御伽学園戦闘病   作:はんペソ。

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第二十話

御伽学園戦闘病

第二十話「瞬殺」

 

「薫…先生」

 

薫はなぜか血まみれでジャージもボロボロになっている。そして薫の後ろには同じく傷だらけの翔子が立っている、そして翔子と薫は一瞬だけアイコンタクトをするとそれぞれ動き始める。

翔子はまず香奈美を安全な位置まで移動させた後他の子も移動させた。

 

「何故薫先生が傷だらけなんですか…?」

 

「それは後で話すよ」

 

翔子が香奈美を移動させてから薫の近くまで近付き準備完了だと伝えながら能力を発動した。翔子が言い放った瞬間薫が睨み合っている猫神の顔面を蹴った。だが猫神は反撃するどころか何かおかしい。それに気づけたのは数秒後だ、動きがとてつもなく遅い。いや遅いのではないスローになっている。薫は容赦せずスローで吹っ飛んでいる猫神に向かって走り込み猫神の口に手を突っ込み、牙を全てへし折った。猫神は何が起こったのか分からないと言った顔をしている。薫はもう決める気だ、猫神の正面に立ち思い切り力を込め猫神の腹を拳で突き破った。

二人はお疲れと言い合う。ただ猫神が妙に弱かったのを気にしつつも薫が「回復術をかける」、そう言って怪我しているメンバーに近づいていると薫の後ろに空からある男が降りてくる。

 

「おい、ふざけるな」

 

「やーっぱりきたか。やんのか?猫神が動けないのに翔子もいる」

 

「還れ猫神」

 

佐須魔は舌打ちをしてから猫神に還ってくるよう命じた、猫神は瀕死状態ながらしっかりと佐須魔の中へ還っていった。薫は戦闘しないのかと聞くが佐須魔は「三人で攻め込むと言った」と返した。だが薫は何かおかしいとふと口に出す。

 

「三人…?」

 

「原と猫神、そしてクアーリーの三人だ」

 

「…おい…おかしいだろ地下で戦っている音がする。そして原はこいつらが倒した。そして猫神は俺がやった。なのにチームAがいる方向から戦闘している気配を感じる、どういうことだ」

 

佐須魔は大笑いをしてから答える。

 

「俺は攻めるのは三人だと言った。だがそれは島の外部から攻める人数の話だ」

 

「まさか…」

 

「今頃裏切り者と戦っているだろうな」

 

常に笑っている佐須魔の口角は通常より更に上がり嫌悪感を覚える様な笑顔に変わった。その顔に変わった瞬間薫は露骨に嫌な顔をする、翔子がチームAの所に行かなくてはと言うが薫は兆波先生を向かわせているからとその行動を止めた。

 

佐須魔「じゃばいば〜い」

 

それだけ言って佐須魔は空中に浮かびそのまま何処かに飛び去った。それを見て薫は体勢を戻す、そして軽い傷の生徒達に回復術をかけて行く。

薫は真澄に近づいて傷がある場所に手をかざした。すると真澄の傷がみるみる塞がっていく。真澄の傷が塞がった後は蓮の元へ向かい切断されている腕の止血をした。そして止血だけして光輝の所に向かった、光輝のそばに着くと呟く。

 

「よくやったんだな。おつかれ」

 

意識のない光輝に労いの言葉をかけ回復をした。完治したが意識はまだない。

少しだけ休憩しようとすると翔子が少し声量大きめで話しかける。

 

「そういえば今回のスローいつもと違かったでしょ!」

 

「…ん?何か変わったか?」

 

「え…酷い…私…何かあるかもしれないからって…頑張って極めて…通常より1/8になる様にしたのに…」

 

「お前元々1/7だろ?わかんねぇよ」

 

「…バカ」

 

「あ?んだとババア」

 

「は!?私の方が1年上なだけでババアって言われるほどじゃないんだけど!」

 

「はぁ?学生時代散々俺の勝てる場所なくて年上マウントしてきたくせにこう言う時だけ被害者面すんなよ」

 

「もういい!」

 

翔子は腹いせに薫に能力をかけた。翔子の能力は対象の流れる時間をスローにする。この能力を猫神にかけて薫にボコボコにしてもらったのだ、薫は普段の1/8の時間で見えている。翔子は本気の殴りを薫にくらわせようとした。だが薫はその拳を簡単に受け止めた。

 

「おい…今はふざける場面じゃねぇだろ?その能力はいつでも使えない様に出来るんだぞ?」

 

そう怒ってきたせいで翔子はほぼ半泣きだ。薫は流石の言い過ぎたと思い優しく謝る。それを後方から見ていた香奈美はこんなDV男の典型例みたいな行動をする薫と翔子にドン引きしていた。

そんな香奈美に薫が声をかける、香奈美は嫌な顔をする。薫は少し不服そうにしながら水葉は何処か訊ねる、香奈美はエスケープチームを助けに行ったと説明すると薫は溜め息をつきながら地下に行ってくると言う。

 

「え?行くんですか?」

 

「もう地下の戦いは終わっているが怪我してるだろうからな。兵助がすぐに動けるかも分からない」

 

「分かりました。気をつけてくださいね」

 

「私は残る。とりあえず気をつけてね」

 

翔子は涙目ながら薫を見送った。薫が見えなくなったところで香奈美は薫の事をどう思っているのか聞く、すると翔子は顔を赤くして答えた。

 

「憧れの…人…」

 

「マジ…ですか」

 

香奈美はなんとも言えず黙り込んでしまう。翔子は恥ずかしさからか次にするべき行動を述べる。皆を学園に連れて行く為莉子を呼んでくると言いパニックになりながら学園とは真反対のラックの家の方に走って行った。

呆れた香奈美は学園に向かって車椅子を進めるのだった。

 

 

姫乃 水葉(ヒメノ ミズハ)

能力/降霊術

黒狐を呼び出し一緒に戦う。

強さ/TIS重要幹部並み

 

第二十話「瞬殺」

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