御伽学園戦闘病   作:はんペソ。

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第百十五話

御伽学園戦闘病

第百十五話「見え隠れ」

 

左肩が抉れたフラッグの体はぼろぼろだ。至る所が消え立っているのも不思議なぐらいだ。だがしっかりと立ち攻撃をやめない、康太はかろうじて意識を保っているがもう動けない。霊も還ってしまった。

今戦えるのはルーズとニアだけだ、だがボロボロのフラッグを倒すのには充分すぎる。

 

「手助けして下さいね、兄さん」

 

ニアは拳に力を込めながら突っ込む、ルーズは言霊でニアに身体強化をかけた。やはり代償は大きく口から血を吐いたが構わない、次にフラッグにデバフをかけようとしたがニアが「いらないです」と言いながらフラッグの顔を蹴り上げた。

 

「私は強くなったんです、軽いサポートで充分ですよ」

 

ニアはそう言って立て続けに蹴りや殴りをくらわせる、一瞬の隙も無い。フラッグは歪みを発生させる事も出来ずただ攻撃を受け続けるだけだった。

だがどうにかして反撃しなくては敗北してしまう、そう思ったフラッグは適当な位置に歪みを発生させた。その歪みはニアにヒットしたらしく部屋の入口に移動させられた。

 

「くだらない」

 

ニアはすぐに距離を詰めようとするが足を止めた、よく考えたらフラッグは歪みで遠距離攻撃が出来る。なので迂闊に近付いてはそこらへんに転がっている敗北者と同じように腕が飛ぶかもしれない、そうなると戦えなくはないが戦力は相当落ちる。

なのでニアは少し特殊な方法で攻撃することにした、まず下準備を行う。

 

「兄さん、身体強化をもう一度」

 

『ニアに身体強化』

 

そう言うと切れかかっていたニアの身体強化が再発動し力が漲る。だがこれが目的ではない、ニアはフラッグの方を向いて霊力を言葉に込めながら放つ。

 

『能力停止』

 

そうニアはルーズの言霊を生き写しで使えるようにしてからフラッグに能力を使えなくなくする様言霊をかけたのだ。勿論能力を使用できなくなったフラッグは一方的にやられるだけだと思い逃げ出そうとしたがその考えが思いついたときにはもう遅かった。

ニアは身体強化と鍛えた体を使ってフラッグを蹴飛ばした。壁にぶつかりうなだれるフラッグに追撃で拳を五発程叩き込む。

 

「終わりにしましょう」

 

そう言って最大限力を込めて顔面を殴ろうとする、だがフラッグは力を溜めるその一瞬の隙を突く。歪みを発生させて反対側の壁へ吹っ飛ばした。

ニアは壁にぶつかるがすぐに立ち上がり足を動かそうとするが顔を上げるとそこには歪みで距離を詰めたフラッグが立っていた。

そしてフラッグはニアを蹴った。

 

「ニア!!」

 

ルーズが言霊で助けに入ろうとしたがニアはそれを拒否し空中で綺麗に一回転して壁を蹴って逆にフラッグの顔を蹴り返した。

フラッグは一度距離取るため歪みを発生させようとする、だがニアはフラッグにピッタリとくつっく。この状態で歪みを発生させても変わらない、フラッグはすぐに攻撃にシフトチェンジした。

それを察知したニアはアッパーをかます、フラッグは今度こそ歪みを発生させて逃げた。

 

「どこへ行くんですか」

 

ニアは一瞬で距離を詰める、そして殴り掛かった。だがフラッグも負けじと殴り掛かる、そして二人が同時に攻撃をくらった。そうなると力勝負になる、勝つのは勿論ニアだ。フラッグ一人が吹っ飛びニアは追撃を行った。

この一連の流れを見ているカルムは完全にニアが勝つだろうと思っていた、だがここまでは全てフラッグの下準備だったのだ。

ニアは沢山触れた、そしてフラッグの服の破片や血を大量に体につけている。となればフラッグは起こすだろう、歪みを。

 

「今度こそ私の勝ちだ」

 

その瞬間ニアの体中から血が噴き出したように見えた、だが全く出ていない。くらっていないのか?そう思ったが違う、治された。ニアにはある男が触れている、兵助だ。

 

「大丈夫かい?」

 

「触らないでください」

 

ニアがそう言って兵助の手を跳ね除け突っ込もうとした瞬間フラッグが姿を消しそこにいるのは紫苑になった。フラッグは紫苑に蹴られたのだ、だが壁にぶつかる事は無かった。何故ならラックが続けて蹴ったからである。そしてサッカーのようにパスが繋がれていく、次は素戔嗚が思い切り顔面を蹴った。

 

「私か」

 

來花はそう言って自分の元に飛んできたフラッグを蹴った、次は礁蔽だ。「よいしょ」などと言いながら次の蒿里にパスを回した。そして蒿里は楽しそうに抉れている脇腹を蹴った。そして最後に兵助が蹴ろうとしたがニアが横取りして蹴った。すると今までにない音を立てて吹っ飛んで行った。

 

「ひえ~すげー音なったなぁ」

 

「そうだね!」

 

皆楽しそうに笑っている、これには流石のルーズも少し引いている。だが相当良いダメージが入っただろう、確実に勝てる、そう思い自分も戦闘に参加することにした。それにまだ大目玉の佐須魔と流が残っている、絶望的な状況に立たされたフラッグだがまだ諦めてはいなかった。

一方エンマは佐須魔達にある事を言いに空から降りた。

 

「もうそろそろ終わっちゃうかもよ、行った方が良い」

 

「まじ?行くか~」

 

「分かった」

 

流はさっさと宮殿に入ろうとする、佐須魔も着いて行くようにして宮殿の中へと入っていった。今から始まるのだ、戦闘と言う名のリンチが。

佐須魔も流も内心は楽しみにしている、『Ⅰ』のメンバーも二人が来るのを待っていた。最高の戦闘をする為に。

 

 

第百十五話「見え隠れ」

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