だいぶゆっくりになりますし、オリジナル展開もたぶんに入りますので
気長にお付き合いいただけるとありがたいです。
1.エールちゃんはだらだらする
リア様からお兄ちゃんの居場所が分かったと連絡が来て、マリアさんの飛行船であたしたちは空中都市イラーピュに旅立った。
イラーピュに到着…正確には墜落後も、いろいろと…本当にいろいろいろいろとあったのだが…とにかくお兄ちゃんとシィルさんに再会はできた。
なんやかんやあって墜落するイラーピュから脱出するときに、墜落先に町らしきものがあったのを見た時にはどうなることかと思ったが、もともと廃棄された都市で、人はほとんどいなかったらしい。
あたし達は胸をなでおろし、お兄ちゃんもがはがは笑っていたがちょっと顔が引きつっていた。
いくつかの小舟が発進するのが見えていたので、きっとカサドの街の人たちも脱出できたんだろうと思っていたが、一部の人たちは町を離れるのを拒んでイラーピュと運命を共にしたらしい。
イラーピュから飛び立つキャンテルの背中に何人かの人影が見えたけど、たぶんヒューバートさんたちかな。
まーヘルマン人だけど悪い人ではなかったのでよかった。まぁまぁのイケメンだし…
脱出を選んだYORAといううらなりひょうたんみたいな人や、フロンソワーズさんたちはイラーピュの墜落跡地に新しく都市を作るそうだ。
とまぁ、そんな感じの出来事があったのがLP2年の8月の終わり。
もろもろの後処理を済ませて、レッドの街に戻ってきたのは10月になってからだった。
まぁさすがにいろいろと大変な冒険だったので少し休もうと、あたしはちょっとだらだらすることにした。
というかギルドに行ってもイカマン退治だの隊商の護衛だの収穫の手伝いといったどうでもいい仕事しかないし。
使徒だのブラックナイツだの人類最強だの魔人だの魔王だの闘神だのを相手にしたあとだと…正直やる気になんない気持ちもわかってほしい。
リア様からはたっぷり報酬をもらったしね。
というわけで金とヒマを持て余したあたしはイラーピュで折れちゃった双剣を新調したり、レディチャレンジャーの新作を買ったり、孤児院にお菓子を大量に持ち込んでガキどもの味覚を破壊したり、おいしいものを食べ歩いたり、いい感じの服やアクセサリーを買ってみたり、図書館で読んだザナゲスサーガーにハマった挙句135巻が借りパクされて抜けているのに気が付き、特装版全412巻(現行最新まで)を一気買いしたり…とにかくだらだらと遊んで過ごした。
あ、11月くらいにアリオスさんに会ったっけ。なんでもちょっと前の冒険で大変な目に遭って、ギリギリ生き延びたが大けがをしてしまったらしい。
詳しくは教えてくれなかったが、勇者が死にかけるなんて何があったんだろ?巨大隕石でも落ちてきたかな?
次はゼスに行くそうだ。ついて行こうかな、と思ったけど先を急ぐそうなので見送った。
次はへんでろぱくらい食べていってほしいな…
そうそう、年明けはアイスのお兄ちゃんの家に遊びに行ったんだよね。
ほわんほわんほわん(回想の音)
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「えーっとタイヤキ通りの…3-3っていうとこの辺かな…えー…うわっ」
タイヤキ通りは割と閑静な住宅街なのだが、そこに望遠鏡が置いてあったり変なサカナの旗が立っていたりとすごく変な家が建っていた。どう見てもこれに違いない。
ぴんぽーんとチャイムを押すと、どたばたと音がしてシィルさんが出てきた。
「はーい…新聞でしたら要りま…あれ?エールちゃん?」シィルさんは不思議そうな顔をした。
「お久しぶりですシィルさん…あー。手紙送ってたんですが…見てなかったですかって…うわぁ」
ポストを見てみると、大量の郵便物でパンパンだった。
「す、すみません…つい先日までちょっと冒険をしていて…よいしょよいしょ」
「手伝いますね…おじゃましまーす」
「どうぞどうぞー」
シィルさんと一緒に郵便物を抱えてお兄ちゃんの家に上がらせてもらった。
玄関から木刀だの変な傘だのビヨンビヨンする棒だのホッピングだのねこ車だのがごちゃごちゃと置いてある。隙間を縫いながら居間に入ると、お兄ちゃんがテーブルで偉そうにしていた。
「どうした、エログッズの通販でも届いていたのか…って、エールではないか。何しに来たのだ」
「無論、お年玉をもらいに!」
「やらん!帰れ!」
「えー!いいじゃん!ちょっとくらい!こんなかわいい妹の頼みだよ?」ばちこーんとポーズして見せる。
「やかましい。自分で稼げるだろ」
「そこはもらうことに意味があるの!」
「金なら何でも一緒だろうが!」
「清楚なお嬢さんのパンチラと夜のお仕事をしてる人が自分でめくって見せるパンツの価値は違うでしょ!」
「ぐっ…それはわからんでもない…」
「はい、お茶が入りましたよ」
郵便物を片付けたシィルさんがお茶を入れてくれたので、椅子に座らせてもらって一息つく。
「あ、これお土産ね。レッド名物赤栗のグラッセ」
「わー、ありがとうございます!」「ほーん、寄こせ」
お兄ちゃんがバリバリと乱暴に包装を破いてグラッセをもぐもぐ食べ始めた。
「うむ、うむ…ふるふるとうまい」「ランス様、私もいただいても…」「まぁよかろう」「あ、あたしもー」
とりあえず落ち着いたのでいろいろと話をした。
なんでもお兄ちゃん達はついこの間まで玄武城という妖怪がたくさんいるお城に迷い込んで脱出のために冒険していたんだそう。
そこは最後の一人は出られなくなる、という呪いがかかった空間で、リズナという女の人が長いこと閉じ込められていた。
さらにバードとコパンドンという二人組とも出会い…いろいろあって、バードという人を置き去りにお兄ちゃんとシィルさん、リズナさん、コパンドンさんで脱出してきたのだという。
まぁバードって人はちょっと気の毒かもしんないけど、冒険者がダンジョンで死ぬなんてよくあることだしね。とりあえずご冥福でも祈っておこう。
で、そのあともちょっといろいろあって、先日やっとアイスに戻ってきたのだそうだ。
ポストにたまった大量の公共料金の通知だのチラシだのDMだのの中にあたしの手紙も埋まっていた。
まぁしょうがないね。
なんだかんだ文句を言われつつも家の中を見せてもらったのだが、しゃべる女の石像だのエログッズだの変な置物だのが所狭しと置いてあり、予想通り変な家だった。
「はえー…ん?なにこの段ボール…うわ、貝殻がいっぱい…ゴミ箱かな?」
「ゴミ箱ではないわー!!」「わっ!」
「あ、それはランス様の貝殻コレクションなんです」
「そうだ。全く見る目がない奴め」
「へー。お兄ちゃんそんなのコレクションしてたんだ。へぇー。ちょっと見せて?」
「うむ、よかろう。ちょっと長くなるぞ。そこに座れ。あとこれをつけろ」
「えっ手袋?」「うむ。どれから行くか…」
「あ、これ見たことある。」
「マサカリ貝だな。珍しいものではないが…非常に傷つきやすいのだ。コレはほぼ傷がない貴重なものでな…」
「うーん、その辺にありそうに見えるけど」
「まったく、我が妹ながらものを知らん奴だ…いいか?そもそも貝とは太古の昔に…」
お兄ちゃんに貝類の生態とその歴史、貝殻の魅力などについて延々と語られ、あたしもちょっと興味が出てきた。
「へぇー。じゃあこの貝は長生きして3回も産卵をしたんだね」
「うむ、貝類の限界寿命ほぼギリギリまで生存して子孫を残した…まさに奇跡なのだ」
「ランス様、エールちゃん。ご飯ができましたよー」
「む、もうそんな時間か。続きはまた今度だ」「はーい。じゃあ片付けよう」「うむ、そっとだぞ」
貝を慎重に片づけてシィルさんの金魚シチューをいただいて、食事の後に3人でボードゲームをやった。
お兄ちゃんはわりかしやりこんでいるらしく、ハメ技を多用してきたがすぐ顔に出るので割と接戦になった挙句、シィルさんに漁夫の利をさらわれてしまった。
で、あたしは居間のソファを借りて寝た。
お兄ちゃんは寝室で夜寝る前、そして早朝にシィルさんとおっぱじめていたようだが、詳しくは書かない。タグが面倒だからね。
家の中に誰かいる状態だと反応が新鮮だったらしく、シィルさんは恥ずかしそうだったがお兄ちゃんは上機嫌だった。
で、朝ご飯を食べた後魔法ビジョンでの新春特番を見てから、近くの公園にでかけた。
そのロマンス公園ではなにやら新年の出し物をやっていて、ちょっと見物してから芝生でシィルさんが作ってくれたお弁当を食べた。うどんの卵焼きがふわふわしていておいしかった。
そこでお兄ちゃん達とは別れ、アイスの街をいろいろ見物してからレッドに戻ったのだった。
もう1~2泊くらいしてもよかったけど、あんまりお邪魔するのも悪いしね。
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ほわんほわんほわん(回想終わりの音)
とまぁ、そんなことがあって以後も、あたしはなんとなくだらだら過ごしていたのだが…
なんと、気が付くと不思議なことに、お金がなくなっていたのだった。
こんな感じでLP3年「空白の一年」前後の出来事を妄想ベースで書いて行けたらいいなと思います。
ちょっといろんな出来事の順番が前後するかもしれませんが、ご勘弁ください。
アリオス君は自由都市のガヤというゴーストタウンで悪のミュータント組織と戦っていたら上からイラーピュが落ちてきて勇者ガッツで生き延びましたがHP1になりました
あんまり思い出したくない記憶なんで詳しくは言わなかったようですね
このままゼスに向かって十二月革命に参加、ウルザと出会うことになります
ミュータント組織ってなんでしょうね
怪人カニミサイルとかタコハンマーとかジェットシシャモとか居たんでしょうか