い髪の冒険者が、カウンターに寄りかかっていた。
整った顔には傷がいくつかある。たぶんこの人まあまあ強いな……でも……うーん……
眉間にシワを寄せたような変な笑み。
無理に低めにしたような声。
手のグラスの中身は恐らくバーボン。
そして何よりカウンターに寄りかかったその姿勢。
間違いない。特上のバカボン(冒険にちょっと失敗したくらいでニヒル気取って苦いバーボンとか飲んでこれが人生の味……とかかっこつけるアホ)だ……
そのラークとか言うバカボンは、閉じていた目を開いてお兄ちゃんを見た。
「久しぶりだな、ランス」
「誰だ貴様は」
当然覚えていなかった。
設定ないと思うんで妄想です。
ラーク・パイクスピーク
LV32/46
剣1 盾1
サテラに負けたのはまーしゃーないですし
戦闘描写はそこそこ強そうだったのでこれくらい。
しかし超昂イベ、シーラがシィルの地雷の上でタップダンスしまくってる感じでちょっと複雑ですね