【二章完】ちょっと早めのエールちゃんの冒険   作:砂嵐36

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ペガサスの苗字はフォートではないかとご指摘をいただきましたが、
フォートとフォードで表記ゆれがあるみたいですね
おそらく毎度おなじみの会社苗字であろうということで、フォード社のフォードの方を採用します
正直どうでもいいキャラですし…

と、思ったんですがいろんなエビデンスを叩きつけられてフォートが正とわからされてしまいました
戦国ランスで入った世代の限界…
フォートに修正させていただきます。
ご指摘ありがとうございました。


12.エールちゃんは遠慮する

「貴女たち、よくやってくれたわね!花丸あげちゃう!」

「光栄です!女王様!」「あ、はい…ありがたき幸せです、女王様…」

案内された先は王女の大居室…いや、もう女王様の部屋か。

とにかくそこではリア様とマリスさん、そしてかなみさんが待っていて、開口一番お褒めの言葉を戴いたのだった。

「何言ってるのエールちゃん!貴女はダーリンの妹なんだからリアの妹も同然って言ったでしょ。もっとフランクな感じでいいのよ?」

ぎゅん、とリア様が距離を詰めてあたしの両手を握る。

「そ…そういうわけには…(じろ)…いえ、うん、リアお姉ちゃん…」

めっちゃ怖い。

そんなあたしを見てメナドはひたすらに直立不動で固くなっている。

「リア様、まずは褒章のお話を…」

「ああ、そうね…」

マリスさんに言われて、リア様は手を放してソファに戻った。

「うん。まずはメナドって言ったわね?貴女、赤軍に興味は?」

「へ!?赤軍ですか?それはもちろん…でも僕の家は一般市民で…」

慌てるメナドに向けてリア様が手をパタパタ振った。

「平気平気。そもそもリックも前の将軍の養子とはいえ農家の出だし。赤軍はあくまで実力本意。そういう風土にしたいのよ」

「老いたりとはいえ、あのフォート将軍を討ち取ったのです。実力は十分かと。」

マリスさんが補足して、メナドはふらふらと後ずさった。

「ぼ…僕が…赤軍の騎士に?」

「ええ。貴女が異存がなければすぐに。」

「エール…かなみちゃん……どうしよう…僕なんかが…」

「えー?メナドは十分勤まると思うよ?強いし、真面目だし…ですよね?」

かなみさんを見ると、こくこくと頷いて同意した。

「うん。メナドは赤軍に入ってもやっていけるはずよ。(ランスからも離れられるし…)」

何かぼそぼそ言っていたが、気にせずマリスさんも続ける。

「リック殿も賛成しています。ぜひ力を貸してほしいと」

「え、リック将軍が…!? そうですか…そうなんだ…」

メナドは少しうつむいて、手をぎゅっと握って胸の前に構えた。

「わかりました。僕でよければ、赤の軍の末席に加わらせてください!」

「よろしい。貴女の忠誠に期待するわ。」

宣言を受けてリア様が微笑む。

「では、メナドさん。リック将軍から話がありますので…」

マリスさんが目をやると、かなみさんが頷いてメナドを部屋の外に案内する。

「はい…えっと、エールは…?」「この娘はまだ私と話があるから。ね?」

やっぱそうなるか…

「あっはい…じゃあエール、また後で…」「うん…またね…」

メナドが去っていき、マリスさんが扉を閉じる。

ぎぃぃ、となんだか大きい音を立てて扉は閉まった。いや、そう聞こえるだけか…

「さて…と。とりあえず立ち話もなんだし、座ったら?」

リア様がこっちを見て、にこーーーっと笑って勧める。

「あ、いえそんな…畏れ多いっていうか…」「座りなさい」「あっはい」

あたしは反射的にソファに腰掛けた。めっちゃふかふかだ…。

「エールちゃん、本当にありがとうね。私感激しちゃった!」

あたしがソファのふかふかかげんに驚いていると、リア様がすっと立ち上がって移動し、あたしのとなりに腰掛けた。

「い、いえ、当然の事かと…きっとお兄ちゃんもリア様…お姉ちゃんに何かあったら悲しみますし…」

「えー?そう思う?ダーリン…リアの事心配してくれるかな?」

身体をぐいぐいと寄せてくる!距離が近い!いい匂いする!

「は、はい…そう思いま…わっ」

手を回され、顔をリア様の方に向けられた。華奢な手がゆっくりとあたしの茶色い髪を撫でる。

「うふふふふ…この髪、ダーリンと一緒の色ね…」

「は、はい…それはまぁ兄妹ですから…」

どう見てもやばい。タグが面倒なことになりそうな気配がひしひしとする。

距離を取りたいが顔をがっちりロックされてて動かせない!かといって無理やり振り払うわけにも…

「本当は、ダーリンにも戴冠式に出席して欲しかったの。そこで国民に…いや世界中にダーリンの事をリアの旦那様って喧伝して、ついでに王冠もあげようと思ってたんだけど…」

「はぁ…」

お兄ちゃんが王様なんて…まぁ、悪くないかもしれないけど。強いし、決断力はあるし…

けど、鬼畜戦士が鬼畜王にかぁ…なんとなく、大陸中を巻き込んだとんでもないことが起こりそうな気がするなあ…。

生返事を返すあたしにかまわずリア様はのろけ続ける。

「でもね、ダーリンは王様になんて興味ないっていうの…やっぱり愛する人の想いに応えて、陰ながら支えてあげるのがいい奥さんってものじゃない?」

「そ、そうですね…」

そうこうしている間にもじりじり顔が迫ってくる。

振り払うか…?…マリスさんがじいっと見てる!無理!

「だからリアは我慢してー。わざわざダーリンの情報を伏せるように手配して、ダーリンが一介の冒険者で居続けられるようにいろいろやってるの。どう?偉いでしょ?」

「は、はい…すごく偉いと思います…」

「だーかーらー。代わりに貴女にちょっとだけ慰めてもらいたいなぁ…って」

「ひゃあっ…!?」

細い指が伸びて、あたしの唇をなぞる。

「ふふふふ…この歯もダーリンそっくり…肌触りは柔らかいけど…こういうのも悪くないわ…」

「あ…あ…あ…っ…」

リア様の顔がゆっくりと迫ってきて…

「大丈夫よー、痛くはしないから…ね?」

「アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

 

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「それじゃあエールさん、お気をつけて…大丈夫ですか…?」

「うん、平気平気…それじゃあスーちゃん、元気でね…」「あ、はい…」

そして翌日の昼前。あたしは黒軍の鎧姿のスーちゃんに見送られてリーザス城の城門をくぐって城下町に出たのだった。

昨晩の事?なんにもなかったよ。

詳しくは描写しない。タグとか面倒だからね。

言えることといえば、おそらくまだユニコーンに嫌われるようにはなっていないってことくらいか。

褒章については、爵位とか親衛隊副隊長の座とかお姉様にいろいろ提示されたけど、とにかく遠慮しまくってどうにかそれなりの額のお金にしてもらった。

正直宮仕えはちょっと性に合わない。特に人間同士の戦争とか、仕掛けられて応戦するならともかく、こっちから攻めることになるかもしれないし。

メナドは大丈夫なのかな…?出発前に顔を見たいと思ったんだけど、かなみさんから伝言があって、今日から早速城外での訓練があるらしく。朝一に真新しい赤い鎧を身に纏って出発してしまったらしい。

「エール、いろいろありがとうね。僕頑張るよ!」だそうだ。メナドらしいなぁ…

とはいえ、あたしはこれからどうしようか?I・NETでの充魔作業も済んだし、お姉様の戴冠式も見たし…

もうリーザスですることはないかな。

「うん。そろそろレッドに帰ろう!」

長居してるとまた面倒に巻き込まれそうだしね。

そうと決まれば話は早い。出発は明日朝にすることにして、あたしは氷砂糖に戻った。

奈美さんに説明して荷物をまとめる。

「あら、残念です…またいつでもいらしてくださいね」と奈美さんはニコニコ見送ってくれた。

次いつ来るかはわかんないけど、リーザスに来たらまた来よう。

酒場ふらんだーすと武器屋あきらめと道具屋バルチックに寄って、旅支度を整えるついでにレッドに帰ることを伝えて回った。

皆名残惜しんでくれたが、パルプテンクスさんはお兄ちゃんの予定がわかったら教えてほしいと伝えてきた。ミリーさんも遠回しだけど気になってるみたいね。

そんなこと言われてもねぇ…お兄ちゃんの予定なんてさっぱり分からないしむしろあたしが知りたい。

とりあえずわかったら連絡しますとだけ言って別れた。

パティちゃんはそうでもなさそうで、それより戴冠で恩赦とか出ないかの方を知りたがってた。

誰か親しい人が捕まったりしてるんだろうか?

お姉様に掛け合ってみようか?と聞いたがそれは要らないみたい。

 

一通りのあいさつ回りを終えたらちょっと小腹が空いた。

「さーてあとは…あ、そうだ。美樹さんたちのところにも顔を出しておこうかな。」

あの店の初めてのお客さんってこともあるけど、なんだかんだ仲良くなったしね。

夕飯には少し早いけど、あの変な和食をもう一度食べておくのもいいだろう。

そう思って城門の方向に歩き出した瞬間。

「うわーーーっ!モンスターだー!」「きゃーーー!」

向かう先から、何かが壊れる音とともに悲鳴が響き渡ったのだった。




なんにもありませんでした。
内容を読みたい場合はわっふるわっふるとry

リアとしても強引に落とすことも出来ますが、
ダーリンの肉親ということでランス君への0.1%くらいですが愛情も持っていますし、なによりランス君に怒られたくないのでイタズラで済む範囲で済ませています。
呼び方も日焼けがさめるみたいにそのうち戻るでしょう
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